FROM 三橋貴明
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●4月の新規会員を募集中。「月刊三橋」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php
※4月号のテーマは「TPP」。TPPは農業問題ではない。最大の問題点とは?
※4月号より、QAがスタートしました。当月コンテンツ配信時に質問を募集、
いただいた質問をピックアップし、
次の号の配信までに三橋貴明が答えていきます。
※今、申し込んだ方には、創刊号『アベノミクス』を無料プレゼント。
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【今週のNewsピックアップ】
●「国家は破綻する」論文のウソ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11516654424.html
●議論再燃 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11517279972.html
●議論再燃 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11517939445.html
「国家は破綻する(カーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ)」論文のウソが暴かれ、世界に激震が走っています。何しろ、先進国の政策担当者の多くが本論文のロジックに基づき、
「緊縮財政、財政赤字削減こそが経済成長をもたらす」
と信じ込み、経済成長率をマイナスに叩き落とす緊縮財政政策路線を突っ走ってきたわけです。
ラインハート・ロゴフ論文の骨子は、
「政府の負債対GDP比率が少なくとも90%に達すれば、GDP伸び率が減速し始める。過去のデータを見る限り、政府の負債対GDP比率が90%を超えた国々の平均成長率はマイナス0.1%」
というものでした。
ところが、実際の政府の負債対GDP比90%超の国々の平均実質成長率は2.2%だったのです。ラインハート氏、ロゴフ氏の両名は、「政府の負債対GDP比率が高まれば、経済成長率は低迷する」という予め決定された結論に導くために、データ操作を行っていたわけです。
そもそも、政府の負債対GDP比率が上昇し、経済成長率が低迷するには、ある条件が満たされなければなりません。すなわち、
「政府の負債対GDP比率を高める国債発行が長期金利をもたらし、企業が借り入れを増やすことが難しくなり、設備投資が低迷する」
です。いわゆる「クラウディングアウト」の発生こそが、ラインハート・ロゴフ論文の根っこにあるわけです。
とはいえ、この世界には国債発行残高が増えても増えても、長期金利が上昇しない国があります。すなわち、日本です。
また、長期金利が世界最低に低迷してさえ、企業の設備投資が増えない国もあります。これまた、日本です。
日本で国債発行が増えても長期金利が上昇せず、設備投資も増えない理由は、単純にデフレ深刻化で民間の資金需要が低迷しているためになります。デフレ環境下では、企業は設備投資をしても儲かりません。金利水準がどうであろうとも、デフレ国の企業は設備投資を増やさず、銀行からの借入も不要で(それどころか、企業の預金が増えている)、長期金利も上昇しないのです。
基本的に、新古典派経済学は国家がインフレであることが前提になっています。と言いますか、戦後の新古典派経済学は「インフレ対策」として進化してきたわけでございます。
新古典派経済学は「非効率的な政府」の機能が拡大することを嫌悪します(インフレ率が上昇するため)。そのため、彼らは公共事業や公務員給与、社会保障支出を目の敵にし、中央銀行の独立性強化を主張し、
「インフレ率を上昇させないためにも、小さな政府をめざし、中央銀行は独立させなければならない」
というドグマを保持し続けているわけです。
そして、「大きな政府化」が経済成長率を低めるという主張を裏付けるために、クラウディングアウト理論を広めていったわけでございます。とはいえ、デフレ期の国ではクラウディングアウトは発生しません。
結局のところ、現在の世界は日本を含め、イデオロギー化した経済学(新古典派経済学」により国民の困窮化が進んでいっているわけです。その先兵であったラインハート・ロゴフ論文のウソが暴かれてしまった。今回の虚偽論文発覚事件は、冗談でも何でもなく世界経済の転換点になるかも知れないと考えています。
PS
なぜ、アベノミクスは世界史に大転換をもたらすか?
なぜ、新古典派経済学は人類を危機へと追いやるのか?
もし、本質を学びたいなら、、、
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php
PPS
ちなみに、4月号のテーマは
新古典派経済学の申し子「TPP」です。
今、お試し入会すれば、
「アベノミクス」「TPP」の2本の講義を聞けます。
PPPS
4月からはQ&Aが始まり、さらにパワーアップ。
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