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2012年7月23日

【三橋貴明】経済学の「前提」

FROM 三橋貴明@新宿のオフィスにて

本日から三橋貴明の無料メルマガが

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執筆陣は三橋貴明、藤井聡、上念司、東田剛、さかき漣、
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現在の日本では相変わらず
「公共事業はバラマキだ」「財政は破綻する」などと、
国民経済を理解しない言説が罷り通っています。
理由の一つに「財政は均衡するべき」という
発想があるわけです。

上記は「べき論」、すなわちイデオロギーであり、
あるいは家計簿の「感覚的な話」であるため、
背後に「なぜ財政は均衡するべきなのか」という
ロジックが存在しているわけではありません。

単に
「財政は均衡すべきだから、均衡すべきなのだ。
当たり前だろう」という話なのです。

別に、財政均衡主義が
「デフレ期に財政赤字拡大、インフレ期に財政赤字縮小」という
「柔軟な財政主義」に対し優れていると、
経済学的に証明されているわけではありません。

家計の主婦が
「そうよねえ、政府は歳入の範囲で歳出を賄うべきよ〜」
とやることは、まあ分からないでもないですが、
なぜか現在の世界では、経済学者や政治家までもが
「財政は均衡しなければならない」と強硬に主張し、
事態を悪化させていっています。

実は、経済学者が「財政は均衡すべき」と主張しているのは、
単に現在の主流派経済学である新古典派経済学
(及びその流れを汲む市場原理主義など)の「前提」が
財政均衡になっているためなのです。

経済学は、各種の条件を
「設定」「定義」しなければ論理構築ができず、
学問的に成り立ちません。

というわけで、新古典派経済学は
「財政を均衡させる」という条件設定の基で
発展を遂げたのです。

新古典派経済学を学んだ経済学者は、
当然ながら「経済の前提は財政均衡である」ことを
疑おうとはしません。

実際には、「現実の経済の前提が財政均衡」ではなく、
「新古典派経済学の前提が財政均衡」というだけの
話なのですが。

正に本末転倒という話で、現在の経済学者は
「なぜ、財政均衡が必要なのか」という疑問を感じることなく、
「自分が学んだ経済学の前提が財政均衡だから、
現実も財政均衡であるべき」
と考えているわけです。

そんな彼らの薫陶を受けた政治家までもが、
「財政は均衡すべきだ」などと言い出し、
デフレ下の緊縮財政を推し進め、
事態を悪化させていっているというのが、
現在の混乱の「根っこ」です。

経済学の前提と言えば、
新自由主義経済学(あるいは市場原理主義)の場合、
「効率が高いことが正しい」という前提になっています。

結果的に、
効率が悪い(これは事実)政府系の事業が
目の敵にされるわけです。

とはいえ、
上記の「効率が高いことが正しい」という前提は、
個人的な価値観の問題です。

例えば、国民の生命を守るために公共事業を実施し、
各地域の建設会社を指名競争入札や談合により
存続させるというのは、わたくしの価値観では
「効率が高い」よりも優先順位が高くなります。

無論、そうではなく、
「いや、国民の生命を犠牲にしても、効率を追求すべき」
という人もいるでしょう。

まさしく価値観の相違であり、
個人的な価値観を前提にした経済学を
現実に当てはめようとするからこそ、
社会がおかしなことになっているわけです。

とはいえ、現代の社会には
個人的な価値観の相違を確認し、
調整する機能が組み込まれています。

まさしく、それこそが民主主義なのです。

PS
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【三橋貴明】経済学の「前提」への3件のコメント

  1. 白須 宏俊 より

    経済学の混乱はラーナーの内国債の定理(内国債は次世代へのツケにならない)を否定した時点からおかしくなったと考えます。「国内の金融資産の総和は常にゼロ」から出発すればラーナー説はほとんど自明です。然るに現在の経済学者はラーナー説を否定しケインズ政策まで否定しているのです。ラーナーの後からバローの中立定理など類似の説が出されましたが、同様に否定されています。國枝繁樹氏の日経ビジネスへの寄稿はこれらの定理を否定する論説ですが、勘違いと論理矛盾に満ちシッチャカメッチャカです。理由は同氏が国内金融資産の総和がゼロという意識がないためと推察します。三橋様や広宮様がラーナー説を強力に弁護されれば経済学の根拠が元から変わり、政治家の考えも変わると期待します。

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  2. 太田盛千 より

    財政均衡発想は、マクロ経済の成長が金銀の産出量に制約されていた過去の経済と似ていないだろうか?つまり、国家の歳入が金銀の産出量というイメージである。

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  3. 南海老人 より

    73の誕生日を目前にした老輩です。小学生の孫たちが日本人としての誇りを持って暮らしていける国であるように願い、三橋さんはじめ貴方の世代の方々が我が祖国のためにご奮闘下さることを沖縄の地から祈念し続けます。

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