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2013年6月4日

【藤井聡】えこのみすと村の「えん罪」ばなし

From 藤井聡

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※来月の月刊三橋では、電力自由化やメガソーラービジネスに絡んだ、
とんでもない問題を取り上げました。
日本のインフラを使って、中国が、、、

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あくまでも、一般論のお話です。

経済理論にはいろいろな分類の仕方がありますが、そんな中のとりわけ重要な分類の一つに、

「需要サイド経済理論」と「供給サイド経済理論」

という分類があります。

本メルマガ読者なら、既にご存じの方も多かろうと思いますが、要するに、

「企業が生産性をあげて、たーーーくさん供給できるようになればなるほど、経済は成長するんだよーーーん」

という理論です。この理論の信奉者は、とにかく、企業の生産性を上げる事が、経済成長にとって必要なんだ、ってことだけを考える傾向が強いのが特徴です。

で、「生産性」って何かというと、要するに、「少ない労働力や資源からターくさん、モノが作れるようになったら高くなる」っていうものです。ですから、「生産性あげたいよぉぉ!!」っていう人は、とにかく、「コストカット」、とりわけ「労働力カット」=「リストラ」を目指すようになります。

そして、生産性を上げるために必要なのが、ある種の「イノベーション」ですね。その最たる例が、蒸気機関の発明による産業革命、ってことですね。このイノベーションによって、人類はちょっとした労働力で、たーーーーくさんのモノを作れるようになったわけですね。

これがいいかどうかは別として(笑)、とにかく、人々が「供給サイド経済学」を重視すればするほどに、生産性あげよう!そのためにはとにかくリストラだ!イノベーションしよう!っていう事になるんですね。

逆に言うと、生産性、リストラ、イノベーションっていう事「だけ」を口にする人々は供給サイド経済学を(無意識なのか意識的なのかは別として)信奉してるわけですね。

一方で、その逆に「需要サイド経済論」っていうのは、「経済の変動を決めているのは、需要と供給のバランスで、需要が少なくなりすぎればデフレになって、多すぎればインフレになる、だから、需給バランスをとらなきゃいけないんだ」と考えます。

。。。ひょっとすると、「供給サイド論」が、「とにかく供給あげりゃぁ、成長すんだよ!」な理論でしたから、「需要サイド論」は「とにかく、需要増やしゃぁ、成長すんだよ!」なちょーちょーー単細胞さん達だと。。。。思われたか方がおられたかもしれませんが、実はそんなタンサイボーさん達じゃぁなないんですね。

つまり、
供給サイド論者は、「供給だけ」の重要性を語る傾きが強いけど、
需要サイド論者は、「供給と需要の双方のバランス」の重要性を語る、
という構図があるわけです。

だから、両者を「対比」みたいに扱った時に「得」をするのは供給サイドさん達で、「損」をするのは「需要サイド」さん達なわけです。

つまり、「需要サイド」って言う呼ばれ方は、「実際には需要も供給も語っている」需要サイドさん達にとってみれば、いわば「濡れ衣」なわけです。

で、供給サイドさん達は、議論する前から、相手を「タンサイボー」扱いして、それを通して、自らのタンサイボーっぷりを隠蔽することに成功するわけですから、供給サイド、需要サイド、みたいな分類をする「だけ」で、供給サイドさん達はかなり得をしているわけですね(苦笑)。

まあ、なんでそんな事になったかと言うと、もともと「経済学」という特定の学者村では、どういうわけか(っていうかしっかり理由はあるのですが)最初、「供給サイド論者」がたーーくさんおられた一方で、需要の事を重視する人が、徐々に駆逐されていったんですね。

で、途中でケインズさんっていう方を中心に、

「いやいや、需要もかんがえなきゃぁ、ならんだろ?!」

という突っ込みを入れ始めました。

で、それまでの主流派は、供給だけを考えていた訳ですから、彼らの目から見たら、そんな需要の事「も」考えている人々は、

「あいつら何いってんだ??
経済の未来なんて、供給みてるだけで分かんのに、なんで、
需要も見ろ、だなんて、何バカな事いってだだいってんだ?」

・・・と口にしたかどうかはともかく(笑)、特定の一側面「だけ」を「バカみたいに重視してるアホ共」みたいな名前をつけられて、需要サイド経済学、なんて濡れ衣を着せられちゃったわけです。

。。。。やれやれ。。。。

まぁ、それはさておき、供給サイド論者達は、需要サイド論者達に対して、
「あの人はねぇ、一昔前の経済論だ」
とか
「あの人はねぇ、公共事業やって需要増やしゃぁ、
それで成長するんだっていってる単純な奴なんですね」
なんていう、「濡れ衣」を着せまくっちゃうわけっです。

・・・・が繰り返しますが、需要サイドの論者達ってのは、そんなバカではありません。

「経済では、供給「も」大事だけど、需要「も」大事なんですよね」

っていう、どこの小学生でも、どこの幼稚園児でも、真っ当な心をもった人々なら、絶対に
「そりゃそうでしょ?」
って言うことウケアイな当たり前の事を主張しているだけなわけです。

しかも、需要サイドの論者達は、バランスを重視すべきだ、って言ってるだけなのですから、内需の拡大、公共投資の拡大、なんてことも口にしますが、イノベーションの重要性や、場合によっては規制緩和の重要性なんてのも口にするわけです。

だから、はっきし言って、需要サイド、っていわれている人達の方が需要サイドって言われている人達よりも、酸いも甘いもよく知った大人な精神をもってるわけで、さらに言うなら、
「もっと賢い」
のであって、さらにさらに言うなら、
「バカさが少ない」(笑)
っていう事が言えるんですねぇ。

!!!!!!なのに!!!!!!

そんな、経済の一側面「だけ」が大事なんだよって無意識のうちに信じ込んでいる様な、
「『もっと賢い』という傾向が少ない人達」(笑)
あるいは、
「『バカさが少ない』という傾向が少ない人達」(大笑)
に、需要サイドの論者達は、
「バカなんですよ ヘラヘラ」
なんて言われちゃうわけですねぇ。。。。(わざとややこしくて済みません!!)

・・・・ホント、返す返す・・・・やれやれ・・・・

でもまぁ、「真実を語る人」ってば常に品性に少々疑問符が付くような方達にいつも「えん罪」「濡れ衣」を着せられてしまうものですし、ソクラテスもそれで殺されちゃったわけですから、まぁ、そんなもんなんでしょうねぇ。

ってことで、世界中の「無実の罪」の「濡れ衣」を着せ続けられておられる皆様方!、

「腹立つなぁ」なことも「やってられんなぁ。。。。」なことも日々おありでしょうが、まぁ、そこは、
「そんなもん、真実を知っちゃった人間だけが払わんといかん税金だわさ」
な感覚で、明朗快活に、時に、バカさの少なさが少ない人達のおもしろぉぉぉい諸言動をギャグのネタにでもしつつ、日々たくましく、レジリエントに生きて参りましょう!

。。。。っていうことで、時代と地域を越えた、プチ一般論でした。

では、また来週!!

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この大問題、逆に考えれば、大変なビジネスチャンスです。

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【藤井聡】えこのみすと村の「えん罪」ばなしへの4件のコメント

  1. widelight より

    今回の藤井先生の文章を読んでまるっきり単純な主観で感じたのですが、製造職開発職、営業職にて一般的に働いているサラリーマンは、この所謂「供給サイド経済論者」に当たってしまうのでは…?と思ってしまいました。造る側はより品質の高いモノを均一的に、効率的に、より安く造るよう努めます。そうすれば、より売り易いですから。営業としては、その、より“セールストーク”のし易い商品について営業を行い、自らや会社の業績を伸ばそうと努めます。そのなかに「重要」は出てきません。営業活動にて顧客開拓や市場開拓はあるかと思いますが、それはあくまで「営業」であり、重要を作るという観点では行われていない気がします(シッカリとした営業をしたことがないのではっきりとは解らないのですが…スイマセン)。問題は、働いて納税している国民のかなりの割合が「供給サイド経済論者」に当てはまってしまい、「供給サイド経済理論者」の言うことに共感してしまい易く、矛盾に気付かないのでは?という所です。子供でも判る、需要と供給両方の重要性が、逆に「子供は何もわかっちゃねえなぁ」と自ら供給のみに埋没してしまっていることの無知に気付かず、また気付いても、隠居してなお主張(我)を通そうと声高に叫ぶ姑のように、なかなか素直にはなれないのかもしれません。自分の人生を否定してしまうことにも繋がりかねませんから。ただ、経営者は明確に「需要を創る」ことを意識しているはずです。そこに普通の倫理観があれば従業員(今回の話で当てはまるのは国民かと)のことを考えますが、世はデフレ。あまり甘っちょろいことを考えていては会社自体の存続に係わってしまいます。それで人のイイ経営者は自然淘汰され殺伐冷酷とした経営者の割合が自然に増え、現状のような、国家観のない利益至上主義的な主張が通りやすい空気になっているのではないでしょうか。経済というものをよく解っていない私の全くの主観の感想ですが。お目を汚してしまい申し訳ありませんでした。「需要サイド経済論者」と呼称されてしまう点でですが、もしそのように呼ばれた場合は「いえいえ、私は需給サイド経済論者ですよ。」と訂正してみるのは如何でしょうか?語呂も似てますし、両方のことを考えているということを暗に主張することが出来ますし。それではまた先生のお話に期待しております。失礼します。

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  2. 川_毓子 より

    やっと、目からうろこを何枚も落として、真実を見ることができた人間なので、せめて罪ほろぼしにと、友人たちに先生や三橋さんたちのことを広めようとしてがんばっております。先生、応援しています。がんばってください。

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  3. ごうだたけし より

    >だから、はっきし言って、需要サイド、っていわれている人達の方が需要サイドって言われている人達よりも、2つ目の「需要サイド」は「供給サイド」の間違いではありませんか?−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−「イノベーション」を供給サイド経済学者は「需要サイド」の政策と考えているような?・・・・・わかりませんけど。というのは、彼らがその言葉を使うときによく言うのは、「景気が悪いのは世の中に欲しいものがないからだ」そして「イノベーションが足りない」。彼らなりに需要がないと思っているのかなと、だけど、これに対しては、「お金がないだけだ、若いんだからお金があれば何か買ったりどこかにでかけたりする。」で足りると思いますし、そもそもイノベーションがおきると、もともとあったものがそれに置き換わるだけで、全体のパイは増えないのでは?と思います。

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  4. Yuriya Kaito より

    なーるほどね。よく分かりました。他の局面でも同様のことがありますね。アメリカ様だけを見てれば。。9条様だけを見てれば。。など。

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