政治

2016年9月29日

【三橋貴明】ナショナル・アイデンティティ

From 三橋貴明@ブログ

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「日韓通貨スワップの再開」
「韓国国会議員らの竹島上陸」
「オーストラリアでの慰安婦像設置」

自国の利益のためにすり寄りながらも、
執拗に嫌がらせを続けてくる韓国。

私たちはこのような隣国とどのように付き合っていけばいいのだろうか?
三橋貴明が、韓国という国の正体、さらには日本がなすべきことなどについて解説する。

月刊三橋最新号
「韓国の研究〜なぜ、日本は翻弄され続けるのか?」
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「ナショナル・アイデ さて、蓮舫問題について、わたくしはブログや討論などで、
「蓮舫氏の処遇も問題だが、それ以上に彼女がなぜ、過去に「私の国籍は台湾なのですが」「私は二重国籍です」などと、平気で語ることができていたのか。その発言を引き出した『日本の空気』にこそ注目すべき」
 と、語ってきました。
 はっきり書きますが、蓮舫氏は公職選挙法に違反しています。もちろん、経歴詐称です。

 というわけで、彼女は民進党党首はもちろん、日本国の国会議員を名乗る資格すらないのですが、討論でも語ったように、十年前だったならば、蓮舫氏の二重国籍、経歴詐称がこれほどまでに騒がれることはなかったでしょう。

「蓮舫さんが二重国籍? ふ〜ん・・・。で、何が問題」
 と、思う国民が圧倒的な多数派だったと思うのです(今でも多数派でしょう)。

 この「空気」が問題なのです。外国籍を持ちながら、日本国の政治という「強大な権力」を左右するパワーを与えることを、「ふ〜ん」程度で許容してしまう。わたくしは、蓮舫問題に大東亜戦争敗北後の「日本の問題の根幹」を見たのでございます。
 似たような問題意識を、施先生もお持ちのようでございます。

『【国家を哲学する 施光恒の一筆両断】「日本帰属意識が希薄な野党政治家」「脆弱な戦後日本のリベラル派」蓮舫氏の二重国籍で露呈
http://www.sankei.com/politics/news/160928/plt1609280050-n1.html
 蓮舫氏の二重国籍問題について私が一番深刻だと感じたのは、蓮舫氏自身、また民進党や共産党などの野党政治家が、ナショナル・アイデンティティ(日本への帰属意識)の大切さをほとんど認識していないことです。
 今回の騒動を見る限り、蓮舫氏が日本に強い帰属意識を持ち、専ら日本の国益のために働く存在なのかどうか疑わしく感じざるを得ません。蓮舫氏は、国籍を取得し、法的には日本人になった後も「私は帰化しているので国籍は日本人だが、アイデンティティーは「台湾人」だ」(『週刊ポスト』2000年10月27日号)などと語っています。蓮舫氏は、政治家となって以降、日本以外を利するように働いたことはないと主張しています。それでも、自身のなかでナショナル・アイデンティティーがどのような変化をたどり、現在、いかなる状態にあるのか国民にしっかりと説明する責任があるはずです。
 私がこのように述べれば、「右翼的だ」「排外主義だ」と反発する向きもあるかも知れません。
 だが、そうではないのです。民主政治の質を高めるためにも、政治家が確固たる愛国心の持ち主だと示すことは大切なのです。蓮舫氏のように野党第一党の代表にとって、この点はとりわけ重要です。野党の仕事は、時の政権の政策の批判です。その欠陥を指摘し、国民に広く知らしめ、より真っ当な政治へ導くことです。国民一般が野党の批判に耳を傾け、それを真剣に受け止めようとするには、批判は、外国勢力の影響や党利党略、偏ったイデオロギーなどからではなく、日本という国家や国民の将来を一心に慮る気持ちから出ているのだと国民一般が確信できるようにしなければなりません。(後略)』

 蓮舫氏は、わたくしや施先生がソースを引用している通り、過去に何度も自らの「日本国民としてのナショナリズム(国民意識)」を否定しています。その場その場で、台湾籍になったり、二重国籍になったり、アイデンティティだけが台湾人になったり、表現は様々ですが、彼女が「日本国民としてのナショナリズム」を否定し続けたことは、明白な事実なのです。
 そして、過去の日本においては、蓮舫氏的な態度、すなわち「日本国民としてのナショナリズムの否定」が、格好がいい、クールである、世間受けするという「空気」が、間違いなくあったのです。なぜ、断言するのかといえば、わたくしもまた、その「空気」に染められた「グローバリスト」の一人だったためです。

 わたくしは大卒後に日本企業に就職し、その後はすぐに「外資系IT企業」に転職しました。時はITバブル花盛りな時代で、客を捕まえて転職すれば、給料が確実にアップするという時代でした。
 もちろん、わたくしはNECのようなガチガチの日本企業にも務めましたが、ほとんどが外資系です。最後は、日本IBMでした。

 30代前半までのわたくしは、頭の中が完全にグローバリストでした。もちろん、日本国民としてのアイデンティティなど持っておらず、ビジネスで英語を話し、蓮舫問題が勃発したとしても、
「二重国籍? 何が問題? 今時、国家や国籍にこだわるの?」
 などと、鼻で笑うような人間だったのです。
 それが、いつの頃からかグローバリズムの間違い、厳密には「経世済民」という政府の目標を果たす上でのグローバリズムの間違いに気が付き始め、現在に至るわけですが、わたくしは蓮舫氏が「私は台湾籍なのですが」などと語った理由が何となく分かるのです。

 わたくしが、「グローバリズムと日本の反日左翼は根っこが同じ」と、頻繁に語るのは、実際にそうであるためです。両者ともに「国家否定」「日本否定」という点では、何ら変わりがありません。

 我々は生きていく上で、何らかの共同体に属さなければなりません。共同体の最小のものが家族であり、最大のものが国家です。そこから先はないのです。

 この当たり前の事実に気が付いた以上、ナショナリズム、あるいは日本国民のナショナル・アイデンティティの喪失の拡大を看過することはできませんでした。

 周りの人に、蓮舫問題について話してみてください。恐らく、「何が問題?」という方がほとんどだと思います。まさに、それこそがわが国を亡国への道と追いやる最凶、最悪の問題であることを理解して欲しいのです。

ーーー発行者よりーーー

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★★★★★:有田益堆のレビュー

講義内容・要領が非常にわかり易く、よく理解できました。有難うございました。

韓国の反日思想が韓国憲法より上位の観念であって、その観念が韓国社会を支配している。大統領もそれに絶対逆らえない。そういう視点を非常に新鮮に感じました。

本日のご講義は志ある政治家・中央官庁官僚たちにも是非受けて貰いたいと思いました。

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【三橋貴明】ナショナル・アイデンティティへの3件のコメント

  1. たかゆき より

    国籍 ♪2 じゃあ ダメなんです1 でなければ いけないんです ♪2 が許されるなら 彼らの空気を読むと100でも許されるかと、、すなわち国籍のない社会そのような状態が全球主義と共産主義の目指す 理想の社会なのだ(きっと)♪人民の人民による人民のための政治 とやらの迷訳がありますが国民の国民による国民のための政治 が真っ当な政治人民とは、、、全球主義や 共産主義における奴隷>(今でも多数派でしょう)とぼくは 認識しております。

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  2. 神奈川県skatou より

    社内の打ち合わせでちょっと議論になった話があります。みんなで読みあわせた資料のなかに、「コミュニケーションの媒体として、言語・・・」という一文があり、これに違和感を覚えるか否かで、二派に分かれました。媒体というと、なにか本質が別途あって、それがなにかをするために、別のものが介在して実現する、という意味だとすれば、言語は媒介するだけの、本質的でないものなのか?ということです。これはものの見方に関わることなので、ふつう会社では(?)ほどほどで終わらせることが通例だと思います。でも、自分はどうしても「考え方の整理の共有」をしたくて、自分のこだわりだと前置きして説明してみました。「なにか伝えたいものがその人のなかに確固として存在して、それを言葉によってほかの人に伝えることが可能となる」という考え方ではなく、「なにかもやもやしたものが、言葉によって初めて明瞭となり、つまり形を与えられることで内容が成立するのではないか。だから媒体ではなく、実は言語とか、形を与えること自体が本質なのではないか」同意はないものと思ってこのような持論を述べたところ、意外と共感が多かったのです。蓮舫問題に戻ると、さて、なにかに帰属するということはどういうことか。確固とした自分が存在し(我思う故・・)、足枷としての枠組み、国やら肩書きやら地位やら性別などがこの世に存在するから、ボーダレスを目指すことが進歩的でカッコいい、のか。自分はイノベーションというコトバが所属組織に付き、ダイバーシティという単語で仕事をしていて、その自分の周辺で、意外と上記の主張が共感をもって受け入れられる。もしかすると、気づいている人は気づいている、それは少なくないかもしれない、でも今は、そんなわれわれを繋ぐ「言葉」の成熟が足りない、足りた時点で時代が変わっていく、のかもしれないと思っております。

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  3. 拓三 より

       『おっしゃる通り』               以上追伸、日本否定は戦後保守が作り出したもの。

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