アーカイブス

2013年2月11日

【三橋貴明】二つの投資

————————————————————

●「いいね!」をくれた方には、三橋貴明の音声ファイルを
無料プレゼント。世界を読むための3つの原則とは。

三橋貴明の「新」日本経済新聞 公式Facebookページ
⇒ http://www.facebook.com/mitsuhashipress/app_109770245765922

————————————————————

FROM 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】

●防衛費と公共事業費
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11463985115.html

●TPPと安全保障
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11466074201.html

公共投資と防衛費は似ています。双方ともに「日本」という国家を維持するための「基盤」であり、継続的におカネを費やしていかなければならないにも関わらず、

「公共投資はムダだ! バラマキだ! 先祖返りだ!」

「防衛費の増額はいつか来た道。軍靴の音が聞こえる!」

などと叫ぶ甘えたお花畑日本人の声が大き過ぎ、削減され続けられてきました。特に、公共投資の方は、冷戦終結後にグローバリズムを主導する新古典派経済学者たちが、

「政府はできるだけ小さくせよ。財政均衡だ。政府の効率化だ。公共投資は削減だ」

と叫び、それに「日本が嫌い」な自虐主義者たちまで乗っかることで、ピーク(96年)の半分にまで削減され、国民の生命が危険にさらされています。

先日、取材で古屋圭司国土強靭化担当大臣とお会いした際に、

「やはり、失敗はバブル期とその後だ」

という話になりました。バブル期、本来であれば日本は公共投資を引き締め、財政を絞り込むべきでした。一応、プライマリーバランスは黒字化したのですが、さらなる財政黒字を目指すべきだったのです。何しろ、民間が負債を増やし、投資しまくっていたわけですから、別に政府がカネを使う必要はなかったのです。ところが、それこそ「旧来的な自民党路線」により、民間が投資しまくっているところに政府までもが公共投資を増やし、バブルに拍車をかけました。

逆に、バブルが崩壊した91年以降こそ、公共投資を増やすべきだったのです。実際、橋本政権までの日本政府は公共投資を拡大し、民間の設備投資減少をカバーしていました。ところが、橋本政権が成立し、公共投資にマイナスシーリング(常に前年比で減らす)という異様な「枠」が嵌められ、その後はひたすら公共投資が削減され、デフレを深刻化させたのはご存じの通りです。

本来であれば、

「バブル期は公共投資を減らし、バブル崩壊後はデフレ化の危険が無くなるまで公共投資を増やす」

が正しいのですが、日本は真逆をやりました。もちろん、バブルだろうが何だろうが、やらなければならない公共投資というものはあります。ところが、バブル崩壊後の日本は「やらなければならない公共投資」までをも容赦なく削減し、建設事業者が倒産し、現在は「建設需要に建設事業者の供給能力では追い付かない」という、非常にまずい状況になっています(古屋大臣も「建設事業者の供給能力不足」が最も深刻な問題であると認めていらっしゃいました)。

また、防衛費にしても「増やす必要があるときは増やす。減らすべきときは減らす」が正しいと考えるわけですが、日本は中国が軍拡に励む中、これまたひたすら防衛費の削減を続け、安全保障が危機に陥っています。
防衛費を減らすと、自衛隊の「安全保障サービス」の供給能力が減り、現在のように「安全保障の需要」が膨らんだ時期に対応できなくなってしまいます。
自衛隊の隊員数は増やせるかも知れませんが、例えば戦闘機や艦船の「生産」「整備」といった仕事は、民間企業(三菱重工や川崎重工など)に頼らざるを得ません。ところが、長引くデフレにより民間企業の体力が落ちており、防衛産業から撤退するところも出てきています。

今後は、建設産業同様に、防衛産業の供給能力不足がボトルネック(制約条件)になってはしまわないかと危惧しているわけです。

安倍政権は、公共投資と防衛費を増額する予算を立てました。方向的には全く正しいですが、「額的な問題(十分かどうか)」「供給能力の問題」と、二つの「壁」が立ち塞がっています。

何しろ、日本は十五年間(97年以降)も間違い続けて来たわけで、これを是正するのは一朝一夕にはいかないという話です。それでも、やらなければならないのですが。

PS
「ようこそ」のページから「いいね!」してくれた人には
三橋の特別音声ファイルを無料でプレゼントしています。

http://www.facebook.com/mitsuhashipress

メルマガに書ききれない号外記事をアップしていく予定。
「いいね!」を押して、メンバーになりましょう。

PPS
凄まじい勢いで売れています。韓国は、どうなる?

http://amzn.to/RL5SLH

関連記事

アーカイブス

【青木泰樹】期待はずれの日銀総括

アーカイブス

【鶴田正平】政治家おし

アーカイブス

【三橋貴明】敵基地反撃能力保有の議論を封じられてはならない

アーカイブス

【三橋貴明】ヴィンランド

アーカイブス

【藤井聡】「日本が再び、被爆国となる」という、今そこに在る危機。

【三橋貴明】二つの投資への1件のコメント

  1. Yuriya Kaito より

    なーるほど。日本のデフレを中国が喜びますよね。「真逆の経済学」を15年も誘導されてしまったのは、無知だったから? 外圧に屈したから?。。。三橋さんは「それは真逆だ!」と指摘したパイオニアではないでしょうか。三橋さんの言論に接して私も目が覚めましたから。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【三橋貴明】黄金の氏族の婿たち

  2. 2

    2

    【藤井聡】終戦記念日に考える、「戦後レジームからの脱却」と「...

  3. 3

    3

    【三橋貴明】安藤裕衆議院議員と対談しました

  4. 4

    4

    【三橋貴明】「国の借金」プロパガンダを打破せよ!

  5. 5

    5

    【竹村公太郎】都市の下に住む大蛇 ―なぜ「決壊」と書くのか―

  6. 6

    6

    【三橋貴明】消費税軽減税率の拡大を!

  7. 7

    7

    【三橋貴明】“人間の屑”がいるとするならば

  8. 8

    8

    【藤井聡】「強靭化目標」は「プライマリーバランス制約」でなく...

  9. 9

    9

    【藤井聡】吉川洋東京大学名誉教授が『詭弁』を弄して、『防災を...

  10. 10

    10

    【藤井聡】米国からの「貿易赤字」是正圧力に応えるためには、大...

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】防災に「国債」を発行しない政治家は、馬鹿の誹りを免...

  2. 2

    2

    【藤井聡】吉川洋東京大学名誉教授が『詭弁』を弄して、『防災を...

  3. 3

    3

    【藤井聡】政府は「異常気象緊急対策」を速やかに推進せよ。

  4. 4

    4

    【三橋貴明】“人間の屑”がいるとするならば

  5. 5

    5

    【藤井聡】政府の「東京一極集中」対策、未だ成果まったく見られ...

MORE

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】治水の後れは国家の怠慢

  2. 日本経済

    未分類

    【藤井聡】終戦記念日に考える、「戦後レジームからの脱却...

  3. 日本経済

    【三橋貴明】「国の借金」プロパガンダを打破せよ!

  4. 政治

    【三橋貴明】安藤裕衆議院議員と対談しました

  5. アジア

    【三橋貴明】黄金の氏族の婿たち

  6. 日本経済

    【竹村公太郎】都市の下に住む大蛇 ―なぜ「決壊」と書く...

  7. 日本経済

    【三橋貴明】消費税軽減税率の拡大を!

  8. 日本経済

    【三橋貴明】ILC(国際リニアコライダー)の二つの意義

  9. 日本経済

    【藤井聡】「強靭化目標」は「プライマリーバランス制約」...

  10. 日本経済

    【三橋貴明】公共投資は「地方」経済の下支えはしていない

MORE

タグクラウド