日本経済

2025年9月15日

【三橋貴明】必要なのは「定義された用語とデータ」

【今週のNewsピックアップ】
経済を解き明かす資金循環統計
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12929286982.html
法人税の真相
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12929813151.html

資金循環統計が分かれば、
日本の国民経済における
「おカネの創出と消滅」「移動」の状況が
一発で分かります。
もっとも、経済主体は例えば企業でいえば、
非金融法人企業、民間非金融法人企業、
公的非金融法人企業、金融法人企業と、
ある程度まとまった分類になっており、
個別の企業の状況が分かるわけではありません。
当たり前ですが。

政府でいえば、
一般政府、中央政府、地方自治体、
社会保障基金、公的年金、
といった分類になっています。

経済主体の分類は「ぬるい」のですが、
それでも資金循環統計のデータは膨大で、
とっつきにくい。
というわけで、
資金循環統計の使い方というノウハウを
コンテンツにしました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/mitsuhashism/

【Mitsuhashism【第八巻】
経済を解き明かす資金循環統計】
【第一章】おカネが生まれ、動く
【第二章】国債保有者別内訳
【第三章】国家のバランスシート
【第四章】ネットの資金需要

ところで、
今後の日本における「嫌・移民」運動において
重要なのは、
安全保障崩壊、犯罪増
(※ちなみに、一件でも外国人犯罪が増えるのが嫌)、
社会の安定崩壊、共同体崩壊、
自由民主主義体制崩壊といった
「今、欧州で起きている深刻な問題」を
訴えたとして、
「ならば、人手不足はどうする? 
人口が減る日本は
移民を入れないわけにはいかない」
と、必ず反論されるという点です。

「だから、人手不足は
生産性向上で解消するんだ! 
高度成長期に一度、やったじゃないか!」
と、一万回くらい繰り返していますが、
今後も繰り返します。
三橋TV第1065回で解説している通り、
日本の高度成長は
「移民を入れなかった」からこそ実現したのです。

高度成長期の日本は、
毎年7%のペースで生産性が上がっていきました。

きちんと理解する。
そのためには、データを使う。
各用語の定義と「機能(あるいは役割)」を
理解する必要がある。

例えば、法人税。

三橋は(今は)積極財政主義者ですが、
法人税の増税には賛成です。
(※投資減税や一括償却と言った減税は別。
全体的な話)

いや、当たり前でしょ。

損益計算書は、
——–
売上
 ▲売上原価
 粗利益
  ▲人件費
  ▲減価償却費
  ▲その他経費
  税引き前利益
   ▲法人税
   純利益(⇒配当金・自社株買いへ)
——–
という構造になっているのです。
法人税率を引き上げれば、
人件費や投資(その他経費)が増える。
理由は、法人税が高いと、
企業経営者が税引き前利益を
残す気になれないからです。

「税金なんて払っていられるか!」

というわけで、
税引き前利益の前段階で費用を使いまくる
(特に、中小企業)。
結果、消費や投資が増え、
GDPは成長します。

「法人税率を引き上げれば、
人件費が抑制される」
「法人税率を引き上げれば、
投資が減る」
と、意味不明なことを言う人がいるので
驚きます。
人件費や投資は法人税支払い「前」の
費用なのですよ。

しかも、過去三十年以上も、
法人税率引き下げ(+消費税率引き上げ)を
やってきましたが、

【日本の法人税率・消費税率の推移(%)】

http://mtdata.jp/data_95.html#tax

人件費も投資も減る一方でした。特に、大企業。

【資本金十億円以上の企業の売上等
(1990年=1)】

http://mtdata.jp/data_95.html#10oku

理由は、もちろん
「株主資本主義による
配当金・自社株買いの増大」ではありますが、
法人税率引き下げの影響も大きい。
というか、法人税率を引き下げの目的が、
そもそも配当金や自社株買いなのですが。

しかも、法人税率引き下げにより
企業が純利益偏重となった結果、
消費や投資が減り、デフレが長期化した。

印象ではなく、事実に基づいて解決策を議論する。
そのために必要なのは
「定義された用語とデータ」であり、
抽象表現や抽象用語ではないのですよ。

◆一般参加可能な講演会
「2025年10月26日(日)13時から
大阪市内にて」
石田和靖氏×三橋貴明氏コラボ 
覚悟の「緊急提言」常識を覆す!
“真”の経済再生論
https://www.sunward-t.co.jp/seminar/2025/10/26/index_k.html

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「ユーロ圏の金融・財政の主権者」
https://foomii.com/00305/20250913090000143024

◆宝島社から
「財務省と国に騙されない!
テレビ・新聞が報じない経済常識」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp//dp/4299069854/

◆経営科学出版から
「コメ消滅
~自民党と財務省が日本国民を飢えさせる!」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4867690767/

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol854
「ユーロ圏の金融・財政の主権者」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
ユーロ加盟国の金融主権は
ECBに委譲されています。
同時に、ユーロ加盟国の国民は
財政主権も「事実上」持っていないのです。
それでは、誰が主権者なのでしょう?

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

減税も国債発行も可能です。
実は日本の国債金利は先進国最低レベルです。
[三橋TV第1064回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/rJvyxApuQJg

なぜ人手不足で給料が上がるのか?
高度経済成長が起きた理由
[三橋TV第1065回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/zfpmluHRy2Y

進次郎、農家戸別補償をしない宣言!
農水大臣の資格なし!
[三橋TV第1066回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/rU1dZbWyZN8

コメ5kg 7,800円!
今後もコメ高騰は続く?
元JA職員に聞いてみました。
(久保田治己×三橋貴明)
https://youtu.be/wuF3xN5GR40

【石破辞任】
高市vs小泉の自民党総裁選が始まる。
今後の展開を解説します。
https://youtu.be/Jg9042Its50

◆三橋経済塾
9月20日(土)、
三橋経済塾第十四期第九回対面講義が
開催されます。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2462
ゲスト講師は吉田敏浩先生です。

十四期のゲスト講師が全て決定いたしました。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

 第十回 10月18日 峯村健司先生
(一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員)

 第十一回 11月15日 大場一央先生
(早稲田大学非常勤講師)

 第十二回 12月20日 堀茂樹先生
(慶應義塾大学名誉教授・仏文学者)<New!

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