From 三橋貴明
【近況】
最近、ようやく読書の時間が取れるようになり、
塩野七生:著「ギリシャ人の物語Ⅱ民主制の成熟と崩壊」を読みました。
本書の中で、塩野さんが極めて示唆的なことを書いていらっしゃったので、ご紹介。
『民主制のリーダー-民衆(デモス)に自信を持たせることができる人衆愚制のリーダー
-民衆が心の奥底に持っている漠とした将来への不安を、煽るのが実に巧みな人』
現在の日本では、「将来への不安」を煽るどころか、
「将来の衰退」を断言する政治家、論客で溢れかえっています。
細川護熙、原真人、上野千鶴子に代表される成長否定論者たち。
さらには、政治家の多くも、将来の成長を否定し、
「ザイセイハタンガー」
「ジンコウゲンショウガー」
「センザイセイチョウリツガー」
と、国民の投資意欲や消費意欲を削ぐレトリックを繰り返し、
デフレーションが継続し、実際に日本経済が成長しないという悪循環が続いています。
三橋のように、「日本はデフレから脱却すれば、経済成長できる」と主張すると、
地上波の討論番組などでは、むしろ「嘲笑」「冷笑」されるような状況です。
逆に、小池百合子東京都知事のように、ありもしない「豊洲の危険」をでっち上げ、
国民の不安を煽ると、支持率が上がってしまう。さすがに、嘘をつき続けるのも
限界のようですが、この手の恐怖プロパガンダが政治的に極めて有効なのが現代なのです。
心底から情けなく思うのは、現実の日本には少子高齢化による生産年齢人口比率の低下を受け、
人手不足、インフレギャップ、すなわち「経済成長の絶好の機会」が訪れているという事実です。
まさに、千載一遇の機会を、成長否定論者や恐怖プロパガンダにより潰されてしまう。
「普通」に考えれば、第四次産業革命を日本が牽引するのは明らかであるにも関わらず、
その現実を直視しようとせず、生産性向上ではなく外国人労働者受け入れで人手不足を埋めようとする。
国家とは、外国の軍隊ではなく、国民の認識により滅びるものなのかも知れません。
国民が認識を間違えた結果、ペロポネソス戦争に敗北。見る影もなく落ちぶれた、かつてのアテネのように。
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◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書第109回「実はアメリカでは「英語公用化運動」が繰り広げられている」
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◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第214回「続・移民政策のトリレンマ」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/
◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 Vol408 内閣府推計 日本の需給ギャップの謎
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
内閣府の潜在GDP計算方式の場合、「生産不可能な財やサービスに支出される」という、奇妙な現象が発生しているのです。
◆メディア出演
3月15日(水) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】経済成長について / 中国と北朝鮮の「特別な関係」[桜H29/3/15]
https://youtu.be/w0lMgEdsFK0
http://www.nicovideo.jp/watch/1489560597
◆三橋経済塾
3月18日(土) 三橋経済塾第六期 第三回対面講義が開催されました。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=8
第三回のゲスト講師は、京都大学大学院教授、内閣官房参与の藤井聡先生!
インターネット受講の方は、しばらくお待ちくださいませ。
◆チャンネルAJER
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