「新」経世済民新聞

【近況】

最近、
「ユートピアニズム（こうあるべきだ論）」と
「リアリズム（こうなっている論）」
との対立について取り上げることが
多いのですが、
欧州ではまさに財政均衡主義という
ユートピアニズムと、
リアリズムが衝突し、
何とイギリス、ドイツ、フランスと、
三大大国で政権が崩壊してしまいました。

特に気の毒だったのが、
ドイツのショルツ首相です。
ドイツ経済は二年連続でマイナス成長。
失業率は過去十年間で最悪。

となれば、ショルツ内閣としては
財政拡大で国民を救いたいところですが、
何しろドイツは
憲法に財政均衡主義を書いている。

現実主義のショルツ首相と、
徹底した財政均衡主義の
自由民主党（ＦＤＰ）が対立し、
内閣は崩壊。
来年二月末に総選挙という運びになりました。

ところで、リアリズムといえば、
徹底したリアリズムを求められるのが、
まさに軍隊です。

軍隊が「こうあるべきだ」などと
現実を無視した動きをすると、
国家が亡びかねない。

第二次世界大戦に勝利し、
日本列島を
「自分たちの基地、訓練場」とする特権を
手に入れた
アメリカのインド・太平洋軍は、
既得権を守るべく、
日米地位協定＋日米合同委員会という構造を
維持し続けています。

米軍が必要に応じて
（まさにリアリズム）
で日本列島を使おうとすると、
当たり前ですが
「法律違反（※日本の）」をすることになる。

例えば、海面すれすれの飛行訓練や
人口密集地での訓練などは、
日本の法律で禁止されています。
それでも、やる。

さすがにそのままでは通らないため、
日米合同委員会で
「アメリカの軍人」
「日本の高級官僚」が話し合い、
法律違反の訓練を追認する。

そして、
日米合同委員会における合意事項は
公開されず、
国会での審議もされない。
これは、外務官僚が
国会答弁で認めた事実です。

アメリカ側は、
意外とフェアでございますので、
日本側が公開を要求すれば、
重要な軍事情報以外は認めるでしょう。

といいますか、
アメリカでは秘密協定、秘密合意も、
一般的には三十年経過すれば
公開されます。

要するに、日本側が
「何もやる気なし」であるため、
アメリカ側も動かないのです。

政治的に動く必要があります。
というよりも、
ほとんどの国会議員は
上記の現実を知らないでしょう。

ならば、まずは国民から学びましょう。

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[三橋TV第957回]三橋貴明・菅沢こゆき
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フランスのバルニエ内閣が崩壊しました。
理由は、全て「財政均衡主義」という
ユートピアニズム
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だったのです。

◆三橋経済塾
１２月２１日（土）
三橋経済塾第十三期第十二回対面講義が
配信になりました。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2262
ゲスト講師は竹内純子先生でした。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

第十四期のお申し込み受付が
始まっています。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
現時点までに決定しているゲスト講師の皆様は、
以下の通りです。
　第一回　１月１８日　
非公開ゲスト
　第二回　２月１５日　
茂木誠先生
（ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系 YouTuber）
　第三回　３月１５日　
宇山卓栄先生（著作家）
　第四回　４月１９日　
森永康平先生
（株式会社マネネ　CEO／経済アナリスト）
　第五回　５月１７日　
ｓａｙａ様（シンガーソングキャスター）
　第六回　６月２１日　
中野剛志先生（評論家）
　第七回　７月１９日　
藤井聡先生（京都大学大学院　教授）
　第八回　８月１６日　
荒川和久先生（独身研究家）
　第九回　９月２０日　
吉田敏浩先生（ジャーナリスト）
　第十一回　１１月１５日　
大場 一央先生（早稲田大学非常勤講師）
初登場の方は、
宇山先生、吉田先生、大場先生で
ございますね。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
是非とも、ご入塾下さいませ。

◆チャンネルＡＪＥＲ　
「日欧の政治を動かす財政均衡主義(前半)」
三橋貴明　AJER2024.12.24
https://youtu.be/kSATroBgxMY