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2013年10月18日

【施 光恒】日本人の底力

From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学

おっはようございま〜す(^_^)/

少し前の話題ですが、ひさびさに良いニュースでした。
日本の「成人力」世界で突出 「読解力」「数的思考力」トップ OECD調査(産経ニュース 2013年10月8日付)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131008/edc13100823540003-n1.htm

より詳しい調査結果については、文科省のHPにPDFファイルが掲載されています。
(「OECD 国際成人力調査 調査結果の概要」)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/__icsFiles/afieldfile/2013/10/08/1287165_1_1.pdf

なかでも良いと思ったのは、日本は、国民の間の知的格差が非常に小さく、多くの普通の人々のレベルがおしなべて高かったことです。

文科省のHPの「調査結果の概要」のファイルのほうでは、「読解力」の比較について18ページに詳しいグラフが出ています。

それによると、日本では、「単純作業の労働者」、「セミスキルド・ブルーカラー」(農業、林業及び漁業従事者、技能工及び組立工等)、「セミスキルド・ホワイトカラー」(事務職、サービス及び販売従事者)、「スキルド・ワーカー」(管理職、専門職、技術者・準専門職)の間の格差が、他国よりもかなり小さいのです。職業間であまり差がないんですね。

また、なんと日本の「単純作業の労働者」のほうが、米国やドイツの「セミスキルド・ホワイトカラー」(事務職、サービス及び販売従事者)よりも、かなり点数が高い!

日本の強みがよく表れていますね。皆、平等に能力がある。格差が少なく普通の人々が優秀である。それこそが日本の国力の源泉だと思います。

イギリスは、この「国際成人力調査」であまり成績が良くなく、けっこう悔しかったんですかね。イギリスの新聞『ガーディアン』紙には、「日本の教育は詰め込み式だから、基礎学力はついたとしても、批判的思考力は身につかないはず」という趣旨の記事が出ていました。
(「なぜ日本人の子どもは、算数や読み書きで世界一なのか」『ガーディアン』紙、2013年10月8日)
http://www.theguardian.com/world/2013/oct/08/why-do-japanese-children-lead-world-numeracy-literacy

(上記の英文記事の紹介が次にあります。「詰め込み受験勉強のおかげ? 日本の成人「学力」世界一の理由を海外メディアが分析」『ニュースフィア』2013年10月12日」)
http://newsphere.jp/national/20131012-1/

『ガーディアン』紙の記事で強調されているのは、日本の子どもが覚えなければならない漢字の多さです。

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小学校卒業までに1006字、中学卒業までに1130字、高校卒業までに2000字程度を覚えなければならない、それぐらい覚えないと社会人としてやっていけないと紹介しています。そして、そんなに多くの漢字を覚えるために、日本の子どもは、詰め込み教育を強いられ、批判的思考力を養う機会が奪われている。日本人の子どもは哀れだ!というような口調で書かれています。

欧米人のアジア観って、いつまでたってもあまり進歩がないですね…。

欧米人にとっては、漢字は、とても難しくみえるようです。戦後、GHQも一時期、「専制的で前近代的な」日本社会の「民主化」を進めるために、漢字を廃止し、ローマ字表記に切り替えようと考えたようですし。

ですが、日本人からしてみると、漢字を覚えるのが特に大変!ということはあまりないと思います。掛け算の九九や、歴史の年号や、英単語とあまり変わらん、という感じでしょうか。

言語社会学者の鈴木孝夫氏は、逆に、日本語の表記システムに漢字があることが、一般庶民と知識層との間に諸外国のような際立った格差ができない一因だと述べています。特に、日本の漢字には、中国や朝鮮半島などとも異なり、「音読み」と「訓読み」があることが、知的格差を作らないという点で大きいと論じています。

鈴木氏によれば、たとえば英語だと、知識層が使うような専門的語彙は、一般庶民には初見ではまったく意味がわからず、とっつくにくい語がほとんどだというのです。

鈴木氏は次のような例をあげています。

hydrocephalus (水頭症)
pyroclastic (火砕流)
socialytic (lamp) (無影灯)(手術室で用いる影になる部分を作らない証明器具)
pithecanthrope (猿人)
heliotropism (向日性)
anthropophagy (食人)

これらの英単語は、専門的な語彙であり、英語を母語とする人々でも、よほどのインテリというか専門家でなければわからないそうです。

たとえば、鈴木氏は、イェール大学に客員教授として赴任していた時、あるセミナーの席で、イェール大学の人文社会系の大学教員や大学院生を前にして、”pitecanthrope”という単語を黒板に大書きして、意味がわかるか尋ねたそうです。そうしたら、まったく、この単語の意味がわかる人はいなかったということです(鈴木孝夫『日本語と外国語』岩波新書、138-139頁)。

日本だと、たとえ専門外の人の集まりでも、「猿人」と書けば、だいたいの人はその意味がわかります。

英語の高級語彙(専門的語彙)は、ラテン語やギリシャ語に由来するものが大部分です。鈴木氏によれば、ラテン語やギリシャ語に精通した人であれば、初見でも、こうした高級語彙の意味がおおよそ推測できるとのことです。

たとえば、hydrocephalus(水頭症)でしたら、hydroは水、cephal-は頭にあたるギリシャ語由来の綴りです。同様に、二番目のpyroclastic パイロクラスティック(火砕流)でしたら、パイロの部分が「火」で、クラソは「砕く」という意味のギリシャ語出自の綴りです。

ギリシャ語をしっかりやったことのある人なら、ある程度、「水頭症」や「火砕流」という意味を推測できるそうです。

ですが、ギリシャ語やラテン語に通じている人は欧米でも現代ではごく少数のインテリに限られますので、英語を母語とする人でも専門家でない限り、上記のような単語の意味を語源から推測することはほとんどできず、初見では理解できないということです。
つまり、hydro=water(水)とか、cephal-=head(頭)とか、pyro=fire(火)などと、一般の人は、結び付け難いのですね。
ですので、いきなりhydrocephalusとか、pyroclasticという語がでてくると、専門家以外は、ちんぷんかんぷんということになるというわけです。また、一度くらい意味を聞いただけでは覚えるのが難しいんですね。

日本語でも、音だけで「suitosho」、「kasairyu」と言われると、なかなか何のことか想像もつきません。

日本語の高級語彙の多くは、中国語由来の言葉である漢字の組み合わせで作られています。高級語彙が外国由来の言葉の組み合わせで作られるという点では、日本語も英語も、あまり変わりません。

ですが、鈴木氏によると、日本語の場合は、漢字には「音読み」だけでなく「訓読み」もあることが、本来は外国由来のなじみのない言葉をわかりやすくするのに一役買っているのです。

たとえば、「水」という漢字には、「スイ」という音読みだけでなく、子どもでも日常生活で使う、なじみやすい大和言葉である「みず」という訓読みが付きます。あるいは、「砕」という漢字には、「サイ」という音読みだけではなく、「くだく」という訓読みがあります。

つまり、鈴木氏によると、日本語の場合は、「スイ=水=みず」、「サイ=砕=くだく」という具合に、高級語彙を形成する漢字の音という外来要素が、その漢字の訓というなじみやすい日常の言葉(大和言葉)に結び付けられているために、日本語の高級語彙は、わかりやすく、覚えやすいというのです。

言ってみれば、訓読みがあるということは、「『砕=サイ』という漢字は『くだく』って意味だよ、「砕く」とも書くよ」、とか、「『食=ショク』という漢字は『たべる』って意味だよ、「食べる」とも書くよ」と折に触れて示しているようなものですよね。

このように、鈴木氏の説明によれば、「漢字の音読み・訓読み」とは、外来の抽象的概念を、日々の暮らしのなかでなじみやすい日常語に結び付ける働きをもつ仕組みだということです。

だから、日本語の場合は、特に、教養がある人とか、その分野の専門家ではない一般の人々であっても、かなり専門的な言葉が比較的かんたんに理解でき、たとえ初見でもとっつきやすいというわけなのです。高級語彙と日常の言葉にあまり断絶が生まれないんですね。日本語というのは、格差を作り出しにくい、皆に優しい言語だといえないでしょうか。

このことは、日本では、「知識人」と「一般の人々」という仕切りがほとんどなく、一般庶民の知的レベルが非常に高いということにつながってくるように思います。

ながながと書きましたが、うまく説明できたかどうかちょっと心配です…。
f(^_^;)

結局、何が言いたかったかというとですね、一つは、日本は、やはり、格差社会になっちゃいかんのじゃないかということです。以上の漢字の音読み・訓読みの仕組みに表れているように、「国のかたち」が、大きな格差ができにくいようになっているのではないかと思います

日本は、やはり経済にしても、知的な側面にしても、一般庶民の力で保たれている国なので、多くの普通の人々が能力を磨き発揮できる社会をこれからも作っていかなければならないのだと思います。

それと、今回もう一つ指摘したかったのは、外国人が日本に対していうことって、結構、的外れなこともあるんじゃないかということです。

『ガーディアン』紙が相も変わらず書いているように、イギリス人から見れば、漢字は、ものすごく難解に見えるんでしょうね。だから、彼らの観点からは、いっそのこと、漢字を廃止してみたらどうだというような提案が出てきがちです。実際、欧米人の観点を真に受けて、漢字廃止論を唱えてきた日本人もたくさんいます。

ですが、鈴木氏の述べているように、おそらくこれは的外れです。逆に、日本語には漢字表記システムがあるからこそ、一般人と専門家との間にあまり垣根がなく、一般庶民の知的レベルが非常に高くなりやすいといえるように思います。

あまり外国目線の改革提案を真に受けずに、われわれは、自分たちの常識や生活感覚を信頼してやっていけばいいんじゃないでしょうか。日本人は、どうも最近、そういう常識や生活感覚に対する自信を失っているようです。米国などの外国から、改革が必要だ!といわれると、ホイホイ追従してしまいますし。

いつもにもまして、ながながと失礼しますた<(_ _)>

PS
かつてグローバル化の優等生と呼ばれた韓国は、
アメリカの言うことを真に受けて「改革」をやり過ぎたせい

失業率と自殺率が高く、レイプと放火が多発する
とんでもない国になってしまいました。

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【施 光恒】日本人の底力への15件のコメント

  1. プー太郎 より

    外国人が日本語を学ぶのに、複雑すぎて難しい、という意見がよくありますが、つまり、それだけ日本語の方が物事をより複雑に、多面的に捉えることができるということではないか、と記事を読んで感じました。言い換えると、複雑で曖昧な日本語の方が逆に社会や世界の複雑さ、曖昧さをより正確に捉えやすいということだと思います。自然科学などを除けば、合理主義的にはっきり数値化したり定義したりできる物事の方がむしろ少ないと思いますし。こうした日本語の素晴らしさを考えると、小学校からの英語教育や第二公用語などの考えはやっぱり賛成できないですね。いつかの中野さんのお言葉をお借りしますと、英語がペラペラになるということは、頭もペラペラになる、ってことですかね。(笑)

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  2. ゆう より

    なんか北海道の千歳空港の近くにニトリが分譲する支那人向けの別荘地があるそうですよ。支那には国防動員法というのがあってそれが施行されると別荘にいる支那人達が軍人になって千歳空港を人質にできるとかって恐ろしい話を聞いた事がありますね。

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  3. キロ より

    イギリスの高級紙がそのような文章を載せたのですか・・・。やはりアジア事情には高級紙でも疎いのですね。

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  4. ろんどなー より

    英国のマスメディアが反日報道をする理由はただひとつ、日本の台頭を恐れているからです。米英の権威あるメディアは優れている、とまだ信じている人がいるかもしれませんが、彼らの報道は常に「国益第一」(この点は日本のメディアも見習ったほうが良さそうですが)。つまり彼らの外国に対する報道姿勢は、自国の国益にかなえば「上げ」、そうでなければ「下げる」ことを露骨にやっているだけ。英国はたしか17世紀あたりから新聞を発行し、政治に影響力を与えてきましたから「メディアによる印象操作先進国」とも言えます。実は、英国では現在進行形でグローバル資本主義による恐ろしいことが起こっています。今週のニュースで、中国がロンドンの金融街に新しい投資銀行を設立する、ロンドンとマンチェスターに多額の開発投資をする、中国企業が英国内に原子力発電所を作る、通信研究所を設立する、等など・・・。すでに水道会社、ヒースロー空港も中国企業が大株主になっていますから、「国家の安全保障」が中国に握られているようなもの。日本、あるいはよその国でも、これはセンセーショナルに新聞の一面トップニュースになりそうなものですが、英国のメディアはとても静かです。以前は中国に対してかなり懐疑的で人種差別ギリギリのジョークまで飛ばしていたロンドン市長が「中国からの投資はポジティブなことだから、恐れることはない」などどコメントしているくらいですから。ここまで来ると、英国のメディアには既にかなりの「中国バイアスがかかっている」と考えたほうがよさそうです。英国は一応米国を挟んで日本とは同盟国のはずですが。英国はある意味「韓国化」している、と考えると日本とっては要注意です。

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  5. karion より

    施先生、毎週ほのぼのとした論調、大変心安らかに(?)は意見させていただいております。漢字というのは一目みただけでも全く知らない単語でもなんとなく意味が伝わってきますが、アルファベットやカタカナだけでは意味不明は意味不明でしかなく。。。私の得意な斜め読みが出来ない、いやもともと英語が不得意なのでむりですが。。。とにかく、ひとんちの文化歴史風習にいちいち文句つけてほしくないですね。それと言われた方(日本)もいちいちくそまじめに直そうとか真に受けなくてもいいのに。日本人はM体質が多いのか、その国別統計もみたいです。

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  6. 正直屋 より

     はじめまして。(^_^)/ このたびの施さんの卓見には敬服いたしました。OECDの調査については、マスコミ等でも取り上げられていましたが、ここまで深く掘り下げたものはなかったと思います。(^_^)v ただひとつ画竜点睛を欠いたとすれば、それは今回に限ってなぜか顔文字が少なかったことです。(T_T) 顔文字はもはや日本語の文字の一部であり、なおかつネットの専門家でなくても概ねその意味を理解することのできるものです。 顔文字の隆盛もまた、日本社会の平準性を反映しているのではないでしょうか。(^_^;) したがって、知識人たるものは顔文字など使うべきでないという意見は的外れであり、いちいち真に受ける必要はないと思います。 (^o^) 今後もご活躍に期待いたします。失礼しましたm(_ _)m

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  7. ゆう より

    日本人のドM体質が最大の問題ではないでしょうかね。tppに関しても自ら死にに行くような行動起こしてますし。これが一般の国民じゃなく国のリーダーというのだから余計質が悪いですよね。

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  8. kuppo2007 より

    私は製造業に従事しているものですが、現場で働く職工さんは、高専でみっちりトレーニングをして現場に入れば即戦力です。確かに、若い頃は眉毛をそっていたり怖い人達も多いですが、彼らのものづくりに賭けるストイックさには脱帽です。時々思うのですが日本では、ブルカラーは優秀でホワイトカラーは全然だめな部類じゃないかと思う事があります。日本の政治とか経営者を見てるとつくづくそう思います。

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  9. みはせじ より

    ガーディアンの記者は地味に反日的なことを書いてます。なでしこジャパンの名前にすら、軍国主義の名残とか言って文句つけてましたからね。

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  10. yoko より

    OECDの調査結果、私も嬉しかったです。海外の義務教育の現場を垣間見た者としては、日本の義務教育がいかに優れているのか実感していますので、当然かなとも思いましたが、それはイギリスの言うような詰め込みから来るものではないと考えます。成績の差は移民の比率に関連するかと最初は考えましたが、スウェーデンが上位に入っている事を考えると、経済の格差のほうが教育に与える影響が多いのかな、と思いました。施先生の漢字、それも音読みと訓読みのある日本の漢字教育が教育に及ぼしている影響というのは考えた事がありませんでしたが、確かにそうかもしれないですね。外から取り入れて、日本に合うように改造した、というのもいかにも日本らしいです。イギリスをはじめ海外の人が数字だけを見て誤解してしまうのは、日本の義務教育の内容がいかに他国と違うか、という事でもあると思います。授業時間数から見ると日本は他国に比べて多いかと思いますが、教科の勉強に特化している国が多いのに比べて、日本は体育、音楽もあるし、学校で調理実習やのこぎりのひきかたを教えてくれる国が、どれほどあるのでしょうか?たとえ学業でよい成績が修められなくとも、日本の学校では体育祭があったり、文化祭があったり、部活動があったり、別の活躍できる場があります。本当に幸せな事だと思います。ドイツ在住の作家、川口マーン恵美さんの著書の中で、「ホームレスが岩波新書を読む日本」という言葉がありましたが、海外でホームレスをしている人は字すらまともに読めない人は少なくなく、一生その立場から這い上がれない、と言うのを読んで、日本の言う「格差」などいかに甘いものかと思いました。(母子家庭で塾に行けないのが格差とか・・・)日本も都市部では格差化が進んでいますが、義務教育の間くらいはあらゆる職業の家の子が机を並べて勉強するというのは、日本の社会全体にとって良い事だと思いますし、これからも続いて行って欲しいと思います。

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  11. Y田 より

    初めまして、Y田と申します。いつも楽しく拝読しております。今日のコラムは特に、私が日ごろ感じていたことでもあって、面白く読ませていただきました。漢字の重要性は申すまでもありませんが、私は表記の際、漢字にはすべてルビをふるべきだと、声を大にして主張したいところです。もう亡くなりましたが、作家の久世光彦さんが、「子供のころ、漢字はすべて総ルビになっていた」とお書きになっていたのを思い出しました。病弱でしょっちゅう熱を出して、家で本ばかり読んでいた子供時代、お父様の書斎に並んでいた日本文学全集や世界文学全集を読破できたのは、漢字にルビがあったからで、泉鏡花や谷崎潤一郎を知ったのも小学校の低学年だったと。事情は今も変わっていないと思います。ルビがふってあるのは読みにくいとか、ページがきたなく見えるとかおっしゃる方もおいでになるそうですが・・・。子供から本と出合うチャンスを摘み取っておいて、近頃の若いものは本を読まないと嘆く風潮はいかにも愚かしいことに思えます。長々と失礼しました。施先生には、これからも楽しいコラムをお待ちしております。お体ご自愛ください。ではまた。

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  12. やす より

    いつも楽しく拝見させていただいています。今回も日本のよさが分かるすばらしい内容でした、やはり日本のよさを守っていかねばならないと再確認しました。

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  13. 読者改め毒シャア より

    昨日(2013/10/17)の記事コメントでは反射放言と印象操作に困惑しましたが、本日から不定期で気になった記事について「記事の印象評価」を勝手にコメントします。独自基準の独言なので議論しません。私的メディアも公的メディアも、一般人(ここに居る勤勉なコメンテーターは除く)にとっては「論の中身」よりも「そこから受ける印象」が判断の材料になることが多々あると考えます。例えば「完全」「絶対」「100%」「間違いなく」「正しい」「いつも」「みんな」など、論拠なき(予言者のような)言葉を使用して受け手に誤った印象を植え付けている現状についてです。社会においてシビアな評価を経験したことがある人なら分かるかと思いますが、彼らは「厳格に曖昧な言葉」を選びます。言葉の誤用が判断ミスやブーメランにつながるためです。これを玉虫色とも言いますが、極端な反射や断言で事実無根のミスリードを防ぐ日本人の知恵でもあります。最近、保守系言論人の「極端な物言い」が気になってしょうがありません。「毒をもって毒を制す」つもりなのかもしれませんが、言論人のエキセントリックな姿勢が読者にも伝染しているようで、ちょっと気になってます。というわけで、本日の記事の印象評価を以下に述べます。—-【本日の記事の印象評価(独自基準)】評価結果: (^-^)評価コメント: 面白い。好感が持てる。気持ちいい。前向き。

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