政治

2019年11月10日

【三橋貴明】日本の民主制と皇統

From 三橋貴明

【近況】

最近、
単行本「自民党の消滅(仮)」を書きつつ、
月刊三橋の「日本文明の研究<古代編>」
のコンテンツを作成しているため、
必然、

「現在の日本の民主制と皇統」

について、考えざるを得ません。

ジャン・ジャック・ルソーが社会契約論に、

「人もし随意に祖国を選べというなら、
 君主と人民の間に利害対立のない国を選ぶ。
 自分は君民共治を理想とするが、
 そのようなものが地上に存在する
 はずもないだろう。
 したがって自分は止むを得ず
 民主主義を選ぶのである」

と、書いていますが、
「そのようなもの」は現実には存在します。
すなわち、日本の皇統です。

日本の皇統における「天皇」は、
神社の総神主、つまりは「祈る人」。

日本神話のアマテラス・スサノオ、
アメノオシホミミ、ニニギ、山幸彦、
ウガヤフキアエズ、イワレビコ(神武天皇)
という、太古の昔、神話の時代から
受け継がれた血統が皇統です。
我が国においては皇統という圧倒的な
「権威」はありますが、「権力」は別です。

権威と権力を分離し
(天皇や皇室が権力を持たない)、
かつ男系を貫き、
余計な男(我々一般の日本人男性)を
皇族とすることなく、欧州王室のように
「継承戦争」を引き起こすこともなく、
日本国の平和と安寧を祈り続けてきたから
こそ、皇統は2千年を超す長きに渡り、
存続してきたのです。

そして、
自然と共有し、特定の「誰か」の権威と
権力を巨大化させないという発想は、
実は「縄文文明」にさかのぼります。

また、民主制の基盤はナショナリズム、
つまりは国民意識です。
我々日本国民は、「天皇」を頂く民であり、
本来は国民意識を共有しやすいのです。

それにも関わらず、
我が国でナショナリズムが破壊され、
民主制が混乱し、皇統の存続までもが
脅かされている。
グローバリズムという疫病の破壊力は
半端ありません。

グローバリズムという疫病に
対抗するためには、それこそ日本国民が
「縄文文明」以降の日本の歴史を知り、
同時に民主制の「あり方」についても
学ばなければならない。

信じられないかも知れませんが、
一万五千年前の縄文文明以降の我が国の
歴史と、現在の民主制は繋がっています。

というわけで、
今月リリースとなる経世史論の皇統論
第十一回「倭の五王」では、
縄文から古墳時代までの歴史を振り返ります。
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

これを機に、是非、ご入塾を。

◆12月21日(土)に
「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」
が開催されますが、
https://in.38news.jp/38P191221_SC_PIVOT
「反・緊縮財政」「反・グローバリズム」
「反・構造改革」という令和の政策ピボットの
スローガンにご賛同下さる多くの
言論人の皆さま(左右問わず)に、
ゲストとしてご参加頂きます。

◆【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
11月5日から
上島嘉郎先生と三橋貴明の対談
「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」
がご視聴頂けます。

◆ビジネス社
「国民を豊かにする令和の政策大転換」
が刊行になりました。
https://amzn.to/2ZadNvr

◆経営科学出版
「知識ゼロから分かるMMT入門」
が刊行になりました。
https://38news.jp/38MMT/MT_TV/

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第344回
医療の「余裕」を削減してはならない
なお、週刊実話の連載は、以下で
(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol546
デフレーションが起き得ない国
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
防災・防衛という「需要」が大きい我が国で、
総需要不足というデフレーションが
続いている。いかに政府が「愚か」かつ
「怠慢」であるかを証明しているのです。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

三橋TV第159回
【防災投資で国富と「我々の預金」を増やそう!】
https://youtu.be/Z2qwQUvXljo
三橋TV第160回
【安藤裕議員に特別会計、建設業、
 自民党内のMMT理解、政権交代について
 聞いてみた】
https://youtu.be/n5PMaRndREY
三橋TV第161回
【今、日本国民が知らなければならない
 災害、防災の現実】
https://youtu.be/euUnSpSAzLw

11月8日 チャンネル桜
「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】MMT名付け親の
ビル・ミッチェル教授記者会見!
/ 第2回 京都大学MMT国際シンポジウム
を振り返る / ブレグジットから見る
民主制の本質[桜R1/11/8] https://youtu.be/2Xn3FAOqRPE

◆三橋経済塾

令和元年11月16日(土)
三橋経済塾第八期 第十一回対面講義
申込の受付を開始致しました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=752
ゲスト講師は青木泰樹先生(京都大学
レジリエンス実践ユニット・特任教授)
でございます。

◆チャンネルAJER 
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【三橋貴明】日本の民主制と皇統への4件のコメント

  1. 大和魂 より

    この題名の本質は、如何なる場合でも天壌無窮の詔勅を全身全霊で守り抜く事に尽きます。それが、これまでもそれからこれからも日本民族の宿命であり使命でもありますから、当たり前に、こなすだけです。

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  2. たかゆき より

    形質

    たとえば ハゲ

    親御さんから いただいた形質を
    恥じたり 隠そうとしたりする

    根性

    そんなに 己の遺伝子を 否定なさりたい
    のか しら ん。。

    どなたとは 申しません

    朝八時の 小倉さん とか
    あれは 衣装の一部でしょうね ♪

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  3. 木星 より

    今の日本は民主主義ではないと思う。

    都市国家アテナイも元々は貴族制(世襲制)だった。

    名門の家に生まれた者や金持ちの家に生まれた者が国政に参加した。

    ソロンがアテナイの指導者に選ばれると改革が行われ政治制度は変わっていった。

    名門の家や金持ちの家に生まれても国政に参加できず

    徳がある人間(優れた人間)だけが国政に参加できるようになった。

    その結果、ペリクレスのような万人に卓越した人物がアテナイの指導者になった。

    政治家になりたいアテナイの青年たちは大金を払って

    徳の教師ソピステースから徳を教わった。

    ( 「徳を教えることは可能なのか?」と言ったのはプラトンだが

    ここでは関係ないので今は問題にしない )

    官僚は任期が終わると報告書を提出して自分の責任をt明らかにして

    国民から批判されたり、告発されたりした。

    そういう政治制度をデモクラシー(民主主義)と呼んだ

    自民党の多くは世襲議員で、それ以外の多くは俳優・女優・歌手・スポーツ選手などで

    とてもデモクラシーとは言えない。

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  4. 利根川 より

     佐藤健志さんの訳した「フランス革命の省察(エドマンド・バーク著)」の中から一文を引用しますと

    ~~~~~~~~~~~~~

     国家を構築したり。そのシステムを刷新・改革したりする技術は、いわば実験科学であり、「理論上はうまくいくはずだから大丈夫」という類のものではない。
     政策の真の当否は、やってみればすぐにわかるとはかぎらない。最初のうちは「百害あって一利なし」としか思えないものが、長期的には実に有益な結果をもたらすこともある。当初の段階における弊害こそ、後の成功の原点だったと追うことさえありうる。
     これとは逆の事態も起こる。綿密に考案され、当初はちゃんと成果も上がっていた計画が、目も当てられない悲惨な失敗に終わる例は珍しくない。見過ごしてしまいそうなくらいに小さく、どうでもいいとかたずけていた事柄が、往々にして国の盛衰を左右しかねない要因に化けたりするのだ。
     政治の技術とは、かように理屈ではどうにもならぬものであり、しかも国の存立と繁栄に関わっている以上、経験は幾らあっても足りない。もっとも賢明で鋭敏な人間が、生涯にわたって経験を積んだとしても足りないのである。
     だとすれば、長年にわたって機能してきた社会システムを廃止するとか、うまくいく保証のない新しいシステムを導入・構築するとか言う場合は、「石橋をたたいて渡らない」を信条としなければならない。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ということでね。
     男系皇統の継承者(皇嗣殿下、悠仁親王殿下)がいらっしゃる状況で、女性天皇とか女系宮家とか、そんな話をしている政権が保守であるとは思えないわけですが、自民党というのは本当に保守なんでしょうか?

    「石橋をたたいて渡らない」

    というくらいの慎重さをもって政治に当たるのが保守だというのであれば、「改革」とか「無駄削減」とか言ってはゴリゴリ社会システムを刷新している自公政権はいったいなんだというのだろうか。
     ちなみに、現代貨幣論については、社会システムを何か変えろとかそういったことではなくて、ちゃんと現実を見てくれと言っているだけなのであしからず。
     西田昌司議員と日銀副総裁の雨宮さんのやり取りでもわかったように、銀行は我々が預けている銀行預金を他の誰かに又貸ししてるわけではないと言うことです。
     実際には行われていないことを「行われていると思い込んで計画を立てていたら」それはうまくいかなくて当たり前なんじゃないでしょうか。

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