コラム

2016年5月28日

【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第廿四話

From 平松禎史(アニメーター/演出家)

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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 ◯オープニング

『コレキヨの恋文』『顔のない独裁者』のさかき漣先生の新刊で装画を担当することになりました。
今作も、未来への架け橋の一つになること間違いないと期待しています。

さて
伊勢志摩サミットが行われています。
期待と不安の両方が入り乱れている今日この頃ですが、神宮を歩く各国首脳の写真を見ると日本の奥の奥にある「何か」を持ち帰って頂ければそれだけで良いのでは?…という気持ちになりました。
サミットの詳細は当メルマガの先生方の検証を待ちたいと思います。

第廿四話:「専守防衛」と「予防的先制攻撃」の間違った使い方

 ◯Aパート

「専守防衛」とは日本の安全保障において絶対守るべき最優先事項と言われます。
安倍首相も平和安全法制など安全保障の議論ではそのような意味で「専守防衛」という言葉を度々使っておられますよね。
「専守防衛」の「専守」を日本語(やまとことば)で書けば「もっぱらまもる」です。

もっぱらまもる防衛だなんて、意味がダブっているじゃないかと思えますが、そうとも言えません。

「防衛」には「予防的先制攻撃」も含まれます。
国際法違反とされますが、1841年の「ウェブスター見解」では、差し迫った自衛の必要があり、熟慮の時間もなく、手段を選ぶ余地もない場合、先制攻撃も許される、とされた例がありました。
国際法違反かどうかは事態以前の状況やタイミングが関わるため現在も議論が分かれているそうです。
つまり主観的かつ拡大的に解釈されれば侵略戦争を正当化することになる、という懸念からですね。
実際に「予防的先制攻撃」が行われた場合、国連や当事国で正当性があったかどうか検証されることになるのでしょう。

行使される「防衛」には幅があるということなのですが、「もっぱらまもる防衛」はことば通り、守ることのみ、ですから、相手が明らかにこちらに危害を加えるとわかっても危害を加えられて被害が出るまでは行動を起こさない、ということです。

簡単にまとめると
「専守防衛」とは、被害をうけることが明白でも被害を受けるまで防衛手段をとらないこと。
「予防的先制攻撃」とは、相手との関係上攻撃を受けることが明白な事態に対し熟慮の時間がなく手段を選ぶ余地もない場合に行う予防的な先制攻撃。

大量破壊兵器が大量に存在する現代、しかも、独裁者が民の犠牲をいとわず他国に脅しをかける北朝鮮や、一党独裁体制で法より指導者の理屈が上位にある中国がすぐ隣ある日本が「専守防衛」を絶対守るべき最優先事項としていることの意味を考えると空恐ろしくなりますね。

日本国民に何百人か何万人かの死者が出るまで見てるだけ(せいぜい撃たれたミサイルをアメリカの協力を得て撃ち落とすくらい)なわけですから。

 ◯中CM

今回の投稿の主眼は軍事的な安全保障の話ではありません。
正確には軍事的な安全保障「だけ」の話ではありません。

重要な安全保障の一つ、経済の話です。

経済においても 「専守防衛」「予防的先制攻撃」は存在します。

こう書くと、ピンと来た読者の方も多いと思います。

後半は代表的な2つの経済政策における「専守防衛」と「予防的先制攻撃」の間違った使い方について書いていきます。

 ◯Bパート

ひとつ
消費税増税の延期に関して。
安倍首相は増税の延期判断について次のような文言を現在も繰り返し述べています。
「リーマンショック級、東日本大震災級の危機がなければ予定通り10%へ増税する。」

リーマンショック級の経済危機で国民が被害を被って…
東日本大震災級の大災害で国民が大被害に遭って…
はじめて
消費税増税の延期を判断する。

増税は長期デフレにある現在、深刻な被害を及ぼすことが既に実証済みにもかかわらず、外的要因で被害が出るまで判断しない。見てるだけ。

つまり「専守防衛」です。

ふたつ
TPPに代表される外資参入・外国企業に合わせた規制緩和、外国人労働者受け入れ拡大、英語化政策、附帯決議の言い訳付きヘイトスピーチ規制法成立など、外国とのお付き合いを阻害する日本文化、日本の道徳観、日本国民の主権を、安倍首相のドリルで打ち破る。

(時期はともかく)増税や構造改革やグローバル化を推進しやすいデフレ不況を継続させるため、長期的な財政出動を行って国内の需要を拡大しデフレ脱却を実現せんとする勢力に先んじて手を打っている。

つまり「予防的先制攻撃」です。

日本の国益…つまり…日本国民の利益、日本文化の継承などなどをことごとく毀損し破壊する危険性が極めて高い諸政策を、「専守防衛」「予防的先制攻撃」を巧みに使い分けて推進しています。

外国の演説などで特に「予防的先制攻撃」(もちろん日本国民に対して)を行っているのが印象的です。

軍事的な安全保障もさることながら、経済における安全保障でも間違った使い方がなされているのです。

このような諸政策を「日本の国益のため」という大義名分で行っているわけですが、実態はどうなんでしょうか。

 ◯エンディング

消費税増税は延期される可能性が高いようです。
しかし、自民党から最近出たふたつの提言は異口同音に「消費税増税すべし」と主張しています。
予定通りか、3年後か、の違いだけです。
財政出動は、増税の被害を緩和するため、増税できる環境を作るため、の違いであって政府がデフレ脱却のため国民のために投資する積極的な姿勢は(今のところ)皆無です。

軍事的な安全保障では、日本国憲法と日米安保を根拠としている以上、「専守防衛」しか選択肢がない。
平和安全法にしてもアメリカ(と戦勝国たる国連)への従属が高まっただけだと思わざるを得ません。アメリカ視点では東アジアで波風を立てないよう日本を更に縛ろうという思惑すら見えます。
安倍政権は日本国憲法体制を強化していると解釈せざるを得ないのです。

経済的な安全保障では、プライマリーバランス黒字化・緊縮財政を根拠としているため、結局は消費税増税への堂々巡りを繰り返し積極財政を打てない自虐的な状況が続いています。

民主党政権が拙速にやろうとした日本破壊を、漸進的に行っているのが安倍政権といったら言い過ぎでしょうか?

そのような政府の長、安倍首相を「真の保守」「国家観のある指導者」「愛国者」などと、どうして言えるのか。
彼がやろうとする憲法改正をどうして支持できるのか。
理解に苦しみます。

伊勢志摩サミット。
注目は財政出動ですが、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して揉み手で「信認を」とお願いするのか?…

しかし!

私たちは、アメリカが世界が安倍首相がどうしようが「より適切なのは何か」を考え続け政治に働きかけるしかありません。

「正しい誰か」「正しい何か」を追い求めるのではなく。

 ◯後CM

平松禎史のブログ Tempo rubato
http://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/

テレビシリーズ「ユーリ!!! on ICE」にキャラクターデザインで参加しています。
男子フィギュアスケートを題材にした日本初のアニメ作品。

http://yurionice.com/

テレビシリーズ「クロムクロ」のエンディングアニメーションを担当しました。
戦国時代の武士が異形のメカニックとともに近未来の日本に現れる。
富山県を舞台にしたアニメ作品です。
http://kuromukuro.com/

ーーー発行者よりーーー

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第廿四話への3件のコメント

  1. 吹田のおやじ より

    消費税増税再延期でもデフレ脱却はない、消費マインドは2年半後には確実に10%になるなら、今現在の財布の紐と一緒で決して緩む事はない自民党の経済無知か財務省ヨイショか知らないがこんな馬鹿どもが保守政治をいうのは我慢ならない。今だPBがどうだとか福祉予算がどうだとかいってる麻生、稲田、谷垣は税収を上げるには経済成長しかないという単純な事が理解出来ないらしい、頭が財務脳になってその洗脳からの解脱する事は無いのだろか。今政策提言することは5%に戻す減税法案だろうが。

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  2. たかゆき より

    参考文献本サイト 過去のエントリー『【東田剛】革命政権』投稿日: 2014/05/28

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  3. たかゆき より

    正義よりも有利♪そして 有理現政権は革命政権であるとぼくは 認識しております。現政権が 革命無罪を掲げて構造を 改変しようとするなら彼等のスローガン 造反有理を拝借して 徹底的に抵抗すべきかと。。。民進党と自民党の対立など革マルと中核の対立程度にしかぼくには 思えないのだ ♪

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