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2013年2月20日

【東田剛】でました〜、「マスト」!

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FROM 東田剛

実践ビジネス英語の時間です。

今週は、オバマ大統領の今年の一般教書演説から、ビジネスに役に立つ英語表現を学んでみましょう。

http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2013/02/12/remarks-president-state-union-address

さて、今、話題のTPPについては、何と言っているでしょうか。
たったこれだけです。

「アメリカの輸出を加速し、アメリカの雇用を支え、成長するアジア市場での公平な競争条件(level the playing field)を確保するため、我々は、TPPの交渉を終結させるつもりだ。」

世界不況の中でアメリカの輸出を加速して雇用を支えるということは、言うまでもなく、他国の雇用を奪ってアメリカのものとするということです。
また、「公平な競争条件を確保する」というのは、言い方は綺麗ですが、これはアメリカ企業に有利なルールを他国に押しつけるのを正当化する際のお決まりの台詞です。
覚えておくと、役に立ちますよ。

オバマがTPPで目指しているのは、互恵的な自由貿易ではありません。それどころか、他国の市場を奪って自国の利益を増やすために輸出を促進するというのは、自由貿易論の父祖アダム・スミスが批判した重商主義の考え方です。
実際、一般教書演説中「自由貿易」という言葉は、一回も出てきません。

環太平洋の新たな自由貿易のルール作りなどという、日本のTPP推進論者たちが主張するTPPの壮大な意義は、彼らの一方的な思い込みに過ぎないのです。

まして日米同盟の強化とか、中国包囲網とかいった話は、どこにも出てきません。ニュアンスすらもない。
それどころか、一般教書演説中「日本」が出てくるのは、この部分だけです。

我々の最優先課題はアメリカを新規雇用と製造業を引きつける磁場とすることだ。我が国の製造業は、十年以上にわたって雇用を流出させた後に、過去三年間で五十万人の雇用を創造した。キャタピラー社は日本から雇用を取り戻している。フォード社はメキシコから雇用を取り戻している。そして今年は、アップル社が再びアメリカでマックを製造し始めるだろう(拍手)。」

オバマ大統領は、建機大手のキャタピラー社が、日本企業のシェアを奪って雇用を奪還したことを、自分の成果として誇らしげに語り、「(拍手)」をもらっているわけですね。

ところで、キャタピラー社に雇用を奪われている日本企業というのは、もちろん、コマツです。

そのコマツの坂根正弘会長は、産業競争力会議のメンバーで、熱心なTPP推進論者です。
坂根会長は、2月8日に外国特派員協会での講演で、次のように発言したと報じられています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL080LP_Y3A200C1000000/

「環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては「産業競争力会議では、参加しない前提で意見を言うつもりはない。(不参加は)まったくの論外」と強調した。「ポテンシャルはアジアにあり、アジア経済の発展には政治の安定がマスト(必須)」とし、米国が入らない仕組みでは「アジア政治の安定はない」との見方を示した。」

でました〜、「マスト」!
今年の流行語大賞確定です。

さすがグローバルな坂根会長ですなあ。
きっと、アメリカで講演しても通用しますよ。
こんな風に・・・

「産業競争力会議では、参加しない前提で意見を言うつもりはない。(不参加は)まったくの論外(拍手)」

PS
『言志』の購読はマスト
http://www.genshi-net.com/

PPS
東田剛さんの愛読書『日本思想史新論:プラグマティズムからナショナリズムへ』が第六刷、今年の新書大賞第16位にランクインしました。
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PPPS
中野剛志ホサ官が、朝日カルチャーセンターで講座をやります。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=191787&userflg=0

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【東田剛】でました〜、「マスト」!への3件のコメント

  1. 海外助教 より

    たぶん、”must”と”mast”を掛けてるんですよ。”Show the flag on the mast!”って。「私たちはアメリカ(的な何か)の味方ですよ〜」って。白旗掲げてどうするんだって感じですけどね。白地に赤い”日の丸”が抜けてるんですよ。「国家」感が無い。もっとも、その反動として「日本人は素晴らしい、必ず勝てる」も単なるマッチョイズムに陥らないように気をつける必要がありますね。強い企業のリーダーは嵌りやすいのかもしれませんが。「何を守るべきか、どうやって守るか」をハッキリさせなくては。大変な時代を迎えて、正しい国家感と戦略を身に付けていきたいものです。

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  2. 米谷隆 より

    コマツは近年の中国の需要拡大により、業績をV字回復した会社です。坂根会長はその成功体験から、今後も新興国市場でキャタピラー社と伍していく自信を持っていると推測されます。しかしながら、TPPの本質が「アメリカ企業に有利なルールの押しつけ」であるとするならば、それは自信ではなく過信だということでしょうか。

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  3. Yuriya Kaito より

    アダム・スミスの『国富論』読んでみたいと感じました。コマツの会長って、底抜けのバカか、米国のエージェントですね。貢ぎ物、おみやげって何ですか。宗主国に朝貢しているってことじゃないですか。恥だなー。

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