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2024年5月2日

【藤井聡】当方の処女作『社会的ジレンマの処方箋』が復刻!「公共心」こそがあらゆる社会問題の解決の鍵である事を明らかにした当方三十代の心理学書。是非ご一読下さい。

当方これまでおおよそ100冊程度の書籍を出版して参りましたが、一番最初に出版した書籍が

『社会的ジレンマの処方箋 ~都市・交通・環境問題の心理学~』

https://in.24criterion.jp/24shaka2520_sns

という書籍でした。この書籍は当方が三十代前半の頃に出版されたもので、現在では絶版となっていたところ、この度、是非とも現代の日本国民の皆様にもお読み頂きたいという思いで、この度20年以上を経て「復刻」されました!

この書籍は、デフレ移民問題、治安の悪化等の今日的問題から、渋滞、過疎/過密、環境公害問題等慢性的問題に至るまでのあらゆる社会問題の背後には、

公と私が対立する「社会的ジレンマ」

という社会構造が存在することを明らかにした上で、その「社会的ジレンマ」を如何にすれば乗り越えられるのかの「処方箋」を論じた書籍です。

この社会的ジレンマとは、上述のように「公と私が対立する」状況で、要するに、

「私的にはこうしたら得するけど、社会的には損害がでてしまう…
一方で、私的にはこうしたら損するけど、社会的にはそれが得策だ」

という社会構造を意味します。例えば、

・皆がオカネがもったいないからとケチになると(=「私」が得する行動))
内需が減ってデフレになって皆もっと貧乏になる(=「公」のダメージ拡大)

・各企業が人手不足だからと移民を受け入れると(=「私」が得する行動)、
移民だらけになって日本はエライことになる(=「公」のダメージ拡大)

・皆が警察にバレないならワルイことをやっちゃおうとすると(=「私」が得する行動)
治安が悪くなって皆がメチャ不幸になる(=「公」のダメージ拡大)

等がそれぞれ、「デフレや移民問題、治安の悪化等の今日的問題」です。つまりこれらの問題は結局、皆が「私」を優先するから「公」に大きなダメージが拡大し、結局皆が「私」の視点から大損する…という問題なのであって、これらは全て、社会的ジレンマなのです。

ジレンマとはもともと「あちらを立てればこちらが絶たず…」という(二律背反)状況を言うのですが、それが公と私の間にある、というのが、この社会的ジレンマだという次第。

さて、当方、20代の頃、日常生活や交通についての様々な「行動」に着目した計量経済学の研究で博士をとった直後に、その研究をさらに拡大すべく、スウェーデンに「心理学」を学びに留学しました。

そこで出会った概念がこの「社会邸ジレンマ」という概念でした。

当方が驚いたのは、「あらゆる社会問題(人間が二人以上いる場合の人間同士の関係によって生ずる問題)は、全部社会的ジレンマの問題じゃ無いか!」という点。

すなわち結局、皆がちょっと利己的になりだすことで社会問題が起こるけれど、皆がちょっとずつ気をつかって協力的に振る舞えば、どんな問題も瞬くまでに解決する…という<真実>に、当方は大きな衝撃を受けたのでした。なぜなら当時当方は素朴に、いろんな社会問題は様々な要素が複雑怪奇に入り組んでいて、そんなシンプルな概念で割り切れるものではないと、漠然と考えていたからでした。

ついては僕はそれ以来、この社会的ジレンマと言う概念に「取り憑かれて」しまい(笑)、どんな問題を見ても、その解決に向けて「皆がどういう風に協力的に振る舞うと、この問題は解決するのだろう?」と考える様になりました。

そしてこの概念は、心理学で提唱されて以来、その心理学を中心に、経済学、社会学、政治学、人類学等ありとあらゆる社会科学者達がこの社会的ジレンマの「解消」の研究に取り組み、様々な側面が少しずつ明らかにされていったののですが、そんな研究を片っ端から学びつつ、スウェーデンの研究者達とあれこれとさらなる「処方箋」に向けた研究をはじめたのです。

この当方の処女作『社会的ジレンマの処方箋 ~都市・交通・環境問題の心理学~』https://in.24criterion.jp/24shaka2520_snsは、当方のそんな30代の頃に没頭していた社会的ジレンマ研究の成果をとりまとめたもので、その中で文字通り、日本中、世界中の社会的ジレンマを解消するための各種の方策・方略を「処方箋」として包括的にとりまとめたのでした。

ちなみに先にも申し上げましたが、社会的ジレンマの問題というものは「二人以上の人間が存在する場合に生ずる問題」でありますから、デフレや環境問題という巨大な社会問題、世界的問題に適用するばかりでなく、家族や友人関係、夫婦や恋人同士、学校や職場といったあらゆるスケールの社会問題に適用できるものです。

要するに結局人は「協力」しあうことでしか、人間同士の社会問題など乗り越えられないのです。

社会的ジレンマという(そもそも、数理的なゲーム理論で定式化された)問題構造の存在は、そんな実にシンプルな<真実>を我々に示しているのです。

そして、どんな社会問題も、「人と人の協力を促すために何をすればいいだろう?」という視点で物事を捉えた時に、その解決の糸口が見いだされるのです。

当方はこの社会的ジレンマ研究に没頭した30代前半の頃から、どんな問題を考える時も、そしてどんな言論を展開する時も、常にこの「社会的ジレンマ」の視点からその対象を眺めるようになりました。

つまり、その視点の理論的基盤はあまりにも「基礎的」すぎで、当方の日常的な言論の活動の中で殆ど口にすることはありませんでしたが、その「社会的ジレンマ」の考え方は、当方の30代、40代、50代のその後のあらゆる活動に決定的に重大な意味を持つものであり続けたのです。

「人と人は如何にすれば協力しあうことができるのか?」
「人を裏切るという行為が、如何に巨大な問題を巻き起こすのか…?」
「しかし、人を裏切るという行為は必ずしもその人が「極悪非道」だから巻き起こされているのではない。ちょっとした気遣いがあるだけでその人は協力的に振る舞う事ができるのだ…」

…といった疑問や認識はいずれも膨大な心理学研究によって一つ一つ明らかにされていったものですが、そうした心理学的な知見、あるいは<真実>が、本書の中に包括的にとりまとめられています。

そして当方はここに纏められた様々な「処方箋」を、ことある毎に活用しながら今でも日々、様々な公的発言や公的活動を続けています。大阪都構想の否決も、国土強靱化の推進も、アベノミクス初年度における10兆円の財政出動も、この「処方箋」がなければ、いずれも成功することはなかったのではないかと…思います。

ちなみに本書は東京工業大学の学部授業でも使っていましたが、一般の方でも十分読めるように配慮しながら書き上げたものです。したがって、学術書としてのみならず一般の方向けの一般書としても十分にご理解頂ける内容となっています。

この度、関係各位のご尽力で、20年以上の歳月を経て再び復刻された当方の公的活動、公的言論の基盤となり続けた処女作である「社会的ジレンマの処方箋」、是非ともこの機会にご一読いただきたいと祈念しております。
https://in.24criterion.jp/24shaka2520_sns

どうぞ、よろしくお願い致します!

追伸:当方の「社会的ジレンマ」に関する基礎研究論文は、下記の当方の大学の公式HPに掲載しております。ご関心の方は是非一度、お立ち寄りください。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii/academic#dilemma

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