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2024年10月19日

【藤井聡】【石破氏が理解していない裏金問題の本質】国民が憤っているのは「裏金」でなく「国民のための当たり前の政治を全くやろうとしない“岸破的”な政治態度」そのものである.

今,大手新聞社各社は.衆議院選挙にて自民党が単独過半数を割り込む公算大との観測を報じています.

そうした記事には,その原因として「裏金問題に対する国民の怒り」なるものが挙げられることが一般的です.ですが,実態は「裏金問題」というよりもむしろ,「石破自民の不誠実さ」こそが,真の原因であるに違いありません.

自民党はこれまで全く「国民」の方を向いて政治をしておらず,政治家個人のご都合主義で政治を行い続けている,その結果,増税・国民負担増が繰り返され,実質賃金は上がらず,暮らしは苦しくなっていく一方だ―――ということに対して平均的国民は多かれ少なかれ「怒り」を感じているわけです.

裏金問題――ただしその法的事象は政治資金の「不記載」問題です――はそんな「国民不在のご都合主義政治」を象徴する事件として捉えられているに過ぎないのであって,もしも自民党政治が国民の暮らしが良くしているのだという実感(あるいは信頼)があれば,「不記載」の問題などさして問題にはなっていなかったに違いありません.

つまり,国民は表面的には「裏金問題に対して憤っている」と言う様に見えるものの,その真の意味は,「自民党は国民を無視して保身のための政治ばかりをしているにも関わらず,“ネコババ”るようにして裏金を着服し,私腹を肥やしているなんて,なんてフザケた話しだ!」と,自民党議員達のその政治態度そのものに対して激しく憤慨しているわけです.

ですから,自民党が真に今なすべきことは,「裏金問題が起きないようにする」という表面的な話しよりもむしろ,国民のための政治を行い,国民を豊かにする」ということを真面目に全力で追求することなのです.悪意に基づく裏金づくりが「悪」だとするなら,政治家達が国民のための国政を行わずご都合主義の政治もどきを繰り返す振る舞いは「超巨悪」なのであり,その悪質性には雲泥の差以上の甚大な差があるのです.

だから,石破氏は,裏金問題についての世論対策として「裏金議員の非公認・重複立候補金の禁止」などを打ち出しましたが,それでは真の世論対策などには全くなっていないのです.

石破氏はこうした「国民の気持ち」を理解することが出来ていないが故に,国民の気持ちを逆撫でするように,「ご都合主義」の内閣人事を行い,「ご都合主義」の解散を行い,「ご都合主義」の公認・非公認判断を行い, 「ご都合主義」の所信表明表明演説を行ったのです.

その結果,国民はますます自民党のフザケた政治態度に対する憤りを,石破氏本人に差し向けるに至り,内閣誕生直後であるにもかかわらず石破内閣の支持率はわずか28%という前代未聞の恐るべき低水準となる一方,不支持率は30%という支持率を上回る水準にまで達する異常状態を迎えているのです.
https://x.com/SF_SatoshiFujii/status/1846828217082302759

とはいえ,素直に選挙をすれば自公過半数割れは確実なのですが,公明党・創価学会員の選挙協力の関係で,自公与党が過半数を割ることはなさそうだとも言われていますが…実際のところは選挙当日にならないと分からないというところが実情です(特に,各社の世論調査は電話が基本ですが,電話の場合は若年層が回答しない,そして若年層は自民に対して批判的である可能性もあったりするので,調査だけでは票読みができない可能性も高いのです).

いずれにしても,石破氏が自民に対する逆風の原因が単なる「裏金問題だ」とだけ思い続けている限り,国民世論から超絶に嫌悪され続けることを避けることは不可能でしょう.

そもそも「嫌われ者」というものは往々にして,自分が激しく嫌われていることをあまり気にもせず,かつ,嫌われている理由を全く理解しようとすらせず,だからこそより強烈に嫌われ続けていく,という構図にあるものです.そしてその構図は岸田氏において完全に成立していたわけですが,石破氏においても強烈に成立してしまっているようです.

兎に角今,国民が求めているのは,岸田的でも石破的でもない「政策に対する真面目さ誠実さ」なのです.

高市早苗氏が総裁選で,当初「泡沫」とすら言われている中,党員票で最終的にトップに躍り出ることができたのは,岸田氏に代表される「政策に対して不誠実な政治家」ばかりでウンザリしていた国民(党員)が珍しく,「この政治家は,普通に国民のために政治をする政治家なのではないか?」という希望を,高市氏にわずかなりとも抱いたからなのです.

政治に無関心な日本国民がこれだけ強く,「自民を嫌悪」するという現象は希有なチャンス,とも言えます.岸田氏,そして石破氏は逆説的にもそのチャンスを作り出し,そして日々拡大し続けているとも言えるでしょう.

“岸破”的政治家どもに日本が潰されるのが早いか,彼らの不誠実な政治に対して日本国民が遂に重い腰を上げてそんな不誠実な政治家ドモを駆逐するような選挙結果が出るのが早いのか…いま,我が国国民は,腐敗した“岸破”的政治家どもとの潜在的競争状況に突入してしまっていると言えるでしょう.

我が国国民が腐敗政治家に勝利する日が訪れんことを,心から祈念したいと思います.

追伸1:石破内閣問題について,当方の会員限定メルマガ(https://foomii.com/00178)にて様々に論じています.ご関心の方は是非,ご一読下さい.

【見れば見るほど腹が立つ】不況で苦しむ国民に「国が何をしてくれるかを聞くな,一人一人が国のために何が出来るかを聞け」と総理の立場で言い放つ石破氏の人間性を問う
https://foomii.com/00178/20241016195812130409

『どんな事情があってもパーティ券収入不記載はダメだ』と言いながら,バックの岸田氏と自分の不記載は不問に付すような姑息な石破氏には「共感」も「納得」も絶対無理である.
https://foomii.com/00178/20241007204749130079

【国民を舐めるな!】「自公」過半数割れは十分想定内.そうなれば,石破内閣は史上最短の短命内閣となり菅・石破・森山は嬉々として「泥船」に乗った事になる.
https://foomii.com/00178/20241005134135129993

石破氏はなぜ,前言を翻し「解散選挙」を宣言為たのか? ~その答えは「ゲーム理論」で考えればいとも簡単に理解できる~
https://foomii.com/00178/20241001090521129817

追伸2:来週の10月25日(金)は,一年ぶりの三沢カヅチカ京都ライブ!まだ残席アリ.是非ご参加下さい!
場所:拾得(京都) https://www.jittoku.com/
出演:三沢カヅチカ(G & Vo) 早崎詩生(P) 堂畑直人(D) 山口敬太(B) Bill Mitchell(G, 第二部)
日時:令和6年10月25日(開場17:30 第一部19:00 第二部20:00)
チケット:前売り3500円,当日4000円(「10/25京都ライブ希望」と明記の上,氏名・人数を三沢カヅチカ事務局(sec-tba@trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp)までメール下さい).

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