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2013年1月23日

【東田剛】ヘイゾウノミクス

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FROM 東田剛

安倍政権の経済政策の司令塔「経済財政諮問会議」「産業競争力会議」「規制改革会議」は、考えられうる限り、最悪といってよいメンバーがそろいました。
全員、新自由主義者・構造改革論者です。

もちろん、いろんな意見があっていいとは思いますよ。でも、全員、構造改革論者にすることはないでしょう。

政府内で明確に一線を画しているのは、麻生太郎財務大臣と藤井聡内閣官房参与(と役立たずの中野剛志ホサ官)だけではないでしょうか。

例えば産業競争力会議の坂根正弘コマツ会長の談。これが凄い。
http://jp.reuters.com/article/jpTrade/idJPTYE90F06520130116

「供給サイドの合理化には一時的な雇用の痛みを伴うが、「問題を先送りしていたら解決できない」と語った。」
強者を一層強くする方が国全体として強くなれるとの認識に転換すべきとの考えを示した。」

これは、典型的なトリクルダウン理論です。

リーマン・ショック後は、こんなこと、アメリカの金持ちだって、公の場で大きな声では言いませんよ。

さらに、産業競争力を強化するために公的資金を使うことについては「強い者を強くするためならいいが、弱者救済は絶対避けるべき」だと言うのですが、強い者を強くするのに公的資金を使うなんて、狂っています。

また、坂根会長はドイツを参考にしたいのだそうですが、ドイツって、こういう国ですよ。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2012/10/24/korekiyo-14/

しかも、こんな人までいる国です。
http://img04.ti-da.net/usr/samura001/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%A0%EF%BC%91.jpg

挙げ句の果てには、「TPPを横に置いて日本の産業競争力強化の議論をする気はない」のだそうです。
じゃあ、気が済むように、TPPを横に置いて、黙っていろよ。経世済民の思想がない奴には、国家経済政策を論じる資格はないんだから。

どうも世間には何か大きな誤解があるようですが、そもそも、企業で儲けるのがうまい金持ちが、国民を豊かにする方法を知っているというわけではありません。
しかも、産業競争力会議に集まったのは、長期のデフレの中で相対的に勝ち組になった企業のトップばかりです。
そんな彼らの意見を聞いて、デフレから脱却できるわけがない。

で、坂根会長は、どうやってデフレを脱却するのかと言えば、日銀の金融緩和でやるのだと言っています。

金融政策と言えば、イェール大学名誉教授の浜田宏一内閣官房参与ですが、その浜田先生のインタビュー記事がこれ。
http://toyokeizai.net/articles/-/12561?page=3

その発言を抜粋すると、
「日本は現在のような財政危機の中、大盤振る舞いの補正予算などを組んで、将来の大増税につながらないかを心配している」
「日本経済を強くするためには政府の介入より、竹中教授が言うように構造改革でやったほうがいい」
「産業政策では、竹中教授の唱えるアイデアを導入すべき」

結局、浜田先生の理論は、マクロは金融政策だけ、ミクロは市場原理主義という、基本的に、フリードマン流の新自由主義なんですね。
あのリーマン・ショックを引き起こした経済理論です。
この理論は、リーマン・ショック後、アメリカでもずいぶんと反省されているようですが、もしかして、浜田先生、いたたまれなくなって日本に帰ってきたとか。

<参考>
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2012/10/10/korekiyo-12/

ここまでやられると、もはや、安倍政権の路線は、構造改革路線だと言って差し支えないですね。
違うのは、公共投資だけです。

しかし、安倍政権叩きの機会をうかがうマスコミは、すでに公共投資に狙いを定めています。
よって、内閣支持率が下がりだしたら、安倍政権が、政権浮揚のために最初に切るのは、公共投資でしょう。
次に、規制改革会議が公開で行われて、抵抗勢力叩きの劇場が演出されるのでしょうなあ。
これで、アベノミクスは、ヘイゾウノミクスになります。

 

念のため、1月22日に出された政府・日銀の共同声明の本文を見てみましょう。

http://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20130122.pdf

3.の政府の役割に、「機動的なマクロ経済運営」という文言以外に、財政出動に積極的な文言が一切ありません。
いや、「機動的」ですから、公共投資を減らすのも機動的にやるということでしょう。
むしろ、財政運営の信認について、釘が刺されています。
その一方で、経済構造の変革とか規制改革とか、競争力とか成長力ということばかり書いてあります。

もうすでに、三本の矢のうち、二本しか見えなくなっているじゃないですか。
まさにヘイゾウノミクス!

あ〜あ、世界で最初にグローバリズムや新自由主義から決別して、あるべき新たな資本主義の範を示す国になる絶好の(下手すると最後の)機会だったのに・・・。三橋貴明さんも藤井聡先生も、当分、休ませてもらえませんなあ。
おい、中野ホサ官、お前も少しは働けよ!

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【東田剛】ヘイゾウノミクスへの8件のコメント

  1. 名は無くとも より

    このままだと・・・チーン_   ですね。まあ東田先生の予想通りでした。先生の書籍や論文やメルマガ等々を、ずっと読んでいたので既に免疫は出来上がっています。でもやっぱり失望はしますね。しかし、その反動は既に始まってます。私の田舎では昭和からのコアな支援者たちが、既に水面下では自民党を見限り始めています。(60代〜70代を除く)今回は失望というより怒りに近い感じです。今後自民党はさらに風頼みになるでしょう。だから大衆受けする事を派手に大袈裟にヨゼフゲッペルス並みにやるんでしょうね〜。そして最後にボロボロになるんでしょうね。さて失望と怒りから自民離れする方々・・・・一体誰が受け皿になるのやら・・・タモカミ新党!?

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  2. 【政治】 正社員の解雇規制、緩和を検討 安倍首相「雇用支援策を雇用維持型から労働移動支援型へシフトさせる」…産業競争力会議 | 2chまとめMAX より

    […] ゾウノミクス安倍政権の経済政策の司令塔「経済財政諮問会議」「産業競争力会議」 「規制改革会議」は、全員、新自由主義者・構造改革論者 http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/01/23/korekiyo-27/ […]

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  3. 相馬康夫 より

    下記ウィキペディアで読んでいましたら、円高国益論その他で三橋さんの思想?と一部違うように思われる記述があるようです。このウィキペディアはご本人が記述したものでしょうか?三橋さんに目を通して欲しいと思います。私の思い違いでしたらご容赦下さい。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%A9%8B%E8%B2%B4%E6%98%8E

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  4. ミクタ13 より

    坂根正弘コマツ会長。この人昨日TVで構造改革者が好む「痛みを伴って、成長した」って言いまくってましたよ。

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  5. 西尾幸治 より

    中・・・いや東田先生と全く同感です。安倍政権は選挙時の勇ましさが影を潜め、間違った方向がいかにも安全運転かのように錯覚し、進んでいるように見えてなりません。今の日本の保守陣営の多くに、少なくとも以下の弱点があると思います。『自分達は日本国を想い、国益の為に正しい道を照らし続ける正義である。という甘え』そして『この正しさを正々堂々と主張し続ければ、きっといつか皆に伝わるだろう。という根拠のない希望』さらに致命的なのが『身体に染み付いてしまったお利口さん的な思考回路』歴史上、武力を背景としないお利口さん達が、利己的で狡猾な不道徳集団に勝利した例などあるのでしょうか?家庭内での道徳など、盗賊にとっては何の意味もなしません。むしろ道徳的な集団ほど、悪人にとっては良いカモでしょう。保守陣営が売国勢力に勝利する唯一の方法は、批判や抵抗には目もくれず、毅然とした態度を示し続ける事しかないでしょう。そこに売国勢力に対する配慮や思いやりは必要ありません。情緒的な日本国民は、その内容よりも、必死の覚悟にこそ惹き付られるのではないでしょうか。安倍総理には売国勢力に迎合した安全運転ではなく、日本国民の魂に訴える様な政権運営を期待します。

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  6. 米谷隆 より

    個人レベルで富裕層を優遇しても、トリクルダウンは起きないでしょう。でも、コマツの業績が良くなれば、企業城下町である石川県小松市は確実に潤います。たぶん、ロイターの記者が、ゴリゴリの新自由主義者なんだと思いますよ。

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  7. bolero より

    青山繁晴さんも何週か前のスーパーニュースアンカーで「本当は違うのに、これでは小泉・竹中改革の焼き直しに見えてしまう」と仰っていました。先程のアンカーでも「金融緩和と財政出動をやるのは当然だが産業競争力会議については非常に懸念している。勝ち組ばかりがメンバーに選ばれている。中にはリストラ成功したことを意気揚々と話す人もいる。リストラされた側にも優秀な人材が必ずいるのだから、勝ち組ばかりの言うことを聞くのではなく安倍さんがリーダーシップを発揮して流されないようにしてほしい。」という主旨の発言をされていました。その通りだと思います。なぜこのようなひどい人選になったのでしょうか(-_-;)ストッパーになりそうな人は麻生財務大臣と藤井内閣官房参与と中野ホサ官だけですか…何年か前の西部ゼミナールで稲田朋美さんも小泉チルドレンでありながら新自由主義路線を厳しく批判していましたよ。あと古屋さんも郵政民営化に反対して一度離党されてますよね?う〜ん、やっぱりストッパーになるには弱いですね。二本目の矢がショボくなって三本目の矢が新自由主義トラップで逆向きに発射!なんて最悪だ(ToT)なんとかヘイゾウノミクスを阻止しなければ!!なかなか簡単には行きませんね

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  8. かずまき より

    もし現代の日本人が欲するなら、「経世済民」を旨とする政治経済制度を運営する充実した大人の社会を見いだすことは可能だと思います。問題の本質は制度にあるのでなく、社会を構成する人の価値観にあります。自分がよって立つ社会(国家)の在り方について、一定の役割を果たせることを知り、自ら責任を負うべく生まれてきた少数の人間がいます。その方たちに期待しています。生き残るためには成長と改革の競争から逃れられないという幻想から現代人を解放してください。収奪しない資本主義経済が可能だと思います。競争原理を動機としない資本主義経済が可能だと思います。進歩、発展、成長し続けなくても安定した資本主義経済が可能だと思います。※インフレとしての名目成長は必要

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