政治

2016年6月3日

【三橋貴明】財務省がこの国をだめにしてきた

From 三橋貴明@ブログ

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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17年4月の消費税再増税が延期され、財政出動が拡大される(可能性が高まった)という「正しい判断」の波紋が広がっています。

 早速、毎日新聞が「財政さらに悪化 巨額債務の削減困難」と、「嘘の財政破綻論」に基づく頭の悪い記事を報じています。また、榊原経団連会長は、
「経済成長とデフレ脱却が最優先だ」
「停滞打開に向け、政府に財政出動を含めた経済政策を働き掛けていく」
 と、ええっ!となってしまうほどにまともな発言をするなど、「6月1日以降」が始まりました。

 産経新聞が、今回の「6月1日」の舞台裏を報じていましたので、ご紹介。

『【再延期の波紋(上)】「戦力外通告」の財務省、最後まで蚊帳の外 増税の「誤ち」認めず官邸が不信感
http://www.sankei.com/premium/news/160602/prm1606020004-n1.html
「財務省がこの国をだめにしてきた」
 ある政府高官は最近、かつては「最強」と呼ばれた官庁をこう切り捨てた。
 優れた政策立案能力と永田町の隅々にまで築き上げた情報網を恐れられ、時の政権ですら直接対峙することを避けてきた財務省。しかし、平成24年に第2次安倍晋三政権が発足して以降は、重要な政策決定の過程で蚊帳の外に置かれる場面が目立つ。今回の消費税増税の再延期議論でも、為す術なく、首相の決断を受け入れるしかなかった。
 財務省は、首相が増税再延期の本格検討に入ってからも、「予定通りに消費税率を10%引き上げなければ財源不足が生じ、社会保障の充実策は難しい」と官邸サイドに訴えていた。
 だが、約3年半のアベノミクス効果で税収は国と地方で計約21兆円増えている。各報道機関の世論調査でも、再増税反対が一貫して過半を占めていた。夏に参院選を控えた政権にとって増税が逆風なのは明白だ。官邸は財務省に増税再延期を想定した財源確保の検討を指示したが、増税を悲願とする財務省は「アベノミクスによる税収増は財源にならないと繰り返すだけだった」(首相周辺)。
 官邸サイドには日に日に財務省への不信感が募っていった。そもそも、デフレ脱却の成否を左右する個人消費は、26年4月の消費税率5%から8%への引き上げ以降、低迷が続く。8%への増税による消費低迷は一時的だとした財務省は完全に見通しを誤っていた。(後略)』

 後略部で産経新聞が面白いことを書いているのですが、

『麻生太郎財務相は5月、首相に「3度目の失敗は許されない」と進言。9年の消費税率3%から5%に引き上げ、26年の5%から8%への増税後、ともに経済が失速したのを踏まえ、増税回避を首相に示唆している。表向き、麻生氏が増税を主張し続けたのは「財務省職員への配慮」(官邸関係者)にほかならない。』
 とのことでございます。
 本当かいな? と、思ってしまったわけですが、近い将来、お会いする機会もあるでしょうから、ご本人に直接聞いてみたいと思います。

 麻生財務大臣の進言通り、日本国をデフレに叩き込んだのは、97年(平成9年)の橋本政権の消費増税強行でした。

 週刊アサヒ芸能の連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」で書いているのですが、財務省は大蔵省時代から主流派経済学的、新自由主義的な「財政均衡主義」に固執し、大蔵省が財務省に変わった際に、財務省設置法に「任務(略)健全な財政の確保」を突っ込みました。

 財務省は、中央省庁等改革基本法を根拠法として、2001年1月6日に大蔵省が改編される形で発足しました。中央省庁等改革基本法は、1997年12月3日の行政改革会議の最終報告の趣旨に則り、制定されたものになります。

 行政改革会議は、1996年11月21日から98年6月30日まで総理府に設置された会議です。目的は、ずばり中央省庁再編です。行政改革会議の資料を見ると、97年5月14日、21日に大蔵省が提出した資料の中に、以下の記述がありました。

『(1)財政構造改革 財政構造の改革は、行政のスリム化・効率化を推進するという観点では、行政改革と方向性を同じくするものと考える。現在、我が国財政は主要先進国中最悪といえる状況となっており、高齢化社会の下で現在の財政構造を放置し、財政赤字の拡大を招けば、国民経済自体の破綻を招く可能性が高い。
 今後の高齢化の一層の進展を見据え、21世紀の活力ある豊かな国民生活を実現するとともに、次世代に対する責任を果たすために、財政健全化目標を定めるとともに、徹底した歳出全体の見直しを行うなど、財政構造改革を強力に推進しているところである。』

 何のことはない。財務省設置法の財務省の任務に「健全な財政の確保」を追加するべく働きかけたのは、大蔵省自身なのです。当時の大蔵省は、橋本政権が推進する行政改革を「利用」し、新生財務省の任務に「財政健全化」を加えたのです。

 彼ら、アメリカで主流派経済学の「財政均衡主義」の教育を受けた大蔵官僚たちが、武村正義に代表されるポピュリズム的な「公共事業否定派」と連携し、我が国に存在しない財政破綻論が広まっていきます。ちなみに、武村正義(当時は大蔵大臣)が中央公論に、
「このままでは国が滅ぶ−私の財政再建論−」
 なる刺激的なタイトルの寄稿をしたのは、1996年のことです。その前年、95年11月国会において、武村正義は大蔵大臣として「財政破綻宣言」をしています。

 日本で急速に「財政破綻論」が広まっていきます。

 最終的には、97年の消費税増税、公共投資削減というバブル崩壊後には決してやってはならない緊縮財政が強行され、我が国はデフレに突っ込みました。

 今回の「6月1日」を切っ掛けに、「財務省がこの国をだめにしてきた」という真実が国民に広まるか、否か。これが、今後の我が国の行く末に決定的な影響を与えることになります。

 それにしても、産経新聞は上記の記事を書いた結果、財政研究会(財務省の記者クラブ)からパージされたりはしないのでしょうか。財務省は「財政研究会」という記者クラブを活用し、マスコミに対する影響力を確保しているのです。
 産経新聞がパージされたら、それはそれで「財務省がこの国をだめにしてきた」という話の信ぴょう性が高まることになりますが、いずれにせよ注目してみたいと思います。

ーーー発行者よりーーー

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
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【三橋貴明】財務省がこの国をだめにしてきたへの11件のコメント

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  2. 學天測 より

    だから、その近代的な統治機構の前提を全く理解してない質問の前提が間違ってるとこれだけ丁寧にいってるんですよ。前提が間違ってるから対話も議論も成立しない。貴方のそれは口を使った暴力だからね。それでもいうなら貴方は信に文明にそぐわない野蛮な嘘つきだと言う事。

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  3. 吹田のおやじ より

    質問です、貴方は次の総理は誰だったら良いんですか、実証事実的に誰だったらいいのでしょうか。良かったら御教授願いたい。

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  4. 學天測 より

    日本にとって中国って古代からかけがえの無い国だと思うのです。なぜなら古代に嘘は駄目だと真摯に説く人が出現し、本当かどうか知りませんが鹿を馬と言う嘘を言ったら始皇帝とすら言われる大皇帝が苦難の末、作り上げた大帝国があっというまに崩壊した。そりゃそうでしょう嘘が蔓延れば真実が見えない。真実を見なければ的確な対処も出来ない。どんな個人も巨大な国家も嘘を放置する事で確実に滅びるのは当たり前ですよ。兵法は兵は詭道也とはいいますが、それはあくまで手段としての嘘であって、目的はおそらく道つまり真実真理とうかホーリーの追求の為の二律背反ですかね?世は不完全な人間がいて、常に矛盾をはらみながら前に進む。まあ、そんな国家、組織運営の教訓を伝え続けてくれる反面教師として中国は今も重要な国ですね。嘘を良しとして組織の言論空間の破壊を放置すると、やがて、その嘘は外に向けられ対外的にも信用を無くす。中国だけでなく先のG7で日本も世耕さんの発言か知りませんが怪しげな事になりかけましたね。増税できる予定が出来なかった。それは明らかに失敗であり、そこを認めず、あからさまに嘘をついて選挙などしてはいけません。もはや政治を行う前提が嘘です。私なんか政治を学ぶなら戦場で兵を動かす基本ぐらいは知らんと思い暇を見て勉強していますが我が国の政治家はなんていうかはなから選挙で政治家が選ばれていたとでも思ってるんでしょかね?戦国乱世の無秩序から政治は成り立ってる訳でそこからくる前提としてやってはならん事がある訳ですよ。インフラである橋を壊して、目先の金儲けしちあゃいけません。それは将来もっと大きな損失を招きますし、そんな前任者達を無視したら政治とは言えない。今の体たらくを我が国の英雄たちが見たらどう言うと思いますか?本当に過去と言う前提と向き合ってほしいですね。まあ、ここには安倍政権の僅か数年間の実績と言う過去に向き合えないで目の前の現実とかけ離れた思いをつらつら書く方もいるようですが野党的な要望としてはそれでいいが、責任もって実証事実を論拠に対話する言論空間ではそれは駄目だし、与党側なら尚更、事実を思い込みで否定する事はそりゃ嘘でしょうと。安倍総理は結果として財務省の言いなりになってきたし、それが過去の事実でしょう。それを認めて初めて失敗という真実を認識し、責任を追及し、最低限の経済運営もできない省庁の再編も含めまして、新しい体制づくりとなる訳ですが、まあ政治の前提からして嘘から始まってるからそういう事は期待できないのは前述のとおりです。これはもう政治ではありません。財務省どころか嘘つきによる民衆虐待ショーです。この3年間は無駄で更につづくのでしょうかね。ああ、私は安倍政権だけに厳しいのではありませんし、そこは言いがかりですね。厳しいのは現実であって、約四半世紀結果がでてない。そこを非常に問題視して直視して発言しているだけです。安倍政権と言うものを軸に話をしている本末転倒な事はしてないだけですよ。文句がおありなら結果を出せばよかったんだし、その為の時間も支持もあった。今更、つらつら結果と言う事実を無視して、居座る言い訳をするのは本当に人間として見苦しい限りですし、そんな属人的な発想で政治は動きませんよ。政治は特定の人ではなく時間をかけて物事をなしえていく、それが前提ですから。信長は敦盛を謳い、家康は吾妻鑑に熱中し、過去の英雄だって、常に先人の前提から学んだ訳です。では最初の英雄は誰から学んだのでしょう?それを理解し前提とするのが政治です。ヒントとしては神話ですね。これは言わないでおきましょう。その前提と対話する時間軸の中で考えてない属人的な発想は話にならないし、憲法秩序とは今いる国民と過去の先人が皆で協力して、英雄を再現する総力戦ですらからね。ともかくまず歴史文化を振興し共同体を纏め、大義を建て、さらに経済を廻せる体制をつくる基本をきちんとやらないとその為にはまず蔓延る過去と言う前提を無視した嘘つきを排除せねばなりませんね。かのはじまりのお方を無視する属人的と言う嘘は最も政治はしてはなりません。ヘイトスピーチ法案より政府や政治家でこの嘘ついたら犯罪にするような法案を明文化したほうがいいかも、不成文は読めない様ですしね。てかそういう人は政治家になっちゃいかんでしょう?藤井先生はホーリーなものとおっしゃいましたが要するにホーリーな存在とその対話の記録が文明で前提なんですよ。法の支配と支配者さん。それをすっとばしちゃあ真赤な嘘です。かしこ。

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  5. 學天測 より

    太公望は釣りをしていた。無能な人が下りれば国民は1億いる。有能な人はいくらでいます。居ないと言うのがおかしいし、そんな時代は過去には人類史で一つもなかった。なんら実証事実に基づいてない。迷信レベルの発言だ。まあ、実証事実を下に真摯な議論をする気の無い前提が嘘塗れの貴方と会話する言語はないですから、言語は相手を尊重し、和する為に真善美を追求するツールですしね。嘘つきさんに言語は不要。話にもならんね。

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  6. ニャンパmarkII より

    参院選前の小芝居というか、これで後々予定通り10パーになれば一内閣で消費税を倍にしたことに成功。敵どころか福の神ですよね。財務省にしてみれば。それを一応暗闘した風味に産経が演出ってところですか?真の敵対関係なら凍結法案でも出してみろというものです。

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  7. たけちゃん より

    自称 『立法府の長』である安倍晋三が行政府の責任は俺には無い、悪いのは財務省だ世界経済だと言われても目クソと鼻クソ、選挙前のプロパガンダとしての新しい判断、乃ち人気取りですよ。

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  8. あまき より

    お醤油つくる会社のおエラいさんも「さらに構造改革を」「規制緩和を」なんてこの期に及んでまだ言ってます。レーガン、サッチャー時代は確かに私も懐かしい。けれどインフレ退治に使った処方せんを、デフレ退治のここでもいま使え、使わせろと振りかざすなんて、ご年齢とはいえ幾ら何でもあんまりではないか。思えば自民党が下野した時が悪しき宿痾から脱する絶好の機会だった。ある集会で、ある保守言論人が、構造改革の是非をも含めた総括が自民党には必要だ、と言ったのだ。結局、総括が行われなかったにもかかわらずこの評論家は安倍さん復活のお世話役として真っ先に名乗り出る。以下保守言論、政治運動界隈の識者論者の多数は、保守主義を超えて強いニッポンをつくると宣言した国家主義者を保守主義者と読み替え、ご本人の本意とちがう保守の厚塗りを施し高下駄を履かせ、通りのど真ん中に引っ張り出して、さあさあ真正保守の再登場ですよ、救国内閣ができますよと、ぴったりくっついてふれて歩いた。吉原の妓夫太郎と少しも変わらなかった。いまだに妓夫太夫をやってる者がいる。安倍首相に対する支持者の失望は、この人たちにも相応の責任がある。いずれ厳しい沙汰から免れまい。最近、宍戸駿太郎先生がエントリーされた記事を読み返し感銘を新たにしている。心に留め置くべき記述の多さに、いまさらながら驚いている。

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  9. 吹田のおやじ より

    このコメント欄には安倍総理に対する辛辣な意見が多いが、過去の総理でここまで財務省を敵に廻して政権を維持した総理は居ないということは知って置くべきだと思います。歴代の総理の中でも財務省に自分のやり方をいえたのは竹下元総理ぐらいだと聞いてます。ですから今回は消費税増税延期を宣言されてますが、秋の通常国会では凍結又は減税を審議するかも知れません、勿論これは私の個人的希望です。私自身は安倍信者でも何でも無いんですが魑魅魍魎うごめく政界の事なので先の事はわかりませんが、内閣内での小芝居を打つぐらい財務省の情報収集をした結果なのだということは想像できます。時には国民を欺く事も出来省庁も欺くくらいの事はしてもそれで個人消費が増大して経済成長を拡大して税収増になるなら、結果デフレ克服を成し遂げた総理として後世に名を残す総理になるのではないかと思っています。色々批判した所で安倍総理以外で他に誰が居るのか逆に教えて欲しいものです。移民やTPPなど非常にまずい政策は有るが、それは絶対ダメだと言い続ければこれも又は変わることなるかも知れませんね。

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  10. たかゆき より

    参考文献『 憲法で財政均衡を義務づけようとは、何事か!━━自民党はマルクス主義・新古典派陣営の思想謀略にはまるな━━ 』丹羽春喜(大阪学院大学教授)

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  11. たかゆき より

    妖怪 ♪一つの妖怪が この国にあらわれている財政均衡主義と言う名の妖怪が。。。とM&Eが おっしゃったとか、、語尾に ist がつく 妖怪はこの国から駆逐しなければならないとぼくは かたくかたく信じているのだ ♪

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