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2017年4月17日

【三橋貴明】お花畑的平和主義の強制終焉

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
北朝鮮危機の山場と、日米経済対話
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12265459498.html
お花畑的な平和から目覚めなければならない日が訪れた
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12265746339.html

いつもの話ですが、状況が手遅れに近くなってから、ようやく日本のマスコミは報道を始めます。もちろん、北朝鮮危機の件です。

ちなみに、三橋が北朝鮮危機について「事態が切迫している」と懸念したのは、4月5日、習近平がトランプ大統領との首脳会談のために、アメリカに向かっている最中に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したときです。

あ、これは危ない。と、思いました。北朝鮮というよりは金正恩が暴走状態で、しかも中国の習近平(アメリカというよりは)に露骨に喧嘩を売っていることが明らかになったためです。そして、習近平との首脳会談の最中に、アメリカ軍がシリアをミサイル攻撃したとの報を知り、懸念は確信に近くなりました。

外務省は、この時点で韓国について、最低でもレベル1の危険情報(その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。)を出すべきだったと思います。結局、4月15日まで情報への注意喚起はリリースされましたが、危険情報は出ませんでした。

「お花畑的平和主義」は、日本国においては常に無敵です。

改めて考えてみると、「お花畑的平和主義」は、実にグローバリズムとの相性がいいです。と言いますか、そもそもグローバリズム事態が「お花畑的平和主義」を基盤としています。何しろ、グローバリズムとはモノ、ヒト、カネの国境を越えた移動の自由化を「常に善」とする教義(ドグマ)でございます。モノ、ヒト、カネが国境を越えて移動しても「大丈夫」という話で、前提に「国家間の紛争や戦争は起きない」という夢想的アイデアが存在しているのは明らかです。とはいえ、世界は結局は「地勢」に多大なる影響を受けます。(参考図書:中野剛志「富国と強兵 http://amzn.to/2pgIf45」)

北朝鮮が日本とかけ離れた位置に存在しているならば、我々は今回の危機を「対岸の火事」として眺めていられたわけですが、現実には違います。韓国の首都ソウルでは、多くの日本企業がビジネスを展開しています。まさに「グローバリズム」ですが、ソウルでビジネスができるのは、停戦中の北朝鮮との間に先頭の火蓋が切られることはない、という「ふわっとした確信」が存在していたためです。

現実に、北朝鮮危機が深刻化し、ソウルに砲弾の雨が降る可能性が出てきています。もはやこの時点で、グローバリズムは成り立たないのです。今回の北朝鮮危機を受け、万が一、日本人が(一人でも)死亡するような事態になったら、我が国はどうなるのでしょうか。日本国民として「目覚め」、国防を真剣に考えるようになるのでしょうか。恐らく、そうはならないでしょう。

野党やマスコミは、とりあえず「政府の責任追及」に明け暮れ、継続する危機への対応はなおざりにされるに決まっています。日本国民の多くも、「誰かのせい」にしようとするマスコミに同調するでしょう。何しろ、東日本大震災で2万人を超える同じ国民が亡くなったにも関わらず、結局、日本国は目覚めませんでした。政治は相変わらず緊縮財政、構造改革。国民を守るという発想の国土強靭化も、遅々として進みません。

日本国民が目覚めることなく、「お花畑的平和主義」が強制終了の時期を迎えようとしています。

絶望的な状況ですか? と、聞かれれば、絶望的な状況です、と答えるしかありません。

もっとも、絶望的な状況であると現状認識すること、イコール「諦めること」ではありません。足掻くんですよ。絶望的な状況でも、何とか事態を改善しようと、足掻く。決して諦めない。

昨日も書きましたが、世界に救世主はいません。それでも、多くの国民が足掻き続けることで、明るく真っ当な未来が訪れるかも知れない。三橋は、そう信じています。

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【三橋貴明】お花畑的平和主義の強制終焉への7件のコメント

  1. ぬこ より

    ミッツ先生が自民党から出馬する少し前から応援してきたけど、もうちかれた…

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  2. 赤城 より

    ソウルでビジネスができるのは、停戦中の北朝鮮との間に先頭の火蓋が切られることはない、という「ふわっとした確信」が存在していたためです。

    先頭ではなく戦闘ですね。

    救世主などいないまたは、いても詐欺を働き地獄へ導く天才だろうと分かっていてもこの現状では願ってしまいます。
    日本救国が出来る者がいるとしたらまず国内の情報支配を押さえて諜報工作を防ぐことができる必要がある。その上で現状亡国へ向けて動いている国家政策を変えていけるところから変えていくかんじかな。この国はすべてが他国に裏で押さえられている状況だろうからまず初手が不可能でしょう。だから願ってしまうのですよ。

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  3. 神奈川県skatou より

    三橋先生のご活躍を熱く熱く熱く応援しております。

    北朝鮮有事がそろそろで、先制はアメリカ(北朝鮮は瀬戸際外交が延長できるつもり)とすれば新月に注意という話を両親にしたところ、戦中派のふたりは、淡々とその前後の外出の調整とか話し出しました。
    平和だ世界だという理想はともかく、動かしがたい現実にしなやかに対応するのは、大東亜戦争を生き抜いた人間ならではなのでしょうか。

    一方、国会前でデモをしている人々がまったく共感を得られていないそうで。新聞社の奥深くで引きこもっているデスクだか主幹だとかいうカビが地団駄踏んでも、意外と国民は真実を見ているのかもしれません。

    もう気づいている国民が表に意見をいうきっかけは、新しい言葉、新しい概念が提示されたときか、選挙のような無記名の投票行為なのでしょうか。

    森友でテレビを盛り上げても民進党の支持率が崩落する。有権者はどこか賢さもあると信じたいです。
    アメリカが空母2隻(3隻?)も出してるので戦争は間違いないでしょう。当然自衛隊も攻撃に参加すべきでしょう。そのときの日本人の顔を見たいものです。

    たしかに東北大震災で日本人は経済政策の議論の点でほとんど変わらなかったのかもしれません。でも、自衛隊に対する地位や理解は変わったと信じていますし、日本軍なら悪だみたいな歪んだ空気は、だいぶ霧散したと思います。

    トランプは北朝鮮有事での米軍活動と日米貿易二国間交渉をディールするのかもしれませんが、それを繰り返し批判するのは我々の務めでしょう。なんでそんなことをねじ込まれる国なのかと。
    そこから次の政治なのかもしれませんですね。

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  4. あまき より

    同胞の拉致被害が明らかになり、国母・皇后が一掬を滲まされたと報じられた時、盛んに交わされていた言説を覚えている。我が国はいままさに動乱のただなかに放り込まれたのだ。これが米国ほか一等国であれば間違いなく戦争状態と認定される。これらを見聞きして自分はおのれのお花畑ぶり、無為徒食を恥じ、予備自衛官に志願した男女を見てさらに痛く恥じ入った。

    以来、奪還とともに、動乱の二文字は、自分などより心ある多くの日本人、とりわけ保守といわれる人々に深く刻みこまれているものと思っていた。ところが、最近のテレビ番組表を見ると、あたかも戦後初めて動乱が迫って来たかのような文字が各局に躍っている。いまさら何を言っているのだろう。そして嫌韓を誇る保守が半島危機を背に森友を振りかざす人々を揶揄している。

    森友学園問題こそ、安倍政権と現自民の本質そのものだ。かつて自公が外国人献金疑惑を以って民主党政権を追及したのが理の当然であったように、野党が森友問題を追及するのもしたがって当然だ。南部氏や竹中氏叩きに賛同しながら森友問題になると読者まで言及しなくなるのは、所詮その場限りの知見が披瀝できるだけの偏差値秀才なのだろうが、まるで日和見政治家のふるまいを見るかのようだ。

    半島危機と同時進行で論議しておかなければ、安倍政権はおろか自民党まで正当性が問われ両方失うことになるかも知れないと、なぜ安倍さん支持者は考えないのだろう。憲法改正論議を始めないと明日の国防が侭ならないと叫んでいる団塊もまた痛々しい。憲法改正しないと反撃できないとは全く左翼の言説だ。

    安倍首相が1万人を招いて桜を見る会を催された。人に言わせると第42代鈴木貫太郎元首相や大石内蔵助と重なる大人物らしいから、こうした形で対外向けに無策を装い、迫り来る動乱に怯える国民に対して平静を呼びかけておられるのだろう。ありがたいことだ。もし安倍首相が、拉致被害者と一緒に満開の桜を見る日が来るまでこうした催しをするつもりはない、と言われたら、殺し文句に弱い私などコロリと致されて、元の安倍信者に返り咲いていただろう。

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      1. 拓三 より

        9条改正を有事の振る舞いだけでしか考えられない人を見ると痛々しく見えて来る。それこそ米国左派の思う壺。

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        1. あまき より

          団塊の世代の方でしたか。いつもご苦労さまです。あなたのことを言っているわけではないので気にしないでください。ほら、三輪和雄って人いるでしょう。あの元気おじさんあたりを念頭に書いたのです。憲法改正に関するご見識、先日も拝読しましたが、少しも違和感を持たなかったです。

          私は、現政権での改憲だけはどうしても賛成できないなのですよ拓三さん。つまりいまのウルトラ媚米政権下で改憲を果たしても、それこそあなたのいう米国左派のそれこそ思うツボだと思うのですよ。

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          1. 拓三 より

            団塊の世代とはし.し.失礼な!w

            私もあまき氏を否定したつもりではありません。
            9条改正を戦時だけで考える事よりもっとマクロ的に考えていただきたいとあまき氏と同じ目線で書いたものであります。言葉足らずで申し訳ありませんでした。

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