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2024年8月10日
【藤井聡】被災地を「見捨てる」政府に徹底抗議した新著『日本人は国土でできている』(大石久和×藤井聡)をこの度出版.政府・財務省の棄民思想と闘うためにも是非ご一読下さい.
今週,国交省元技監の大石久和氏との共著
『日本人は国土でできている』
https://www.amazon.co.jp/dp/4819114387
を出版いたしました.この本は,産経新聞の,
「復興より移住を」!? 妄言・暴言に大反論 『日本人は国土でできている』発売
https://www.sankei.com/article/20240805-ADVZJAWO4VOFVCXACWVOAHXCAI/
という記事でも紹介いただいたように,能登半島地震の被災者達に対して「復興より移住を」とうそぶく財務省関係者や米山隆一氏等政治家を徹底批判した書籍だったのですが,まさにこの度,本書で徹底批判した「復興より移住を」論が岸田内閣下で堂々と正式に政府提言されたという報道が飛び込んで参りました.
「能登の復旧・復興「コスト念頭」 財務省、被災地は人口減」
財務省は9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、能登半島地震の被災地の復旧・復興は「将来の需要減少や維持管理コストも念頭に置き、住民の意向を踏まえ、十分な検討が必要だ」と訴えた。「被災地の多くが人口減少局面にある」ことを理由に挙げ「過去の災害の事例も教訓に集約的なまちづくり」を提言した。
復興が本格化する中、無駄な財政支出は避けたいとの立場を明確にした。
https://www.47news.jp/10766174.html
要するに財務省の財政審議会は,
「過疎地の復興は無駄」
だと断じ,
「そんな過疎地に住んでた人間は移住しろ」
と言っているわけです.
これはまさに棄民思想.つまり,「政府であるにも関わらず民を捨て去り,見殺しにする」思想そのもの.「政府は遂にここまで腐ったか」と思わざるを得ぬ暴言です.国民は「自衛」のためにもこんなあからさまな棄民思想を顕わにする政府を絶対に許してはなりません.
この政府の棄民思想は,この審議会の増田寛也会長代理の次の言葉にも明確に表れています.
「家の片付けが進んでない地域に、将来の議論をしようと言っても難しい」
あまりにも酷すぎるもの言いです.
家の片付けすら済んでいない方々だからこそ,「大丈夫,なんとかしますから安心して下さい.オカネの心配なんて何もしなくても大丈夫です」という態度を国家は取る必要があるのです.つまり,必ず街を復旧,復興させまるという「将来の議論」を通してはじめて,被災地の方々に希望が生まれるのです.
つまり増田氏は「家の片付けも済んでないから未来の議論はできない」と言うわけですが,それとは逆に「未来の議論があるからこそ家の片付けをしようと思うようになる」のです.誠に以て許し難い話です.
それにも関わらず,家の片付けも済んでいない被災者の方々に「もうオカネがないから復旧・復興なんて難しいですよ.移住考えてくださいよね」なぞと,政府が公式に言ってのけるなど,見殺しの思想そのものです.
まさにこうした「棄民思想」的態度に徹底批判したのが『日本人は国土でできている』(https://www.amazon.co.jp/dp/4819114387)だったわけです. 本書の中で,大石氏は次のように語っています.
『大石 能登半島地震ではもう一つ、非常に憤りを感じたことがあります。それは新潟県知事を務めた米山隆一さんがX(エックス)で、こう投稿したのですね。
「非常に言いづらい事ですが、今回の復興では、人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだと思います。地震は、今後も起ります。現在の日本の人口動態で、その全てを旧に復する事は出来ません。現実を見据えた対応をと思います」(二〇二四年一月八日)
と。この人は、本当に過疎地を多く抱えている新潟県の知事をやっていたのだろうかと思うぐらい、ひどい発言だと感じました。
われわれは何をするにしても、誰一人として日本人を失うことがあってはなりません。それと同じで、寸土といえども毀損させていい地域があるはずはないのです。われわれは、いただいた日本の国土をそのまま次の世代に引き継いでいく責任があります。そこに人が住んでいなければ、国土は荒れていくしかないわけです。』
(出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4819114387第六章『棄民思想がはびこっている』p154)
本当に酷い話ですが,恐るべきことに,この言語道断の米山発言は,SNS上でさして批判されることも炎上することもなく,世間からほぼスルーされたのでした.
つまり,この令和日本には,棄民思想が文字通り蔓延ってしまっているのです.そして今回の財務省の財政審の「過疎地の復興は無駄.そんな過疎地に住んでた人間は移住しろ」と言わんばかりの提言は,この空気を捕まえて出されたものなのです(無論,財務省は「そんな事言ってない!」「移住も選択肢の一つだと言ったに過ぎない」なぞと言うでしょうが,復興のための事業費を所管する財政当局が,被災者にそんな選択肢を提示するだけでもはや言外に「移住しろ」と言っているに等しいものです).
しかし,一昔前の平成日本では,そういう空気は必ずしも支配的ではなかったのです.『日本人は国土でできている』の以下の一節をご覧下さい.
『藤井 東日本大震災のときも、実はそういう声を政府近辺で聞きました。主に経済官僚や財務官僚からそういう声が出ていました。霞が関、永田町ではずっと囁かれていた発言なのです。東日本大震災のとき、まったく米山さんと同じものの言い方が暴露されたニュースがありました。
経産省の役人が自身のブログに「復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいいのに」「もともと滅んでいた過疎地」「じじぃとばばぁが既得権益の漁業権を貪る」等と暴言を書き込んでいたのです.これが発覚してこの役人は懲戒処分を受けていますが,この事案は単なる氷山の一角であって,多かれ少なかれこうしたメンタリティは霞ヶ関,永田町では潜在的に共有されてしまっていたのが当時の実態だったのです.』
(出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4819114387 p155)
つまり,一昔前の平成日本では,こういう棄民思想発言は,炎上し,大問題となり,懲戒免職を受けるに至ったのです.そして当時の財務省の財政審は決して,今回の財政審の提言のようなものは決して提言されはしなかったのです.
ところが,今やもう,そういう財務省的な棄民提言が正式に公表されても,さして炎上しないくらいにまで,棄民思想が世間一般に蔓延してしまっているのです.
事実,これだけの大震災なのに補正予算が一円も組まれないという異常事態に陥っているのです.
このままでは,本当に能登の人達は政府によって「見殺し」にされてしまうことになります.
そしてそんな事態を放置すれば,今まさに起こるリスクが高まっている南海トラフ地震が起こった時に何百万人,何千万人と産み出されてしまう被災者達も全く同じ様に政府に見殺しにされることになるでしょう.
そんな日本で,本当にいいのでしょうか?
私は絶対にそういう日本を拒否したいと思います.
そしてそう思う方は当方や大石先生だけでは決してないでしょう.
日本がそんな畜生以下の下劣な棄民思想に支配された国家に堕落してしまうことを避けるためにも,心ある国民の皆さんには是非,今回の財政審の提言に対して徹底的にご批判頂きたいと,考えています.
それは被災者の方々を救い出すためだけでなく,災害大国日本の将来の国民を,そして何より自分自身と自身の子供達を守るために今,強く求められている姿勢なのです.
ついては政府の棄民思想の加速を食い止めるためにも本書,『日本人は国土でできている』(大石久和・藤井聡著)をご一読下さい.
【藤井聡】被災地を「見捨てる」政府に徹底抗議した新著『日本人は国土でできている』(大石久和×藤井聡)をこの度出版.政府・財務省の棄民思想と闘うためにも是非ご一読下さい.への2件のコメント
2024年8月11日 9:29 PM
過疎地から出て行けという事は、過疎地への不良外国人による不法占拠を招くだけだが。
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2024年8月14日 9:25 AM
これはとてもいい記事。
政府が音頭取りした戦後のブラジル移民も
欧州諸国が長年行ってきた孤児輸出も
お勉強が出来すぎてバカになった官僚の所業。
拉致問題もそう。
奪還するために憲法改正しよう!など
下手な考えやすむに似たりの典型。
要するに助けようていう気がまるでない。
政府は戦後一貫して日本人を救わなかった。
臆面もない恥知らずの偏差値バカが
霞ヶ関や永田町に籠城して、
東大だというだけで無批判になる低脳国民が
これを機械的に支持してきた構図。
ひところのコンパクトシティ構想も
マイナカードのバカバカしさも
バカに籠城を許した為せる業。
選択と集中というのは、
要は採算に見合わなければ
需要があっても投資しないという
例の経営者の発想とかいう破綻したヤツ。
官僚べったりのJR北◯道が
増田のこれを真に受けてやり過ぎてしまい
いま優秀な社員から退職者が続発。
霞ヶ関ですら東大生に見放され受験減退職増。
その東大に是が非でも入れさせたいとする
お世継ぎ高校生のかあちゃん。
なりふりかまわぬ事大主義ぶりに
さては半島人かと疑われても仕方あるまい。
かくて弱者を蔑ろにして救わない棄民国家は
ご皇室までをも捨て去る運命に。
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