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2013年12月6日

【古谷経衡】無自覚な反日が最も恐ろしい

FROM 古谷経衡(評論家/著述家 月刊三橋ナビゲーター)

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<古谷経衡からのお知らせ>

●12月14日発売の新刊『反日メディアの正体 戦時体制に残る病理』(KKベストセラーズ)

マスメディアにはびこる無自覚な反日の正体を分析した本です。
西尾幹二先生の推薦もいただきました。ぜひご予約、お買い求めください
http://amzn.to/194gYmt
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よく「反日」という言葉を耳にします。簡単に言えばこれは反日本的という意味ですが、最近あまりにも「反日」という言葉が使われすぎて、その定義が麻痺しているように思います。たとえば「反日メディア」「反日報道」「反日議員」「反日文化人」という具合にですが、この反日の病理を分析するには、まず「反日」という言葉を再定義する必要があります。

まず私は、「反日」を二つに分類しています。それは「確信的反日」と「無自覚な反日」です。前者は呼んで字のごとく「故意犯」です。つまり「明確に意図して、悪意を以って行う反日行為」を指します。代表的なものでは教員の不起立問題。国歌・国旗掲揚のときに起立を拒否する事例ですが、これは反国家・反天皇というイデオロギーに基づいているもので、本人たちに明白な自覚と悪意がありますから「確信的反日」ということになります。

また、2008年には毎日新聞でライアン・コネルというオーストラリア人記者が、日本の女性を貶めるような内容の記事を英語で配信していた事件が大問題になりました。
これは「毎日新聞変態記事事件」と呼ばれるもので、当該記者が明らかに日本人蔑視の感情を持っていた故意犯です。さらに2006年には「安倍信三731部隊印象操作事件」というのも発生しました。当時官房長官だった安倍晋三氏の顔写真が、何の関係もない731部隊のドキュメントの中に登場するという悪質なもので、「意図的なサブリミナル演出」であるとして総務省から厳重注意を受けた事件です。

こういった、「悪意」を前提とした「反日」の言動は枚挙に暇がありません。そして、特に保守系のメディアや雑誌は、こういった明確に犯人が存在し、そこに確信的な悪意が存在するケースを「反日」の実態であるとして取り上げてきました。

しかし、私はこれには否定的な立場をとっています。
メディアに限定すれば、「反日偏向報道」の多くは、「何らかの悪意をもった記者やプロデューサーやディレクター」が指揮を取った事例は、先のように確かに存在します。
しかし、「反日メディア」が行うおかしな報道や演出の多くは、彼らが無意識的に行っているもので、故意ではありません。私が定義するもうひとつの反日「無自覚な反日」こそまさにこのことです。
「確信的反日」だけでは、わが国のテレビや新聞が、繰り返し繰り返しおかしな報道や番組を作るすべての原因を説明することはできないのです。

たとえば、2011年にフジテレビデモがありました。信頼できる筋からの情報によると、当時、フジテレビの幹部社員は「なぜウチがデモの対象になるのか、まったくわからない」と呆気にとられていたというのです。フジテレビデモの原因は沢山ありますが、そのひとつに浅田真央さんのウィニングランや国旗掲揚の場面を映さなかった、という事件がありました。

これとて彼らにすれば、「日の丸や君が代の伴奏を大々的に映しては軍国主義的であると思われるのではないか」というおかしな自主規制が働いた結果に過ぎず、彼らが心の底から日本を憎んでいたり、日本を恨んでいるからではないのです。
批判を受けてフジはすぐに、ウィニングランを映す方針に変わりました。あれだけ垂れ流されていた韓流ドラマも、放送枠そのものを消滅させました。抗議が来るとすぐに撤回する。何の覚悟もイデオロギーも無く、こういったおかしな事を彼らがやっていた証明です。
彼らは「無自覚」の内に、「反日」という病理に嵌っていったのです。

「偏向報道」といわれるもののほとんどは故意犯としての「反日」があるわけではなく、その多くがメディア業界人の単純な自主規制や配慮です。韓国のことを悪く言わない、とか韓国人のことを過度に持ち上げる、という「偏向」報道や番組のほとんどは、テレビ局に在日朝鮮人が入り込んでいるからではなく、「弱者である韓国を攻撃しては可哀相だ」というテレビや新聞といった既成の大手マスメディア業界内にある、ある種の「見下し」を前提とした無意識の不文律です。

彼らのこういった感覚は、一般の国民や市民の感覚と著しく遊離した価値観です。普通の国民は日の丸や君が代に「侵略戦争を美化している」「天皇制の賛美だ」というイデオロギーを持ち込むことは、共産党員でもない限りほとんどありません。「韓国や中国はおかしい」という素朴な疑問を持つ人が、日本国民の中で着実に増えていることは、各種世論調査での外交問題の意識結果の数字によって明らかになっています。

わが国の中で、マスメディア(テレビ・新聞)だけが、一般国民のセンスや感覚から、著しく遠いところにある「象牙の塔」の住人になってしまっている。彼らはそれを悪いことだとも思わず、むしろ「良かれと思って」やっている。それが無自覚な行為だからこそ、「反日偏向番組」や「反日報道」は、批判を受けるたびに無くなるがまたすぐ繰り返され、一向になくなら無いのです。

私が12月14日に発売する『反日メディアの正体 戦時体制に残る病理』(KKベストセラーズ)は、マスメディアの中にある「無自覚な反日」という異常な感覚がなぜ形成されたのかを、社会科学と歴史という二つの側面から分析したものです。ひとつは、既成のマスメディア、つまりテレビ業界や新聞業界という「業界人」が特有に持つ閉鎖性を、他の閉鎖集団(日教組・連合赤軍・オウム真理教)などと比較して、その原因を分析いたしました。

もうひとつは、わが国のマスメディアが「第四の権力」と呼ばれ、「反権力という権力」として堂々と反日本的言説が支配的になった「象牙の塔」の住人としての現在のありようを、時間をさかのぼって1938年の国家総動員法の時代に求め、その「権力としてのメディア」の歴史を再確認・再整理したことです。

いままでは「確信的反日」ばかりを分析した本は出ていますが、メディアや、もっといえば教職員にも横たわる「無自覚な反日」という病理に注目し、その分析を試みた書籍は、私の知るところ無い様に思います。評論家の西尾幹二先生の推薦状を頂戴した本書が、ぜひ、わが国の反日メディア、ひいては「反日」という病理そのものの理解への一助になればと思い、上程いたしました。ぜひ、皆様に読んでいただきたいと考えております。

PS
なぜ、韓国社会は崩壊してしまったのか?
なぜ韓国の自殺率は世界一高く、レイプと放火が多発しているのか?
無料Videoを公開中
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_video.php?ts=sidebar

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【古谷経衡】無自覚な反日が最も恐ろしいへの7件のコメント

  1. 路傍花 より

    無自覚な反日ね。チャンネル桜がそれにあたるのでは?もう少し、社会勉強して著述家など名乗ることをおすすめします。く

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  2. 匿各希望 より

    > 12月14日に発売する『反日メディアの正体 戦時体制に残る病理』(KKベストセラーズ)は、マスメディアの中にある「無自覚な反日」という異常な感覚がなぜ形成されたのかを、社会科学と歴史という二つの側面から分析したものです。↑この内容は大変興味があります。立ち読みをするか、アマゾンの書評を読んでから購入を判断したいと思います。メディアが及ぼす「結果」のほうは周知のとおりですが、「動機」のほうは確かに様々かと推察します。私は業界人ではないので憶測になりますが、確信犯以外の場合、「業界通例(前例主義)」「空気」「無難」「偽善」「独善」あたりが要因なのかなぁなどと思っています。彼らも業界で働いている会社員・スタッフなわけですし、組織の一員なら総じて組織慣例に合わせるという対応になるんじゃないかな。出世を意識している人(幹部クラス)なら尚更空気に敏感になるし。あとはお金の動きかな。(以上は憶測)。などと興味は尽きません。これらを分析するにはまず「根拠(事実)」(例えば統計や業界人当人からの聞き取り等)があって「分析」があるかと思うのですが、説得力のある「根拠」の例示がしっかりなされているかが本書購入のポイントになります。楽しみにしています。

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  3. 太郎 より

    ネットで韓流や韓国を批判すると激しい攻撃をうけるのは常でした現在は1〜2年ほど前に比べてマシになってますが、嘗ては尋常じゃないものを感じてました日本のテレビ局 マスコミは一時期、韓国政府 在日 パチンコなどから巨額な金をもらい支配されていたと推察しています ですので以下の文章は賛成できません「偏向報道」といわれるもののほとんどは故意犯としての「反日」があるわけではなく、その多くがメディア業界人の単純な自主規制や配慮です。韓国のことを悪く言わない、とか韓国人のことを過度に持ち上げる、という「偏向」報道や番組のほとんどは、テレビ局に在日朝鮮人が入り込んでいるからではなく、「弱者である韓国を攻撃しては可哀相だ」というテレビや新聞といった既成の大手マスメディア業界内にある、ある種の「見下し」を前提とした無意識の不文律です。

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  5. bun より

    自らの反日行動が「日本の為になっている」と思い込んでいる方も多いような気がします。

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  6. 曹源寺 より

    いつも楽しく拝読させていただいております。古谷先生の「無自覚な反日」興味深く読まさせていただきました。なるほど、もうすでに日本人のなかには無意識的に「韓国を貶めてはいけない」という感覚が染み付いているという考察ですね。分かる気もしますが、よく考えてみるとそのほうがよほど恐ろしいですね。また、以下引用ですが、>>韓国のことを悪く言わない、とか韓国人のことを過度に持ち上げる、という「偏向」報道や番組のほとんどは、テレビ局に在日朝鮮人が入り込んでいるからではなく、「弱者である韓国を攻撃しては可哀相だ」というテレビや新聞といった既成の大手マスメディア業界内にある、ある種の「見下し」を前提とした無意識の不文律です。とのご指摘にはあまり賛同できません。我々はかの国に対して「可哀相」という認識はなくて、むしろ「後が怖い」という感覚が働くのではないかと思っています。戦後のどさくさにまぎれて駅前の土地を収奪した輩、勝手に戦勝国民と名乗って略奪暴行を繰り返す輩、生活保護の許可が下りないと役人を脅す輩、などなど、数々の悪行を繰り返してきたかの国の人間を、日本人は本能的に恐れ、嫌っているからではないかと個人的には推察いたします。かなり主観的な主張ですので、スルーしていただいて結構です。お目汚し、失礼いたしました。

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  7. ホワホ より

    佐藤健志先生の最近の著書二つが無自覚の反日を読み解くヒントを提供してくれているかもしれません「震災ゴジラ」「僕たちは戦後史を知らない」の2作です。フジテレビのそういった態度は著書内で言われる「虚妄性」「戦後ファンタジー」に類似して見えます詳しくは述べられませんが、興味が有れば是非

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