日本経済

2019年6月24日

【三橋貴明】MMTと民主主義、経済移民

From 三橋貴明

MMT関連で、
改めて学び直したことが複数あります。

まずは、主流派経済学が敵視する
「財政民主主義」です。
日本国憲法には、
「第八十三条 
国の財政を処理する権限は、
国会の議決に基いて、
これを行使しなければならない。」

という条文があります。
国会の議決で、財政が決まる。
つまりは、決定するのは国会議員。

そして、国会議員は
我々有権者が「票」によって選ぶ。
日本国民は、国会議員を通して
財政を決定する主権を保有しています。
これが、財政民主主義です。

ところが、主流派経済学は
ジェームズ・ブキャナンが典型ですが、
財政民主主義を敵視します。

理由は、
「我が儘な有権者の要求に応じて、
政府が財政や通貨発行を拡大していくと、
インフレ率がどこまでも上昇していく!」

でございます。
最近、MMT批判派が
「インフレ率をコントロールできなくなる」
と繰り返しているのは、
彼らが主流派経済学に属しているか、
もしくは組している証です。

ブキャナンは
財政民主主義を妨害するために、
「財政均衡を憲法に書くべきだ」
と主張していました。

我々の主権に対する脅威は、
別に経済学だけが
もたらすわけではありません。

「どこに住んでも構わない」
いわゆるエニウェア族のグローバリストと、
「日本にしか住めない」
サムウェア族の日本国民。

エニウェア族は、
別に日本に住む必要もないため、
我々の主権が侵害されても構わない。
とはいえ、我々はそうはいかない。

香港では、
自分たちの主権を守るために
サムウェア族の市民が戦う反対側で、
エニウェア族の金持ちは
資産を香港外に移していっている。

また、
MMTの政策パッケージの一つJGPは、
完全雇用の保障です。
雇用を守るという意味における
安全保障の強化、
と表現しても構わないでしょう。

MMTで各国において
完全雇用が実現すれば、
経済移民は激減することになります。

ちなみに、日本は1970年代までは
「移民送り出し国」でした。
日本からの移民流出が止まったのは、
もちろん経済成長の結果です。

各国が「ナショナル」な世界において、
雇用が保証される形で経済成長を目指す。
結果、経済移民が消えれば、
各国の排外主義が抑制され、
真っ当な「国際関係」が成立する。

すなわち、インターナショナリズムです。
もちろん、MMTにより
人類に理想社会が訪れると
断言する気はありません。

とはいえ、
MMTは「民主主義」や「反・排外主義」と
密接に関係があるのは確かなのです。
日本において民主主義の重要性や
排外主義の排斥を叫ぶ人こそ、
MMTを支持しなければならないのです。

【三橋貴明×中野剛志「歴史とナショナリズム」】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/2019/06/15/video/

◆ビジネス社「米中覇権戦争 残酷な未来透視図」が刊行になりました。
https://amzn.to/2UEWkYK

◆彩図社「亡国のメガロポリス」が刊行になりました。
https://amzn.to/2F5nqi3

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第325回 ポルナレフ国家
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol526 MMTと経済移民
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
実は、日本は1970年代まで「移民送り出し国家」であったという事実を知っていますか? なぜ、我が国で経済的な理由で祖国を捨てざるを得ない国民が皆無になったのか。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

三橋TV第105回【MMTで就職氷河期世代を救え!】
https://youtu.be/BYW-6nJcJWM
三橋TV第106回【重大発表! ※コメント欄でのネタバレ禁止!】
https://youtu.be/CY0xUs_gqZE
【三橋貴明×玉木雄一郎】そう、消費税は消費に対する罰金です!
https://youtu.be/JhKC9ypmKsU

6月17日(月) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】MMT 対 主流派経済学 / 令和時代の日本の安全保障[桜R1/6/17]
https://youtu.be/2t8N8dfd3Xw

◆三橋経済塾

6月15日(土)三橋経済塾第八期、第六回対面講義が開催されました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=589
ゲスト講師は小浜逸郎先生(評論家/国士舘大学客員教授)でございました。
インターネット受講の皆さま、お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER 
『MMTと銀行の信用創造(前半)』三橋貴明 AJER2019.6.11
https://youtu.be/hBMpmAGPh48

【今週のNewsピックアップ】
香港の逃亡犯条例から見える民主主義とグローバリズムの本質
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12482530516.html
MMTと移民~排外主義を食い止めるために~
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12483012586.html

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【三橋貴明】MMTと民主主義、経済移民への2件のコメント

  1. 利根川 より

      三橋TV玉木議員回パート2視聴しました。
     どうしても「左右で立場の違う者が話をする」というのが許せない人というのは居るようですね。
     辛辣な書き方になって申し訳ありませんが、私から見れば右の政治家も左の政治家も20年間デフレ不況を悪化させ続けておきながら立派な思想ばかりを語っているわけで、国民そっちのけという点ではたいして変りがないように思えます。
     そんな中、

    「デフレ期は反緊縮・反増税をするよ。景気よくするよ」

    と、今までの方針とは逆の方針を掲げてくださる政治家は左右問わずごく少数なので貴重な存在だと思います。
     
    「貴様、緊縮増税さえされなきゃなんでもいいのか」

    と罵倒されそうですが、私としても、玉木議員や山本議員の掲げる政策に全て賛成できるわけではありません。しかし、反緊縮・反増税を叫ぶ政治家が増えない事には日本国民はこれからもずっと貧乏になるだけなのです。
     以前、どこかの保守系の番組で聞きかじった事ですが、政治家が”やってはいけないたった一つの禁忌肢”をあげるなら、国民を飢えさせない事だそうです。
     それはそうですね、国民も飢えれば余裕がなくなって略奪や犯罪もおこすでしょうし、そうなれば社会がもたなくなってしまう。
     社会保障は「弱者救済の為の施しだ」という方も居ますが、政治家にとっては体制保障の為の物ですし、国民にとっては自分の命や財産を守るための保険なのだと思います。
     日経の記事を見れば分かると思いますが、世界で実質賃金が下がり続けているのは日本だけだそうで、日本の政治家は保守もリベラルも全力で禁忌肢をぶち抜いているようでございますよ。
     

    >>2018/1/22 1:31
    日本経済新聞 電子版

    世界の賃上げに日本が取り残されている。大企業の賃上げ率は4年連続で2%を超えるが、主要7カ国で日本だけが2000年の賃金水準を下回る。
    多くの人が賃上げの実感に乏しく、このままではデフレ脱却の足取りも弱くなる。
    >>

     
     リベラルの方は弱者救済を叫びLGBTの方の地位向上や外国人労働者の待遇改善など叫んでいます。
     佐藤健司さんによると

    昔の自民党の総裁たちには、「何だかんだ言っても、左翼や反対派の連中まで含めて、国全体をまとめ上げなければならない。それが政権を担う者の義務だ」という意識がありました。

    との事で、少数派の意見も聞くと言う姿勢はとても重要だと思いますし、それを行っているリベラル政治家には頭が下がる思いですが、弱者救済を叫ぶのなら緊縮・増税やめてくんね?という話なのです。
     お分かりいただけますでしょうか、増税して緊縮ということは国民から吸い上げて還元しないということです。当然、格差は広がります、弱者も増えます。
     弱者救済というのであれば、減税してください。そして、財政出動(再分配)してください。
     因みに、財政出動については

    最善の策:必要な物を造る公共投資
    次善の策:無駄な物を造る公共投資
    無策  :公共投資を増やさない
    最悪の策:公共投資の削減

    の4パターンがありますが、現状、最悪の策を実行中ですので、無策より上であれば文句は申しません。
     保守の方、愛国を叫ぶのであれば、20年間あなた達が支持してきた保守政治家がデフレ不況を悪化させ続けてきた事に何か感じる所は無いのでしょうか。
     以前、防衛白書を読みましたが、

    防衛白書「景気状況が良くない中、防衛費の確保も難しく、装備品の自国調達もできなくなりつつある」

    日本は中国とは違って「国民が死のうが飢えようが全額軍事費に突っ込む」などという事はできないので、国防を健全に保つには”最低限”景気はしっかりとコントロールしなくてはならないということですね。

    日本はその”最低限”すら20年間やってこなかったということです

     中国が海洋進出を強め、北朝鮮がミサイルを飛ばしてきている今、あわてて防衛費を上げていますが、いまだ20年前の水準を超えていないと言う。
     さらに、
     

    >>ジョージ・ブッシュ元大統領 自国農業関係者への演説

    食料自給は国民の安全保障の問題だ
    皆さんのおかげでそれが常に保たれている米国はなんとありがたい事か
    それに引き換え、食料自給できない国を想像できるか?
    それは国際的圧力と危険にさらされている国だ

    日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 彩図社P158より抜粋>>

    国際的圧力にさらされている国っていったいどこなんでしょうね。
     玉木議員回パート2で玉木議員が「保守の方は安全保障が大事だと言うのなら何故、種子法廃止を擁護するようなことを言うのか」と不思議がっていましたが、どうしてなんでしょうね。
     種子法廃止についても緊縮政策の一環(種子を保護するための予算を担保する法律を無くす)だそうで、根っこには緊縮・増税政策があるわけですね。
     食料安全保障を脅かしてきたのも保守政治家なのです。
     外国人労働者の大量受け入れを決定したのも保守政治家です。
     1995年、経団連は「新時代の“日本的経営”」として、「不景気を乗り切るために雇用の流動化」を提唱しました。
     「雇用の流動化」というと聞こえはいいですが、要は「いつでも正社員の首を切れて、賃金も安い非正規社員を増やせるような雇用ルールにして、人件費を抑制させてくれ」ということです。
     これを経団連と連携して推し進めてきたのも保守政治家です。
     その結果、酷い環境で働かされた日本の若者は労働市場から去って、多くが未就業者になってしまいました。
     その穴を埋めるために、外国人をだまして連れてきて働かせていたわけですが、

    法務省「技能実習生の失踪が5803人と過去最多となった」

    こんな事になってしまった。
     まあ、当たり前ですよね、日本の若者が嫌な事は外国人だって嫌でしょう。同じ人間なわけですし。
     因みに、給料だけの問題ではなく、現場では殴る蹴るの暴行や、暴言などの問題もあるそうで、「給料上げたって人こねーじゃん」と言っている方は給料以外の労働環境も見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
     当然ですが、日本の労働者もこういった酷い環境でも働く外国人と競合することになるので、待遇の改善は進みにくい状況にあると思います。

    「日本国民を外国人との低賃金競争に巻き込むつもりか」

    国会の中心でそう叫んでいた議員をしっていますが、自分達を酷い環境においやった者達が言う愛国に耳を傾ける者などどれほどいるのでしょうか。
     元民主党の野田元総理は「将来世代の為に今、増税をして政府の借金を無くすのだ」と言っています。これは、安倍総理にしても同じような論調との事です。
     皆さんも

    「国の負債は1088兆円、国民一人当たり860万円の負債額」

    このような話を耳にしたことはあるかと思います。
     だから、増税をしてこの負債を消滅させようというはなしなのですが、財政金融委員会 2019 5 23 で西田昌司議員が明らかにしたように

    「誰かの負債は誰かの資産」なのです。

    一つの社会は、一方的に資産だけを増やす事はできないし、負債だけが増えるという事もないのです。
     実際、西田議員と雨宮日銀副総裁とのやりとりで

    雨宮日銀副総裁「ご指摘の通り、金融機関が国債を保有し”財政支出が行われれば”、財政支出した額と同額の預金通貨が事後的に発生しています」

    政府が借金をして金を使うと、使われた金と同額の民間人の資産が生まれると言っているわけですね。
     つまり、政府の負債が1088兆円あるということは、反対側に民間の資産が1088兆円あるということです。
     ここでおさらいですが、

    貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である(byイングランド銀行季刊誌2014年春号)

     我々が使っている1万円札は、我々国民は1万円分の金融資産だと思ってつかっているけれど、お札を発行している日銀にとっては一万円分の負債なのです。
     負債を消滅させるという事は、資産を消滅させるという事。
     野田元総理も安倍総理も、将来の国民の為に負債を無くそうとして、その実、将来の国民の資産を消滅させているわけですね。
     本来、この情報は国民の多くが知っていないといけない情報です。
     保守・リベラルにかかわらずこの情報を知っていないと何時まで経っても日本の政治家はオウンゴーラーなわけですし。
     政治活動をされている方もそれなりにおられるとは思いますが、本当に日本国民の為を思っていると言うのなら高尚な思想や主張の前に「とりあえず不況からは脱却」という最低限のところから始めていただきたい。
     思想は大事です。
     本来の政治とは

    どちらを選んでも正解とは言い切れないし、間違いとも言い切れない。そんな問題に納得感を与える為にある

    わけで、思想というものはそういった選択肢を取捨選択するためには必要不可欠なものです。
     が、日本は正解がある問題すらも間違えている段階なので、せめて

    「誰かの負債は誰かの資産」

    「負債を無くすという事は資産を無くすという事」

    これだけでも認識を共有していただきたいのです。

    財政制度等審議会「高い家計貯蓄率と国内企業部門の豊富な資金余剰が国債の安定的消化に寄与してきたが、これが今後も維持されるとは限らない」
    (平成26年5月 「財政健全化に向けた基本的考え方」より)

    意訳すると

    財政制度等審議会「銀行は一般家庭や企業から集めた金で国債を買っているが、これが今後も維持されるとは限らない」

    という事だが、

    西田議員「銀行が一般人や企業の普通預金を政府に貸しているって?そんな業務やってんの?」

    雨宮日銀副総裁「やってません」

    全否定である。
     行われていない事を行われているものとして政策を立てられたら、オウンゴーラーにもなろうというものです。
     日本人の道徳観念からすると散財というのは悪に当たるものだと思います。
     が、デフレから脱却していない今、その悪である散財を政府にやってもらわない事には日本はこの先もずっとGDP成長率1倍のままなのです。
     私には

    不況脱却の為に「売国奴だ」「裏切り者だ」と罵られながらも左右分け隔てなく情報共有に努めている政治家、論壇の皆様

    こそが今本当に必要な人材なのだと思えます。
     まあ、たいていは

    愛国者ではなく、愛国者だと思われたい人

    弱者救済を行う政治家なのではなく、弱者救済を行う政治家だと思われたい人

    だと思うので、日本人の道徳観念に沿った「散財は悪」「無駄削減」「緊縮増税」をこれからも叫び続けるのだとはおもいますが(←政治不信
     MMT関連の情報を広めようと頑張ってくださっている方々、ありがとうございます。応援しています。

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  2. くえんと より

    ===============
    2019年、日本国。
    この国に住むものは、無限に広がる暗黒の海域の中にある、無知という名の平穏な島に住んでいるのと同様だった。
    一握りの不運な者たちだけが、この極東の島国の中枢からその経済を脅かしている財界・学会・政界に対抗すべく、深淵に飛び込む勇気があるのだ。
    ===============

    経済学界隈の言論状況を見ると百鬼夜行というか鵺の群れというか、人間の所業とも思えぬ正気を失った言動が横行している事もしばしばあり、正直「クトゥルフの呼び声」序文を思い出さずにはいられません。本来あるべき経世済民の為のマクロ経済政策が全く拡散しておらず、現実とのギャップのひどさに最早立て直し不能だと絶望を覚え、精神の平衡を失った自分は当時、確実に正気度を削られていたと思いますw

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