政治

日本経済

2023年6月19日

【三橋貴明】選挙対策としての少子化対策

【今週のNewsピックアップ】
「日本人消滅」へのセンメルヴェイス反射
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12807826416.html
少子化・非婚化は「カネ」の問題なんですよ!
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12807978711.html

緊縮財政と自己責任論は
実に相性が良く、
政府の無策を正当化してくれます。

デフレが長期化し、
若い男性が雇用の不安定化、
所得水準の低迷により
結婚できなくなったとして、
「若者が結婚しないのは、
草食化したからだ。自己責任だ、自己責任。
最近の若者は根性がない」
などと、「切り捨て」をしてしまえば、
政府や政治家に責任は無い、
という話になります。

となれば、結婚適齢期世代の
救済をする必要はありませんし、
雇用の規制強化や、
デフレ対策の財政支出も不要です。

三橋らは「データ」に基づき、
日本の少子化の真因は「非婚化」であって、
結婚した夫婦が産む子供の数が
減っているためではない。
子育て支援は「少子化対策」にはならない
と主張を続けてきました。

最近になり、突如、マスコミに、
「少子化の原因は非婚化」
「非婚化の原因は
結婚適齢期世代の雇用環境、
所得水準の悪化」
という真実が報じられ始めたので、
吃驚しています。

いや、もちろん、正しい報道が
流れ始めたことは良いことでですが、
この急激な変化は、
何がきっかけだったのでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所の
鎌田健司氏(現・明治大専任講師)は、
2月の自民党会合で少子化対策について、
1.子どもをほぼ産み終えた夫婦の
平均出生数を示す
「完結出生児数」は変わっていない
(出生率低下への影響は少ない)
2.2010年代までの出生率低下の大部分は、
未婚化・晩婚化の影響
という研究結果を示しました。
(データを見れば、誰でも納得できます)

さらに、鎌田氏は
「30代、40代の非正規の男性の未婚率が
80~100%」というデータも示し、
 (引用)
 『他の調査では、
 非正規から正規に変わった男性の結婚意欲が
 急激に跳ね上がったとの結果も出ている。
 就業の安定が
 非常に重要ということが示唆されます』
と、指摘。

それに自民党のベテラン議員たちが
不満げな顔を見せたと、
鎌田氏は証言しています。

自民党内には、相変わらず
「少子化対策」として、
児童手当の拡充を推す声が根強く、
大幅増額を訴える議員も少なくない。
なぜなのでしょうか。

毎日新聞は
「有権者へのアピールしやすいため」
と分析していますが、それが真相だとすると、
自民党は端から
真面目に少子化対策をする気はない、
という話になります。

少子化対策までもが、
選挙対策としてのアピールの容易さが
重視されるとなると、
日本人消滅という未来は
回避のしようがありません。

◆小学館から「日本経済 失敗の本質:
誤った貨幣観が国を滅ぼす」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4093888973

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない
古代日本「帝国」の誕生」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike2_980_teika

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第519回 無関係ではいられない

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol737 人類史上「最低」となった貨幣乗数
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
マネタリーベースでマネーストックを割ることで
算出する貨幣乗数が「2倍」を
切ってしまった国があります。
間違いなく、人類史上最低の貨幣乗数でしょう。

◆メディア出演

亡国の財政制度等審議会
吉川のお爺ちゃん、まだボケてないよね?
[三橋TV第715回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/rI8v0P8oi_4

骨太方針2023議論開始
何でこんなことに政治パワーを
使わなきゃならないんだ!
[三橋TV第716回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/qquCA-IwEHY

日本国家存亡の危機
大震災という破壊神に備えよ!
[三橋TV第717回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/-H4DqXLXJBw

特別コンテンツ配信中!

シンガーsayaの3分間エコノミクス
【第62回 国際収支】
https://youtu.be/NCI1iO3Dqd4

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾
6月17日、三橋経済塾第十二期
第六回対面講義を開催致しました。
https://members12.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は中野剛志先生でした。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】選挙対策としての少子化対策への1件のコメント

  1. 利根川 より

    「自由とは全ての由を自分に求めること」

    だそうです。まあ、私が屑なのは私の責任ですが、「日本の少子化」とその原因である「雇用の不安定化」や「実質賃金の低下」は私のせいではございませんし、私が個人で何をどれだけ努力をしようが改善なんかされないわけで、自由と民主制を愛するわたくしですが、これについては文句を言うことと選挙で

    「消費税は社会保障の財源です」という明らかな噓

    を言っているゲロ以下の臭いがする候補者に票を入れないようにすること以外できることはなにもありません。
     雨の日も風の日もデモ活動や抗議行動など頑張っておられる方が大勢いて頭が下がる思いですが、恐らくそれをやることで政治に大きな影響を与えることはないかと思われます。

    岸田総理「緊張感を持続させたい」(解散風騒動についてのコメント)

    彼の言う緊張感というのは選挙に対する緊張感のことだと思われます。国民の生活を守るための緊張感ではなく、選挙の緊張感なのですよ。なので、国民にどれだけデモ活動や抗議行動なんぞやられたところで、

    政治屋「暇な連中だ、そんなことをやっている暇があったら働けよ」

    痛くも痒くもないものと思われます。
     そんな政治屋たちが最も恐れることが「落選」です。というよりも、それしか気にしていない節すらみられる。政治に影響を与えたいのなら血反吐を吐くような努力や行動をするよりも

    「選挙に行った方がはやい」

    ただし、政策内容も見ずに投票所に行って「TVによく出ている候補者」に投票するということでは状況を悪化させることにしかならない可能性もあるので、三橋さんや藤井教授、中野剛志さんや森永康平さんといったボランティアで「原因」について解説してくれている人達の話を時間がある時にでも聞いておくといいかもしれません。
     日本は民主制国家なので、個人の努力で社会の状況が改善されることはありません。個人の努力でどうにかなるのなら安藤裕さんや山本太郎代表あたりがとっくにどうにかしているでしょう。状況を改善させたいのなら

    ・多くの国民が問題点を知る

    ・問題点を解決する政策を掲げている政治家に投票する

    ことが必要です。幸い、三橋さんたちが10年かけて問題点については周知してくれたので、「昔よりかは」問題点を認識している人が増えました。昨今の「少子化の原因は未婚化」というTV報道も三橋さん達の活動の成果かと思います。ごっつぁんです。知ったならあとは選挙に行ってくれれば万々歳なわけですが、日本の場合、国民の半数近くが選挙に行かないという…(苦笑い)
     よく、

    「具体的な行動をしなくては!」

    と焦りもあらわに「何かしなきゃ、何かしなきゃ」とやっている方を見ますが、この30年間、

    「構造改革!既得権益の打破!組合つぶし!公務員削減!」

    という”具体的な行動”を保守の名のもとに(全体主義ともいう)行ってきた結果が今なんですよ。たぶん、体を動かして「やった気になる」前にしっかり考える材料を自分の中に積み上げる必要があるのではないでしょうか。
     具体的な行動ということであれば、「原因を知る」「選挙に行く」くらいで十分だと思います。所属できるところがあるのなら職業組合や地域団体に所属するのもいいかもしれませんが、そんなに「歯を食いしばって、時間を捻出して」とかやる必要はないと思いますし、個人がそんなに息巻いて頑張っても民主制社会はそう簡単に変わりません(そこがメリットでもある)そういった地道なことに耐えられない人がテロ行為に走るわけです。日本は海外に比べれば悲惨なテロ行為は少ない方だと思います

    日本人は確実に我慢強い。

    これは誇ってもいいものだと思いますよ。

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