日本経済

2024年4月28日

【三橋貴明】余ったなら廃棄すればいい

【近況】

誤解している人が少なくないのですが、
現在の「世界」における食料問題は、
「食料不足」ではなく「食料過剰」なのです。

第二次世界大戦から戦後にかけ、
世界的に農業の生産性が急上昇した。
結果、世界は
食料の供給過剰に
苦しむようになりました。

実は、日本もそうだったのです。
日本の農業の就業者数は、
明治から戦後にかけて
三分の一に減りました。
それにもかかわらず、
水稲のコメ収穫量は三倍になった。
つまりは、労働生産性が
九倍になったのです。
結果、1960年代の日本は
「コメ余り」に苦しむことになった。

同じ問題を抱えていた西欧諸国は、
輸出補助金で過剰穀物を
外国に輸出することで、
供給能力の維持を図った。

それに対し、日本は
何と「減反」政策で、
供給能力を削っていった。

【日本の作物収穫量累年統計(水稲)】

http://mtdata.jp/data_89.html#suito

日本のコメ収穫量は、
ピークには1400万トンを
越していたにもかかわらず、
今や700万トン台。
これは、日本が
「食料を生産できなくなった」
わけではなく、
過剰生産を政策により縮小するという
愚かな政策を採った結果なのです。

したたかになろう。

農業予算を増やし、
コメの生産量を増やし、
農家の所得を補償し、
国内の低所得者層を助け、
余った分はダンピングして輸出しよう。

輸出できないならば、
捨ててしまえばいい。

食料安全保障とは
「食料の供給能力>食料の国内需要」を
維持することなのですよ。
大量に生産し、
余ったならば廃棄すればいい。

「もったいない精神」など、
食料安全保障上、邪魔なのです。

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない
聖徳太子の英雄物語」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike3_980

◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落
なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol782
農業の根本的な問題
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
現代の世界における食料問題は、
「食料不足」ではなく「食料過剰」です。
食料過剰を
「どのように解決しようとしたか」により、
その後の各国の状況が
大きく変化してしまったのですよ。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

TSMC創業者モリス・チャン
「自由貿易は死んだ」
〜なぜ、アメリカが
オランダ企業を規制するのか?
[三橋TV第850回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/f4fNdAOJoUY

政治団体赤字黒字幹事長・大奈登場!
〜政府の赤字はみんなの黒字
[三橋TV第851回] 大奈(政治団体赤字黒字幹事長)
三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/4BMAchRhZN4

消費税は〇〇税?
〜小学生のうちから洗脳される日本国民
[三橋TV第852回]
大奈(政治団体赤字黒字幹事長)
三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/–tC77r18CY

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが
三橋先生にひたすら聞いてみた第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾
4月20日に開催された、
三橋経済塾第十三期第四回対面講義が
配信されました。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2119
ゲスト講師は坂本篤紀先生でした。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER
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【三橋貴明】余ったなら廃棄すればいいへの3件のコメント

  1. 利根川 より

     先日、コメント欄に「食糧危機」なんて書き込みをしてしまいましたが、これではせっかく鈴木宣弘さんの本を読んだのが無駄になりますね。失礼しました。
     世界的食糧危機なんて言いますが、飢餓・貧困人口が圧倒的に集中しているのはサハラ以南のアフリカ諸国で、その理由としてはこの地域がIMFと世界銀行によって、もっとも徹底した「規制撤廃政策にさらされた地域」だからです。どういうことか?それを説明する前にまずは前フリなど…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <収穫倍率>

    種を1粒蒔くと何粒収穫できるのか、この指標が収穫倍率です

    で、中世初期頃は麦の種を畑に蒔いても一粒の種から実る麦は3粒程度だったそうです。それが、中世中期くらいには4粒に増え、今では1粒蒔けば30粒以上の収穫が見込めるようになっています。

    とてもたくさんの食料が生産できるようになった現代ですが…ぶっちゃけ「平時には余る」ようになってしまったということですね。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    話を元に戻しましょう。
     「平時には余る」ようになってしまった穀物ですが、アメリカはこの余剰農産物のはけ口が必要だった。そこで、アメリカ主導のIMF(国際通貨基金)や世界銀行に国際食糧農業機関FAO(途上国の農業を守り栄養・生活水準の向上を目指す機関)から開発援助の主導権を奪わせて、

    ”援助と引き換えに関税撤廃や市場の規制撤廃をさせて穀物は輸入に頼らせる”

    ようにしたわけだ。こうして途上国の穀物畑を潰し、先進国の余剰農産物のはけ口にすると同時に、潰した穀物畑の跡地には商品作物…例えばタイヤの材料であるゴムの木の大規模プランテーションを行ったわけだ。戦争やパンデミックなどで輸入が途絶え、いざ食料が足りないとなっても畑に生えているのは食べられないゴムの木ですし、

    ”足りなくなってから麦を育てるのでは餓死してしまう”

    こうして世界の食糧危機というのは”作られていった”ということでした(苦笑い
     実は「食糧危機」というのは新自由主義、あるいは市場原理主義的な自己利益追求によって深刻化しているものだということですね。まあ、日本も途上国と同じく先進国のお歴々から規制緩和を迫られて、今では食料自給率38%にまで低下しているのですけどね…
     さて、2020年のFAOの統計によると、

    <主な穀物の輸出上位国5か国>

    ・小麦

    1位 ロシア
    2位 アメリカ
    3位 カナダ
    4位 フランス
    5位 ウクライナ

    ・トウモコロシ

    1位 アメリカ
    2位 アルゼンチン
    3位 ブラジル
    4位 ウクライナ
    5位 ルーマニア

    ・大豆

    1位 ブラジル
    2位 アメリカ
    3位 パラグアイ
    4位 アルゼンチン
    5位 カナダ

    このようになっています。アメリカ強ぇ~な(笑
     で、先進国のお高い人件費で作ったアメリカの農作物がどうしてこんなに売れているのかというと、その秘密がコチラ⇓

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <農業所得に占める補助金の割合(A)と農業生産額に対する農業予算比率(B)> 平凡社新書 農業消滅 より抜粋

    2012年 

    日本 (A)38.2% (B)38.2%

    アメリカ (A)42.5% (B)75.4%

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    (B)事実上の輸出補助金の額が日本とは桁違いなのが分かりますね。アメリカがどうして農産物の輸出大国なのかというと、くそほど輸出補助金を出しているからです。
     日本も農業補助金をしっかり出して食糧自給率の向上に取り組んだ方がいいんじゃないのかというお話。
     アメリカは、

    アメリカ
    「東アジアの安定のために日本が重要な役割を果たしてくれることを期待している」

    と言いますが、そもそも、海に囲まれた食料自給率の低い日本に何を期待しているのやら。腹が減っては戦はできませんよ。まあ、まずは戦にならないようにすべきではありますけどね。
     もし、本当にアメリカが日本を重要なパートナーだと思っているのであれば、日本には食料自給率を高めさせるべきですね。
     輸出補助金はアメリカとかち合うからダメということであれば、戸別補償(必要な生産費をカバーできる米価水準と市場米価の差額を全額補填)の上、余った分は政府買取からの肥料・飼料とか…まあ、何をやるにしても予算を財務省に握られていたら何もできませんけどね(苦笑い
     この閉塞した状況を何とかするには、国民にこうした事情を知ってもらうことと、選挙に行って財務省の狗を落としてもらうことしかないのですが…日本は国民の約半分が選挙に行かない国なんだよな~

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  2. 「捨てる」では多くの人の反感を買うと思います。 より

    「捨てる」では多くの人の反感を買うと思います。
    なので余った食料は「再利用」とか「肥料化」とか「家畜の餌」とかの話にした方が説得力が高いと思います。

    返信

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  3. 冗長性が必要な分野です より

    もったいない精神が横行し減反、必要とされる分しか生産されなくなってしまうと食料安全保障上問題となる。
    冗長性が必要な分野です

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