From 渡邉哲也@経済評論家
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●韓国格差社会の正体とは?
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先日、米国はウクライナ問題を受けて、IEEPA法を発動した。これは大統領令一つで可能な経済制裁であり、議会の必要としない強権となる。
この法律では、安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処する。具体的には、攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の資産没収(米国の司法権の対象となる資産)、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止が可能となる。
今回の発表では、ウクライナの安全保障に害をなすものと言う表現を用い、直接的なロシアの名指しは避けているものの、事実上、ロシアを指すものになると思われる。つまり、ロシアの行動次第では、いつでもロシアの対外資産の凍結没収や米銀行との取引を差し止められるということである。
この表明を受けて、ロシア側は米銀行への支払停止を含めた対応を検討すると発表した。しかし、ロシアがこれを強行した場合、ロシアの債券のデフォルトが発生する事になり、ロシアは債券暴落と通貨危機に陥る可能性が高い。
しかし、ロシアの輸出の6割強は、石油や天然ガスなどの資源輸出であり、その輸出先は主に欧州という構造であるため、債券をデフォルトさせたとしても、貿易は継続するという腹があるのだろう。欧州全体の約3分の1はロシアからのエネルギーで維持されており、これが止まることは欧州の死を意味するからである。
特に、北欧などでは7割以上をロシア一国に頼っている国も多く、まだ寒いこの時期にロシアからの資源輸入が止まれば、その場で大量の死者が出てしまうからである。当然、欧州議会としても、ロシアに強く出られない構造にある。そして、これがロシアの強気の外交政策の理由とも言える。
そして、この米国の対応を静かに見守っている国が、日本の隣にある。それは中国である。中国は今回のウクライナ問題について、明確な意志を示していない。ロシア同様に周辺国への軍事介入を強める中国、中国と国境を面する国で領土問題を抱えていない国は皆無に等しい。
米国のロシアへの対応は、中国の領土侵略に対する米国の対応を占う上でも大きな意味を持つ、中国の場合、加工貿易が中心であり、ロシアのように資源による安全保障関係はないに等しい。そして、中国へのIEEPA法適用は中国経済の死を意味するものになるからである。 今回の問題は単にロシアとウクライナの問題ではなく、国際的な安全保障問題としてみるべきものである。
PS
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【渡邉哲也】米国 国際緊急経済権限法(IEEPA法)発動への3件のコメント
2014年3月14日 8:01 PM
ロシアは、2000年から、兵器利用可能なウランの輸出防止する目的で、IEEPA法の発動を受けていると認識しています。つまり、今回のウクライナの件よりも以前から、IEEPA法は発動しているのではないのでしょうか?。
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2014年3月16日 6:45 PM
>金融制裁にて、その脅威に対処する。日本も地政学的な視点で、金融を武器として使うくらいになってほしいものです。
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