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2013年4月10日

【東田剛】日本の悪夢

FROM 東田剛

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●月刊三橋「韓国大崩壊」の配信は4/10申込分まで。

本日の23:59までに月刊三橋にお申込みいただければ、
すべり込みセーフで間に会います。

⇒ http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php

※4/11お申込み分からは「TPP徹底解説」が配信されます。

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TPPネタが意外と大好評だったので(本人は飽きていますが)、今回もTPPと安全保障について。
ただし、駄洒落はナイです。

さて、朝鮮半島の情勢が異様に緊迫しています。第二次朝鮮戦争が起きるかもしれません。

こうなると例によって、日米同盟を理由にしたTPP推進論が否応なく強まってくるのでしょう。

思い出すのは、米韓FTAの経緯です。
2010年当時、米韓FTAの追加交渉はかなりもめていましたが、11月23日に延坪島砲撃事件が起き、12月上旬には米韓FTAが署名されました。この二つの出来事は無関係とは思えません。
アメリカから脅されたのか、韓国が臆病風に吹かれて焦ったのかは分かりませんが、韓国は、北朝鮮の脅威に対抗するために米韓同盟を重視するという理由で、急遽、FTA署名に踏み切ったのでしょう。

私は、延坪島砲撃事件がアメリカの陰謀とまでは思いませんが、この事件をきっかけに、アメリカが韓国に圧力をかけたとしても驚きません。私がアメリカの交渉担当ならやりますから。

 アメリカを非難する気もありません。本来、外交とは、そういうものですから。

というわけで、日本も同じように、TPPの事前交渉でも本交渉でも譲歩を重ねる可能性が高いでしょうね。

保険、医療、知的財産権など、本来、国民主権で決めるべきことが、アメリカの勝手な要求によって決まっていくのです。

何も驚くことはありません。
自分の国を自分で守れない国には、経済的な繁栄はおろか、民主主義すら不可能だという、当たり前の話です。
しかし、この当たり前の話が、どうして日本人には分からないのでしょうか。

その理由の一つは、朝鮮戦争の頃にまでさかのぼります。
敗戦後の日本は、朝鮮戦争の特需で復興の糸口をつかみ、高度成長を実現しました。しかし、それは、実際のところ、アメリカのおかげでした。

 当時のアメリカは、東西冷戦の中、西側諸国の共産化を防ぎ、ドル経済圏に取り込むため、日本の復興を助け、アメリカ市場を日本に有利な形で開放しました。

戦後日本の繁栄は、自由貿易のおかげと信じられていますが、その背景には、共産圏の脅威とアメリカの圧倒的な経済力という特殊な事情があったのです。
この戦後日本の経済成功をもたらした冷戦下の特殊な事情こそ、「戦後レジーム」と言うべきでしょう。

しかし、共産圏の脅威は二十年前に消えました。今やアメリカは世界最大の対外債務国であり、経済の衰退に悩んでいます。
もはや、アメリカには、日本を守ってあげて経済成長させる理由は何もありません。
「戦後レジーム」は、日本に繁栄を約束するものではなくなったのです。
冷戦終結後、日本が「失われた二十年」になったのも、偶然ではありません。

六十年前の朝鮮動乱は、日本に経済的繁栄をもたらしましたが、今回起きるかもしれない朝鮮動乱では、逆の結果をもたらす恐れが高いのです。
世界の構造とアメリカの戦略が、当時とはまるで違うからです。

しかし、日本は、いまだに、「戦後レジーム」下の経済的繁栄という例外的な成功体験がどうしても忘れられず、TPPに参加しようとしています。
安全保障をアメリカに頼って自由貿易すれば豊かになれると思い込む「戦後レジーム」脳です。
CTで検査すると、右脳と左脳の間にベルリンの壁が挟まっているのが見えるでしょう
この症状は、放っておくと大変危険です。

安倍総理は、かつて「戦後レジームからの脱却」を掲げていました。
ですが残念なことに、TPP交渉参加を表明した記者会見では、あからさまに、戦後の自由貿易の成功体験を語って、交渉参加を正当化してしまっています。

「いまだ占領下にあった昭和24年。焼け野原を前に、戦後最初の通商白書はこう訴えました。「通商の振興なくしては、経済の自立は望み得べくもない」。その決意の下に、我が国は自由貿易体制の下で、繁栄をつかむ道を選択したのであります。1955年、アジアの中でいち早く、世界の自由貿易を推進するGATTに加入しました。輸出を拡大し、日本経済は20年間で20倍もの驚くべき成長を遂げました。」

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0315kaiken.html

PS
過去の成功体験を捨てられないことで、日本はいかなる危機に陥ってしまうのか。
「韓国経済」を知ることで、「TPP加盟後の日本」の惨状が見えるかもしれません。

もし、あたなが「韓国の今」、そして
悪夢のような条件を飲まされたカラクリについて学びたいなら、
「月刊三橋」3月号「韓国大崩壊」が参考になるはずです。

⇒ http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php

「韓国大崩壊」の配信は本日4/10お申込み分まで。

4/11以降のお申込みからは「TPP徹底解説」に切り替わりますので、
韓国の今を学びたい方は、本日の23:59までにお申込みください。

PPS
三橋貴明さんの『目覚めよ! 日本経済と国防の教科書』と併せて、この本で目覚めよ!
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PPPS
これは面白くて、ためになりそう。
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【東田剛】日本の悪夢への8件のコメント

  1. あこや より

    経験と歴史に学ぶなら、安倍政権が盾と矛として時間稼ぎをしてくれている間に、できることを一つずつしていくしか無いという気がします。黒田バズーカの次の二の矢が放たれる時に横槍を入れる輩を見つけてゴム鉄砲で撃つ、くらいしか庶民には思い浮かばないですが。勝手な解釈ですけど、新自由主義という賭場に日本国民という人質がとられてるんだと思います。寝惚けた若旦那が3年半前に浮かれたせいで。そのせいで現政権は人質を奪いに行かないといけないのかなと。高倉健の映画の世界です。向こうは手ぐすね引いて、待ってるんだと思います。サイコロふらされるんですよね、当然。そして・・・。少なくとも経済戦争の場外乱闘であるところの情報戦には、志願兵として参加して二の矢と三の矢が命中するよう、周りで援護射撃できるといいなと思ってます。

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  2. momo より

    最近のテレビを見てると日本のメディアはアメリカに支配されてるのかなって思いますね。小泉、今回の安倍、衆議院選の前までテレビがごぞってTPP推進の橋下を応援してたのは偶然じゃないでしょう。俺予想は安倍政権が終わってその次の政権がアメポチじゃなかったらおそらくテレビは橋下をまた応援し始めるでしょうね。

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  3. はっちゃん より

    飽きておられるのにこれだけの内容のお話が出てこられるとはさすがです。韓国の例も脳みその中に残留するベルリンの壁の話もとても的確で注目してしまいます。今の自分の周りの人でもTPP反対と言っている人もある程度います。前よりは多分増えていると思います。でもまだまだ賛成の人が多くて、こうした人はだいたい大阪では維新の会を支持しています。そりゃ素人どうしの缶コーヒー飲みながらの会話なんですが、結構カンカンになって議論ふっかけてくる割に全然議論がかみ合いません。日本語のわからない人が横から見てたら確実に口喧嘩してて僕が負けているように見えますよ。僕は口喧嘩なんかしてないんですが。ちょっとですけど、なんか疲れますよ。もし仮に世論の大勢がTPP反対というふうに変わった場合、あるいは「6項目の条件は最低守るべきだ」そして「どう見てもTPPに入ったら守れないじゃないか」と世論の大勢が言い出した場合には結果的に入らないということもあるのだろうか。とか考えてしまいます。

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  4. hehehenohe より

    >しかし、共産圏の脅威は二十年前に消えました。今やアメリカは世界最大の対外債務国であり、経済の衰退に悩んでいます。もはや、アメリカには、日本を守ってあげて経済成長させる理由は何もありません。「戦後レジーム」は、日本に繁栄を約束するものではなくなったのです。冷戦終結後、日本が「失われた二十年」になったのも、偶然ではありません。これは最近までのことで、これからは、>いずれはエネルギー輸出国になるとまで言われている米ですが、シェールガス開発が米の窮地を救い、米は大復活を遂げるとの見通しを早くから打ち立てて、その方針で投資している我々の読みは大正解と言う事になるでしょう。(S氏の相場観、4月10日、「注目は為替動向」)という見方もあるようです。安倍首相のTPP交渉参加はこの辺も視野に入れてのことかなあと思ったりしますが、どうなんでしょうか。

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  5. 名無しの権兵衛 より

    確かにおっしゃる通りだと思います。今まで日本政府は米ソ冷戦終結後の日本の国家戦略の在り方を全く考えてなかったように思えます。ですからアメリカからの年次改革要望書のような日本に不利な条約でも常に後手に回っていき、嫌々ながら受け入れてきたと思います。(構造改革論者は好き好んでやっていましたが…)TPPは国民主権より米グローバル企業主導であるので大変問題のある条約になると考えます。

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  6. 名前はまだ無い より

    右脳と左脳の間にベルリンの壁が。。。というのは最近のネット言論を見ていても感じます。いまだに『悪いのはサヨク、赤い思想』。この認識はいい加減にやめてほしいものです。TPP以外でもたとえば黒田総裁とはどんな人物なのか。日中韓FTAとアジア通貨統合との関連性はどうなのか?金融緩和さえすれば愛国者なのか?まともな批判が保守の側からもほとんど出てきません。そしてひたすら安倍総理に対する信仰にすがりつく。保守言論の目を覆うばかりの劣化状況。ここに日本の危機を感じます。

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  7. 佐原 若子 より

    TPPで、日本は米国の植民地、っていまでもだけど。どうにかやめさせたい

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  8. gcp より

    安倍総理へは進言あるのみですね。医療や保健改革がアベノミクス特区で実践され、道州制で拡大し、最後は地域格差を埋めるという名目で国全体へ。大まかな筋書きはこんなところでしょうか。隙あらばねじ込んでくるので永遠に戦い続けなければなりません。しかし、金儲けの巧い人が正しいという今のマインドですと非常に避けがたいことに思えます。尖閣諸島や朝鮮半島などの緊張状態もあり、2013年度の防衛費が増額されました。とはいえ1400億から400億に削られ、増員1万人が280人になってしまったそうです。多めに見積っての1万人なのでしょうが、その仕事量を280人でこなせるとはとても思えません。日本が戦争などありえない。だから無駄!!これも戦後レジーム脳が働いてるということなのでしょうか。

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