政治

2019年10月9日

【藤井聡】保守の、保守による、保守のための「安倍晋三総理大臣」批評

From 藤井聡@京都大学大学院教授

こんにちは、
表現者クライテリオン編集長
京都大学の藤井聡です。

この度、表現者クライテリオンにて、

「安倍晋三 この空虚な器」
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YMF27NQ/

という特集を編しました。

この特集は、
安倍晋三氏を「保守」の立場から、
多角的に批評する
ことを目指したものです。

その趣旨については、
今回行った座談会の冒頭部分の、
文芸批評家の浜崎洋介氏と当方のやりとりで
その概略をお話しておりますので、
改めてここに、ご紹介差し上げたいと思います。

ご関心の方は是非、下記ご一読の上、
本誌クライテリオン、じっくりお読みください!

【座談会】 安倍晋三「器」論 それは如何なる器なのか?(抜粋)
藤井▼今日はありがとうございます。今回は「特集 安倍晋三 この空虛な器」というタイトルでの巻頭座談ということでお集まりいただきました。編集委員四人、それと中島岳志さんにお越しいただいて座談したいと思います。

 最初にこの特集の企画の主旨からお話しします。二〇一二年十二月に始まった第二次安倍内閣は、戦後誰もなしえなかった長期政権を築き上げています。この十一月には憲政史上最長の通算在任期間を達成すると見込まれています。無論、日本国家の命運は、内閣総理大臣に左右されますから、これだけの超長期政権を築いた宰相はあらゆる角度からの「批評」に晒されなければなりません。

 ついては、改造第四次内閣が組閣され、憲政史上最長の長期政権がほぼ確定した今、改めて政治家「安倍晋三」を多角的に批評する特集を本誌にて企画することとしたわけです。

 そもそも本誌はこれまで、「政策批判」を行ってきた。「批判」という言葉を使うなら、ネオリベ批判、消費増税批判、対米従属外交批判、グローバリズム批判、アンチ・ナショナリズム批判、アンチ・ポピュリズム批判、等々です。これらは多かれ少なかれいずれも、現政権の政策を徹底的に批判する内容となっている。

 本誌にて「政権」でなく「政策」を批判してきたのは、昨年二月に新たに産声を上げた本誌が、特定の政治勢力や政治家個人を批評の対象とするのは、十分な根拠なく政党や個人を批判していると受け取られても致し方ない、だから、昨年の年始に新たに立ち上げられた本誌では、何よりもまず、雑誌の根幹、ないしは思想的土台を築き上げることが先決だったわけです。

そんな認識で、この一年半、政治、経済、そして外交といった様々な側面を「一通り」論じてきましたが、それを通して、思想的土台をおおよそ描写できたのではないかという感触が今はある。やはり、「令和八策」をとりまとめたのは大きかったように思います。

 ちなみに我々が論じた政策論が現政権の批判になっていたのは、偏に「結果論」だった。それだけ、現政権の政策方針は、我々の「クライテリオン=基準」からすれば出鱈目なものだったともいえるわけですが、とにかく、我々は政権を批判するのではなく、ただ政策を批判してきたわけです。そんな中でも今号はついに、政策論を超えた「具体的な政治的批判」を行うこととしたわけですが、その皮切りとして、憲政史上最長の総理在任期間を迎える「安倍晋三」氏を批判、批評の対象に掲げるのは、半ば必然ともいえると思います。

浜崎▼そうですね、必ずしも思想誌が政治家個人を批判する必要はないのかもしれませんが、もはや「政策批判」では間に合わなくなっているという感も否めません。そもそも、どんなに「政策批判」をしようが、それに対して国内のメディア、特に「保守論壇」が全く反応してこなかった。

その間、安倍政権はやりたい放題で、移民政策にしろ、消費増税にしろ、加憲論にしろ、危機だけを無闇に拡大していった。事ここに至れば、やはり「安倍晋三」という政治家個人の問題を掘り下げつつ、雑誌としても旗色を鮮明にした上で「けじめ」を示しておく必要があるでしょう。

 そもそも、今、ここにいらっしゃる方は、立場の違いはあれど、皆さん「安倍政権」については批判的でした。例えば、私の場合であれば、筆を持ち始めたのは二〇一二年の初めですが、その翌年の二〇一三年の終わりには「道徳は教えられない」(『文藝春秋』十二月号)という文章で安倍政権の教育改革を批判し始めています。また二〇一四年の終わりに「自由を求めて自由を失う──グローバリズムへの警鐘」(『正論』十二月号)を書いて、公約違反のTPP参加を批判し、また二〇一五年の「その場凌ぎの成れの果て──無脊椎国家日本を思う」(『表現者』九月号)では、「改憲」ではなく「解釈」で集団的自衛権を合憲化しようとした政権を徹底的に批判しています。つまり、機会さえあれば声を上げてきたんですが、そうすればそうするほど、「保守論壇」からは煙たがられていった。とはいえ、「安倍政治を許さない!」みたいな幼稚な「リベラル論壇」がいいかというと、もちろん、それもありえない。

 しかし、だったら、まさしく「保守」を名乗っている『表現者クライテリオン』が、保守の、保守による、保守のための安倍晋三批判を一度徹底しておくべきではないか。それによって、言論における「スジ」を忘れた論壇の「空気」を批判しつつ、この「閉ざされた言語空間」を少しでも風通しのいいものにしておくべきではないか、まず、そういう思いがあります。

藤井▼そんな中で、今回の特集が準拠している大きな思想的な着想、ないしは仮説は、「安倍晋三・器論」というものです。この仮説は、本誌編集委員の浜崎洋介さんがあるTV番組で強調されていたもので、本誌特集の骨格を成す理論的想定、ということになります。

 この仮説は、「安倍晋三」という存在は、世間で言われている事柄や回りの人たちが口にする様々なものが、その整合性や関連を度外視して、何でもかんでも入れ込まれる、一つの「空疎な器」なのではないか、というもの。

一般的な人格や政策体系というものは、様々な矛盾をはらみながらも、それらの矛盾を飲み込みながら何らかの一貫性を求めて、時に弁証法的に様々な要素を「統合」(インテグレイト)していき、そして、ひとまとまりの何らかの体系が、その人物に固有な形で築き上げられる。しかし、安倍晋三氏においては、そうした統合や弁証法的な一貫性等というものは一旦度外視され、ただただ併置されているのではないか、と考えるのが「安倍晋三器論」です。

 典型的なのが、アベノミクスです。第一の矢(金融政策)はいわゆるリフレ派、あるいは、マネタリズムの主張。第二の矢(財政政策)は主としてケインズ派の主張。そして、第三の矢(構造政策)は、竹中平蔵らに象徴される新自由主義路線です。本来この三つの学派は、相容れないものなのですが、これらの整合性を度外視して、アベノミクスとして一体的に推進されようとしている。

その結果、構造改革を通してデフレ圧力がかけられながら、デフレ脱却のための金融緩和が進められ、デフレ脱却のための補正予算で予算拡大が検討されながら、デフレを加速させる消費増税が繰り返される。つまり、器であるが故にいろんなものが入るものの、結局、統合されていないので、何の成果も得られない。これが「空虛な器」であることの実践的、本質的な問題です。

 それでは、本日の議論の皮切りとして、この「器論」をご提案された浜崎さんから、お話しいただけますでしょうか。

浜崎▼そうですね、「論」というほどのものではないんですが、一度、この仮説に基づいて「安倍晋三」という人間を観察すると、ほとんど当て嵌まってしまうんですね(笑)。

 つまり、安倍首相が問題なのは、サヨクが言うように、彼が「戦前回帰を目論むナショナリスト」だからではなくて、むしろ「戦後そのもののように空虛、かつ幼稚」だからです。その「空虛な器」の中に、サヨク以外の全て、例えば安易すぎる対米追従とか、根拠なき改革主義とか、日本人のナルシシズムとか、保守的な気分とかを注ぎ込みながら、なお、それらがもたらす矛盾と危機について徹底的に鈍感でいられること、そのこと自体が、彼が支持され続けている理由であり、また、安倍晋三という人間の危うさなのではないかと。

(続きは是非、本誌『表現者クライテリオン』でご覧ください!)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YMF27NQ/

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  1. たかゆき より

    安倍某

    彼は 保守の皮を被った サヨク

    万国のグローバリストは 連帯すべし という

    グローバリズムというサヨク思想を
    見抜けない 「寝とうよ」ボケたち、、

    ちなみに
    君子は 器ならず とか、、、

    器どころか 百工の知恵の欠片もない
    彼は
    けっして 日本国の 首相になど
    なるべき 輩では なかったのだ。。。

    ちなみに 小生
    立っているものは 親でも使えという 意味で
    共産党支持者です 念のため ♪

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  3. アベは総理の器に非ずとハッキリ言うべき より

    適菜さんが日本破壊が終わってから批判しても遅いだろと苦言を呈したそうですね。
    藤井さんの器論も何か奥歯にモノが挟まった言い方にしか聞こえないのは当方の性格がひん曲がっているからですかね?

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  4. お笑い より

    共犯のあんたとここの管理人の反省文がなきゃ意味がないよ
    どーせねえんだろ
    何イキってんだ

    麻生安倍赤池田母神国民民主党と騙され続けたくせに一切反省しねぇやつの仲間だからな

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