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2025年6月16日

【藤井聡】今、何故日本は、「核武装論」を徹底的に議論しなければならないのか?

本日、表現者クライテリオンの最新刊

『トランプ時代の核武装論
~「核の傘」が無くなる.どうする日本?~』

Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B0F9DBFTKJ/
定期購読: https://the-criterion.jp/subscription/

の特集号が本日発売となりました!

今、世間では進次郎米や2万円給付等の話が喧しく論じられていますが、今最も大切な問題は内政においては「消費税減税」ですが、外交においては「核武装論」なのです。

そんな認識の下、最新号で「核武装論」の徹底特集する事にしたのですが、なぜそんな風に我々は考えたのかは、是非、下記の「特集趣意書」をご参照ください。

『なぜ、今、「トランプ時代の核武装論」なのか?』

「唯一の被爆国」日本では戦後80年にわたって「核武装論」が延々とタブー視されてきた.

しかしその実態は,アメリカの「核の傘」が日本の安全保障の根幹を担い,知性ある国民は誰もがその実態を「ホンネ」では知っているというものであった. つまり我が国は恐るべき事に核を巡る欺瞞に満ちた「三文芝居」を国家も世論も論壇も巻き込んだ「総ぐるみ」で継続してきたのだ.

しかし「世界の警察」退役の意図を一切隠さぬトランプ大統領は,同盟各国に核の傘の提供取りやめを陰に陽に示唆し始めた.この米国の態度変化に対し,欧州では即座にフランスの核を基軸とした安保体制の再構築議論が始められ,韓国においても核装備論が喧しく論じられ始めた.

しかし我が国日本においてはそうした兆しは一向に見られない.

このままでは,ある日突然日本はアメリカが提供する核の傘を失い,中国,ロシア,北朝鮮,アメリカ(あるいは加えて韓国)という核保有国家に囲まれる状況に「丸裸」で放り出される事になる.そうなれば我が国は外交力をさらに失い,あらゆる外交交渉で苦汁を飲まされる事になるのは必至だ.そし最悪,実際に「核攻撃」を受けるという悪夢も十分に現実化し得ることとなる.

この状況下で,我が国日本は一体如何なる選択をなすべきなのだろうか――?

アメリカに上記を逸した貢ぎ物を上納し続け核の傘を維持して貰う(無駄な)努力を重ねるのか,韓国の核武装を待ちあらゆる甚大なる外交的譲歩を前提に彼らの「核の傘」に入れて貰うことを薄甘く期待するのか,安倍元総理が言及していた「核シェアリング」実現を模索するのか,やはり自力での「核武装」を速やかに図るのか,それとも亡国リスクを度外視した上であらゆる思考を停止し無為無策を漫然と続けるのか―――?

ついては本誌ではこうした認識の下,現下の「トランプ時代」における世界中の核を巡る安保体制の激変を見据え,我が国に対する米国の「核の傘」が取り払われる日に備え,いまの日本がなすべき「選択」を徹底的かつ冷静冷徹に考えんとする特集を企画した次第である.

本誌ではこうした認識の下、核武装について賛成、反対の立場から論じてきた多様な論者の原稿、インタビュー、対談を一挙に掲載するものです。

軍事専門家であり日本核武装論者ではなに小泉悠氏による核武装論の基本理論構造を踏まえつつ、
代表的核武装論者である「伊藤貫」氏はなぜ、核武装が必要だと主張しているのか、
米軍の「エルドリッジ」氏はなぜ、核武装は「日本の責任」だと考えているのか、
フランスやドイツ、そして韓国における核武装論はどの様に展開しているのか…等など
を徹底的に論じます。

是非、クライテリオンの最新刊

『トランプ時代の核武装論
~「核の傘」が無くなる.どうする日本?~』

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定期購読: https://the-criterion.jp/subscription/

をご一読いただき、この機を通して核武装論を基礎から徹底的にご理解頂きたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いします!

追伸:本特集「トランプ時代の核武装論」の「トランプ時代」の詳細については是非、下記の当方の最新著をご一読下さい!
『トランプ・ディールで日本復活!』
https://www.amazon.co.jp/dp/4591186210/

 

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【藤井聡】今、何故日本は、「核武装論」を徹底的に議論しなければならないのか?への2件のコメント

  1. 利根川 より

     2022年に一度、ロシア側が深刻な兵力不足に陥り、本気で核の使用を検討していたという件は知っています。それに対し、アメリカ側はこれ以上ロシアを追い詰めると本当に核を使用されかねないということで方針の転換を図ったということも。そうしたアメリカの態度をみた中ロは現在、核兵器の増産を計画中だという。

     国際政治学者・伊藤貫さんによる解説は私も耳にしているわけですが、伊藤さんに一度聞いてみたいことがあったので、渡りに船と厚かましく質問してみようかと。

    質問1、「現在、日本は平時であるにもかかわらず食糧不足(主食の不足)に陥っていますが、食うものすら自分で用意できない国に自衛など可能なのでしょうか」

    質問2、「日本は多くの戦闘機を保有していますが、財務省による予算抑制で車庫すらなく雨ざらし(自衛官談)」

    山本太郎代表「ケチケチしないで格納施設くらい作ってやったらいいじゃないですか」

    財務官僚「うっせーわ!予算削減しないと俺が出世できねえだろ!」

    増税眼鏡「防衛力強化?じゃあ、防衛増税ね(笑」

    「税金の範囲内でしか防衛しないとのたまっているポンコツエリート達に国防などできるとお思いでしょうか」

    質問3、「海に囲まれた国である日本。造船技術は欠かせないもののはずですが、国内造船は衰退傾向。これでどうやって防衛するの?」

    質問4、「通常戦力がすでにコレ↑なので論外なのですが、仮に日本も他国と同様に核を持ったとします。これから作る日本と、すでに大量の核弾頭をもっている国と、双方が打ち合いをしたら…また、日本の場合、長年、地方財政を抑制してきた結果、東京一極集中にみるように都市部の人口が過密になっています。広い土地に分散して住んでいる国と、一部に密集して人が住んでいる国と、打ち合った際に被害が大きいのは?」

    質問5、「質問4に付随して、仮に日本が核を持ったとして、そうなると核兵器増産合戦になりそうですが、作った物のメンテナンスや保管に大量のリソースが取られることになります。ソ連は軍備競争の結果、経済的負担に耐えられずに自滅しました。そうした状況を分析した喬良・王湘穂といった軍事戦略家はハイブリッド戦を発明するに至ったということです。現代の戦闘は兵器のみならず日用品の生産、いわゆる銃後の備えが非常に重要なウェイトを占めるといいますが、どういったバランスでこれをやればいいとお思いでしょうか」

    質問6、「素人でも扱える兵器。とても重要な要素だと思います。現在、中国はロシアからドローン運用のノウハウを盗もうとスパイ行為を展開し、それに対してロシアは警戒をしているとかなんとか…日本にはこうしたノウハウはありません。いまだに筋肉を鍛えているわけですが、強靭な筋肉と根性さえあれば日本は自国を防衛できるとお思いでしょうか。(つか、筋肉と根性で第二次大戦は負けたわけですけども)」

    質問7、「第二次大戦から80年が経過していますが、国際社会の中では日本はいまだに敵国認定されていて、日本に先制攻撃を告知なく行うことは国際法上”合法”ということですが、詰んでないっスか?」

    私のような素人が少し考えただけでも「詰み」という言葉が簡単に出てくるような状況ですが、伊藤さんはどのように考えているのかお聞きしたいです。

    独立を保ってるの不思議なくらいだ

     ちなみに、「詰み」などと言っていますが、別段諦めているわけではなく、有権者として少しでもよい方向にしていきたいとは思っています。ただ、学のない私には考えるための知識も能力も圧倒的に不足しているという。良い方向ってどっちよ?
     選挙もあることですし、ぜひ伊藤さんのお考えを参考にできればと。

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      1. 利根川 より

         アメリカとイランの関係が急速に悪化している件について国際政治学者の伊藤貫さんの見立てを拝見しましたので情報共有ということで…

        伊藤貫さん「今、イランとアメリカはイランの核兵器の開発を凍結する交渉をしているんですけど」

        伊藤さん「そこで、アメリカ側の言い分がねグラグラ変わるんですよ」

        伊藤さん「数週間前までは、イランがある程度のウラニウム濃縮能力を持ったままで、」

        伊藤さん「これ以上、核弾頭の開発につながるような行為をやめるならばアメリカはイランともう一度協定を結んでもいいと」

        伊藤さん「制裁を解除してもいいと、そう言ってたんですけども」

        伊藤さん「先週あたりからウランの濃縮する能力と、それから核開発に関する能力は全てイランがギブアップしなきゃダメだと」

        伊藤さん「今までやってきた蓄積してきた濃縮ウランも全部差し出せと」

        伊藤さん「でね、そうすると、アメリカとイランは戦争する方向に向かっていくわけです」

        伊藤さん「もし、その要求を突きつけるならば」

        伊藤さん「でね、トランプがね、どっちの味方してるのか分かんないの」

        伊藤さん「イランと戦争したくないというような発言をする日と、イランを叩き潰してやりたいという発言をする時と、ふらふら動く」

        伊藤さん「トランプが外交政策が下手だとかいうよりも…」

        伊藤さん「シカゴ大学のミアシャイマーに言わせるとクリントン政権から現在まで30年間アメリカがやってきた外国への軍事介入と戦争はほとんど無駄だったと」

        伊藤さん「何も成功していないと、最近30年間、失敗ばっかりしてきたと」

        伊藤さん「それで、国力をどんどん無駄遣いして軍事費も無駄遣いして、やる必要のないウクライナ戦争までおっぱじめて」

        伊藤さん「それで結局、勝てないわけでしょ、ウクライナ戦争で」

        伊藤さん「だから、最近30年間のアメリカの軍事政策と外交政策は完全に失敗してるじゃないかと」

        伊藤さん「で、それにも関わらずトランプの周りに『それでもイランと戦争したい』という人間が何人もいて…」

        伊藤さん「例外があって、副大統領のヴァンスと国防次官のエルブリッジ・コルビー、この二人は最近30年間やってきたことが失敗だって分かってる」

        伊藤さん「でもね、まだ、今の所この二人は少数派なんです」

        伊藤さん「でも、トランプ政権のマジョリティー・多数派のメンバーは今まで通り強気の外交をやって…ウィトコフとかいう特使が突然イランに強硬な要求を突き付けて」

        伊藤さん「イランとの関係を悪くさせている」

        伊藤さん「だけど、正直言って今のアメリカにイランと戦争する能力はもう残ってないんです」

        伊藤さん「もう少し具体的に説明すると、イランの核開発施設を爆撃して破壊する能力はあるんですね」

        伊藤さん「だけど、イランを占領する能力はない」

        伊藤さん「そうすると、今までのイラクとかアフガニスタンと同じように永遠に…エンドレス・ウォー、終わりのない戦争に」

        伊藤さん「今、ウクライナでエンドレス・ウォーをやってるわけでしょ」

        伊藤さん「で、ウクライナよりもイランの方がよっぽど強いんですよ」

        伊藤さん「そうするとウクライナで失敗してるのにイランと戦争初めてどうなるの?と」

        伊藤さん「もし、アメリカがウクライナで失敗しただけでなくイランと戦争し始めるならば、一番喜ぶのは中国です」

        伊藤さん「極端なことを言うと日本は終わりですよ」

        伊藤さん「アメリカとイランが戦争を始めたらアメリカは絶対に東アジアに軍事介入できないでしょ」

        伊藤さん「アメリカとイランの戦争がはじまって数週間後に中国海軍が台湾を封鎖したらアメリカは絶対出てこれない」

        伊藤さん「僕が日本の外務省だったらアメリカ政府に対してイランと戦争するのやめてほしいと」

        伊藤さん「アメリカの軍隊を全部アジアに持ってきてほしいと、それが日本の国益でしょ」

        伊藤さん「この問題は岸田が悪いとか石破が悪いとか、そういうレベルの問題ではなくて」

        伊藤さん「僕は外務省と防衛相のトップのお役人さん達が日本のグランドストラテジー、大きな戦略を…」

        伊藤さん「グランドストラテジーというのは今から10年後、15年後、20年後に日本は国際政治においてどういう立場に立ちたいのか」

        伊藤さん「そのために必要なことは何かということを考える能力なんですけれども」

        伊藤さん「日本の防衛相と外務省っていうのは、今から10年後も15年後も20年後もアメリカが面倒を見てくれるだろうと思ってる」

        伊藤さん「これ、グランドストラテジーじゃないわけ」

        伊藤さん「単にアメリカに縋り付いて『日本を捨てないで頂戴』と」

        伊藤さん「で、ネタニヤフはね、27年か28年前からアメリカ人に『はやくイランと戦争しろ』って、しつこくそればかり言ってる」

        伊藤さん「今でもそう」

        伊藤さん「ネタニヤフがそういうからアメリカのイスラエルロビーとネオコンはトランプに『はやくイランと戦争しろ』という」

        伊藤さん「僕から言うと、これってとても日本にマズイんですよ」

        伊藤さん「でね、僕がすごく分かんないのは日本の保守派の言論人と産経新聞何かは『アメリカはもっと強い態度でイランに臨むべき』とか言ってるわけ」

        伊藤さん「僕、産経新聞ってちょっとバカなんじゃないかと」

        伊藤さん「日本の国益はアメリカとイランが戦争しないことなんですよ」

        伊藤さん「だけど、、産経新聞とか日本の右翼言論人は、みんなネオコンとイスラエルロビーの言っていることをそのまま真似するんですね」

        伊藤さん「ウクライナ戦争の時も日本の保守派の言論人と日本の保守派のメディアはアメリカのネオコン、アメリカのイスラエルロビーの言っていることをそのまま真似してきた」

        伊藤さん「アメリカがウクライナ戦争でアメリカの武器を大量に送り込んで、全部、無駄遣いしたわけでしょ」

        伊藤さん「で、ロシアと中国の立場は強くなってアメリカの立場は弱くなって、結局、日本の立場も悪くなった」

        伊藤さん「僕が日本の保守派に言いたいのは、あんた達、それなのになんで『ウクライナ戦争頑張れ』ってまだ言ってるわけ?と」

        伊藤さん「あんたたち何で『イランに対しもっと強い態度で向かうべき』とか言ってるわけ?保守派って何も考えてない」

        伊藤さん「だからね、日本の保守派はアメリカがタカ派的な態度をとるとそれに拍手喝采するんです」

        伊藤さん「何でかって言うと、日本の保守派っていうのはタカ派的態度をとることがリアリストであると思い込んでる」

        伊藤さん「だけど、国際政治学におけるリアリズム、現実主義っていうのは、どうやったらバランスオブパワーを維持するかと」

        伊藤さん「これが国際政治におけるリアリスト外交なんですね」

        伊藤さん「で、リアリスト外交ってタカ派じゃないわけ(苦笑い」

        伊藤さん「だから、バランスオブパワーの視点から見るとウクライナで戦争しちゃいけないしイランとも戦争してはいけないし」

        伊藤さん「当然、イラク戦争もやるべきではなかったし、アフガニスタンからもさっさと撤退すべきだったし」

        伊藤さん「バランスオブパワーの見方からすると融和的な態度をとる方がバランスオブパワーに役に立つわけです」

        伊藤さん「もっと言うと、今の国際政治ではアメリカが、かろうじて、まだNO.1でしょ」

        伊藤さん「中国はNO.1にかなり近いNO.2でしょ」

        伊藤さん「もし、NO.1がNO.2にかなり迫られたらNO.3と仲良くしなきゃいけないわけ」

        伊藤さん「NO.3ってロシアでしょ」

        伊藤さん「アメリカがさ、NO.2の中国から脅威を感じるんだったらNO.3と仲良くしなきゃダメでしょ」

        伊藤さん「それがバランスオブパワーでしょ」

        伊藤さん「ところがさ、アメリカはさロシアを敵に回して、ロシアと中国をくっつけて…」

        伊藤さん「僕自身は外務省と自民党が3年前からウクライナ戦争を支持してきたのは大失敗だと思います」

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