From 佐藤健志@評論家・作家
みなさん、ノーマン・
SFを中心に作品を発表してきた人ですが、
代表作に「バッグ・ジャック・バロン」「鉄の夢」「マインド・
小説のほか、エッセイ、評論、シナリオ、作詞でも活躍。
日本ではあまり紹介されていないものの、
「コモン・センス完全版」のプロローグ「星条旗の理想と矛盾」
くだんの理想と矛盾について、
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そのスピンラッドさんが、ご自分の公式サイト「NORMAN SPINRAD AT LARGE」に、じつに興味深い文章を発表しました。
なんと、ウクライナ危機をめぐるロシア大統領ウラジーミル・
ウクライナ危機については、
しかし中野剛志さんが、新著「世界を戦争に導くグローバリズム」
ロシアがクリミアを制圧する前に、アメリカとEUが、
ならばプーチンの行動も、「自国の安全と権益を確保する」
この経緯について、もっと知りたい方はこちらをどうぞ。
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スピンラッドさんも、同様の認識に立っています。
ついでに新自由主義的なグローバリズムが強くなりすぎることにも
こうしてプーチンにたいし、「
公開書簡には「拡散希望」と記されていました。
希望者は誰でも、自分の国の言葉に翻訳し、
長年のスピンラッド・ファンである私は、さっそく連絡を取り、
そして「ていねいな連絡をありがとう。むろん許可する」
というわけで、どうぞ。
ただし長いので、今週と来週の二回連続とします。
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ウラジーミル・プーチンに告ぐ!
ノーマン・スピンラッド
佐藤健志訳
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
いわゆる「西側」の連中は、
おそらく貴君には、そのこと自体がサッパリ理解できないだろう。
推測するに、西側の連中が貴君を理解できない原因はこうである。
アメリカとEUは、
自覚していないふりをしているのではなく、
だがクレムリンから観察していれば、事態は明々白々のはず。
西側諸国の指導者もメディアも、「
この信念自体が、特殊な物の考え方、
彼らにとって、これは絶対の真理なのだ。
連中の御用学者フクヤマなど、「歴史の終わり」
(注:フクヤマとは、アメリカの政治学者フランシス・フクヤマ。
だがそのあと、西側は「経済の大停滞」を経験した。
そこから生まれた「新しい正常な経済(ニュー・ノーマル)」
巨額の政府赤字、大量の失業、下がってゆくばかりの賃金、
「国境を越えた自由な金融活動や、
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君はソ連の共産主義イデオロギーのもとで育ってきた。
ならばイデオロギーがうまく機能していない場合、
共産主義が失敗に終わったことは、
悲惨な例の筆頭はギリシャである。
スペインはどうだ? アイルランドは?
EU全体だって、うまく行っているわけではない。それどころか、
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君はKGB出身のプロフェッショナルだ。
ロシアの人々は、貴君を三度も大統領に選んだ。
貴君が果たすべき責務は何か?
ロシアという国家、そしてロシアの人々の利益を守り、維持し、
ソ連崩壊いらい、ロシアの人々は裏切られ、
だからこそ、かの崩壊を「20世紀最大の惨事」
ソ連は複雑な内部自治のシステムを持った多民族国家だった。
「オレたちが一番」という民族的優越感ではなく、
かつてゴルバチョフ(注:ソ連末期の指導者)は西側にたいし、「
だが、それには条件があった。
NATOやEUがロシア近辺へと進出するような真似を控え、
西側もこれに合意したはずだった。
にもかかわらず、連中はみごとに約束を破った!
バルト諸国、ポーランド、スラブ系バルカン諸国、
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君はほとんど武力を用いることなく、クリミアを取り返した。
(注:クリミアは1954年、
ウクライナ東方の国境周辺には、ロシア軍の部隊が集結している。
といって、貴君にウクライナ侵攻の意図があるはずはない。
ウクライナ、あるいは同国の東部地域を、武力の行使、
貴君には、もっと雄大な目標があるはずだ。
(つづく)
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スピンラッドさんの考える、プーチンの雄大な目標とは何か?
それは来週のメルマガをどうぞ。
どうしても待てない方は、こちらをご覧下さい。
http://kenjisato1966.com
先行公開しています。
スピンラッドさんの著書の画像もありますよ。
公開書簡の原文をご覧になりたい方はこちら。
http://normanspinradatlarge.
そして最後に二つ。
まずツイッターを始めました。
http://twitter.com/
それから9月30日、文化放送の朝の番組「おはよう寺ちゃん 活動中」にふたたび出演します。
ぜひ、どうぞ!
ではでは♪(^_^)♪
PS
韓国が絶対に日本人に知られたくないこととは?
https://www.youtube.com/watch?
【佐藤健志】プーチンに告ぐ!(1)への3件のコメント
2014年9月24日 4:50 AM
面白かった! いままでの三橋メルマガのコラムの中でも(私が読んだ範囲ですが)、かなり興味深くそそられる内容でした。著者は外国人だけど(笑)
2014年9月26日 4:46 AM
いいですねえ!こういう人物を日本国民も知って、悠然たる論調を展開して、アベノミクスを見下して、西欧世界にも、サムライ精神を見せつけたいものですね
2014年9月28日 1:39 AM
>貴君はソ連の共産主義イデオロギーのもとで育ってきた。>ならばイデオロギーがうまく機能していない場合、そうと見分けるのも容易なはず。ギンギンにいいこと言いますね。必要は発明の母でしょうか。中野先生ご本といい、危機に達観が出るのでしょうか。そういや母といえば、戦争も発明の母でしたっけ。イノベーションも(以下自粛)