アメリカ

2018年7月19日

【三橋貴明】トランプ大統領の「豊かになる」認識

From 三橋貴明@ブログ

昨日は、経営科学出版主催
「月刊三橋全国ツアー 沖縄講演」
でございました。

沖縄の皆さま、大勢お越しいただき
ありがとうございました。

さて、どれだけ「情報通」
であったとしても、
「現場」「現地」の人にはかないません。

地域のことは地域住民、
企業のことは経営者が一番
「情報」を持っている
に決まっています。

というわけで、わたくしは全国各地で、
様々な企業経営者(主に)を
相手に講演しているわけですが、

「地元の成長のためには
何をすればいいですか?」

「わが社の経営は、今後、
どこを目指せばいいのですか?」

系の質問が苦手です。

何しろ、わたくしは現場の人ではなく、
部外者なのです。

それでもまあ、できるだけ
ご支援となるご回答をするわけですが、
基本的にわたくしが提供できるのは
「切り口」「キーワード」のみです。

現場のリアルなソリューション
(解決策)構築は、
現場の人には勝てません。

あるいは、わたくしは
「日本経済」については、
相当に理解しているつもりですが
(数字をとにかくひたすら追いかけるため)、
とはいえ「外国」の状況は、
実のところ報道依存で、
リアルには理解できません。

先方も同じですよ、という話。

『トランプ氏、日本の移民受け入れ
「数えられるぐらい」
https://www.asahi.com/articles/ASL7L3CQ6L7LUHBI007.html

トランプ米大統領は17日の
FOXニュースのインタビューで、
日本の移民や難民の受け入れ状況
について「指で数えられるぐらいだ」
と語った。

トランプ氏は批判すべき事例
としてではなく、
トランプ政権の移民や難民に
厳しい政策を正当化するために
日本を持ち出したようだ。

トランプ氏は、ドイツなど
欧州諸国が多くの移民を
受け入れていることで、
政治的な打撃を受けている
ことなどを主張。

キャスターから

「中国は豊かになった。
移民や難民をどれだけ
受け入れているのか?」

と聞かれ、トランプ氏は
「たぶんゼロだ」と回答した。

さらに

「日本について尋ねてみたらどうか。
韓国について尋ねてみたらどうか。
(移民を受け入れないことに)
非常に成功している他国について
尋ねてみたらどうか」

と発言し、日本について

「『過去20年間で何人を受け入れたのか?』
と尋ねれば、指で数えられるぐらいだ」

と語った。

その上で、メキシコとの国境の
管理を強化する必要性を説いた。』

すみません、我が国はすでに
世界第4位の移民受け入れ大国で、
昨年10月時点の外国人雇用者数は
すでに128万人です。

韓国にしても、2014年までは
日本を上回る数の移民を
受け入れていました。

ちなみに、中国がほとんどというか
「全く」に近いほどに移民を
受け入れていないのは事実です。

それはともかく、トランプ大統領が、
「豊かになる」と「移民制限」を
関連付けている点は注目に値します。

「移民を受け入れず、
人手不足を生産性向上で
解消するしかなく、
各種の投資が進み、生産性が向上し、
実質賃金が上昇する形で国民が豊かになる」

こそが、資本主義国の
成長の王道なのです。

トランプ大統領は、恐らくこの
基本中の基本を理解しているのでしょう。

大手マスコミの論調を見ていると、
相変わらず「移民受入=豊かになる」
系の報道が少なくないのですが、
理解できません。

移民を受け入れ、
人口が増えたとしても、
生産性が下がってしまうと、
実質賃金は低下します。

それはまあ、人口増により
全体のGDP(生産=支出=所得)は
増えるかも知れませんが、
「労働者一人当たりの所得」が
減ってしまっては、
国民としては貧困化です。

そして、実質賃金は
「生産性+労働分配率」
で決定されます。

労働分配率が一定と仮定すると、
実質賃金を決めるのは生産性のみです。

「豊かになる」ためには、
生産性向上が必須なのです。

そして、人手不足を「移民」で埋めると、
少なくとも移民を受け入れないよりは、
生産性向上の確率が下がります。

何しろ、人手不足が生産性向上
無しで「解消」してしまいます。

わたくしの書いていることは、
単なる経済の「基本」です。

それにも関わらず、
グローバリズムに支配された世界では、
なぜか、
「移民=豊かになる」
という捉え方がされ、
国民を貧困化させる
移民受入が推奨されます
(そもそも、国民を貧困化させ、
賃金水準を下げるのが
目的なのでしょうが)。

その先頭を切ってきたアメリカが、
明らかに方向転換しつつある。

最近、このフレーズを使うことが
増えてきましたが、

「今こそ、アメリカを見倣え!」

常日頃、アメリカでは~、
と言っている、いわゆる
「ではのかみ」の皆さま、
是非とも

「アメリカを見倣い、
移民を制限するべきだ」

との声を上げて下さいませ
(上げないだろうけど)。

関連記事

アメリカ

[三橋実況中継]ファイナンス・ファイナンス

アメリカ

【上島嘉郎】日中記者交換協定のいま

アメリカ

【三橋貴明】袋小路の終点

アメリカ

【三橋貴明】マスコミはスティグリッツ教授の提言をどう報道したか

アメリカ

【佐藤健志】学者が嘘をつく構造、またはメガネと視野欠損

【三橋貴明】トランプ大統領の「豊かになる」認識への1件のコメント

  1. たかゆき より

    手枷 足枷

    グローバリズムとは 種々の枷を 国民にかけ奴隷として使用し

    最後は国家の繁栄に首枷を かける制度かと、、

    移民という邪魔な枷をかけて 豊かになるのは 奴隷の主と そのシモベ

    すくなくとも小生ではありません。。。

    奴隷制度を破壊しようとすると、、
    「南北戦争」になるの かな ♪

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】終戦記念日に考える、「戦後レジームからの脱却」と「...

  2. 2

    2

    【三橋貴明】「国の借金」プロパガンダを打破せよ!

  3. 3

    3

    【三橋貴明】巨費

  4. 4

    4

    【三橋貴明】スウェーデン・ショック

  5. 5

    5

    【三橋貴明】民主主義の国民であるならば。

  6. 6

    6

    【三橋貴明】安藤裕衆議院議員と対談しました

  7. 7

    7

    【三橋貴明】治水の後れは国家の怠慢

  8. 8

    8

    【三橋貴明】黄金の氏族の婿たち

  9. 9

    9

    【竹村公太郎】都市の下に住む大蛇 ―なぜ「決壊」と書くのか―

  10. 10

    10

    【三橋貴明】粒子加速器、なるか産業ビッグバン

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】防災に「国債」を発行しない政治家は、馬鹿の誹りを免...

  2. 2

    2

    【藤井聡】政府は「異常気象緊急対策」を速やかに推進せよ。

  3. 3

    3

    【藤井聡】政府の「東京一極集中」対策、未だ成果まったく見られ...

  4. 4

    4

    【三橋貴明】“人間の屑”がいるとするならば

  5. 5

    5

    【藤井聡】吉川洋東京大学名誉教授が『詭弁』を弄して、『防災を...

MORE

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】公共サービスは撤退してはならない

  2. 日本経済

    【三橋貴明】巨費

  3. 政治

    【三橋貴明】民主主義の国民であるならば。

  4. 日本経済

    【三橋貴明】粒子加速器、なるか産業ビッグバン

  5. 欧州

    【三橋貴明】スウェーデン・ショック

  6. 日本経済

    【三橋貴明】治水の後れは国家の怠慢

  7. 日本経済

    未分類

    【藤井聡】終戦記念日に考える、「戦後レジームからの脱却...

  8. 日本経済

    【三橋貴明】「国の借金」プロパガンダを打破せよ!

  9. 政治

    【三橋貴明】安藤裕衆議院議員と対談しました

  10. アジア

    【三橋貴明】黄金の氏族の婿たち

MORE

タグクラウド