From 竹村公太郎@元国土交通省/日本水フォーラム事務局長
二足歩行への進化
5月の連休のNHKの3回連続の
特別番組「人類誕生」を視た。
第1回は「こうしてヒトが生まれた」
であった。
ヒトの定義は
「直立二足歩行の哺乳動物」と
高校時代に学んだことがある。
なぜ、人間は直立歩行を
するようになったのか?
哺乳動物の四足歩行から
直立二足歩行は極めて
不思議な進化であり、
危険な進化でもある。
重力が支配する地球上で、
二足で歩き、二足で走り廻るなど、
流産という赤ちゃんの命を
危険にさらしてしまう。
四足歩行の哺乳類の赤ちゃんは、
お母さんのお腹の中では
ハンモックの中のように
安全で快適である。
母親が敵に追われ走り回っても
流産の心配はない。
しかし、二足歩行の人間の
母親はそうはいかない。
赤ちゃんが重力に引っ張られ
落下するリスクと
戦わなければならない。
生物の生涯で、誕生の時が
生命にとって最も危険な瞬間となる。
体内にいる新生児は、
母親の胎盤を通して呼吸している。
羊水の中で母親に
依存していた新生児は、
誕生した瞬間、自らの力で
肺呼吸をしなければならない。
劇的な環境変化と、
劇的な自己の生態変化である。
このような生命の危機の誕生時に、
赤ん坊が重力に引かれて
流産しやすくなる二足歩行への
進化は不合理極まりない。
その答えを、NHKの番組が
教えてもらえると楽しみにしていた。
この番組での答えは
「食べ物を両手で抱えて
運ぶため二足歩行になった」
であった。
結果論の解釈
正直がっかりした。
二足歩行のメリットと
二足歩行のリスクがバランスしない。
生命が誕生する危険な時を、
重力落下の危険に晒らしてまで
二足歩行する進化には
よほどの理由が必要である。
食べ物を持つために二足歩行になった。
道具を持つために二足歩行になった。
これは直立二足歩行の結果から、
逆に解釈しているしか思えない。
食べ物を両手で持つのはいい、
道具を持つのもいい。
しかし、365日24時間、
直立二足歩行する必要はない。
チンパンジーのように、
必要な時だけ二足歩行すればいい。
チンパンジーの姿勢と人間の
直立二足歩行の姿勢は、
決定的に異なる。
チンパンジーのお母さんは、
赤ちゃんをハンモックのように
安全にお腹の中で育てている。
地球の重力に逆らって、
流産の危険と戦っていない。
直立二足歩行によって、
人間の頭部は背骨の真上に来た。
頭部が背骨の真上に来たことで、
前傾する頭部を支える
頭部周辺の筋肉が退化した。
頭蓋骨を締め付けていた筋肉が退化し、
頭部への締め付けがなくなった。
その結果、頭蓋骨は飛躍的に膨張した。
人間の進化は下部構造の足腰から開始され、
上部構造の脳の急激な進化をもたらした。
文明とおなじ下部構造が
上部構造を規制している。
人間の進化の根本は、
直立二足歩行にあるなら、
やはり直立二足歩行への疑問に戻っていく。
なぜ、人間だけが赤ちゃんを
流産させる危険に晒したのか?
なぜ、このような不自然な
直立二足歩行に人間は進化したのか?
【竹村公太郎】不可解な直立二足歩行への進化への8件のコメント
2018年6月9日 2:01 PM
坂本塾をご覧になる事をオススメいたしマウス
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2018年6月9日 5:25 PM
NHKの特別番組「人類誕生」
本日拝見
その中で「進化は必然ではなく偶然」とあり、、
松沢哲郎 霊長類研究所教授らの研究グループの研究成果
から 引用しますと
「 研究の結論で言えば、まずチンパンジーはクーラのナッツなどを貴重な限りある資源だと思っている。そうした資源が乏しくて限りがあり、「来たもの順で、最初にきたものが勝ち」というようなばあいには、チンパンジーは直立二足になりやすい。なぜおならそのほうが貴重な品を一度にたくさん運べるからである。
われわれ人類の初期の祖先にとって、気候変動と急速な環境変化によって、予測できない貴重な資源に遭遇することが多くなったと考えられる。そのとき直立二足歩行するもののほうが得だった。1回の運搬でより多くを運ぶためには、形態学的な変化をともなったもののほうが有利に働いた。こうして、直立二足歩行をする選択圧が働くようになった。世代を重ねていく中で、直立二足歩行が常態化していったと考えられる。」
たまたま 二足歩行をしていた お猿さんたちが
生存に有利な条件を満たしていた と
小生は理解
二足歩行は 進化の必然ではなく偶然の結果だった
かと。。。
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2018年6月9日 6:03 PM
ごめんなさい 人類の進歩がなぜ送られてきたのかよくわかりません。なんか、急に色々な事が冷めてきた。
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2018年6月17日 8:29 PM
ちゃんと文章の中に、理由が書かれていると思います。
長文読解の問題ですね。
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2018年6月9日 6:03 PM
私も、全部ではないですが視聴しました。
結局、まだまだ謎なんだと思います。
私の素人考えを言わせて頂くと、
敵を発見するのに、少しでも高い視点から見る必要があったのではないかと思います。
自動車でも視点の高い車の方が見渡しが良く、運転しやすいと言います。
それで立ち上がった。すると脳も発達した。
それで体が勝手に、脳を上に持って行こうと判断したのではないでしょうか?
それに二足歩行だと手で武器を振り回せます。
人類誕生の頃、外敵と戦ってサバイバルする能力が何より必要とされたのではないでしょうか?
現代でも、ともすれば軍事力が優先されます。
人類にとって、戦う力が何よりも優先されるのではないかと思った次第です。
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2018年6月9日 7:54 PM
先生に対して失礼を承知で……..
思考がメチャクチャ面白い ! なるほどな….
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2018年6月10日 6:43 AM
体毛の減少と気温(低温)なんかどうでしょう。
寒くなれば自然に腕を組んだりお腹に手をあてたりしますよね。(内臓を守る為)四足歩行でも出来ますが移動しながらは出来ません。二足歩行なら前足を組みながら移動が可能。
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2018年6月11日 6:27 PM
直立二足歩行に進化した理由も不思議と言えば不思議ですが、
私は、そもそも進化論って「生きた細胞」があることが前提になっている事の方が不思議です。
生きていない物質から生きた物質が発生する過程を説明したものを見たことがありません。
タンパク質の構成素材が発生する仕組みと思われる過程を説明した物は有りますが、生きた物質との乖離が激しいです。
材料さえ有れば、生命が誕生するのなら、人は既に生命を誕生できてもおかしくは無いはずです。
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