From _東田剛
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靖国参拝の件について、ASREADのサイトで、川端祐一郎氏が素晴らしい論考を書いていますので、是非、お読みください。
http://asread.info/archives/332
前回、安倍総理の靖国参拝が悪い結果をもたらす場合を四つ、例示しましたが、川端氏の論考を読んで、うかつにも、もう一つ、ありそうな重大な結果を見落としたことに気付きました。
それは
5)靖国参拝の意味が変わってしまう場合
です。
前回、申し上げましたが、靖国神社は「国家のために尊い命を捧げられた人々の御霊を慰め、その事績を永く後世に伝える」ための場所であり、英霊を慰めるとは「日本を守るために、よくぞ敵と戦ってくださいました。私も、日本を守るために戦う覚悟です」と誓うことです。
だから、我が国の領土である尖閣を狙っている「敵」である中国が、総理の靖国参拝に猛反発するのは、当たり前。
ところが、川端氏によれば、参拝に賛成する論者の間ですら、靖国参拝の意義を単なる「慰霊」「哀悼」「鎮魂」で済ましている傾向があるというのです。
確かに靖国神社を、単なる追悼施設と位置付けたり、あるいは「冥福を祈る」とか「世界平和を願う」場所にしたりしてしまえば、政治的な摩擦も少なくなるので、参拝しやすくなるだろうし、それに中韓米が反発する方がおかしいと反論しやすくもなるでしょう。
ですが、靖国は、そういう場所ではありません。
靖国参拝の意味を歪めてまで参拝して、それで英霊を慰められるわけがありません。参拝すりゃいいってもんじゃないでしょう。それでは、反発している中国の方が、靖国参拝の本当の意味を理解しているってことにすらなりかねない。これこそ、最悪のケースです。
もっとも、政治家が海外に対して説明する場合には、言い方に気をつかって、言葉を多少丸めざるを得ないという事情は勘案してもいいとは思いますが、でも、我々一般の日本国民は、あくまでも「靖国神社は単なる追悼施設ではなく、外国の反発を覚悟してでも参拝しなければならない特別な場所なんだ」としっかり認識しておくべきだと思います。
その意味で、総理談話の「本日、靖国神社に参拝し、国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げるとともに、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈りしました」
という箇所は、「ご冥福を」さえなければ、異論はありません。ポイントは「国のために戦い」と「尊崇の念を表し」です。
他方で、私は原理主義者じゃあないんで、前回申した政治家の「責任倫理」の観点から、総理の靖国参拝が国益を大きく損なう結果が起きる可能性が高いのなら、やむなく参拝しないという現実主義的な選択肢も十分ありだったと思います。現在、東アジア情勢が、冷戦終結以降最悪といっていいレベルにまで不安定化しているからです。
したがって、もし私が官房長官だったとして、12月26日の朝に総理から参拝を告げられたら、こう言って、止めてましたね。
「総理、お気持ちは十分に分かりますが、しかしながら、このタイミングでは、中国に軍拡の口実を与え、米国の不信を招くリスクがあるので、お控えくださいませんか。特に今日は、調べたところ、毛沢東生誕120周年の日だとかで、中国を刺激しすぎます。いずれ誰にも遠慮することなく靖国参拝できる国にすべく、今は、臥薪嘗胆、富国強兵に努める時と存じますので、なにとぞご辛抱ください。それから話は変わりますが、竹中平蔵はクビにすべきかと。」
でも、もし総理にこう返されたら、総理の判断に従ったと思います。
「確かに今日はまずいが、だが日を改めて参拝させてくれ。
君の言うリスクも分からないではないが、しかし、中国は、参拝の有無とは無関係に、機が熟したら、必ず尖閣を獲りに来るだろう。
そして米国には、参拝と関係なく、どうせ日本を守る気も力もないのだ。
ならば、いずれ自衛隊の諸君は、尖閣を守るべく、戦いに赴くことになる。
その際、一国の指導者が英霊を祀ることもできないようでは、自衛隊の士気にかかわるのではないか。
むしろ情勢が不穏な今だからこそ、私が参拝を決行してみせ、日本人の独立自尊の精神を取り戻すことが大事なのだ。
それと、話は変わるが、竹中はクビだ。」
他方、もし総理にこう言われたら、即刻、辞表を提出します。
「はあ?そんなリスク、ないない。TPPに参加するんだから、米国が中国から尖閣を守ってくれるに決まってるじゃん。もはや、国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました。バイ、マイ、ヘイゾーノミクス!」
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<東田剛からのお知らせ>
こちらも靖国がテーマです。
http://chokumaga.com/author/124/
【東田剛】もしも東田剛が官房長官だったらへの14件のコメント
2014年1月9日 4:46 PM
総理は声明の中で「過去への痛切な反省」という表現を使っていますが、これに問題があると感じた人はいないようですね。でもそれが「(自分が)過去に犯した重大な犯罪に対する痛切な自責の念」という意味だとしたらちょっと待てと思う人が多いと思います。英語版で読むとそういうニュアンスが強い、「severe remorse for the past」となっていて「河野談話と何も変わっちゃいねぇ」という印象が一層強くなります。詳しくは「これでは情報戦に勝てな」というタイトルのブログで説明しましたが、「being evermore mindful of the painful lessens of the past」といった穏当な表現になぜならなかったのか、大きな疑問が残ります。
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2014年1月9日 6:54 PM
まさにそのとおりです!参拝したことだけで、勝ち誇ってる奴が多すぎです!談話そのものは河野談話と何も変わっちゃいねぇ(;O;)参拝は右の機嫌をとるため、安倍談話は今までの左に傾いたまんまなんだから矛盾しすぎ(T_T)
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2014年1月11日 2:40 AM
>ではなく、合理性も理屈も欠いて同調圧力によって暴走した結果、半数以上を病死餓死させる非業の死を強いてしまった。申し訳ありませんでした。だからこれからは・・の方が しっくり来ます。いわゆる東京裁判史観ですね。(同調圧力によって)現場に引きずられたとかいろいろな愚策はあったでしょうが、精一杯頑張ったと思いますよ。林房雄がいうように日清日露はかろうじて敵前作業が間に合ったがいかんせん大東亜戦争の時は間に合わなかった(石原莞爾なんか頑張ったんですけどね)、とそういうことじゃないでしょうか。「合理性も理屈も欠いて同調圧力によって」というのは日本人の大きな欠陥だと思いますが、日本を不必要に挑発圧迫して窮鼠猫を噛む窮地に追い込んだのはアメリカです。マッカーサー、ウェデマイヤー、フーバー元大統領、マクマリー、ケナン等々アメリカ人自身が認めています。A級戦犯なるものはないし、あるとすればそれはチャーチル、ルーズベルト、スターリン、蒋介石、毛沢東などです。その意味でも首相の靖国参拝はだれにもはばかることはありません。台湾でもフィリピンでも(そしておそらく他の東南アジア諸国でも)こころある人は今でも「特攻隊」と聞くと文字通り泣いていますよ。東京裁判史観におかされて平和ボケしたわれわれ現代日本人はとても特攻隊員のような根性はないけれどせめて靖国に行って英霊に敬意を表しお礼くらいは言うべきでしょう。
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2014年1月12日 1:23 PM
竹中だけクビでいいんですか。三木谷とかもいるじゃないですか。そんな戯言は兎も角。真面目な箴言が受け入れられないなら職を辞して隠遁するというのは実にアジア的正しさに満ちていると思うのです。亡国の粟は食わず。
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2014年1月13日 4:49 AM
竹中の件は笑いましたけど靖国に参拝する意義という部分には疑問を感じました。慰霊・哀悼・鎮魂で良いのではないですか。個人的には、ありがとうございました、我々も頑張ります。ではなく、合理性も理屈も欠いて同調圧力によって暴走した結果、半数以上を病死餓死させる非業の死を強いてしまった。申し訳ありませんでした。だからこれからは・・の方が しっくり来ます。特攻隊は志願制だった、日本兵は上がアホで下は優秀だったんだ、とか醜い寝言抜かす自称保守の連中が、我々も頑張りますと言ったところで本当の意味の慰霊になるとは とてもじゃないが思えないんです。むしろ英霊に軽蔑される対象なんじゃないですかね、彼らは。外交的な意味では、東田先生が おっしゃることが正しいのでしょうけども。
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2014年1月14日 3:48 PM
靖国神社参拝は単なる慰霊・鎮魂ではなく、英霊への尊崇の念を表すことであるというのはその通りだと思いますが、それは海外の同様の施設でもそこに参拝するということはそれと同じような意味を持っています。>「靖国神社は単なる追悼施設ではなく、外国の反発を覚悟してでも参拝しなければならない特別な場所なんだ」としっかり認識しておくべきとのことですが、それは日本だけがそうだと言っているのでしょうか。諸外国も同じことをやっているのだから、それに対していちゃもんが付けられるのが普通であり、諸外国の国民もそういう覚悟で臨まなければならないとしたら、国際社会は混乱します。国際社会においてはみんながやっていることにいちいち反発しないというのがルールだと思いますし、たとえ敵対国同士でもそうだと思うのですが、日中関係だけは「そういうもんだ」で済まされるのでしょうか。もちろん現実として中国がいちゃもんをつけてくるのは容易に予想できるので、その意味で当たり前とおっしゃっているのかもしれませんが、本来の在り方として当たり前と言っているのであれば間違っていると思います。>このタイミングでは、中国に軍拡の口実を与え、米国の不信を招くリスクがあるので この辺の下りは東田さんの考えというわけではないのかもしれませんが、もしそうだとして、では、どのタイミングならいいのでしょうか。中国が軍拡をする可能性も米国の不信を招くリスクもこれらの国が存続する限り存在し続けます。 また、靖国神社参拝は国際的に認められるような軍拡の口実にはなりません。中国が勝手にいちゃもんをつけることはあるかもしれませんが、もし靖国参拝しなくても別のネタをひねり出してきていちゃもんをつけてくるでしょう。>いずれ誰にも遠慮することなく靖国参拝できる国にすべく、今は、臥薪嘗胆、富国強兵に努める時と存じますので、なにとぞご辛抱ください。 日本が富国強兵をやってからと言いますが、そのほうがよっぽど軍拡の口実になります。というか靖国参拝もできないのに富国強兵ができるのかどうか甚だ疑問です。 どうも東田さんは靖国神社参拝というものを功利主義的に捉えているように思われますが、本来的にはそういうものではないと思います。自衛隊の士気に与える影響とか誰それが反発するということは二の次の問題です。政治利用など本来はもってのほかです。私は安倍総理の参拝についてはその辺りを懸念していますが。まず英霊、すなわち過去に戦死された方々に対して尊崇の念を表すということが第一義です。
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2014年1月15日 3:28 PM
あ、いい忘れました。話は変わりますが、竹中は首、古賀は死刑でお願いします。
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2014年1月16日 1:05 AM
川端氏の論考読みましたが、ごもっとも、なるほどと思うこともありましたが、色々納得できないことも多かったです。二面性からの見方というのは、なるほどそうかもしれないですね。しかし川端氏はその二面を社会学にありがちな50/50に扱っていますが、実際はその二面は絶対に等価でも等量でもないはずです(特に学者や事務職的な心理とは違って『実際の』参拝している遺族やその子孫には、精神論とかではなく事実して)。これはあくまで推測なので違ったら申し訳ありませんが、川端氏は靖国を実際に参拝したことは(あまり)ないんだろうなあと感じました(あったとしても無意識な子供の時に親に連れられてとか取材や研究のため事務的にはあるのかもと)。更には、その二面性は日本国内にあるだけでなく、実際は日本の外側にも(単なる知識不足や誤解、日本に対する悪意や差別意識、政治的以前の低レベルの皮相な外交カード、リベラル系ジャーナリストにありがちなダブルスタンダードや欺瞞として)あるにもかかわらず、そちら側の二面性は論理展開の都合上意図的なのか、無視されているように見えます。更には、総理大臣には宗教、政治の二面で済ましていいかもしれませんが、日本人にとっては、実際は二面性ではなく三面性か、もう少し多面性があるのではないでしょうか?(戦没者追悼としての宗教的、政治的の二面性に加えて、司法論理と戦争裁判と既に死刑執行されたという事実の面、一般的神社宗教施設としての面、宗教さえ意識しない日常生活のすぐ側にある物理的場としての面)例えば、いわゆる『東京なんとか裁判』が仮に裁く側のいうように正当なら、刑執行後に政治とは別の司法論として再度騒ぐのはありなのかとか、例えば、戦没者以外で死者を奉るのに千鳥ヶ淵でいいなら、ディズニーランドや歌舞伎町のキャバクラや池田信夫家の墓にすればいいかというと、誰しも、ふざけるな、全く関係ないじゃん、ってなりますよね。例えば、日常生活で美しい場(京都御所とか)をもし破壊されたら京都人は怒りを感じますよね。そう言えば靖国神社に放火した韓国人の致命的暴挙のニュースやその前の中国人の起こした暴挙はなぜか全然騒がれませんでしたが。幾つかの多面性については実際に何度か靖国神社に意識的に『お参り』しないと理解できないのではとは思います。(なぜかイチャモンつけられがちな遊就館とかのことではなく、シンプルに例大祭や御霊祭りや初詣にそれなりの気持ちを込めて川端氏も、ぜひお越しを!、既によくお越しでしたら悪しからず)(*^o^*)/
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2014年1月16日 1:00 PM
竹中氏のくだりは電車の中だったのに、大きく吹いてしまいました。どうしてくれるんですか。さて、今回の記事を拝読するにつけ、やはり結果だけでなく動機も大切だと思えます。今までの安倍総理の言動からすれば、恐らく「そんなリスクないない」「バイヘイゾーノミクス」の方が近い気もしますが、、、
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2014年1月18日 11:49 AM
東田さんにはあまり興味ないかもしれないけどやしきたかじん氏が逝去されました。人間死ぬ前には「アホやなあいつ、あんな得にもならんことして。」とバカにされながらぼろぼろになって消えていく。おりこうさんよりずっと人間らしいと思うのは私が大阪の人間だからでしょうか。そのように日本を国民を利用するのではなく、生かして国をやっていく政治家はもう生まれないのかな。今の政治家はご自分の家族も愛してないのではないかな。一事が万事だからね。
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2014年1月20日 4:15 AM
こうゆうことか。・本日記事の前半で引用されていた川端祐一郎氏【京都大学大学院工学研究科】 博士後期課程に在籍。・藤井聡氏【京都大学大学院工学研究科】 教授。・中野剛志【京都大学大学院工学研究科】 藤井聡教授の研究室に出向。【東京大学教養学部】 卒業。・東田が大好きな震災ゴジラ著者の佐藤健志氏【東京大学教養学部】 卒業。
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2014年1月21日 6:36 AM
相変わらず他人の言論をつまみ食いして自分の妄想を補強していますな(東田スタイルに対する褒め言葉です)。東田でさえ靖国プロレスに参加してるところを見ると靖国の誘惑って強いんだね。まあ、小林よしのり氏や前原誠司氏も参加してるし。> 即刻、辞表を提出します。だろうね。ここで辞めちゃうのが東田スタイルだもの。さもありなん(こちらも東田スタイルに対する褒め言葉です)。今年も東田スタイルにワクワク期待しつつ応援しているので頑張って下さい^^ちなみに前半の主張はごく当たり前の視点なのでとくに異論は無いです。後半は妄想は・・・まぁいいんじゃないでしょうか。
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2014年1月22日 8:28 AM
まぁ、国民の大多数は賛成しているのが強みですね。問題はこのナショナリズムをうまくコントロールできればいいのですが、民意は暴走するときもありますからね。
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2014年1月22日 4:55 PM
もうそう崛起に懐疑の念を示すレジリエント&実践的な東田むそうなかりしや?
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