From 青木泰樹@経済学者 http://keiseiron-kenkyujo.jp/
——————————
●日本企業が中国から撤退し始めた本当の理由とは?
https://www.youtube.com/watch?
——————————
固定観念なり通念から逃れることは、
「経済通念に囚われてはならない」
十年一日の如く運行する経済状態、
しかし、見方を変えれば、それは「思考の停止状態」でもあり、
それゆえ、次々に新たな事態が生ずる、
現代は、まさにそうした時代ではないでしょうか。
アベノミクスの「第一の矢」の効果で円安傾向が定着した時期、
ご多分に漏れず、私も同様でした。円安になれば輸出が増え、
しかし、現実は通念を裏切りました。
円安による貿易赤字の急拡大は、
このスピードを全ての人が見誤った。
2011年、31年ぶりに貿易収支は赤字化しましたが、
すなわち、それは一時的な問題で、
大震災から徐々に回復し、
そして安倍政権の誕生を迎えました。
しかし、元に戻らなかった。
貿易収支は改善するどころか悪化しつづけ、
経済学者やエコノミスト達は、
本日は、
大雑把に言って、経常収支の赤字化(もしくは赤字定着)
「経常収支赤字は悪」とする立場と「
さすがに、経常収支赤字が好ましいという見解はないようです。
経常収支を論じるにあたって、よく使われる理屈は三つ。
「国際収支統計の定義式」、「ISバランス論」および「
簡単に解説しておきましょう。
国際収支の定義からすれば、経常収支と資本収支の和はゼロです(
それゆえ、経常収支の赤字は同額の資本収支の黒字(
これは定義ですから異論を差し挟む余地はありません。
また、ISバランス論は、「経常収支=財政収支+民間収支」
この仮説からすれば、経常収支が黒字か赤字かという問題は、
最近よく引き合いに出される国際収支の発展段階説は、
国民経済は、外国資本に依存する「未成熟な債務国」から発し、
そのプロセスに対応して経常収支が赤字から黒字へ、
現在の日本は、貿易赤字を所得収支(「第一次所得収支」)
本日問題にしている経常収支赤字が定着するのは、「
先ず経常収支赤字は問題ないとする見解を見ておきましょう。
「経常赤字は経済発展の特定の段階に達した以上、仕方がない。
日本の対外純資産は300兆円を超えているので、
他方、経常収支は悪いとする代表的見解は次のようなものです。
「経常収支赤字は、ISバランス論より、民間収支の黒字(
救いがない。困ってしまいますね。
さて、この見解の論者たちは、そうした事態に陥らないように「
このパターンはよく経済マスコミに登場しますね。
どんな経済事象に対しても、
世論誘導の意図は明白なので論評に値しませんが、この「
私としては、経常収支赤字の善悪を論ずる前に、
貿易赤字の解決が経常赤字の懸念を払拭するのです。
国民の大多数にとって重要なのは暮らし向きですから、
実は経済学者が真面目な顔をして論じている「
両者を比較することに意味はないからです。
経常収支には所得収支が含まれておりますが、所得収支はGNP(
他方、経済成長率はGDPの増加率ですから、
経済成長(率)に関係するのは貿易収支(
それはGDPの構成項目であり、
しかし、関係はあるのですが政策的に操作はできない。
輸入は自国のGDPの動向に依存し、
何を輸入するかは民間の決めることですし、
ただし、そうした一般論を離れることによってはじめて、
私は、経済社会学の立場からそうした方向を指向し、
輸出の動向が世界経済のそれと明白に乖離した部分、
トレンドで捉えられない部分に注目するのです。
さて、日本の場合はどうでしょう。
財務省の「貿易統計」から貿易収支の内訳を見ますと、
13年における電気機器の輸出の黒字額が、
同様に鉱物性燃料の輸入の赤字額が09年と比べて13兆円増え2
構造変化によって、
明らかに、
たった数年で日本は家電製品や情報端末に関して完成品の輸入国へ
部品を輸出し、完成品を輸入する。
また、良識ある論者が指摘するように、
解決策は明白です。
空洞化を止めるためには、
カントリーリスクの拡大した現状では効果的でしょう。
また従来から言われている国内投資への支援策も重要です。
投資減税ならびに融資の支援です。
原発再稼働が進まない理由は、ただ一つ。
原子力規制員会の存在です。
安全審査が滞っているなら人員を増やせばよいだけの話ですが、
委員長を含めてたった5人の委員が、
安全は大事です。しかし100%の安全確保は不可能です。
過度なる安全性を要求することは、安全という美名の下での「
日本のエネルギー安全保障と折り合いをつける必要があるのです。
旧政権の遺物である委員会の改革こそが、
現在の日本において問題なのは、
それが結局、経常赤字の懸念を払拭する早道なのだと思います。
PS
日本も他人ごとではない! 韓国大崩壊ただ1つの理由
https://www.youtube.com/watch?
PPS
日本企業が中国から撤退し始めた本当の理由とは?
https://www.youtube.com/watch?
PPPS
経済論理の危うさを学びたいなら
http://amzn.to/1myklqP
【青木泰樹】事実は固定観念を打ち砕いたへの2件のコメント
2014年5月23日 8:54 PM
原発再稼働が進まないのは原子力規制委員会の存在ではなく、福一の事故をちゃんと収束できない政府や東電の無能さである。東電は今期黒字経営だし、電力を小売りし始め賠償に充てると言ってるが被災者の方は何もしてはもらっていない。集団的自衛権の問題にしてもTPPのようにアメリカに強く出られるとNOとは言えない日本政府の弱腰、しょうがないかと自分たちは被害を受けず若者を戦地に送り出しかねないやり方が信用できないからだ。原発事故は経済問題や少子化、移民の問題にも深い関わりがあるのに何故無視されているのかわからない。まさに国民からの問いかけに対する「沈黙の螺旋」である。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2014年5月24日 12:22 AM
>空洞化を止めるためには、海外進出企業が国内回帰した場合の優遇策を提示す>ることです。法人税減免(と消費増税)という枝を是非とも潰したいのですが、どうしたらいいでしょう。(はなからヤル気のない輩に限って、「投資減税だけじゃ、ヤダ」と言ってきそうな気がします)
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
コメントを残す
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です