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2013年5月1日

【東田剛】ガイアツ、キタ〜!

FROM 東田剛

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先週の記事のショックがまだ尾を引いている私ですが、珍しく明るい話題。

報道されたように、安倍首相が、閣僚の靖国参拝に対する中韓の批判に対して、「国のために尊い命を落とした尊いご英霊に対して、尊崇の念を表する、これは当たり前のこと」「わが閣僚においては、どんな脅かしにも屈しない、その自由を確保している」と述べました。
また、「国益を守る、わたしたちの誇りを守っていくのも、わたしの仕事だ」「国益を削って関係がうまくいくという考え方は、間違っている」とも述べました。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00244774.html

オラ、なんだかワクワクしてきたぞ。

というのも、中韓だけではなく、アメリカも、東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして非公式に懸念を伝えてきたからです。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130426/amr13042610220003-n1.htm

カ゛イアツ、キタ━━━ヽ(*_□`)ノ゛━━━ァ!!

以前、お伝えした通り、アメリカは米中協調・共存関係を目指しています。一応、日米同盟があるもんだから、日中がもめると、面倒なわけです。

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/04/03/korekiyo-38/

<関連記事>
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLNY5T6S972O01.html#

この件に関連して、かつて日本叩きで名を馳せたプレストウィッツ氏(経済戦略研究所所長)が、実に素晴らしい記事を書いています。
その後半部分を訳してみました。

http://prestowitz.foreignpolicy.com/posts/2013/04/24/no_more_yasukuni_visits_on_my_watch

「アメリカは、公式には靖国参拝を反対してこなかった。私的には、アメリカの外交官が良い考えではないと示唆したが、日本の外交官は、ワシントンは鼻をつまんで静かにしているだろうと確信することができた。
ワシントンが静かにしていられた理由の一つは、アメリカの一般国民が、靖国が何を意味するのかを知らないからだ。
もし知ったら、日米同盟はぶっ飛ぶ。
アメリカ国民が知るチャンスはいつでもあるので、ワシントンは鼻をつまむのをやめて、くしゃみをする(注)外圧という意味かな?)のが賢明だろう。
ホワイトハウスが、日本のTPP交渉参加を歓迎し、B2爆撃機を飛ばして北朝鮮を牽制し、中国には尖閣から退いていろと言い、韓国に日本との協力を促しているときに、日本の指導者が靖国に参拝するというのは、一言で言って−アホだ。
オバマ大統領は、安倍に、靖国参拝はこれ以上見たくないと言ってやるべきだ。」

一般のアメリカ国民が靖国の意味を知ったら、日米同盟がぶっ飛ぶんだそうです。
そんな日米同盟って、日米関係って、いったい何なのでしょうか?

安倍首相は、「価値観を共有する国々との連携は安全保障にもなる」とTPP交渉参加を正当化しました。
ですが、靖国に関して、日本は、中国だけでなくアメリカとも価値観を共有していません。
むしろ、米中が「第二次大戦の戦勝国」という価値観を共有しているのです。

だから、TPPやイラク戦争みたいに、何でも日米関係を理由にして、アメリカに従っていると、いずれ、「ご英霊に対して、尊崇の念を表する」ことも「わたしたちの誇りを守っていく」ことすらも、できなくなるのです。
TPP賛成は、突き詰めると、靖国否定につながっているのです。

靖国参拝にもTPP交渉参加にも賛成する連中には、それがまるで分かっていない。
その意味で、「TPP交渉に参加しながら、靖国に参拝するのはアホだ」というプレストウィッツ氏は、正しいのです。

アメリカが、公式に靖国参拝に抗議してきたら、こうした不都合な真実が表面化します。

そのとき、我が国は、「国益を削って関係がうまくいくという考え方は、間違っている」とアメリカの抗議を、毅然として、はね付けることができるでしょうか。

いくら毅然とするのが大好きな櫻井よしこ先生でも、それは、とても無理でしょう。
でも、もし安倍首相にそれができたら、その日こそが「主権回復記念日」です。

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【東田剛】ガイアツ、キタ〜!への9件のコメント

  1. 伊藤修 より

    米国での靖國にあたるアーリントンTPPなんか関係ないよ向こうにとっちゃ問題は米に行くなと言われたらどうなるか、靖國に行く覚悟があるかどうか多分行けないね

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  2. nanashi より

    東田さんは、>TPP賛成は、突き詰めると、靖国否定につながっているのです。と言っていますが、それは靖国は悪しき軍国主義だからTPPの精神に反するというプレストウィッツの言う意味でではないでしょう。そうではなく、TPPは靖国(良き日本の伝統精神)と相反するという意味で「靖国否定につながっている」と言いたいのでしょう。同じ矛盾でも、東田さんが認識するTPP、靖国賛成派の矛盾と、プレストウィッツの指摘する矛盾では内容(意味合い)が全然違うから、TPP、靖国賛成派の矛盾を突くのに、プレストウィッツの主張を援用するのは適切ではないと言うのです。東田さんの靖国観からすればむしろ、プレストウィッツの靖国認識は間違っている、だからTPPと靖国は矛盾するという彼の主張は間違っていると言わねばならない。ということで、>ブレストさんとTPP靖国賛成者の意見が食い違っている事によって、アメリカとうまくいかなくなるから、TPP靖国賛成者はアホだって事じゃないですか?は、東田さんの趣旨とはちょっと違うように思います。これだと、アメリカ(プレスト)の靖国反対に毅然としてノーと言わずに卑屈に追従すべきだということになりますが、これが東田さんの真意なんでしょうか。東田さんがTPP反対靖国賛成ならむしろその(アメリカ追随の)逆であるべきでしょう。

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  3. GKH より

    前回の麻生発言に関するエントリーは、一次ソースを自分で調べることの大切さや、マスメディアの切り貼りの手口を示唆する文章でしたが、今回は視点を変えた思索の重要性について考えさせらられますね。本当に勉強になります。さて、国益を考える上で、「全国民にとって共通利益に」という観点と、「利益と損失を比較してどちらが大きいか」というバランス2つの観点があります。我が国は死んだら靖国で祀られることを約束したうえで兵士を戦場に送ったのですから、靖国参拝は、国と国民との契約という共同体の根幹を支える原則の問題、即ち前者の観点で判断されるべきです。一方、日米安保やTPPにはそれぞれにメリットとデメリットがあり、トータルバランスを見た上で何を取るかという問題ですから、まずは後者の観点で評価し、さらに外交・内政含めた外部環境の変化との関連や影響を考慮したうえで意思決定すべきものと思います。従って、「TPP交渉に参加しながら、靖国に参拝するのはアホだ」というバッシングは、原則の問題とトータルバランスの問題を意図的に混同させる詭弁と言えます。読者に「国益とは何か」を考えさせるにはとても良いテーマですね。

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  4. nanashi より

    >・・・?こういうことなんじゃないでしょうか。アメリカ人にとって、オバマがTPPを推進しながらアーリントン墓地に参拝してもおかしくないように、日本人にとっても、安倍さんがTPPに賛成しながら靖国に参拝してもおかしくない。これが、「靖国参拝にもTPP交渉参加にも賛成する連中」のスタンス。つまり、彼らにとって靖国参拝とTPPは矛盾しない。しかし、プレストウィッツはTPPと靖国(軍国主義)は相矛盾すると言っている。プレストウィッツが正しいというなら、靖国は軍国主義だということになる。ごうださんもその立場ですか。

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  5. ごうだたけし より

    nanasiさん>プレストウィッツは、TPPはいい(日本に有利な)こと、靖国参拝は悪い(日本に不利な)ことという意味でアホと言っている。しかし「靖国参拝にもTPP交渉参加にも賛成する連中」は両方いいことと考えているので、「プレストウィッツ氏は、正しいのです」とはならないでしょう。・・・?

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  6. より

    ブレストさんとTPP靖国賛成者の意見が食い違っている事によって、アメリカとうまくいかなくなるから、TPP靖国賛成者はアホだって事じゃないですか?ブレストさんと同じ意見ならアメリカと衝突は起こらないから、アホじゃなくなるわけですよね?

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  7. はっちゃん より

    「日本国防衛論」やっと読了しました。将来に対する厳しい予測を読んだにもかかわらずこの充実感。それは誇張や誘導、隠蔽を感じず、真正面から全く納得して学ぶことができたからこそだと思います。知らずになんとなく将来を心配するより、またむやみに楽観するより、まず本当のところを知ることって大事なんだろうと思いました。「ガイアツ」・・カタカナで書かれたこの言葉、見て真っ先に思い出すのはアメリカの通商代表部の偉いさん(カトラーって人だったかな?)に「日本がTPPに入るようガイアツをかけてくださいっ」って頼みにいった日本の官僚OBの件です。この精神性って・・ というわけで「官僚の反逆」では序章の段階で絶句しました。ところで「価値観を共有する国々」ってちょっと考えたらとてもいい加減な言い方だと思います。「アメリカは中国とは違って日本と価値観共有できる国だからな。」なんて聞こえますが、当のアメリカは中国と仲良くしようとしていて、靖国の問題では中国と価値観共有していて日本にガイアツかけようとしているんですからね。

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  8. nanashi より

    >靖国参拝にもTPP交渉参加にも賛成する連中には、それがまるで分かっていない。その意味で、「TPP交渉に参加しながら、靖国に参拝するのはアホだ」というプレストウィッツ氏は、正しいのです。プレストウィッツは、TPPはいい(日本に有利な)こと、靖国参拝は悪い(日本に不利な)ことという意味でアホと言っている。しかし「靖国参拝にもTPP交渉参加にも賛成する連中」は両方いいことと考えているので、「プレストウィッツ氏は、正しいのです」とはならないでしょう。>でも、もし安倍首相にそれ[アメリカの靖国抗議を毅然としてはねつけること]ができたら、その日こそが「主権回復記念日」です。安倍さんの心積もりは知らないが、今のところ米に首根っこを押さえつけられている状態だから毅然としてはねつけるのはなかなか難しいでしょう。アベノミクスでさえ米の手の内のようだし。

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  9. しろくろ より

    ブッシュ大統領は靖国に参拝したいと言っていたそうで、アメリカも意味合いは知っているんじゃないでしょうか?日本にはアーリントン墓地に相当するものが無いとは、常識的に思っていないと思いますが…

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