日本経済

2019年7月24日

【藤井聡】我々はこの選挙結果を受けて、「消費増税」に対して如何に振る舞うべきなのか?

From 藤井聡@(京都大学大学院教授)

我々はこの選挙結果を受けて、「消費増税」に対して如何に振る舞うべきなのか?

参議院選挙で、与党は、当初目標としていた
改選過半数の目標をクリア。

この結果を受けて政府与党は、
事前に掲げた公約が、
国民の信任を受けたのだと、宣言。

言うまでも無く、
投票率は50%を下回るほどに低く、
与党の公約なるものが、
「真の世論」
の支持を受けたかと言えば、
決してそうではありません。

しかも、自民党は議席をかなり減らしたわけで、
この結果を受けて、与党が
国民の全面的信任を受けたとは到底言えないのは事実です。

しかし、それでもなお、野党との格差は未だ大きく、
「与党完勝」と解釈せざるを得ないのは、
誰も否定できないでしょう。

そして、今回の選挙で、
選挙期間中にはあまり大きな争点に、
扱われていませんでしたが、
与野党で最もクッキリと意見が分かれていたのが、
消費増税。

与党は賛成、野党は反対
だったわけですが、
そんな中、野党完敗、与党完勝となった訳ですから、
消費増税の凍結は、極めて困難な状況となりました。

もちろん、総理大臣が8月、9月に解散し、
消費税凍結や減税を宣言して総選挙を行う、
ということは理論的に可能ではありますが、
こんな選挙結果が出た後では、
そうなる可能性は基本的に「無い」と考えざるを得ません。

事実上、本当にリーマンショック級と言われる、
文字通りの「世界同時金融危機」が
起こらない限り、消費増税は行われることになるでしょう。

・・・誠に遺憾です。

こうなったのは、
まず第一に与党が、
消費増税を公約に高らかに掲げる一方、

第二に、
野党についても、(一部のれいわ新選組などを除けば)
消費増税の深刻な問題を旗幟鮮明に訴えることを
回避したからだと言えるでしょう。

第三に、
「政府与党」と「財務省」に忖度するメディアが、
消費税を争点化すること自体を回避したこともまた、
決定的に重要な要因です。

そして何より第四に、
国民における「真実を求めようとする気風」
大きく衰弱していることが、
重大な原因だと言うこともできるでしょう。

選挙前日の「宮迫・田村会見」の
メディア上での、あの大きな取り上げぶりが、
それをハッキリと物語っています。

その結果、与党に投票することが、
10%消費税という「地獄の扉を開く」ことに繋がる、
という自覚を持たぬまま、
多くの国民が、今回の選挙結果を作り出したのです。

・・・誠に遺憾です。

しかしながら、仮に10%増税が現実となったとしても、
それで日本が「終わる」わけではありません。

その増税は、それ以後の未来の日本にとっての
重大な「禍根」となることは確実ですが、
だからといって、歴史が終わる訳では無いのです。

だからこそ、今からできることを考えねばなりません。
それは、

第一に、9月一杯までの後二ヶ月の間に、
増税回避をもたらす「何らかの僥倖」が訪れた時には、
確実にその好機を逃さぬようにすること、であり、

第二に、増税した直後に、15兆円規模の超大型経済対策を行い
消費増税の被害を可能な限り最小化すること
、であり

そして第三に、「減税」に向けた長期戦略を
様々な可能性を見据えながら練り始めること

です。

いずれにせよ、わたしたちは、
(少なくとも、皇室があらせられる限りにおいて)
この日本を終わらせるわけには、行かないのです。

追伸1: こんな時代だからこそ、今一度、国家の在り方を見直さなければなりません。是非、「令和

日本・再生計画」をしっかりとお読みください。
https://www.amazon.co.jp/dp/409825350X/

追伸2:
日本の外交も、これで本当に厳しい状況に立ち至りました。
https://www.youtube.com/watch?v=Jf2wUvLuWA4&feature=youtu.be

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【藤井聡】我々はこの選挙結果を受けて、「消費増税」に対して如何に振る舞うべきなのか?への5件のコメント

  1. たかゆき より

    国民をダメにする 3S

    sccreen sports sex

    小生 ちょっとした自慢ですが、、

    スマホは 歩きながらも 風呂場でも

    早朝テニスに ウツツを抜かし

    セックスは 朝昼晩 三度三度に

    食前食後

    今だけ 俺だけ 娯楽だけに 専念する日々

    掠りの平蔵が言う通りに

    国民はダメになる権利が保障されて いる。。

    その国民固有の権利は

    誰からも侵害されたくなし

    というわけで

    地獄への 道連れ 御免

    蒙 ♪

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  2. 神奈川県skatou より

    戦略-戦術-戦闘に分類すれば、

    三橋先生が最近言及されている方針、とくに「用語を変えよ」は戦闘の技術としてとても重要かなと思われます。

     財政赤字→民間黒字
     国の借金→貨幣発行残高
     プライマリーバランス黒字化→国民赤字化

    理屈の内容で攻めるでなく、まずは用語の定義および事実で突きつける。相手を変えるか、最低でも制止するという目標だとすれば合理的です。
    つまり、橋を改造するに、いきなりトラス橋をアーチ橋に構造を変更するのは無理筋で反発のみで終わるでしょうが、橋脚の部材を入れ替えるならば可能、ということです。
    そして足元が決まれば、不要な構造は勝手に崩壊すると。

    戦術といえば、己が企図を遂行させ、敵対の企図を挫くか抑止するのが要諦でしょうから、この目標にも、事実を踏まえた用語の指摘により、相手を停止させることが出来るので優位を得ることができるかも知れません(戦術的勝利)

    戦略としては、おおきな目的は、豊かさに形を与える文化文明の維持興隆のためとすれば、最終形は伏せても、その前段階で、国民国家と民主主義=法治主義(ルール主義?反権威・反人治主義)のスタンスで、日本人のあるていどの左右、保革で協調していくのが、この10年ぐらいのマイルストーンなのでしょうか。
    (このスジさえ共有していれば、移民問題も安保問題も、やりようがあるはずです)

    そのころ日本経済がイケイケに戻っていれば、また「本当の豊かさとは」という希求になるでしょうし、そのとき伏せたものも論議になりますし、またそれにより日米の覇権対立、ステージは文明でしょうが、そのオトナな落としどころを(こんどこそ)付ける、ぐらいまでは描けるような気がします。

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  3. どーも より

    やはりこれから消費税増税を中止させるための方法としては、なるべく早くケルトン教授にまたお越し頂いて、以前ブータン国王夫妻がやった様に国会議事堂で全国会議員を前に演説してもらうことが1番効果的だろうと思います。

    そして、シンゾーを初めとした消費税増税を狙う議員を面と向かって叱り飛ばしてほしいと思います。

    これしか方法はないのではないかと思いますので、何卒ご検討くださいます様よろしくお願い申し上げますm(__)m

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  4. 大和魂 より

    海外での情報分析とすれば、いつでもどこでも、例えば沖縄だろうが大阪だろうが北海道などと、カモ的存在を露呈した選挙となったことです。なぜならあれだけ平成期に衰退させた挙げ句に、この結果とは、まさに天才バカボン的には、恥を知りなさいでいいのだ 。

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  5.  この記事を拝読するとともに、
     【Front Japan 桜】『言いがかり』しか出来ない、MMT批判の有識者達 / 戦争を語る事実・虚構・真実の間[桜R1/7/31]
     を拝見しました。

     「リーマンショック級」の世界同時金融危機といっても、サブプライムローンを証券化した金融商品に日本はほとんど手を出さず(そもそもそんな余裕が無かった)、本来日本は間接的な貰い事故だったはずです。
     今回の10%への消費増税は日本発の世界同時金融危機を誘因する可能性すらあるというのに!
     FOMCのFRB(FED)でパウエル議長の予防的措置と限定した政策金利0.25%引き下げ判断を巡って、米株の急落があったばかりです。
     さらにパウエル議長は、手持ちの国債を手放す可能性にも言及しましたが、押付け先のあては日本なのでは?
     その時点では円安との綱引きだったのが、足元では、ドル円が106.58円に急騰。

     それで、デフレだから金融緩和・財政出動【ポリシーミックス】をしてインフレになればその逆をすれば良いだけだという実例は過去の日本でありました。
     
     高橋是清蔵相です。
     確か自民は麻生財務大臣の事を『平成の高橋是清』とか自画自賛のドッコイショをしていませんでした?
     
     ブラックサーズデー【ウォール街大暴落】が1929年10月24日(木曜日)
     それに先立ち、1927年(昭和2年)に昭和金融恐慌が発生し、瓦解した第1次若槻内閣に代わって組閣した田中に請われ自身3度目の蔵相に就任した高橋は日銀総裁となった井上準之助と協力し、支払猶予措置(モラトリアム)を行うと共に、片面だけ印刷した急造の200円札を大量に発行して銀行の店頭に積み上げて見せて、預金者を安心させて金融恐慌を沈静化。【金融緩和=貨幣の流動化】

     更に1931年(昭和6年)、政友会総裁・犬養毅が組閣した際も、犬養に請われ4度目の蔵相に就任し、金輸出再禁止(12月13日)・日銀引き受けによる政府支出(軍事予算)の増額、時局匡救事業【積極的な財政出動】で、世界恐慌により混乱する日本経済をデフレから世界最速で脱出させます。【ポリシーミックスの完了】

     MMTとか言わなくても、既にポリシーミックスが成功した実例が日本にあるわけです。

     それで、経済が過熱し、インフレの気配が出始めたタイミングで、高橋蔵相は、緊縮財政という、ブレーキを踏みました。
     だたそれだけの話です。

     ところが運が悪いことに、1930年ロンドン海軍軍縮会議において不平等な軍縮を押し付けられたという軍の不満が募り、更に軍の皇道派と統制派の主導権争いが生じ混乱している真っ最中。

     ついに、1936年(昭和11年)2月26日に皇道派の陸軍青年将校による軍事クーデター、二・二六事件が起きます。

     元総理の高橋是清大蔵大臣は
     『インフレ抑止を目的とした緊縮財政』で陸軍省所管予算の削減を図っていたために恨みをかって拳銃で撃たれた上、軍刀でとどめを刺され即死!

     仮に、消費増税凍結どころか、撤廃して、財政出動をやって、インフレになったとして、緊縮財政でブレーキをかけても、
     現在において、高橋是清蔵相のように、軍事クーデターで財務大臣が殺害されることが有り得るのでしょうか?

     『平成の高橋是清』だったはずの麻生副総理・財務大臣こそ、藤井先生の提言を実現してしかるべきだと思うのですが…。

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