日本経済

2021年12月19日

【三橋貴明】貨幣観の転換が始まった(前編)

【近況】
来年の三橋経済塾第十一期の
ゲスト講師が決まり始めています。
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

第一回(1月15日) 
岡三証券 投資調査部 
会田卓司・チーフエコノミスト

第二回(2月19日) 
自民党財政政策検討本部長 
西田昌司・参議院議員 

第三回(3月19日) 
鈴木宣弘・東京大学大学院
農学生命科学研究科教授

第八回(8月20日) 
冨田宏治・関西学院大法学部教授

※三橋経済塾は、インターネット経由で
「いつでも、どこからでも」受講可能です。

先日の文藝春秋の
「中野剛志 対 小林慶一郎」の対談で、
小林教授が最後に興味深いことを
言っていました。

「貨幣は政府の債務です。
「自国通貨建て国債はデフォルトしない」のは
国債という債務を貨幣という債務に
置き換えているだけだからです」

正解! 
貨幣(日銀当座預金、現金紙幣)は
日本銀行の負債であり、
バランスシートの貸方に計上されています。

そして、国債は日本政府の負債であり、
バランスシートの貸方に計上されています。

貨幣について「債務と債権の記録」で
あることを理解しながら、
小林慶一郎教授は未だに
ハイパーインフレ論に固執しています。

結局のところ、
これまでは「貨幣はモノ」という認識で
破綻論を主張してきた人物が、
「実は貨幣は貸借関係」と、
ついに理解してしまい、
「いかに取り繕うべきか」
という段階に進んだという話なのでしょう。

日本銀行発行の貨幣も国債も、
同じく「負債」であり、
国債を日銀当座預金で
置き換えてしまえば
「債務不履行」などあり得ない。

ちなみに、中央銀行の国債買取について、
英語では「マネタイゼーション」と呼びます。
文字通り「国債の貨幣化」です。

それがなぜか、日本では
「財政ファイナンス」と呼ばれていた。

もっとも、2013年度以降の
量的緩和政策で、
財政ファイナンスならぬ「国債の貨幣化」を
したところで「何も問題が無い」ことが
証明されてしまったわけです。

貨幣論は、実に面白い。
皆様も、是非とも三橋経済塾で
「貨幣論」を学んで下さいませ。

◆「日本をダメにした財務省と
経団連の欺瞞(小学館)」
が刊行になりました。
https://amzn.to/38q1LPW

◆「自民党の消滅(ベストセラーズ)」
(書籍版)が刊行になりました。
https://amzn.to/3dEIFqS

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
第446回 「財政破綻という神話」

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol658 国債の60年間償還ルール
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
実は、政府の一般会計歳出に
「国債の償還費」を含めているのは、
日本だけです。
日本以外は全て「利払い費」のみなのです。
なぜ、このような事態になっているのか
解説します。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

真の将来世代へのツケの先送りは
移民国家日本を残すことだ!
[三橋TV第481回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/EmxUkYBWlnw

日銀の国債買取への誤解 
既発債のインフレ効果は完了している
[三橋TV第482回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/aZUS4GZLO28

「賃金主導型」から「企業利潤主導型」に
「改革」された日本経済
[三橋TV第483回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/WPrTeRULkkk

特別コンテンツ配信中。

シンガーsayaの3分間エコノミクス
【第14回 財政支出】
https://youtu.be/AeW3gCP9UvY

株式会社アメリカの食糧戦略…
第二の占領政策の実態と
売国奴たちの正体
(鈴木宣弘X三橋貴明)
https://youtu.be/k29dQD73OJQ

【総集編】報道されないデジタル化の罠…
アメリカが狙う次なる“日本の宝“とは
堤未果×三橋貴明×高家望愛
https://youtu.be/UOjpYsBgG_g

歴史書が証明した神武天皇の存在
(長浜浩明)
https://youtu.be/yyumrh9Z83s

小泉内閣が仕掛けたB層マーケティングの闇
【12/21(火)23:59までの限定公開】
https://youtu.be/-0e1bJ_iRnM

「導入時にすでに失敗した
消費税を死守する財務省
第2法人税と言われる所以を解説」
西田昌司×三橋貴明
MMT対談 VOL.2 西田昌司の政策議論
「西田ビジョン」【週刊西田】
https://youtu.be/kTqDnCvpBes

◆三橋経済塾

12月18日 三橋経済塾
第十期第十二回対面講義を開催いたしました。
https://members10.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1658
ゲスト講師は佐藤健志先生でした。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】貨幣観の転換が始まった(前編)への5件のコメント

  1. この世は既にあの世 より

    貨幣がなんであるかはどうでもいいです。どうでもいいから寄越せ、という問題なんですよ。

    学術的なことはどうでもいいですし、シンプルイズベストです。

    貨幣じゃなくて、労働者に対する分配を今の糞爺ィ共が渋った。だから労働者に金がなくて需要不足というデフレに陥った。

    だから「供給力こそ」は間違いである。供給が上回ればデフレです。供給、つまり投資が需要を生み出すわけじゃありません。需要が供給を生み出す。

    国民に金があると仮定すると、アホなテレビのコメンテーターみたいに「イノベーションを生み出せば国民は金を使う」と言い出す。

    そうではなくて老人になると特に欲しいものなんか無いんですよ。若者、子育て世代、精々40代くらいまでが欲求から金を使うわけで、糞爺ィ共を長生きさせて、糞爺ィ共に金を使わそうとするのが間違い。或いは金持ちも胃袋が2つも3つもあるわけじゃないのでそこを優遇しても変わらないわけです。

    欲しいものがないから、無理矢理に「安全保障」とか言い出して国民の合意形成としたがり、それを需要と呼ぶのは間違いです。

    暇つぶし、欲しいものがない人に、「ほら、あなた欲しいでしょ?」と言われても、「いいや、それほど」となるのは当然であり、通常これを需要とは呼びません。

    需要とはあくまでも金。国民の使える金のこと。そもそも国民は「給料が安い」「生活が苦しい」と言ったことから経済のそれに関して関心を持っていたわけです。何も労働が善とか道路が無くて、とか、新幹線が足らないとか、安全保障がどうとか、関係無いんですよね。

    また、左派はいつまでも既得権益や自分の命にしがみつくんです。何故か?桜井誠氏も言ってるが、死ねば自分が地獄に堕ちると本能的に知っているからです。

    対して右派は自分の命、会社、故郷、金、他人、突き詰めれば国や皇室にも執着は無いのです。

    あ、そうかい、勝手にすれば?いつでも死んでやりゃあ、要らねぇよ、くれてやるよ、という感じ。

    水島はどうですか?左派ですよね。「俺が俺が、俺だけが真正保守なんだ!米国、米国、皇室」ね、執着心そのもの。

    まともな神経があれば靖国神社の鳥居の前で寄付金を募ったりはしません。

    大企業も左派、左派だからSDGs運動をしたりする。コロナ脳の自称保守の糞爺ィも左派、左派だから「俺を守れ!俺は高齢者という弱者なんだ!俺を守るのが保守や若者の勤め」と毎日連呼してやがる。

    時にアホな若者に媚びて自分を守ろうとする糞爺ィ、どうですか?

    汚い連中でしょ?

    水島とかウジ虫なんだけども、桜井誠によるとゴキブリってのは、暗くてジメッとした汚いところが好きなんですよ。だからそこに行くんです。

    全くその通りで水島は便所論、便所論と便所を基準に考えるんですよ。何故か?便所が住処のウジ虫だからです。

    そういうヤツが一杯いるわけですよ。

    便所の扉を開けると、便所ハエの水島、上念司だの渡辺哲也、百田、有本香、加藤、西岡、ネトウヨなどがブンブン飛び回っているわけですよね。

    普通の人はうわーッってなってドア閉めますよね?

    安倍という糞の前で両手を擦って媚び売って、ハエそのものでしょう?それでまともな人間に安倍という糞しかいない、とか何とか言ってるんですが、

    俺はエスカルゴとか食わないし、糞も食わないから安倍も嫌です。と言ってるけどハエには分からないんでしょうねぇ。

    子供の頃にアカサシを自宅の冷蔵庫に入れて明日釣りに行こう、と思ってたら母親が「ギャーっ」ってなったんですよ。

    赤いウジ虫が冷蔵庫の中で蠢いていたら、ギャーッと叫ぶのが正常な人の反応なんです。

    桜井誠氏は「日蓮なんか拝んで何が楽しいのか知りませんけどねぇ」と創価学会も批判。創価学会、公明党も批判されて当たり前。あれも糞。福祉の党でもなんでもない。

    糞爺ィ共は考えを変えませんし死んでもらうしか既得権益から退場してもらうしかないのです。

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  2. この世は既にあの世 より

    ベーシックインカムに反対するあまり緊縮派に転向する人々が見受けられますね。いわゆる労働狂信者です。いやだから働いてるちゅうねん。解らん連中だよね。資本の手先かよ。

    まあそんな連中のことはどうでもいいけど、私は積極財政に加えて、積極的ニヒリズムを推奨しますね。

    所詮は同じ事を繰り返す事しか出来ない我々への対処法は、この世に存在するものを無価値と判断し、ニーチェの言うところの消極的ニヒリズムから積極的ニヒリズムへの転換を果たして超人になるしかないだろうと思う。

    超人とは古いもの、つまりは日本の歴史や経済成長期などに立ち返らず、ルサンチマンを肯定的に捉え、日本は死んだ、皇室も死んでいた、その現実から虚無感に襲われますが、それを積極的ニヒリズムに変えて今やこれからを楽しむことにより乗り越えようと構えるしかないでしょう。

    だから改革なのです。改革のすべてが悪いわけではないですし、古くさい日本企業をなんとかしようだなんて、余計に消極的ニヒリズムやノスタルジーに浸り消極的ニヒリズムに陥るだけ。

    衰退し続けて寄生虫の様な経団連企業、加齢臭の糞爺ィ、果ては自分まで無価値と判断し捨て去る意識を持つことが主体性を持つ国民を生み出し、独立国家に繋がり繁栄に繋がるのでは?

    ニーチェによると弱者には生きる資格はないのですが、ここで言う弱者は金をいくら持っているかいないか?ではなくて過去にこだわり、日本にすがり、安倍にすがり、米国にすがろうとする者らのことを指すと私は解釈しますね。

    それらを捨て去ろうと。

    私が安全保障談義を毛嫌いする理由にもニーチェが答えている。

    「男が本当に好きなものは二つ。危険と遊びである。そしてまた、男は女を愛するが、それは遊びのなかで最も危険なものであるからだ」

    危険なものが好きな以上、何かと言えば安全、安全という言説に私は興味なんか基本的にはないのです。

    それでも“今”が恐くなって 焦る気持ちが空回り
    両手放しで行き場のない振りしてみても
    延期不可能な次の一秒 強くなれる君の一秒というわけです。

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      1. kw より

        ニーチェはいいから、まずバカと窘めてくれる友だちを作ることから始めよう。

        それから、よーくまわりを見てみよう。このサイトでベーシックインカムの議論を展開している執筆者はひとりもいない。あなたがひとりで勝手に盛り上がっているだけだ。

        そういう場違いさも、バカと窘めてくれる友だちを作るとわかるようになる。

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  3. 日本は自主防衛(核武装)するしかない より

    「先進国の自国通貨建て国債は(日本のように対外債務の少ない国では、原則として)デフォルトしない」――別にこの点については私も特に異論はありません。おっしゃる通りだと思います。

    ですが、問題はそこではありません。

    日本の積極財政が実現しないのは、「財務省の貨幣観が間違っているから」ではありません。といいますか、当の財務省がかつて「外国格付け会社宛意見書要旨」で日本国債のデフォルトを否定しているのですから、彼らは本音では始めから解っていると考えるのが妥当。

    本当の理由は、「日本は未だにアメリカの事実上の植民地で、日米同盟を盾に経済政策をコントロールされているから」です。つまり、財務省は単なるアメリカのパペットに過ぎない。

    〈伊藤貫 著『自滅するアメリカ帝国~日本よ、独立せよ~(文集新書)』P63~64より引用(※文脈の都合で一部追記)〉

    (ジョセフ・ナイは)「日本を今後も自主防衛能力を持てない状態に留めておくために、アメリカは日米同盟を維持する必要がある。日本がアメリカに依存し続ける仕組みを作れば、我々はそのことを利用して、日本を脅しつけてアメリカにとって有利な軍事的・経済的要求を呑ませることができる」という対日政策を提唱していた。

    〈引用、終わり〉

    ここでいう「アメリカに有利な経済的要求」の代表が、小泉内閣時代から今日まで続いている「構造改革(日本経済のグローバル化・アメリカ化)」。三橋先生も再三おっしゃっておられるように、これらには緊縮がつきものなわけでしょう?

    つまり、緊縮はアメリカの要求といえるわけです(「年次改革要望書(※現アーミテージ・ナイレポート)」で実際に支持が出されていますので、ちゃんと証拠もある)。

    「俺たちの要求を呑まないと日米同盟を切って丸腰のまま中朝露の前に放りだすぞ、それでもいいのか?」と脅されているのです。日本の自衛隊はアメリカの補助部隊に過ぎませんから(ブレジンスキー元米大統領補佐官がそう言ってます)、単独で自衛は不可能です。

    こんな状況で財務省が反発できるわけがないでしょう? 反発したところで、CIA等の工作によってあっさり失脚させられるのがオチです。にもかかわらず、貴方がたは財務省がまるで悪玉かのようにでっち上げて非難し、国民を間違った方向に煽動している(実際多くの経済に関心を持つ層が、「財務省を倒せば解決する!」と思い込んでいます)

    結局「ノー」と言えないのは日米同盟に縛られているからなのですから、まずは何としてでも自主防衛の議論をするしかないのです。そして中国のような核武装国を抑止するには、こちらも核武装する以外の選択肢はありません(「核の傘」「核シェア」「ミサイル防衛システム」「敵基地攻撃能力」で十分というのは、全てフェイク)。

    至急、自主核武装の議論をお願いします。政治家や官僚はすぐに失脚・左遷されてしまう可能性が高いので、まずは貴方たち言論人が動き、世論を誘導してくださらないとどうにもなりません。

    少なくとも、「財務省悪玉論」や「国際金融資本陰謀論」のようなデマをばら撒くのだけは止めてください。

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      1. ts より

        広島、長崎と核を落とされた国が核武装ってか?
        マンガみたいなこと言ってると誰も相手にしなくなるぞ

        返信

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