日本経済

2018年3月3日

【三橋貴明】近づく”完全雇用”

From 三橋貴明@ブログ

2018年1月の雇用統計が発表になりました。

完全失業率2.4%。

若年層失業率は、何と3.3%。

一気に4%を割り込んできました。

『1月の完全失業率2.4% 前月比0.3ポイント低下
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL28HLR_Y8A220C1000000/

総務省が2日発表した1月の
労働力調査によると、
完全失業率(季節調整値)は2.4%で
前月比0.3ポイント低下した。

低下は2カ月ぶり。

QUICKがまとめた市場予想の
中央値は2.7%だった。

完全失業者数(同)は160万人で、
23万人減少した。

うち勤務先の都合や定年退職など
「非自発的な離職」は12万人減、
「自発的な離職」は10万人減だった。

就業者数(同)は6595万人で
42万人増加した。』

バブル期に2%だった日本の
完全失業率は、バブル崩壊、
橋本緊縮財政、小泉緊縮財政を受け、
5%を超すところまで上昇。

アメリカの不動産バブルを
トリガーとして世界的な需要拡大を受け、
4%を割り込んだものの、リーマンショック。

またもや5%を上回ってしまったのですが、
その後は民主党政権期、
安倍政権期と、ほぼ一貫して
右肩下がりで落ちてきています。

【日本の完全失業率の推移(単位:%)】

http://mtdata.jp/data_59.html#kanzen

完全失業率2.4%とは、
およそ四半世紀ぶりの数値になります。

ここまで失業率が下がると、
次なる問題は「完全雇用の失業率」が
何パーセントなのか、になります。

高度成長期には、失業率が2%を
下回ることが普通だったわけですが、
果たしてそこまで下がるのか。

高度成長期終焉後、
80年代の好況期、
そしてバブル期の失業率が2%。

完全雇用に至ると、
「もはやヒトを雇いたいが、全くいない」
という状況となります。

と言いますか、刻一刻とその状況に
近づきつつあるわけです。

今後の日本の経営者にとって、
課題の優先順位は間違いなく
「人手の確保」にシフトしていくことになるでしょう。

同時に、大いなる懸念でございますが、
この「人口構造の変化」を受けた雇用の改善が、
財務省主導の緊縮財政の言い訳に
使われる可能性が極めて濃厚なのです。

2013年の時点では、
いわゆるリフレ派理論の、

「デフレは貨幣現象。おカネを発行すれば脱却できる」

といった論調が政界に蔓延し、

「おカネを発行すればデフレ脱却できるのでしょ。
ならば、緊縮財政でいいよね」

と、消費税増税やPB黒字化目標、
診療報酬・介護報酬の削減等に
活用されてしまいました。

今回は、

「雇用が改善している。
実質GDPも八期連続プラス成長。
ならば、緊縮財政でいいよね」

と、なるに決まっています。

我が国では、あらゆる指標は財務省の
緊縮路線に活用されてしまいます。

このまま雇用や成長率の(見た目の)
改善を理由に消費税が増税され、
PB黒字化路線が続くと、日本経済は
「デフレーション」と「人手不足深刻化」
が共に進行し、人手不足廃業が
相次ぐ事態になるのではないかと
懸念しています。

関連記事

日本経済

【三橋貴明】東京都の下水道運営権売却について

日本経済

【島倉原】財政支出が経済成長を規定するメカニズム

日本経済

【島倉原】憲法改正論議の背後にある緊縮財政

日本経済

【藤井聡】日本経済は3年以内に「どん底」に落ちる ~日本経済2020年危機論~

日本経済

【青木泰樹】「骨太の方針」の破壊力

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】吉川洋氏の「地震に備えて消費増税を」論を完全撃破し...

  2. 2

    2

    【三橋貴明】思想の対立

  3. 3

    3

    【小浜逸郎】令和元年6月10日経済罪政諮問会議議事録

  4. 4

    4

    【藤井聡】元内閣官房参与として、「令和日本・再生計画」を出版...

  5. 5

    5

    【角谷快彦】ドラッグ・ラグで岐路に立つ国民皆保険制度(前編)

  6. 6

    6

    【三橋貴明】ピボット(軸)のモーメント

  7. 7

    7

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  8. 8

    8

    【藤井聡】近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる

  9. 9

    9

    【三橋貴明】MMTと政府の選択と集中

  10. 10

    10

    【室伏謙一】「増税の前にやるべきことがある」、「身を切る改革...

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる

  2. 2

    2

    【藤井聡】<号外速報>「内需冷え込み」による輸入急落が無けれ...

  3. 3

    3

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  4. 4

    4

    【藤井聡】吉川洋氏の「地震に備えて消費増税を」論を完全撃破し...

  5. 5

    5

    【藤井聡】「財政悪化」を導く消費増税が生み出すのは、「害のみ...

MORE

最新記事

  1. 日本経済

    【角谷快彦】ドラッグ・ラグで岐路に立つ国民皆保険制度(...

  2. 政治

    日本経済

    【藤井聡】元内閣官房参与として、「令和日本・再生計画」...

  3. 日本経済

    【角谷快彦】ドラッグ・ラグで岐路に立つ国民皆保険制度(...

  4. 政治

    日本経済

    【三橋貴明】ピボット(軸)のモーメント

  5. 日本経済

    【三橋貴明】思想の対立

  6. 日本経済

    【小浜逸郎】令和元年6月10日経済罪政諮問会議議事録

  7. 日本経済

    【藤井聡】吉川洋氏の「地震に備えて消費増税を」論を完全...

  8. 日本経済

    【室伏謙一】「増税の前にやるべきことがある」、「身を切...

  9. 日本経済

    【三橋貴明】MMTと政府の選択と集中

  10. 日本経済

    【三橋貴明】財政民主主義派 対 非・財政民主主義派

MORE

タグクラウド