政治

日本経済

2023年9月13日

【藤井聡】ジャニーズ性虐待「隠蔽」事件の「主犯」は新聞TV。しかしそれは法でも裁かれず報道もされず社会的な制裁も受けない。

ジャニー喜多川による児童・青少年に対する性虐待問題は、BBCで大きく取り上げられて以来、ようやく日本のTV・新聞も取り扱うようになりました。

そして、真の意味で「中立」な調査委員会が調査を行ったところ、その児童虐待・青少年虐待は半世紀にわたって繰り返され、その被害者も数百人、数千人規模という空前絶後の規模であることが明らかとなりました。

しかも重要なのは、そうした性虐待の事実を、ジャニーズ事務所は組織として認識し、その上でその事実を意図的に隠蔽し続けていたことも明らかとなりました。

今、新聞TVの各報道機関は、以上の「調査期間が発表した事実」を報道する形で、ジャニー喜多川性虐待問題を報道しています。
(例えば、コチラhttps://www.youtube.com/watch?v=BEioohiDHdQ

しかしこの問題を隠蔽したのは、ジャニーズ事務所だけではありません。

今、この問題を〝いけしゃぁしゃぁ〟と報道している大手のTV新聞も実は、ジャニーズ事務所と全く同じく、この超大規模性虐待問題を隠蔽し続けたのです。

したがって、この事件の主犯はジャニー喜多川であったとしても、ジャニーズ事務所と大手TV新聞社もまた、共犯という形で大きな罪を負っているのです。

したがって今、TV新聞は、自分自身が本事件について共犯行為を働きながら、その反省を行うこともなく、全くもって第三者のフリをして「ほっかむり」しながらこの性虐待事件を報道している、という状況にあるわけです。

この「マスメディアによる重大情報隠蔽」という組織的行動がなければ、ジャニー喜多川の性虐待の被害は、ここまで拡大していなかったことは確実です。したがってこの「マスメディアによる重大情報隠蔽」は、極めて深刻な被害をもたらしたわけであって、したがってそれは、本来ならば、新聞TV各社は近代的法制度によって裁かれなければならない、重大な組織犯罪なのです。

しかし、残念ながら近代社会というものは、法的な責任単位が「個人」であって「組織」ではないため、新聞TV各社という「組織」を罰する法制度は存在していないのです…。

それはちょうど、オウム真理教や統一教会、ビッグモーターが「組織」として十分裁かれていないのと全く同じ構図があります。

いわば、新聞TV各社は、「マスメディアによる重大情報隠蔽」という巨大な罪を犯したにもかかわらず、法律の網の目をかいくぐっていけしゃぁしゃぁとビジネスを継続し続けているわけです。

つまり、「ジャニー喜多川問題についてのマスメディアによる重大情報隠蔽事件」の「主犯」はまさにその新聞TV各社であるにもかかわらず、その罪は、一切法的に裁かれないのです。

本当に腹立たしい話しです。

しかも、「法律の網の目かいくぐった犯罪」に対してできるのは、「社会的制裁」しかないのですが、その主たる執行者は、新聞TVのマスメディアです。

だから、社会的制裁において新聞TVには、我々の中で唯一最大の特権を持っているのですが、新聞TVは、その自らが持っている特権を十全に駆使する事を通して、自らの犯罪行為に対する社会的制裁からも逃れているわけです。

重ね重ね、本当に腹立たしく思います。

追伸:本記事は、メルマガ「表現者クライテリオン編集長日記」(https://foomii.com/00178)に掲載した記事を、改めて一般公開用に調整した内容です。本記事は、下記の「その2」の記事に続きます。

『【腐敗国家・日本(その2)】ジャニーズ性虐待「隠蔽」事件における新聞TVはジャニーズ事務所と全く同罪。ジャニーズ事務所の謝罪が当然であるなら、新聞TVからの謝罪も当然必要である。』
https://foomii.com/00178/20230911091059113924

この後編では、テレビ各局の上層部がこれまで、この問題を報道すべきだと言う誠実なスタッフ、出演者の声を何度も握りつぶしてきた実情について、実例を交えながら解説いたします。

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【藤井聡】ジャニーズ性虐待「隠蔽」事件の「主犯」は新聞TV。しかしそれは法でも裁かれず報道もされず社会的な制裁も受けない。への3件のコメント

  1. 利根川 より

     日本の経済財政政策(緊縮政策)はアメリカの主流派経済学者(ジョセフ・スティグリッツ教授)からも念入りに否定されているので、日本の主流派経済学とアメリカの主流派経済学はもはや別物なようです。なので、今後、わたしが主流派経済学と言う時は”日本の”主流派経済学だと思ってください。くわえて、現在のインフレはエネルギーや輸入物価高騰によるコストプッシュインフレなので、日本国内の需要は相変わらず低い状況が続いている点も指摘しておきます。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     経済学者は、主流派経済学の理論体系にのっとって論文を書かなければ論文審査の段階で却下されてしまいます。それでは、経済学者としての業績を重ねることができず、研究者としての職を得ることはできません。経済学者として生きていくには、主流派経済学の論理体系を受け入れるしかない仕組みになっているのです。こうして、主流派経済学の論理体系に忠実な経済学者だけが、経済学会に残ることになります。

    中略

    主流派経済学の論理体系は「一般均衡理論」を基礎にしています。「一般均衡理論」とは、簡単に言えば、経済全体における市場の需要と供給が、価格メカニズムを通じて、常に一致するという理論です。
     どうして、需要と供給が常に一致するのかと言えば、この理論は「供給は、常に需要を生み出す」、つまり作ったモノは必ず買ってもらえるという法則を前提としているからです。この法則を「セーの法則」と言います。
     もちろん、現実の世界では、作ったモノが必ず買ってもらえるとは限りません。「セーの法則」などというものは、現実の世界には存在しません。
     それにもかかわらず、主流派経済学は「セーの法則」を前提としてしまうのです。そうしないと、需要と供給が自動的に一致するという「一般均衡理論」が成立しないからです。
     
    中略

     しかし、日本の政治家も官僚も、そんな主流派経済学(机上の空論)に基ずく経済政策を採用してきました。経済界もマスメディアも、主流派経済学者が言う財政破綻論や成長戦略を鵜吞みにしてきました。どうして、誰も主流派経済学者の言うことを信じて疑わないのでしょうか。それは、彼らが主流派経済学の権威に弱いからというのもありますが、それだけではありません。

    中略

    世の中にはデフレ(需要不足)や賃金下落が好ましい人々が居ます。「好ましい」とまでは言わなくても、少なくとも、それほど痛みを感じないで済む人々が居ます。なぜなら、デフレとは貨幣価値が上昇することですから、お金持ちや債権者にとっては良いことです。反対に、借金をしている人には、債務が実質的に膨らんでしまうので、つらい。
     あるいは、賃金が下がることは、労働者にはつらいことですが、投資家や企業経営者にとっては、人件費がカットできるので悪いことではありません。そうすると、富裕層、投資家、企業経営者にとっては、主流派経済学者が提案する経済政策は、貨幣価値を上げ、賃金を抑えるからこそ、自分たちにとっては都合の良いものとなります。
     さて、そうなると、富裕層、投資家そして企業経営者は、主流派経済学者の意見をよく聞き、主流派経済学者が提案する政策を実現するように、政治家に働きかけるでしょう。一般的に、富裕層、投資家そして企業経営者は政治家に対して強い影響力を持っています。
     さらに、富裕層らは大学、研究機関、シンクタンクに対して多額の寄付を行い、自分たちに都合のよいように政策提言を発信させたり、世論を形成させたりするようなこともするでしょう。そうすれは、マスメディアも味方にすることができます。このようにして、政治家、経済界、学界、マスメディアは主流派経済学と同じ見解に染まっていきます。
     しかも、富裕層、投資家、企業経営者たちはグローバルに活動しており、海外に取引先や友人をたくさんもっています。そうなるとこの「認識共同体」はグローバルに展開されていきます。また、彼らの子弟は海外の大学に留学して、そこで主流派経済学やそれに類する考え方を学び友人を作ります。こうして「認識共同体」への仲間入りを果たせば、彼らの将来は約束されるというわけです。
     官僚も同じです。主流派経済学の「認識共同体」に入って「鞭型」成長戦略を実行すれば政治家からも産業界からも経済界からも高く評価されます。それだけでなく、海外のエリートたちからも高く評価されます。
     自分の考えが国内外のエリートたちから高く評価されれば、それが間違っているとは、なかなか思わないでしょう。仮に間違っていると思ったところで、それを口に出してしまったら、周囲からの評価を下げるだけです

    著:中野剛志「目から鱗が落ちる奇跡の経済教室」より抜粋

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ジャニーズ問題で芸能人やマスメディアが叩かれていますが、「強い奴につく」ことで出世や保身をする構造はなにも芸能界やマスメディアに限った話ではないということです。

    「仮に間違っていると思ったところで、それを口に出してしまったら、周囲からの評価を下げるだけです」

    「かんぽ生命」の不正契約問題を思い出していただきたい。この問題は、かんぽ職員が「認知症の老人」に必要のない保険契約を何重にも契約させていたことが明るみにでて問題になりました。しかも、組織ぐるみで行われていた。もちろん、「こんなこと間違ってる」とそのやり口に反対した職員もいたようですが、そういった人はクビにされ、世間からは

    無職のろくでなし

    と後ろ指をさされることになりました。
     コロナ禍の際、安藤裕前衆議院議員は「粗利補償」や「消費税廃止」を訴えましたが、そのことで党上層部の不興を買って次の選挙では公認をもらえないことになりました。
     マトモな奴ほど職を失う、それが現在の日本です。昔の中国の王朝のように「皇帝(強い奴)の周りにいる奴だけが得をする」いつの間にかそんな国になってしまっていたということです。
     三橋TV第755回で

    三橋さん「インボイス賛成派はいったい誰のために戦っているのか」

    と憤りをあらわにしていましたが、彼らは知っているのです。「強い奴(財務省)」についた方が得だと。まあ、財務省が失脚解体するような事態になれば

    いけしゃあしゃあと「あいつらは悪い奴だと俺も思ってました」

    っていうようになるんでしょうけどね。

    「強い方につく」

    現在の日本ではありふれた光景になっているように感じるのは私だけでしょうか。はたして、「多くの関係者が強い方についた結果」、被害が拡大したジャニーズ問題を真っ向から非難できる人間がどれだけいるのか…わたしもまた「強い方につく」人間なので人の事はとやかく言えませんね。

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      1. 利根川 より

         ところで、TV新聞などのマスメディアについてですが、

        TV「ジャニーズ問題については報道すべきことを報道できていなかったことは我々も深く反省すべきだと思います」

        そのように言っています。
         2023年9月14日の「よみうり寸評」には

        「借金が野放図に膨らむ財政の再建も急がれよう」

        「経済対策にしてもばらまきとは決別せねばなるまい」

        なんて書いてあるんですよ。
         戦前は軍部について「大本営発表」を垂れ流し、戦後はGHQについて「お米を食べると馬鹿になる」なんてやっていて、今はジャニー喜多川に配慮して「報道しない自由」をやっていたのがバレたところ。そして、相も変わらず「財務省」のケツをなめまわしているわけだ。徹底していますね~(苦笑い
         100年近く「強い方につく」という方針でやってきたのが日本のマスメディアなんだから、今更変われやしないと思うわけですが、どうなんでしょうね。

        財政再建、つまりは政府を黒字にするということですが、政府が黒字になるということは、民間は絶対に赤字になりますよね。簿記、わかりますか?それって急いでやらないといけないことなんでしょうか?

        バラマキとは決別せよと言いますが、バラマキって何のことを言っているんですか?令和五年度 一般会計予算では食料安定供給やエネルギー対策費は増えませんでしたが、まさか、それらを増やすことをバラマキとは言わないですよね?建築業者が足りなくて大阪万博がピンチだそうですが、技術者を増やすためにも公共事業費を増やすこともバラマキではないですよね。バラマキって何のことなんですか?

        わかってるよ、何も考えないで財務官僚にレクチャーされたことをオウムのように繰り返しているだけなんだろ?

        そんなことを続けていたら、またジャニーズ問題みたいになるぜ?

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