From 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/
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この恐ろしい現実を知ってください。
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さて、関東・東北豪雨の影響で鬼怒川などが決壊し、大きな被害が出た直後に、阿蘇山が噴火。我が国が「災害列島」であることが、改めて理解できます。「災害列島」関連のエントリーは、後日、発信していきますが、本日はこちらのニュース。
『ドイツが国境で検問開始…入国殺到で非常措置
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150914-OYT1T50083.html
中東から難民らが欧州に押し寄せている問題で、ドイツは13日、難民らの主要な入国ルートとなっているオーストリアとの国境で検問を始めると発表した。
受け入れ態勢の整備が追い付かず、メルケル政権内部からも懸念の声が高まっていたためだ。移民への寛容さを示してきたドイツは、欧州連合(EU)加盟国内での入国審査なしの自由な移動を認めた「シェンゲン協定」の精神に反する非常措置に乗り出した形だ。
検問開始の発表を受け、南部バイエルン州では警察が国境の道路沿いにカラーコーンを設置。シェンゲン協定を結ぶEU加盟国間では国境管理が廃止されているが、独当局は通行車両を停止、旅券確認などを始めた。EUの執行機関、欧州委員会は13日、「一時的な国境管理は危機的状況の場合は例外的に可能」との声明を出した。独政府は、収容施設の確保や生活支援などの受け入れ態勢が整うまでの一時的措置としている。』
あまりにも膨大な難民がドイツ国境に押し寄せ、受け入れ態勢が全く追いつかなくなってしまい、ドイツが国境管理を再開しました。すなわち、シェンゲン協定の一時停止措置です。
オーストリアとの国境が近いドイツのミュンヘンには、先週の土曜日だけで13000人の難民が到着。しかも、ハンガリー経由である以上、「管理」は一切されていないわけです。このままのペースが続くと、ドイツが今年一年間で受け入れる難民数は、何と80万人に達すると予想されています。
まさに難民の「奔流」です。
ドイツの人口は8千万人ですから、日本でいえば一年間に120万人の難民(しかも、言葉も宗教も異なる)が流入することになります。これで社会が不安定化しなかったら、そちらの方が不思議です。
川口マーン恵美先生の「ドイツの脱原発がよくわかる本: 日本が見習ってはいけない理由 」を読むとわかるのですが、ドイツ国民は日本国民以上に「空気」や「感情」に流され、政治を大きく動かしてしまいます。
ドイツの「脱原発」論は、我が国以上に情緒的で、感情的で、非論理的で、非科学的で、非技術的なのですが、メルケル政権は「空気」「世論」に抗えず、脱原発の時期を前倒ししてしまいました。
今回の難民受け入れも、9月4日に報じられた、男の子の溺死体の写真がドイツの世論を一気に動かし、
「難民が可哀想。受け入れるべき」
という空気が爆発的に膨張した結果でございます。
しかも、ドイツ国民は「ナチスの第三帝国」という重い十字架を背負っています。ドイツ国民は、第二次世界大戦の責任の全てをナチスに押し付けたわけですが、ナチス時代とは真逆の「人権」「人道」を全面的に標榜しなければ、欧州で生きていけない立場にあるのです。
その点が、大東亜戦争を戦い抜いた日本国とは違います。個人的な「歴史観」を押し付ける気は全くありませんが、わたくしは大東亜戦争で国家のために戦って下さった先祖を誇りに思っていますし、自分が「靖国に祀られている、あの人たちの子孫」であることを強く意識して生きています。ところが、ドイツ国民は絶対にその手の価値観を持ちえないのです。
すなわち、ドイツは日本以上に「戦前」と「戦後」で歴史が断絶していることになります。少しでも「反移民」あるいは「人種区別(差別ではなく)」的なことを言い出すと、猛烈に社会からバッシングされてしまうのが、ドイツという国家なのです。
結果的に、一枚の写真でドイツ国民の多くが一斉に「難民受け入れ支持」に動いたわけですが、現実は厳しいです。
また、ドイツの産業界について気になる点が一つあります。ドイツの産業界は、難民受け入れについて、
「安い労働力が入ってくる。ウィルコメン(ようこそ)!」
などとやっているわけですが、その「コスト」を負担するという話が一向に聞こえてきません。もちろん、難民を雇用すれば給与を支払うわけですが、そんなことは当たり前です。
現在、ドイツ連邦政府や地方政府が難民受け入れと管理、生活補助等のコストを支払っているわけですが、元をたどれば「ドイツ国民の税金」です。ドイツ産業界は、自社の「利益」のために難民を歓迎し、結果的に積み増されていくコストを「ドイツ社会」に押し付けているようにしか見えないわけでございます。
いずれにせよ、ドイツですら難民の奔流にギブアップしつつあります。現在、わたくしたちが目にしているものは、実のところの難民の奔流ではなく、戦後の世界を席巻した「人道主義」「多文化共生主義」「人権重視」、あるいは「個の利益」を中心に考えるグローバリズムを洗い流していく「歴史の奔流」なのかも知れません。
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【三橋貴明】奔流への4件のコメント
2015年9月16日 4:46 AM
ドイツの移民、難民問題を見ているとWTOなどの国際組織の出鱈目ぶりが露呈されている様な感じがしてくる。国連やWTO等の国際組織の手口として子供や女性を被害を出して同情させ、その国に脅しを仕掛ける事だと感じる。脅しを仕掛けてその国に劣悪な環境に変えてしまうものだと感じられるからである。だから政府を疑いつつもそれ以上にWTOなどの国際組織や格付け会社の行動を国民は疑ってみてはどうだろうかと言う提案である。この前の安保法案の日本国際格下げでも、ロシアの不当な格下げもやはり格付け会社が不当に捜査していたことが発覚した訳だからそれを確認する必要があるだろう。安倍内閣を批判しながらそれ以上にグローバル資本の手先であるアメリカ、中国や国際組織、格付け会社を批判してロシア、イランの良い面を見る必要があるだろう。
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2015年9月17日 12:03 PM
グローバリズム、共産主義、は国際金融資本家が育てた仕組みと考えると、貨幣の政府発行権を復活させて、日本国主権者がベーシックインカムを得て、真の主権者となることこそが唯一の解決策と考えます。
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2015年9月19日 8:27 AM
難民、移民問題について、私は安易な受け入れに絶対反対です。世界レベルで安易な人道主義で受け入れ論がありますが、9月16日付けの産経新聞の記事で明らかに要件に該当せず、不法就労目的で申請を繰り返すじれが報じられたり、南米に移送された難民がドイツに行きたいと不満を述べたりと何のために逃げているのかと問いたくなる事例が多過ぎます。命と生活が危ないから逃げてきて、命が助かったのだから良いではないか、我儘言えるものなのかと思います。日本人的感覚では理解出来ず、多分相互理解は無理だと思います。価値観が違い過ぎるので、日本は難民、移民受け入れは無理だと思います。そもそも、日本は狭い居住可能地域で歴史的に半孤立状態で発展してきた島国であり、移民を受け入れた例も少なく、他国に支援されたり支配したりされたりもここ2000年近くありませんでした。先祖は逃げ場のない環境でどうにか生活し生き延びて今日の文化、繁栄を築いたのだと思います。それがつい200年位前に国際社会に帰属し、豊かな国と知られるようになった途端、他国同様に移民を受け入れろとか、日本は閉鎖的だと言われるようになりました。祖先の苦労に感謝することも、日本人としての誇り、帰属意識もなく経済的な豊かさを得る為に日本人になるというのは、成功の果実だけを取る泥棒のような行為と非難しても良いのではと思います。利権で安易に受け入れを推進する人達は何処の人かとも思います。経済的理由のみの移民、難民受け入れは原則却下、強制送還を検討しても良いと思います。日本は日本人としての価値観、意識を共有している人のものです。長文失礼しました。
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2015年9月20日 3:28 PM
三橋先生のご活動をあつく応援しております。ドイツの今後が、時代の試金石になるのでしょうか。そもそも、戦争に負けた国というのは、正義が欲しくて、9条教とか、新自由主義みたいなものに飛びついてしまうものなのでしょうか。戦争に勝ってなかった国も同様かもしれませんが。「日本も移民を」というムーブメント(。。。)がこれから起こるのかもしれませんが、可住面積あたりの人口密度が世界でも相当高い日本で、移民を許容するのはお断りしたいというのが、自分の本心であります。
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