日本経済

2025年2月10日

【三橋貴明】移民政策のトリレンマ

【今週のNewsピックアップ】
結局、どうすれば良いのか?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12885332377.html
スウェーデンの銃乱射事件は「テロ」なのか?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12885450590.html

欧州では移民・難民問題が政治を
大きく動かしつつあります。
イギリスの反・移民政党
「リフォームUK」が
支持率トップになりました。

不思議なことに、世界の歴史は、
必ずイギリスで始まり、日本で終わる。

予想通り、日本は今さらながら、
周回遅れの移民・難民を拡大する路線を
採っている。

石破茂首相は
2月3日の衆院予算委員会で、
パレスチナ自治区ガザの住民を
日本で受け入れることを検討している
と表明。

凄い。
アラブ諸国の外務大臣が
エジプトで会合を開き、
「いかなる状況下であっても、
パレスチナ人をガザから移送することを
拒否する」 
との共同声明を発表した直後に、
この答弁。

ガザの人々の人権を守る義務は、
彼らが属する共同体にしかありません。
その共同体が、機能していない? 
分かっています。

ならば、日本はどうすれば良いのか?

あるいは、ベネズエラやキューバなどから
経済移民が続々と押し寄せてくるアメリカは、
移民管理を強化していますが、
「結局、どうすれば良いのか?」

施光恒先生の過去の言論にヒントがあるのですが、
三橋TVなどで、
徐々に解説していきたいと思います。

とりあえず、石破政権は
明らかに「適当」な、
移民・難民受けれ入れは
やめなければなりません。

スウェーデンで「史上最悪」の乱射事件が
発生しました。

三橋はかつて、
移民政策を批判し(今もしていますが)、
移民政策のトリレンマという概念を
唱えました。
(あまり流行らなかった)

「移民受入」
「安全な国家」
「国民の自由」
の三つは、
同時に二つまでしか実現できない。

移民を受け入れ、
安全な国家を実現したいならば、
国民の自由を制限しなければならない。
シンガポール、UAEパターン。

安全な国家で、
国民の自由を享受したいならば、
移民を受け入れてはならない。
かつての日本。

移民を受け入れ、
国民の自由を維持しようとすると、
安全な国家が崩壊する。
現在の欧州。

スウェーデン南部エーレブルの成人を
対象とした教育施設で
2月4日午後、銃撃事件が発生。
容疑者の男を含む11人が死亡し、
6人が負傷したと発表しました。

スウェーデン当局は、
テロではないと、主張しています。

テロとは、「政治的目的」に基づく暴力、
という定義でいいのでしょうか。
(元々の語源は
フランス革命時のテロール(恐怖政治)ですが)

銃撃現場は「移民向け」のスウェーデン語の授業、
職業訓練などを行っている施設です。

スウェーデン政府は「テロ」を
否定したいだろうし、
否定するべきだとは思いますが、
現実には犯行現場の学校は、
スウェーデンにやって来たばかりの人向けの
教育施設でした。
スウェーデン人はそれほど多くはありません。
つまりは、
「ある特定の集団」を狙った可能性を
否定できない。

スウェーデンの銃乱射事件の真相は、
未だ不明であるため、
ここからは一般論です。

移民受入の問題は、無論、
「ネイティブな国民 対 移民」
という対立構造をもたらしますが、
同時に、
「嫌・移民の国民 対 移民支持の国民」
という対立構造をももたらす。

国民対移民ならば分かりやすいのですが、
移民に対する認識の差異が
分断をもたらし、
国民対国民の抗争をももたらすのです。
というか、皆さん、
もうわかっていますよね。

アメリカのトランプ大統領を
(再)当選させたのは、
まさに
「アメリカ国民 対 アメリカ国民」
の対立でした。
カマラ・ハリスに代表される
リベラリストのアメリカ国民への反発が、
トランプ大統領を誕生させた。

もっとも、現在の「分裂したアメリカ」が
国民国家として再統合できるのか。
「歴史的」な視点から見ると、
疑問ではあります。

欧州もアメリカも移民を受け入れた結果、
「安全な国家」が壊れている。
あるいは
「国民の自由」が制限され始めている。

だから、やめましょう、という話です。
日本はまだ間に合う。

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「政権の自殺」
https://foomii.com/00305/20250208090000134749

◆経営科学出版から
「国家予算がわかれば経済がわかる、
マーケットが見える」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38tosi_1980_yt

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol823
「政権の自殺」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
日本のエンゲル係数が
43年ぶりの高水準になりました。
食料、エネルギーという
生活必需品の一方的な高騰は、
政権を壊す。

◆メディア出演

2月4日(火)にニッポン放送特別番組
「飯田浩司と峯村健司 
2025年問題 
生放送で大放談会」に出演しました。
https://radiko.jp/share/?t=20250204200000&sid=LFR&noreload=1

三橋TV、続々公開中です。

日本経済の成長率が分かる重要指標
「GDPデフレーター」について解説します。
[三橋TV第973回] 三橋貴明・saya
https://youtu.be/1v4WZbdqbik

【脳科学で解明】
財政破綻論の洗脳を解く方法 
#自由エネルギー原理
[三橋TV第974回] 冨永晃輝・三橋貴明・saya
https://youtu.be/GpMzDbR59Sw

「非拘束名簿式」を覚えていますか?
今年の参院選はネットのパワーが鍵になります
[三橋TV第975回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/fOKyvJfRg0g

特別コンテンツ配信中。

【特別対談 後編】
トランプ関税と緊縮財政で
農家に未来はない?
石破と宮沢を止めなければなりません
(藤井聡×三橋貴明)
https://youtu.be/CwVkJZNV5ao

◆三橋経済塾
2月15日(土)開催 
三橋経済塾第十四期第二回対面講義の
お申込み受付を開始しました。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2332
ゲスト講師は茂木誠先生です。

現時点までに決定している
十四期2月以降のゲスト講師の皆様は、
以下の通りです。
12月以外は、全て決まりました。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

 第二回 2月15日 茂木誠先生
(ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系 YouTuber)

 第三回 3月15日 宇山卓栄先生(著作家)

 第四回 4月19日 森永康平先生
(株式会社マネネ CEO/経済アナリスト)

 第五回 5月17日 saya様
(シンガーソングキャスター)

 第六回 6月21日 中野剛志先生(評論家)

 第七回 7月19日 藤井聡先生
(京都大学大学院 教授)

 第八回 8月16日 荒川和久先生
(独身研究家)

 第九回 9月20日 吉田敏浩先生
(ジャーナリスト)

 第十回 10月18日 峯村健司先生
(一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員)
<<<NEW!!!

 第十一回 11月15日 大場 一央先生
(早稲田大学非常勤講師)

初登場の方は、
宇山先生、吉田先生、大場先生でございますね。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
是非とも、ご入塾下さいませ。

◆チャンネルAJER 
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【三橋貴明】移民政策のトリレンマへの3件のコメント

  1. すなっく橋田 より

    いまならまだ間に合う?
    いやあ、評論家先生もひとがわるいわ

    移民なら、エセ保守文化人がいまだ
    追慕してやまぬ安倍晋三さまが
    わが国を世界トップレベルの移民国家にまで
    押し上げてくださってますよ(世界第4位)

    さっそく札幌市は、外国人労働者の
    路線バス運転手就労支援に予算を計上するとか
    こうした動きに政府も国交省も何も言いませんな

    それとも政府は、どこかが息切れして
    口火を切ってくれるのを待ってた?
    あとは、なし崩し的に認めざるを得ない方向?
    一息つけるのはほんの束の間なのに

    西部邁いわく、
    「安倍は保守でもなんでもない」
    「言論は虚しい」
    この哀しき、冷酷なる現実を受け止めた師
    受け止めきれず詭弁に逃げた一部門弟のクズ

    おなじく、悔し涙にむせる
    西尾幹二の慟哭も地下から聞こえてきそう

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  2. 利根川 より

    三橋TV第974回 視聴しました。

    「無駄削減して財源を確保しないと支出は増やせない!」

    「労働者として移民を大量に受け入れないと少子化が進む!」

    保守からもリベラルからも未だにこうした声が聞こえてくるわけですが、人間って己の間違いを認められないものなんですねぇ~

    モンキー「批判では何も変えられない!行動あるのみ!」

    間違った方針のまま行動しちゃってるから失われた30年になっちゃったんでしょうが(苦笑い

    需要不足の時にさらに需要を減らして(無駄削減して)どうするのかと

    需要不足の時に更に供給を増やして(低賃金外国人労働者を増やして)どうするのかと

    まあ、私もそうですが人間であれば誰しもミスはします。三橋さんのような優秀な者ですら間違うことはあります。では、優秀なものとそうでない者の違いは?

    TVアニメ ゴルゴ13 Target.7 G線上の狙撃

    をご覧ください。

    冨永晃輝さんは伝え方を工夫すれば人は間違いを認めることができるのだと脳科学の知見を交えて解説していますが、果たしてそれはどうなんでしょうか。

    以前、中野剛志さんが「世代交代に期待するしかない」といったことを言っておられました。

    2024年10月27日に実施された衆議院選挙出口調査によると、若年層で国民民主やれいわの支持が増えている反面、高齢者層が自民党を変わらず支持していることが判明しています。

    昨年の衆議院選挙で国民民主やれいわを支持した若年層って、間違いを認めて転向したのではなく、初めから間違わなかった人たちなんじゃないでしょうか。

    そして、間違ってしまった高齢者層は相変わらず緊縮増税・移民受け入れ拡大を推し進める自民党を応援し続けていると、、、

    ヴァチカンがガリレオ(地動説参照)の有罪判決を誤りと認めて破門を解いたのは彼が死んでから350年も経ってからのことだということで、冨永晃輝さんの仰るように言い方を工夫すれば洗脳が解けるというのは優秀な人だからこそ言えることなのではないかと。

    私も含め大半の人(凡人)は死ぬまで己の間違いを認めたりしないと思いますよ。

    中野剛志さん「人は自分をその地位にまで押し上げた理論が間違っているとは思わない」

    前にも言いましたが、間違ってしまった人を変えるより、まだ間違っていない人に知ってもらう方が早いんじゃないでしょうか(予防接種)

    マスコミ関係(TV新聞)で働き始めた若い人たちは、これから先輩方にいろいろ仕事を教わることになると思いますが、経済に関しては先輩方は間違っちゃった人達なんでうのみにしないでくださいねってことですね。

    先輩方「国の借金国民一人当たり1000万円超!このままだと日本は財政破綻する~」

    こいつら、どうやって国が財政破綻するのか知りもしないで財務省に吹き込まれたプロパガンダを垂れ流してきただけの人達なんで、経済については鵜吞みにしないようにね(苦笑い

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      1. 利根川 より

        予防接種ということでね。こちらをご覧ください。

        安藤裕チャンネルひろしの視点

        【全国民必見】食料品の消費税ゼロは本当にメリットあるのか?前編

        食料品の消費税ゼロには2つのやり方がある。

        1、ゼロ税率課税

        2、消費税非課税

        どちらも消費税ゼロであることには変わりない。

        ~~~~~~~~~~~~~~~~
        <とあるスーパーの売り上げ>

        売り上げ216万

        仕入れ54万

        給料30万

        家賃22万

        その他経費44万

        経費合計150万

        消費税納税前利益66万

        納付消費税6万

        消費税納税後利益60万

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~

        ゼロ税率課税の場合、消費税納税後利益は60万で変わらない(※インボイス制度はなくならない)

        食料品非課税方式の場合、消費税納税後利益は54万円に減ってしまう

        一見すると食料品消費税ゼロというのはよさそうに聞こえるが、やり方次第ではスーパーが倒産しまくる事態になりかねず、加えて下請けを苦しめるインボイス制度もなくならないなど問題点が多い…ということでした。

        安藤さんありがとうございました。やはり複雑怪奇な消費税は廃止するのが一番いいと思いますね。

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