コラム

2017年9月16日

【浅野久美】遠い志

From 浅野久美@月刊三橋ナビゲーター&チャンネル桜キャスター

今、窓を開けたら近所から魚を焼く匂いが漂ってきました。
ふんふん・・と鼻先のデータを解析すると、明らかに脂の焦げた香ばしさ、これはサンマね。
しかもその香ばしさの中に、血合いの苦味まで感じるほど。
ああ・・この匂いだけで大根おろしがどんぶり一杯イケる、とまで思わせるその破壊力たるや、
なかなかのもんじゃないですか。

いやいやすっかり季節が変わってしまいましたね。
ここのところ、ご無沙汰続きで大変失礼いたしました。

秋ですねぇ。
味覚や嗅覚はもちろんですが、鈴虫の声に立ち止まったり、空の抜け感に深呼吸したり、
肌に当たる風のサラサラを感じたりと、
この美しい季節は、私たちの様々な感覚が強めに作動するような気がします。

なので、きっと脳内の情報伝達もスムーズになっているはずだ・・
つまり、秋は一年でいちばん、日本人の頭が良くなっている季節である! というのが、
あたくしの長年の持論です。 いや、持論でした・・かな。

いえね。オリコウになっているはずの私の脳は度々不可解なことをやらかしてくれるんですよねぇ。

つい先週でしたか。
固定電話に入っているデータを見ながら、
スマホのダイヤルを押しながら、
ピンポーンという音にひとまず 応えながら、
玄関先でクール宅急便を受け取りながら、
ハサミを取りに行って荷物をほどきながら、
よっしゃー!!ウニの瓶詰だわー、今夜はウニのパスタと冷酒だな・・と、嬉しくて欽ちゃん走りをしながら、
テレビをチラ見したら山尾志桜里さんがどアップになっていたので、
『相変わらず、通りの良さそうな立派な鼻孔だ』などと大いに讃えながら、
郵便局、銀行、クリーニング屋、花屋と30分ほど用を済ませて戻ってきたら・・・・
ん。スマホがない。

花屋のカウンター、銀行・・
色々疑ってはみるものの、スマホを最後に左手で握った感触はだいぶ薄くなっているし、
やっぱり持ち出した記憶はなし。で、
電源は入っているはずなので、固定から携帯の番号にかけてみたところ、
音量を最小限にしているせいなのか、残念ながら手ごたえなし。

耳をすませながら、家中で決死の捜索をし、一時間ほど経って
とりあえずガリガリくんでも齧りながら頭を冷やそう・・
と、冷凍庫を開けたついでに むぎ茶を取り出そうと大きい扉を開けたら・・開けたら・・
開けたらその瞬間、
キンキンに冷えて、何度もブルブルと震え続けた我がスマホくんが、
庫内からゴロンと滑り落ちたじゃありませんか。

買い換えたばかりの冷蔵庫。
音も振動も漏らさないくらい、冷気を逃さないしっかりした作りなのね
さすが国産・・あっぱれ。

ウニの瓶詰をしまった時に庫内の棚に置き忘れた、としか考えられないけど、
これ、いちばんの問題は、記憶と実感がないことなんでしょうね。
こわいこわい。

まぁ、それにしても、懸命に震えていたのは寒さのせいではないとはいえ、
ずいぶんと可哀想なことをしてしまったなぁ・・
と、凍死寸前のスマホを抱きしめながら、反省の積み重ねだったりする今日この頃。

脳の老化に効く『遠志』(オンジ)というちょっと素敵な名前の生薬を、
近々 薬膳料理レシピに (あ、私はいちおう『漢方養生アドバイザー』なのよ)
加えてみよっかな・・なんて考えている、
本気で脳トレ必須の浅野です。
みなさま、今週もお仕事お疲れ様でした。

そういえば、オンジエキスを使った漢方薬。
一時期、中国人ツァー客が、
日本で爆買いするアイテムのトップ
(ドラッグストア6店舗で、私がざっくり調査したところ)になっていたことがあります。

漢方の世界では、物忘れの改善、不眠解消によい薬として定番ですが、
数年前、中国で改めてこれが『認知症を予防する!!』とテレビで大きく取り上げられたらしく
たちまち人気が沸騰、
大変な売れ行きなのだとか。
一昨年だったか、横浜の大きなドラッグストアで、
『漢方薬ならわざわざ外国で買わなくてもいいんじゃない?』
と、爆買い客に私が質問をしたことがあるのだけど、
『中国では、あまりの人気にニセモノが多く出回っているので危険なのよ。日本のものなら安心でしょ。お土産にも喜ばれる』
との答えが返ってきましたっけ。
そんなの、知るかーーー!

しかしねぇ、森や水源や土地やマンション・・・
自国のあれこれが、汚染されたり不確実だったり信用ならなかったりイケてなかったりするからって、
日本の大事な財産や権利を買い漁るのはホントいいかげんにやめてほしい。
しかも漢方薬まで・・・・そのくらい自称『中国ウン千年』のプライドがあるならば、自前でなんとかしやがれー!
と、思わず店先でシャウトした私です。

ちなみに、その中国人女性が買い占めたのは、『キオグッド』(記憶がGOODっていう意味ね)
というROHTO製薬の商品でしたが、
同じような成分のもので、なんと『アレデル』という商品が出ているのを知りました。
なんたって、アレがデル・・・ですよ。なにそれ・・・
どちらかといえば、便秘薬系のイメージだけど、
どうやらこの場合の『アレ』というのは、

『ほらアレが・・・』『アレがアレして・・・』と、
ボキャブラリーの輪転が鈍ったおじさんおばさんがよく連発する、
アレのことらしいのです。
というわけで、これもオンジのエキスで出来ていて、
『なん だっけ、あのー、アレアレ』における、『アレ』の正体が、すっとデルようになる・・・
ということでこのネーミングなんですね。

でも、なぜか最近、若者たちのなかに、
『アレ』というキーワードを、語彙を固定せず、わざとニュアンスを状況で変えて使っているのをよく見ます。 でもね。
これって楽チンであるがゆえに、そのうち口癖になってしまうから早めに止めた方がいいと思うのよ。
今は若いから主体的に『アレ』を使っているつもりかもしれないけど、そのうち必ず、主従が入れ替わって
『アレ』に支配されるようになるからなっ。

そうそう、 クラシエさんの『アレデル』もなかなかのネーミングですが、
周知効果として秀逸なのは、やっぱり小林製薬さんの商品名の数々でしょうか。

我が家でも、おなじみ
『のどぬーる』 『熱さまシート』『キズアワワ』『ケシミン』が常備されています。
ストレートすぎて、初見で笑ってしまうような名前でも、結局、じわじわ定着して、
ドラッグストアではつい手に取ってしまうという、
なんだかんだの成功パターンなんですよね。
このセンス、いったいどんな人たちがどんな顔で
『よし、この名前でいこう』と決定するのか、商品開発の過程を覗いてみたくなります。
あ、でも『ボーコレン』くらいまでになると、さすがにギリギリかな・・
『オシリア』に至っては、なんだかよくわからないけど、とりあえず恥ずかしくて 決して口にはしたくないだろうと思います。

さて、今日は当然朝から、北朝鮮のミサイル関連のニュースが流れっぱなしです。
で、そんな中たまーに、
山尾オシリさん・・あ、間違えた。
山尾シオリさんの『文春砲第2 弾!』というどーでもいい話題。

でもね・・・
緊迫したミサイルのニュースと並べて、
不倫云々の絡みで、ナントカ『砲!』チョメチョメ『弾!』というタイトルをキラキラ踊らせるのは、
なーんかこの局面においてはあまりにも空気が読めていない、というか、
まともなセンスとは言えませんよね。
せっかく一皮剥けようとしている国民の真面目な国防意識が、
オシリアさん(もうなんでもいいです) の鼻孔の映像を流されると、観ている方は
すっかり萎えるっつーの!!

さてさて。
今年もあと3ヶ月半。年頭に掲げた個人的な目標のひとつだった、
『フェイスブックかツイッターかインスタグラムのうち、何かしらを始めてみよう』
という私の志も、すでにどんどん遠のいていきます。よし。
今からなんとかすれば、クリスマス頃には、インスタ映え・・・とやらのナイスな写真を
じゃんじゃん載せるようになっているのかなぁ・・・
と思ったけど、 いやいや、今年はそんなのんびりした一年では終わらないかもしれませんね。

シェルター会社の社長さんが、ニュース番組で、
『生産が追いつかないほど注文が入っている』とコメントしていました。
いよいよかな・・・と思います。
少なくとも、私たちは、歴史の大きな節目にいることを実感することになるのでしょうね。

それにしてもこの時代に、我々善良な日本国民をして
『ジャップども!』などと称されることになるとはまことに感慨不快?ですな。
ずいぶん古臭い言い回し。そろそろ ボキャブラリーを刷新したほうがいい。

まあまあ、いつになく
不穏な秋となりましたが、
きちんと警戒しつつも、せっかくだから秋の味覚を楽しみましょうね。
私も今夜は小ぶりのサンマを、
じっくりとじわじわとしっかりと、焼いてみたいと思います。

ではでは。
みなさま、安全なよい週末を!

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【浅野久美】遠い志への3件のコメント

  1. あまき より

    のどぬーる、熱さまシート、きずあわわ、と続けて最後に「ケシミン」をすっと置く。もうさすがとしか言いようがない。

    近年評判の高い「月刊日本」さん。浅野さんの枕草子を連載しませんか。浅野さんが連載するなら定期購読します。自分が産経に呆れながらやめないのは、販売店の誠実と分かちたくないのと、久田恵さんの連載を毎週心待ちにしているからです。

    いつも枕元に置いてあるスイス製の「目覚まし時計」が無い、どうしても無い、盗まれたかと思ったら、という吉行淳之介の話が、阿川弘之『あくび指南書』に書いてある。才人はよく似た行動をとるものなのですね。

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