From 三橋貴明
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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。
民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。
「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
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本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651
藤井聡先生が、ご自身のフェイスブックで、日本経済新聞に掲載されたB・アイケングリーン カリフォルニア大学バークレー校教授のインタビューについて、
「日本人の経済政策の専門家や学者で、こういう主張をする人が極めて限定的なのは、日本の不幸です。そういう状況を目にするにつけ、日本というのはつくづく「後進国」あるいはせいぜい「中進国」なんだなぁ….と感じてしまいます。誠に残念な話しです。」
と、書かれていましたが、こと「情報」という分野に関して言えば、間違いなく我が国は後進国です。何しろ、経済政策の専門家や学者が「間違えて考えている」どころか、「考えていない」という総思考停止状態に陥ってしまっているのです。
『サミット経済政策の課題(中)財政・金融双方の拡大必要 日本、脱デフレへ財政活用 B・アイケングリーン カリフォルニア大学バークレー校教授
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02061880Z00C16A5KE8000/
主要7カ国(G7)各国は経済成長の問題を抱えている。どの国も2016年に2%の経済成長率を達成できたら御の字だろう。しかもこの数字は、かなり楽観的なことで知られる国際通貨基金(IMF)の予想だ。先進国が現在の低成長・低インフレ状態から抜け出すには、供給と需要の両方を拡大する「二刀流」で臨む必要がある。片方だけでは成功はおぼつかない。(後略)』
後略部で、アイケングリーン教授は、
●デフレ環境下で供給サイドの改革(構造改革)を実施すると、物価や賃金が下落方向に進むだけ。デフレ懸念が高まり、消費支出が一層抑制される
●金利が歴史的低水準まで下がり、建設的なインフラ投資をするまたとないチャンスを今使わないとしたら、一体いつ使うというのか
●日本が政府債務を持続可能な水準に引き下げる唯一の道は、デフレの罠から脱し経済を拡大すること
●安倍晋三首相による14年の消費税増税は誤りだった
●マイナス金利政策は、銀行の経営を圧迫し、バランスシートを悪化させ、貸し出しを低調にしてしまう(量的緩和はOK)
●為替介入はしてはいけない
等々、極めて合理的な主張を展開しています。
ちなみに、三橋は日本銀行の金融緩和について、有効な手段はもはやないと主張していますが、実はないことはないのです。マイナス金利の拡大ではなく、日銀の資産購入です。具体的には「地方債」の購入になります。(ETFの買取拡大は、15年12月に黒田日銀が宣言したものの、全く効果がなかったため、無駄だと思います)
2015年12月末時点で、地方債の残高は72.3兆円あります。無論、地方債の場合は「どの地方自治体の債券を、幾ら買うのか?」の説明が難しいく、政治家や日銀総裁が巧く説明する必要が出てきます。個人的には、起債許可団体などの地方債を買ってしまえばいいと思っています。
無論、モラルハザードと批判されるでしょうが、「モラルを守る」よりも「デフレから脱却する」の方が、圧倒的に優先順位が高いと信じます。
それはともかく、アイケングリーン教授の提言は、「経済学という学問」ではなく、「現実の経済」を見たとき、何というか合理性が高いものばかりです。問題は、我が国ではこの手の合理的な正論を声高に叫ぶ学者が、藤井先生や青木先生など、極々限られた方々に絞られてしまっているという点です。
学者が間違え、結果的に政治家が間違える。
間違えた政策を実施した結果、誰もが「責任」「説明」から逃げ、だらだらと状況の悪化が続いていく。最後には、政治家が、
「いや、間違えていないよ。成功しているよ」
と、現実を無視した妄想に走り、学者がそれをフォローする。
現在の日本の経済政策で起きている現象は、関係者総無責任化なのです。
何しろ、2014年の消費税増税が「失敗だった」という当たり前の話すら、ほとんど聞いたことがありません(ゼロではないですが)。
間もなく、2016年1−3月期の経済成長率が発表になります。その後は、サミットです。
消費税再増税を見送るにせよ、財政出動を拡大するにせよ、安倍総理は、
「なぜ、こんな事態に陥ったのか?」
について、国民に説明する責任があります。何しろ、消費税見送りは明確に公約違反です。
総理がきちんと自らの失政について説明し、国民が財務省主導の緊縮財政が間違っていることを認識して初めて、我が国は繁栄への道が開けるのです。さもなければ、一時的に財政を拡大したとしても、結局は財務省主導の緊縮財政が継続し、我が国は衰退路線を突き進む羽目になるでしょう。
「安倍総理は緊縮財政の間違いを認めよ!」に、ご賛同下さる方は、
↓このリンクをクリックを!
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
ーーー発行者よりーーー
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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。
民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。
「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
【三橋貴明】安倍総理は緊縮財政の間違いを認めよ!への2件のコメント
2016年5月13日 4:31 PM
財務省が20年もの長期に渡りデフレ政策を続けてきた結果、政府内の「緊縮財政推進派」は本流の利権勢力となり、それを止めて方向転換させるのは相当なバトルになるので安倍さん一人の手には負えない、という気がする。そもそも、財務省の「緊縮財政推進派」の思想的バックボーンは何か?政治家と違って顔の見えない官僚は何を考え何をしているのかが見えにくい。けれど、最近見つけた「タックスヘイブン」と「タックスイーター」という元大蔵財務エリート官僚の志賀櫻氏が書いた書籍にそのヒントがあるかも知れないと思った。「タックスヘイブン」は彼が身の危険を感じながら租税回避地に隠された脱税を暴き追及した内容。「タックスイーター」は苦労して集めた税金を無駄に浪費して私腹を肥やす利権屋を暴いて糾弾する内容。著者は真摯な問題意識で書いた本だと思うし、腐敗構造も確かに存在したと思う。しかし税を徴収し配分する裁量権を一手に握る他国にはない日本の財務省独特の強大な権力を維持するために自己正当化するなら、自分達こそが正当な税の番人だと自他共に信じさせ、取立ても歳出もより厳しく、とならないだろうか?「タックスイーター」は他の省庁と結託した族議員の利権構造は糾弾されるが、財務省の無駄や天下り利権、銀行を護送船団で守りすぎ脆弱化させた責任には触れていないし、デフレで経済停滞した上に財政緊縮をさらに続けたダメージにも触れていないとしたら、ある意味巧妙な責任転嫁ともいえる。
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2016年5月14日 2:03 AM
僕は安倍政権が、超アウェイのスタジアムで相手は11人、味方は6人くらいでサッカーの試合をしているように感じます。僕も移民は大反対だし、経済政策も三橋さんが日頃仰っているような政策を採れば日本は大復活するのに、と歯がゆく思います。では、なぜ安倍政権はそれをしないのか?なぜしないんですか?三橋さん。安倍総理は、三橋さんの大嫌いな「田母神さん」へのかつての応援スピーチで、「政治的に持つか持たないかが分からなければ、政治家は務まらない」と述べると共に、「勇気を持って正論を述べる人がいなければ時代は動かない」とも語っています。三橋さんには、時代を動かすような言論活動を続けていただきたいと思います。
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