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2014年4月23日

【東田剛】再燃する混合診療解禁論の愚かさ

From 東田剛&村上正泰教授@山形大学

————————————————————

●韓国大崩壊 ただ1つの理由
https://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8

————————————————————

今回は、例の「総理指示」について、山形大学の村上正泰教授にご投稿いただきま
した。

村上先生は、医療行政に詳しく、医療が新自由主義的な改革のターゲットとなって
きたことを厳しく批判されてきました。
『TPP 黒い条約』にも論考を寄せていらっしゃいます。是非、お読みくださ
い。

http://amzn.to/1aao2uo

もっとも、辛坊治郎氏によると 「今、TPP反対っていうのはよっぽどバカ」なのだそ
うです(最後の方で放言しています)。
http://www.youtube.com/watch?v=sKKqDslVI_M

ジョセフ・スティグリッツ教授をバカ扱いですか、まあ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38987?page=3

これ、全文、読む価値あります。

さて、話を戻して、今回の村上先生のご投稿は、実に興味深く、かつ重大な内容です
ので、是非、お読みいただくとともに、拡散していただければと存じます。

では、どうぞ。

<再燃する混合診療解禁論の愚かさ>

いわゆる「混合診療」問題が再燃しています。先日の経済財政諮問会議で、安倍首相
が混合診療の大幅拡充を検討するように指示を出したからです。何だか小泉政権時代
を彷彿とさせる光景ですね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16036_W4A410C1MM8000/?n_cid=TPRN0003

規制改革会議などに生息している「混合診療解禁派」は本当にしつこくて、最近では
「選択療養制度(仮称)」という新しい提案まで出しています。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140327/plc14032719230011-n1.htm

個々の患者が希望する診療について、個別に保険診療との併用を認めるなんて、実質
的に混合診療の全面解禁です。新しい名前で取り繕っているわけですが、こんな低次
元な議論は小泉政権時代の激論を経て、もはや完全に消え去っていたのに、最近、ま
たぞろ息を吹き返しています。ストーカー並みの粘着質です。

ところで、安倍首相は「困難な病気と闘う患者」のためであるかのような発言をして
いますが、難病患者団体の皆さんは「選択療養制度(仮称)」に反対を表明されてい
ます。

http://www.nanbyo.jp/appeal/140403yobo.pdf

なのに、なぜ「困難な病気と闘う患者」のためのようなことを言うのか、さっぱり理
解できません。しかも、皆さんも加入している健保組合、国民健康保険、協会けんぽ
といった保険者も反対しています。

http://www.kenporen.com/include/press/2014/20140404.pdf

医師会が「岩盤規制」の抵抗勢力であるように言われますが、そんなことはなくて、
混合診療解禁には、これだけ多くの人たちがこぞって反対しています。そのような状
況で、安倍首相は「大きく変える制度改革」に突き進もうとしているのです。一体何
のためなのでしょうか。

混合診療禁止とは、保険診療と保険外診療の併用が原則として禁止されているという
ことですが、すべて禁止されているのではなくて、保険外併用療養費制度という一定
のルールに基づいて、例外的に認められています。混合診療を全面解禁してしまう
と、有効性や安全性の確認できていない技術が広がる恐れがあります。それで不利益
を受けるのは国民です。いくら患者が希望するとしても、医療には「情報の非対称
性」があるので、患者は有効性・安全性を自己責任で判断できません。

技術はそれぞれ区別されるとしても、診療行為は不可分一体で提供されます。混合診
療を認めると、有効性や安全性の確認できない技術の拡散を公的医療保険制度で助
することになりますし、仮に副作用などが出た場合にも、その治療が公的医療保険制
度でカバーされることになり、公的医療保険の信頼性を損ねます。しかも、併用を認
めることで、むしろ公的医療費も増加します。これは、二木立氏によって「新自由主
義的医療改革のジレンマ」と呼ばれています。

最も本質的な問題は、混合診療を解禁することで、将来的に有効性や安全性が確認さ
れても、新技術がずっと保険外に据え置かれてしまい、所得によって受けられる医療
格差が拡大するという懸念です。そうなると、安倍首相自身もかつて潰瘍性大腸炎に
苦しみましたが、難病で仕事を継続できなくなっても、所得が高い人は画期的な新薬
を使って「再チャレンジ」できるのに、所得の低い人には、その道を閉ざすというの
でしょうか。公的医療費を私的医療費に転嫁させるだけでは、患者のためになりませ
ん。

こうした問題があるため、一定のルールの下で管理しながら、例外的に混合診療を認
めているのが現行制度です。もちろん現行制度にも運用上の問題はあるので、新規の
抗がん剤などを迅速に保険診療と併用できるよう、厚生労働省も運用上の改善を図っ
ています。規制改革会議でも、一定の要件を課す必要性を認めるような議論も出てい
ますが、そうであれば、「大きく変える」必要はなく、運用上の改善で済むはずで
す。

もし安倍首相のように、患者のためだと本当に言うのであれば、有効性や安全性の確
認できた技術は公的保険の対象にしなければなりません。患者さんにとって金銭的な
負担が重くなるのは、公的保険対象部分ではなく、高額な保険外の新技術の費用だか
らです。しかも、仮に成長戦略として位置づけるとしても、利用患者数が拡大するた
めには、保険収載する必要があります。保険給付外のままでは、患者の金銭的負担が
重く、利用患者数が限定され、経済効果も広がらないためです。その意味で、混合診
療解禁などではなく、必要かつ適切な診療は保険給付の対象にすることこそが、成長
戦略にもつながるのです。

しかし、規制改革会議の連中は、公的医療費を抑制するため、公的医療保険制度の給
付範囲を縮小すべきだと考えています。でないと、混合診療解禁という主張と公的医
療費抑制という主張を両立させることができません。しかし、それを明確に主張する
と批判が強くなるので、自分たちの正体を覆い隠して、患者の味方のように振る舞っ
ているだけなのです。
安倍首相は、混合診療を成長戦略として「投資家にアピール」するらしいのですが、
混合診療解禁は間違った政策であるだけでなく、成長戦略にすらならないのです。

(以上)

困難な病気と患者のために混合診療・・・。
「女性のために外国人労働者」「女性のために配偶者控除廃止」と同じやり口です
ね。
何というか、実に、いやらしいですな。
そういうの「ステルス作戦」っていうらしいですよ。
http://www.nikkei.com/article/DGKDASDC31003_T00C14A2EA1000/

というわけで、今回は、村上先生のご投稿のおかげで、才能が余ってしまいました
ので、無駄使いをば。

http://www.youtube.com/watch?v=OWl6bvSx0ME

歌:シブガ期待

浜田宏一 岩田規久男(リフレーション)
黒田東彦 バーナンキ(リフレーション)
原田野口に飯田砲(リフレーション)
竹中平蔵 みんなの党(リフレーション)
MBと物価は無相関
カネ刷りねぇ カネ刷りねぇ カネ刷りねぇ
虚偽 虚偽 虚偽 虚偽 虚偽 虚偽

安倍と木下 対立で(本買って)
ステージ変わった TPP(ポジショントーク)
偽装転向 コミンテルン(プロパガンダ)
私の師匠の 浜田先生(要出典)
デマと詭弁で金儲け
似非ケインジアン 似非ケインジアン 敵見えねぇ
詐欺 詐欺 詐欺 詐欺 詐欺 詐欺

PS
月刊三橋、最新号のテーマは、「雇用崩壊」。
もし、あなたが外国人労働者受け入れによる、
日本人の雇用と社会の変質を危ぶむなら、、、この最新号はとても重要です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8

<東田剛からのお知らせ>
今回は、質問コーナーだそうです。
http://chokumaga.com/author/124/

世の中、変だと思ったら、この本をどうぞ。
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