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2013年5月29日

【東田剛】シビアな現実

From 東田剛

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●来月の月刊三橋では、電力自由化やメガソーラービジネスに絡んだ、
とんでもない問題を取り上げました。
日本のインフラを使って、中国が、、、

http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_2013_05_toLP.php

※今月号のコンテンツは、「国土強靭化と公共事業の大問題」です
※来月号の配信は、6/12になります。

————————————————————

先週の続きです。

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/05/22/korekiyo-45/

安倍総理は、TPPを正当化するにあたり、価値観を共有する国々との連携は安全保障にもなると繰り返し、その価値観として「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」を挙げています。
第一次安倍内閣以来の「価値観外交」ってやつですな。

しかし、この価値観外交は、「勘違い外交」と言った方がいいでしょう。

そもそも、TPP交渉参加国には、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ヴェトナムなど、自由や民主主義の価値観を共有しない国々が入っています。特にシンガポールとブルネイは、TPPの原型であるP4のメンバーです。TPPは、初めから「価値観を共有する国々との連携」ではないのです。

また、冷戦期であれば、アメリカは、自由民主主義の価値観を共有する西側諸国の安全を保障してくれました。冷戦は、イデオロギーや価値観の対立だったからです。
しかし、日中間の対立は、自由民主主義を巡るものではありません。

中国は世界の共産化を企てて、日米が共有する自由民主主義を脅かそうとしているわけではなく、単に、尖閣諸島などの領土が欲しいだけです。アメリカが、自由民主主義の価値の共有を理由に、日本のために、中国と戦わなければならない理由は何もありません。

なんで価値観外交は、これほど勘違い外交になっているのでしょうか。

第一次安倍内閣当時のブッシュ政権は、イデオロギーや価値観を重視していました。そして、中東の民主化を企ててイラク戦争を始め、自国の国益を大いに損ないました。しかし、アメリカの外交が価値観重視だったので、第一次安倍内閣の価値観外交は、良好な日米関係を可能にしました。
これに対して、オバマ政権の外交路線は、ずっと現実主義的です。価値観よりも、地政学的あるいは経済学的利益を重視しており、それで中国に接近しているのです。子ブッシュに懲りたアメリカは、もう価値観外交にはうんざりなのです。

思うに、安倍政権は、第一次と第二次との間に、アメリカ外交が大きく変わったことをよく分かっていないのではないでしょうか。

米中接近の現実が見えない勘違い外交の矛盾は、色んなところに吹き出しています。

ご承知の通り、飯島参与の訪朝は、極秘のはずが、北朝鮮側からばらされ、アメリカ政府に事前連絡がなかったことが明らかになりました。私は、拉致問題は日本の単独行動もやむなしとは思いますが、結果的に、北朝鮮に一杯食わされた格好になりました。
飯島参与はもっと隠密に動けなかったのでしょうかねえ?例えば、ヅラをかぶって行くとか・・・。

しかし、より注目すべきは、米国務省が、北朝鮮特使の訪中について、中国から事前連絡があったことを明らかにしたということです。
これは寒い・・・。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130523/amr13052308310004-n1.htm

「中国を牽制する!」「中国包囲網!」とか言っていたら、日本の方が、アメリカから牽制され、米中に包囲されているわけ。
この勘違いぶり、自分の国の話じゃなかったら、大爆笑ものだな。

ここまで来ると、さすがの安倍政権も、米中結託の現実に気付かざるをえないでしょう。
そうなると、勘違い外交の産物であるTPP交渉で、安倍政権は、どういう方向に向かうのでしょうか。

おそらく、米中接近の現実に焦って、いっそうアメリカにすがりつきに行くんじゃないでしょうかね。
つまり、交渉で譲歩しまくるだろうということです。歴史認識でも、あっさり降りたくらいですからね。

でも、アメリカから、譲歩の見返りは何もないのです。

P.S
マスコミが言えない不都合な真実とは?
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_2013_05_toLP.php

P.P.S

中野剛志ホサ官、よっぽど、怒っているんだなあ。
http://amzn.to/10XzXGK

七人の怒れる男たち!
http://amzn.to/1aao2uo

P.P.P.S
東谷暁先生のアベノミクス解説、これはお薦め。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=205741&userflg=0

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【東田剛】シビアな現実への11件のコメント

  1. とおりすがり より

    安倍さんが本気で価値観外交を推進してるわけではなく、単に中国韓国に依存しすぎない国家を作ろうとしてるわけではないでしょうか?反日に傾く一方の中国韓国を見れば、それは間違ってるとは思えませんが。むしろ、中国韓国がやってる事は「当たり前」で、あれほどの反日国家に媚びる一部日本人(失礼ながら三橋さんも)の方がよほど病的に見えます。あんな戦争をやっておいて、「仲良くしたい。あわよくば金儲けをしたい」と考える方が、身勝手すぎるのでは?別に私は、「日本の誇りを守れ」なんて言うつもりはありません。慰安婦問題も南京問題の、好きなように言えばいいと思ってます。ですが、憎まれている相手に、無理して卑屈になるほど自虐的でもありません。要するに、中国韓国などほっとけばいいし、それで日本が貧しくなるならそれは戦争の自業自得というものでしょう。私は安倍さんを支持しますね。

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  2. momoka より

    実際 困ったことになってきたなぁ という感じです安倍さんは日本を取り戻すために戦ってると信じていましたが どうも方向がずれているのが 第3と第4の矢が発表されてはっきりしました これってヘイゾウミクスじゃん!認めたくはないけれど 安倍さんってど真ん中の新自由主義者だったのですね  はぁ。。 株も下がるはずだわEUでも アメリカでも 韓国でも はっきり失敗が宣告されてしまったグローバリズムというものに対して どうしてこんなに後追いをしていくのか。。もう参議院選挙で入れる党がないです

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  3. はっちゃん より

    ブッシュ大統領が価値観外交の結果イラクを侵略し、国益を大きく損ねたこと、オバマ政権は現実路線ゆえ全く方向が違い、アメリカは中国と仲良くすることを最有力の選択肢としていること。これって私には間違いなく事実に見えます。ここへ「価値観外交」とか言ってアメリカに擦り寄ったところで確かに「勘違いするな!」って言われるだけのような気がします。日本が自主防衛をし、アジアの軍事的安定を図る。私にはこの路線しか無いように今のところ見えます。このままアメリカの舎弟のように行けばその行き着く先は日本人(ニホンジンではなく)にとって幸福なものとはなりえない。そう思います。親米派の人はアメリカが日本の盟主足り得るとでも思っているんでしょうか?まさか安倍総理はそんな形の親米派じゃないことを願いたいです。当たり前の話ですが、日本人には日本人を変えることしかできません。これは個人の話でいつも痛感する話です。他人を変えることなんてできないんです。自分を変えることさえ大変です。しかし、他人の自分に対する態度や対応を変えることならできます。特に今のアメリカはあの中国と仲良くしようとするほどいいかげんというか柔軟です(ある意味アメリカン)。ですから今最大の難関は日本を敗戦国のままにしておこうとするアメリカの意思だと思います。テレビなど見ていてもアメリカ人が出てきては露骨に日本を敗戦国のままにしておくための議論に躍起になっているのを見かけます。このアメリカの意思は日本人が、日本政府の意思が変われば変えられるんじゃないでしょうか?「反・自由貿易論」めちゃめちゃ楽しみにしています。

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  4. タナカ より

    以前よりアメリカが中国に対しTPP参加を促してきましたが、中国もいよいよTPP参加の可能性について声明を発表しましたね。これが現実に起これば日本はかなりやばい状況に追い込まれると思うのですが、その可能性はどれほどのものでしょうか?東田先生に直接論じていただきたいです。

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  5. Masahiko Misu より

    自民党が参議院選挙で勝って、ますます構造改革、新自由主義、供給サイド重視の経済政策が推進されるのでしょうね。小泉改革の復活だとしか思えないアベノミクス。ヘイゾウノミクスと呼んでいいのではないでしょうか。もう財政再建が第4の矢として言われています。藤井聡教授は梯子を外されるのではないでしょうか。金融緩和と構造改革が推進された後の日本なんて、経済の素人ながら、悲惨な未来を予測してしまいます。デフレは解消せず、賃金は低下し、雇用は悪化し、物価は上がっていくような未来を予測してしまいます。安倍総理は愛国者なのでしょう。そして支援者も愛国者なのでしょう。安倍氏を批判すると、「保守の分断工作だ。」なんて言葉を何度か目にしました。ヘイゾウノミクスは日本の良い部分を毀損する政策だと思っています。日の丸を掲げながら日本解体を進めているのが安倍政権なのではないかと思います。だからこそ厄介なのだと思います。愛国心に根ざしていない民主党のような政権であれば、信用も無いし、警戒されるので思ったような政策がなかなか進まないのですが、安倍政権のような愛国心に根ざしているように見える政権は、あまり警戒されずに次々に迅速に政策を推進できるのではないかと思います。安倍氏の支援者を安倍信者などと言って揶揄しても、日の丸を背負っている人々の信念は揺るがないのでしょう。私自身も彼らの愛国心を疑っているわけではないですし。厄介な時代だと思います。東田さんが書かれている内容と関係のないことを書きまして失礼いたしました。

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  6. yosh より

    お疲れ様ですホサ官。はっきり言って、もういい加減アメリカに頼るのはやめた方がいいです。よく言われる保守や親米の中で、次のような意見があります。>アメリカの軍事力が必要>現実主義が必要>保守が結束することが必要これって本当ですかね?すぐに中国が攻めてくるんですかね?日本一国では尖閣などを守れないんですかね?絶対にアメリカが必要なんですかね?現実的に考えろったってみんな考えているわけです。その上で多数決と議会制民主主義で決まるのが政治です。保守が結束?安倍首相に付き従うのが結束?ちなみに自分も小泉元首相の時はこう思ってましたよ。「何か思惑がある」と。何もありませんでしたけど。このままだと確実にTPPは通されて日本は韓国化します。郵政の時も通るはずがないと思ってたんです。韓国のFTAでもそうですね。閣僚らもだいたい新自由主義者ですし、安倍首相もそうです。経済自虐史観が取れるにはもう少し時間が掛かると思いますが、完全に取れてて、さらにちゃんとした国家観がある議員がいるにも関わらず、安倍総理を盲目に支持する。日本人はまだまだ空気で動いていると言わざるを得ません。空気で世の中がよくなったことってあまり見ませんでしたが。ただ、ちゃんとした意見を言う人がでてきて、良くなったことなら山ほどあります。なんども言いますがアメリカに頼る構造にされているのです。すでに頼る状況ではないにも関わらずです。これ以上言うと日本国内にも関わらず、CIAやFBIがやってきそうなのでやめときます。あ、在日米軍の情報局がやってくる、の方がいいかな?強そうだしびびりそうですしね。

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  7. 民草 より

    横レスにて失礼いたします。アメリカをはじめとする諸外国に手足を押さえつけられている現状での多方面作戦(しかも全方面正面突破)を避けたいということではないでしょうか。まず打開できる問題、その時々で優先される課題を個別にひとつひとつ片付けていくなかで、そのために別な問題では諸外国に配慮し、紆余曲折しなければならない局面もあるでしょう。その一つとして「村山談話を大筋で踏襲する」という話があったのではないでしょうか。当然、できれば早急に片付けたい問題ではありますが、短期的には放置しておいても問題ありません。もちろん、村山談話の内容については「はらわたが煮えくり返る」思いであることは間違いありませんが。逆に村山談話を完全否定することになれば、「日本を悪者にしたい諸外国」からの反発が予想され、結果として他の問題についてもマイナスの影響があるため、他に優先すべき問題の障壁となるのなら「遺憾ではあるが、先送りも止むなし」ということではないでしょうか。もちろん正論で正面突破できればそれに越したことはありませんが、今の日本にそれができるか、もっと正確に言えば今のタイミングで諸外国(特に、第二次世界大戦における戦勝国)に喧嘩を売ることが国益に資するか、という話です。個人的には、歴史認識の問題などは中山成彬先生のように機会あるごとに堂々と主張して欲しいとは思いますが、国際社会の舞台で堂々と言っても文句を言わせない状態、例えば中央アジア・東南アジア諸国やアフリカ諸国の強力な支持を得るための根回しをするなどの準備を整えてからでもよいと思います。少なくとも現状の国連は戦勝国のサロンであるため、仮に理論武装し証拠を揃え、非の打ち所のない正論を吐いても袋叩きにあい、結果として国益を損なうのは得策でないと考えます。経済問題に話を戻しますが、TPPにおいても実質的にアメリカと日本の国益が直接対峙する構図であるため、前述したようにアメリカに配慮しながらも日本の国益は損なわない、玉虫色的な着地点を目指されていると仮定するならば、現状の運営にもいささか得心するところもあるのではないでしょうか。従いましてご質問の件に関しましては、これも仮定の推論となりますが、ここまで述べた一連の行動の結果(=運営)として「敵を欺くには、まず味方から」という現状になっているのではないかと愚考いたします。

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  8. 名無しの権兵衛 より

    私は東田さんの意見を支持します。最近の米中関係を見ていれば、「中国包囲網のためにTPPだ!」となるのは全く当てはまらないと思います。

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  9. arakawa より

    相変わらず鋭いですね。米中関係の現実を見ようとしない人が多すぎる、また、安倍さんの立場を慮るあまり、問題点を指摘できなくなっている人もかなり多い、アベノミクスを支持するあまり、他の問題点は目をつぶるというのがデフォルトになってしまっているようです。日本人は「おくゆかしさ」「他人の立場で考える」ことが好きです、しかし、外交でこれをやりすぎると、自らの手足を縛り、戦略の幅を狭めてしまうと思います。したたかにやる必要はありますが、現実は正確に見ないとまずいですよね。

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  10. 民草 より

    東田さんは理解されたうえであえて書かれているのかもしれませんが、「飯島参与の訪朝をアメリカは知っていたが、(訪朝を伝えていない)中韓露に配慮し、表向きは知らないこととした」という見方もあります。仮にその場合は、本稿の説得力を著しく欠いてしまいませんか。国内政治においてさえ表面の物事だけを追っていても核心をとらえることは困難です。そして、その国の人間が何かを発言したからといって、それがその国の意思を代弁しているとも言えず、立場や権力そして利害関係が複雑に絡み合う人間の集合体が国家であり、当然のことながら一枚岩ではありません。言葉どおりの意味だけではない、特定の目的を達成するために発言することもあるでしょう。ご指摘のアメリカをはじめとする諸外国にここまで手足を抑えられている現状は日本建国以来未経験の難事中の難事です。この現状にあって、いきなり日本だけが日本の国益を最優先に追求し、目標地点へと最短距離で突き進むことができるとお考えならば、きわめて漫画的と言わざるを得ないのではないかと愚考いたします。

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  11. 鈴木隆 より

    ども。辛口ですな^^; 仮に安部総理が東田氏の書いてあることを概ね了解していたとしてなお今のような運営をしているのは「何故か?」という仮定の質問は可能でしょうか?

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