日本経済

2024年7月22日

【三橋貴明】フランス三党志

【今週のNewsピックアップ】
フランスの三党志
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12860201856.html
さあ、どうする?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12860336678.html

現在のフランスの政界は、
新人民戦線、与党連合、
国民連合の三勢力が
三つ巴で争う「三党志」状況にあります。

三勢力は
互いに不倶戴天の敵である
と認識しており、
このままでは新内閣を
成立させることができません。
(この状況で、
間もなくパリ五輪が開催されます)

何しろ、どの党も過半数を
取っていないのです。

さあ、どうする?

話し合うしかありません。
対立する三勢力の議員たちが
「話し合い」、会議を繰り返し、
譲歩と妥協を重ね、
何とか落としどころを探す。

これが、民主制というものです。

マクロン大統領、
新人民戦線のメランション氏、
国民連合のルペン氏は、
まさに水と油といった関係にありますが、
それでも話し合う。

人間、話し合いを重ねることで、
少しずつ相手のことを認め始めます。
相手の考え方を、
理解できるようになっていきます。

無論、相手の考えが分かったところで、
「認められない」
というケースも少なくないでしょう。
だからこそ、話し合いを重ねる。

昨年11月のオランダ総選挙では、
メディアから
「極右」呼ばわりされている自由党が
第一党になりました。

もちろん、自由党は過半数を
獲得したわけではありません。

さあ、どうする? 
ということで、
オランダの各党は
ひたすら話し合いを重ねた。

そして、半年を経て、
7月2日にようやく新政権が
発足しました。
(半年間は、暫定政権状態でした)

さて、フランスの議員たちは
話し合いにより、
内閣を成立させることが
できるのでしょうか
(次の総選挙は、早くても二年後)。

話し合いにより、
何とか新政権を樹立したとしても、
各党の議員は全く納得せず、
支持者たちからも批判される
玉虫色の落としどころに
ならざるを得ないでしょう。

それでも、何とか政治を
前に進める必要があります。
それが、民主制というものなのです。

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「社会保障支出という需要」
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なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
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https://in.38news.jp/38botu_teika

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol794
社会保障支出という需要
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
97年度にデフレ化した
日本経済の需要を支えたのが、
実は「高齢化」による
社会保障支出だったという真実。

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三橋TV、続々公開中です。

「銀行預金は’キーボード’から
生み出される…!?」
財務省が勘違いしている2つのお金の生み出し方
[三橋TV第886回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/jyJPWOPBO9M

移民問題に揺れるフランス…
7月7日の国民議会選挙で起きた異常事態とは?
[三橋TV第887回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/4j3Ld3-fVZ8

新紙幣がどこからきて、
どうやって作られたかを調べたら、
「財政破綻論」の’嘘’が暴かれました
[三橋TV第888回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/Qc3Fz8ysQok

日本は経済成長していない。
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三橋貴明&saya
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7月20日(土)、
三橋経済塾第十三期第七回対面講義が
開催されました。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は藤井聡先生でした。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】フランス三党志への2件のコメント

  1. 利根川 より

     最低賃金の引き上げが行われました。輸入物価の高騰によるコストアップに加え、ゼロゼロ融資の返済や各種増税スケジュールもてんこ盛り

    <2024年>

    防衛増税←裏金問題で25年以降に先送り

    復興特別所得税の期間延長

    後期高齢者医療保険の上限を73万円に引き上げ

    高齢者の介護保険料の自己負担2割へ引き上げ

    <2025年>

    結婚子育て資金の一括贈与特例を廃止

    後期高齢者医療保険の上限を80万に引き上げ

    道路利用税(車体重量の重いEV車に適用

    <検討中案件>

    教育資金の一括贈与特例の廃止

    厚生年金の支給額減額

    退職金の非課税枠縮小

    生前贈与の相続税加算期間の延長

    炭素税

    消費税15%

    その上、賃上げまで要求されたら経営苦しいどころの話じゃないでしょうね。

    菅元総理「もたない企業は潰すから」

    わざとやっているんじゃないかと非常に疑わしく思っているところであります。
     
    「お前、賃金アップしろって言ってただろ。文句ばっかいうな」

    はい、確かに私は実質賃金のアップを望んでおりました。しかし、それは消費税廃止や社会保険料の減免など、政府による支援によって実現してほしいということであって、負担をすべて企業や家計に押し付けろということではないんですよ。

    有識者「企業は価格転嫁して賃上げの原資とすべし!」

    厚生労働省が5日に公表した2023年の国民生活基礎調査で生活が「苦しい」と感じる世帯は59.6%にのぼったということで、価格転嫁が十分にできるような状況じゃないって有識者ならわかるでしょうに…どうして日本の有識者は有識者じゃないのか。
     
    三橋TV第362回 森井じゅん回

    抜粋した書き起こしを下に載せておきますが、少子化問題解決も実質賃金アップも緊縮増税を続けているかぎり実現は難しいのではないかと思います。一番の問題から社会の上層部が目をそらし続けているかぎり、失われた30年は40年になるのは避けられないでしょうね。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    三橋TV第362回 一部抜粋

    <年収314万の人を雇った場合の事業者負担>

    年収314万の従業員1人あたり 47万円を給料から天引き 事業者は年間94万円社会保険料を支払う

    年収314万の従業員20人あたり 940万円を給料から天引き 事業者は年間1880万円社会保険料を支払う

    森井さん「そこそこの売り上げがある事業者さんでも年間1880万円の負担というのはすごく重い負担なんです」

    三橋さん「社会保険料だけでこれ(1880万円の事業者負担)ですからね」

    森井さん「この社会保険料も年々上がり続けていて事業者さんの首を絞めています」

    森井さん「事業者さんが従業員にお給料を支払う場合、社会保険料というものがお給料にかかってきます」

    森井さん「つまり、人を雇うと罰金を科されているわけです」

    森井さん「さらに問題は消費税なんですね」

    森井さん「消費税というのは、海外では付加価値税と呼ばれていて、消費者が払っているつもりになっていますが、実際の納税義務者は事業者さんです」

    森井さん「だから、消費税というのは事業者さんへの税金なんですね」

    森井さん「じゃあ、付加価値って何?っていうと、人件費+利益なんです」

    森井さん「人件費+利益のところに消費税はかかっているというのを知っておいてもらいたい」

    森井さん「給料というものにペナルティーの社会保険料がかかります。さらに利益がくわわります」

    森井さん「『社会保険料、給与、利益』(=付加価値)このすべてに消費税がかかります」

    森井さん「今、財界の要望で消費税が導入されましたが、同じく財界の要望で法人税は下がり続けています」

    森井さん「この状態では、消費税がかかる付加価値は増やしたくない」

    三橋さん「払う消費税が大きくなっちゃいますからね」

    森井さん「だけれども、利益は大きくしたい」

    森井さん「何をするかって言うと『給料を下げる』か『社会保険料を下げるか』ということになる」

    森井さん「人件費と呼ばれるものを削る方法をありとあらゆる方向で考えるわけです」

    森井さん「経営コンサルタントなんかもどうやったら人件費を圧縮できるかという話ばかり」

    森井さん「結局、人件費を圧縮するというのが経営目標みたいになってしまう」

    森井さん「人件費圧縮のために給料カット」

    森井さん「非正規化。従業員を非正規化すると社会保険料の負担が減りますよね」

    森井さん「社会保険料の負担が減ると、社会保険料にかかる消費税も減るという」

    森井さん「ダブルで美味しくなっているわけです」

    森井さん「さらに、給料も社会保険料も両方減らすにはどうしたらいいでしょうか」

    森井さん「外注化するわけですよね」

    森井さん「外注化すると、社会保険料とか給与が消費税がかかる範囲から出る」

    森井さん「外注化は節税効果があるわけです」

    三橋さん「外注化っていうのは、要は、従業員さんを『個人事業主あつかい』や『フリーランスあつかい』にして業務委託契約するってことですよね」

    森井さん「そうです、その通りです」

    森井さん「外注というのは雇用ではなく、委託契約という形にするんですね」

    森井さん「何が言いたいのかというと、日本の労働者の給料を上げるためには、まず消費税を廃止して社会保険料を減免していくしかないんですね」

    三橋さん「労働規制の強化ですね」

    森井さん「雇用の流動化とか言われて日本の労働環境は不安定化されていきました」

    森井さん「私は日本の雇用環境に問題がなかったとは思いませんが、デフレのさなかにやっていいことではありませんでした」

    森井さん「今は看護師さんすら派遣にしようという話が出ているくらい人を駒として使おうという状況になってしまっている」

    森井さん「外注だったり委託契約というのがはびこり過ぎていて雇用の受け皿みたいに言われちゃうんですよね」

    森井さん「雇用の受け皿がどうして委託契約なのかと」

    森井さん「委託契約というと社会保障も非常に希薄ですし、守られない、セーフティーネットが非常にもろい」

    森井さん「だから、みなし公務員、公務員のような地位でしっかりお給料をもらいつついろんな仕事ができるようになれば…」

    森井さん「そうすることで世の中が良くなっていけば、それこそ『もっとお給料の高い所へ移動』したり色んなことができるようになるんですよね」

    森井さん「今の『限られたパイ』の中で人を動かそうというのがそもそもの間違い」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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      1. 利根川 より

        「月刊ニュースの争点」で面白い対談があったのでご紹介。

        なぜ日本企業は世界から出遅れたのか?/日本人の足を引っ張るエリートの罪(中野剛志・施光恒・古川雄嗣・岩尾俊兵)【特別座談会Part1】

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        日本のポンコツエリート
        「日本の『特殊法人』は問題だ。官なのか民なのかはっきりしない組織。こんなことをやってるから日本はダメなんだ」

        日本のポンコツエリート
        「そうだ、イギリスは『エージェンシー制度』というものを導入しているらしい。日本もこれを取り入れようじゃないか」

        日本のポンコツエリート
        「エージェンシー制度について教えてください!」

        イギリスの官僚
        「?…このエージェンシー制度というのは日本の特殊法人をモデルにして作りましてね」

        日本のポンコツエリート
        「あっ…」

        日本のポンコツエリート
        「日本人は学校で班学習なんぞやってるから個が確立しないんだ」

        日本のポンコツエリート
        「2015年から国際テストPISAに『共同的問題解決学習』という項目が追加されている。我々も共同的問題解決学習を取り入れるべきだ!」

        日本のポンコツエリート
        「『共同的問題解決学習』とはどんなものなのでしょうか、教えてください!」

        アメリカの教育学者
        「?…共同的問題解決学習というのは日本でも行われている班学習ですが」

        日本のポンコツエリート
        「あっ…」

        日本のポンコツエリート
        「アメリカの教育学者に習って日本でもケアの倫理(キャロル・ギリガン参照)を導入すべきだ」

        日本のポンコツエリート
        「ケアの倫理的人間を育てるためのうまいやり方として、アメリカの教育学者キャサリン・C・ルイスさんが提唱する『レッスンスタディ』を日本でも取り入れよう」

        日本のポンコツエリート
        「『レッスンスタディ』とはどういったものなのでしょうか、教えてください!」

        ルイスさん
        「『レッスンスタディ』は日本の『教員研修』を英語に翻訳したものです」

        日本のポンコツエリート
        「あっ…」

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか、それは強みが何なのか理解していないから(苦笑い
         
        岩尾俊兵准教授「日本のエリートと呼ばれる人達が、それが本当にエリートなのかという疑問が」

        日本のエリートが、実は言うほどエリートじゃないんじゃないかという疑問を持っているのが私だけではないようで安心しました…いやいや、大問題だわ!

        返信

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