【今週のNewsピックアップ】
現場で働く生産者のパワーが
大きい経済を取り戻す
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12841195321.html
価格統制が正解になる環境
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12841716291.html
間もなく24年4月となり、
物流、土木・建設、医療、
バス・タクシーなどにおいて
「働き方改革」による残業規制が始まりますが、
特に問題視されているのが
「物流24年問題」です。
97年の橋本緊縮財政で
デフレ化した日本は、発注者側が、
「とにかく安く発注することが正しい」
という空気になってしまいました。
同時に、需要縮小による競争激化で、
受注者側も、
「とにかく安くても、何とか仕事をとりたい」
となった。
加えて、特に物流業界においては、
荷主側のJIT(ジャストインタイム)思想の
経営により、
「在庫を可能な限り圧縮し、
欠品リスクは物流を
酷使することでカバーする」
といった有様になってしまいます。
もちろん、荷主側は荷主側で、
デフレ下で激しく競争しており、
しかも株主資本主義が蔓延し、
「とにかく利益を最大化することが最善」
となり、在庫リスクは圧縮。
同時に、物流コストも圧縮と、
乾いた雑巾を絞るような経営が
当然になった。
加えて、この状況で日本政府は
「消費税増税」を繰り返した。
乾いた雑巾として絞られている下請け企業が、
消費税増税時に価格を
簡単に引き上げられるはずがない。
特に、運送や土木・建設、医療、
介護、保育などの
「現場」でブラック労働が横行し、
賃金が抑制され、
人が集まらなくなっていった。
そこに、少子高齢化による
生産年齢人口比率の低下が被さり、
日本は壮絶な人手不足に陥ろうとしている。
デフレ日本は、
「総需要が不足する
⇒生産された財やサービスが売れない
⇒価格を引き下げる
⇒生産者の所得が下がる
⇒総需要が不足する」
という悪循環を延々と続けてきました。
総需要不足に始まるデフレから
国民を守るにはどうするべきだったのか?
一つは、もちろん財政支出による需要創出です
(ケインズが言う有効需要)。
需要が不足しているのだから、
政府が財やサービスを
余計に買えばいいのです。
そして、もう一つが「価格統制」なのです。
価格に対する、
政府の規制強化、
事業者間に競争をさせない。
総需要が不足している状況で、
「自由競争!市場原理!」
などとやってしまうと、
各経済主体が生き残りのために
過激な価格競争に突入します(突入しました)。
これが、事態を悪化させる。
日本は90年代後半以降、
「緊縮財政+規制緩和」という
最悪の組み合わせを選択しました。
結果、世界第二位の経済大国が、
見事なまでに凋落した。
正解は逆で、
「積極財政+規制強化」だったのですよ。
デフレ期には「価格統制」こそが
正しいのです。
◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落
なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika
◆経営科学出版から
「年金倍増で日本経済は大復活する!
デフレの終わり、
第二の「高度成長」の始まり」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nenk_blog
◆メルマガ週刊三橋貴明Vol773
単方向の思考
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
なぜ、多くの人が
「誰かの黒字は誰かの赤字」
「誰かの資産は誰かの負債」
「誰かの支出は誰かの所得」
を理解できないのか?
人間は本来「単方向」の思考する生命体なのです。
◆メディア出演
落ち着いて聞いてください
正確な国家の統合BSの作成方法を披露します
[三橋TV第823回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/hu_DyJ-Y37o
アメリカと全面戦争!?
日本の食糧安全保障を揺るがす、
農業基本法の改正案とは?
[三橋TV第824回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/fM1I9XOBIiA
財務省様が
国の借金プロパガンダを更新されたので、
チェックしてみました。
[三橋TV第825回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/aHJkyG9-SFY
特別コンテンツ配信中。
2月28日(水)まで!
【暴露】自民党大物政治家の大嘘
国民に知られたくない不都合な真実
https://youtu.be/8V4IQfD9zgQ
日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが
三橋先生にひたすら聞いてみた第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/
◆三橋経済塾
三橋経済塾第十三期第三回対面講義の
お申込受付を開始致しました。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2080
ゲスト講師は大石先生から変更になりまして、
森永卓郎先生です
(大石先生は11月になりました)。
◆チャンネルAJER
今週の更新はありません。
【三橋貴明】デフレ期には「価格統制」こそが正しいへの2件のコメント
2024年2月27日 2:53 AM
新自由主義に端を発する株主資本主義については「失敗であった」という結果がすでに出ているわけですが、どうやら日本は未だに株主資本主義をゴリ押しする気のようです…
TV朝日の報道ステーションに出演した吉田貴司さんが次のようなことを言っていました。
吉田さん「この株高によってトリクルダウンが起きれば日本の景気も良くなるはず」
知らない方もいるかもしれないので一応説明しておくとトリクルダウン仮説というのは、
”富裕層減税などでお金持ち達をもっとお金持ちにしてあげれば、お金持ち達が今まで以上にお金を使ってくれるから、おこぼれにあずかる貧困層も豊かになれる”
というものです。まあ、起きないんですけどね、こんなこと。トリクルダウンなんてものが実際におきるのなら貧困層なんてものはとっくになくなっているはずでしてね…(苦笑い
考えてみてください、年収200万円の人が年に200万円使い切ってしまうことはあるとおもいますが、年収2億とかある人が毎年2億円使い切ってしまうことってたぶんないんですよ。つまり、高所得層を更に高所得にしてあげた所でたいして経済効果は上がらないということです。
加えていえば、株の転売を国家の経済の主軸にしようというのがそもそもの間違いです。もちろん、転売ヤー(投機家)は儲かるのでしょうけれど、それで得たお金で購入する商品は誰が作っているのでしょうか。その商品を運ぶサービスを誰が担っているのでしょうか。もっと言えば、株の転売でせっせと稼いだお金はどこの誰が発行しているものなのでしょうか。
株式投資(株の転売)など政府が後押しするようなことじゃないんですよ。
そもそも、ここ20年、どうして実質賃金が下がり続けてきたのかといえば、構造改革(株主資本主義の導入)で、利益が上がっても自社株買いや配当金に使われてしまって(株価のつり上げにつかってしまって)現場で働いている労働者に利益が分配されなくなったからですよね。構造としては株価を上げようと思えば思うほどに賃金(コスト)は低く抑えられていったわけです。
こうした経緯を経て「失われた30年」があるわけですが、それにもかかわらず「株高」に大喜びしているマスメディアにはため息しかでない…歴史に学べなんて自分にもできないことを「やれ」なんて言いませんが、せめて経験に学ぶくらいのことはしてもらいたい。犬猫だって一度痛い目に合えば次から警戒するくらいのことはするっていうのに ま~~~~~~る!
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2024年2月27日 4:15 AM
ちなみに、前にもご紹介しましたが、歴史に学べるとてもよい教材がありましてね。それがコチラ⇓
グローバリズム その先の悲劇に備えよ 集英社新書
だいぶ前に出版された本なので現在とは状況が変わってきているところもあるかと思いますが、一番選んではいけない選択肢にまっしぐらになりがちな日本の有識者(マスメディア含む)には是非とも目を通しておいてもらいたい本です。
まあ、どうせ興味のない本なんて買ってまで読まないのでしょうから一部をザックリご紹介。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
柴山桂太さん「仮に今後ともアメリカを成長軌道に乗せなきゃいけないとすると、製造業を復活させないといけないわけです。リインダストリアライゼーション、再工業化です。
というのも、アメリカ経済がダメになった理由の一つは、1970年代半ば以降、製造業の比重が低下してきたからです。
アメリカに限らず、先進国が高度成長していた時代は、製造業が産業の中心でしたよね。今、なぜこれほどまでに成長率が下がっているかというと、どの国でも、製造業からサービス業へのシフトが進んでいるからです。
今でも比較的成長率が高い国というのは、中国がその典型ですが、製造業がまだ元気な国ですよね。(※古い本なので当時はそうだった)アメリカは今GDPに占める製造業の比率が、12%ぐらいです。1970年代には20%を超えていたのに、どんどんそれが下がってしまった。これだと経済成長を続けるのは難しいし、格差もなかなか縮まらない。
よく言われることだけれど、サービス業は製造業と違って生産性の上昇に限界があるのです。製造業が衰退すると国内雇用の大部分がサービス業に行かざるを得ないんだけれども、サービス業で安定雇用を生み出すのは難しいんですよ。現に非正規雇用が多いですしね。製造業のように「規模の経済」が働かないから、賃金が急に伸びるということもない。
だから中間層を再生するには、アメリカの再工業化が必要だというトランプの直観は大きく間違えているわけではない。ただ、それは簡単なことではないのです」
中野剛志さん「多くの人が忘れているようなのだけれど、トランプに限らずレーガンもクリントンも、ブッシュだって、オバマだって、政権の前半は製造業の復活を掲げていたのですよ。でも、難しいのは、製造業の復活なんて大統領の4年や8年の任期の間では達成できないということです。
これは昔から言われている話ですが、製造業を支える基盤というのは、国民慣習や勤勉の精神といった文化の積み重ねです。それが壊れてしまうと、そう簡単には復活できない」
柴山さん「熟練労働者を育成するには何世代もの経験が必要だけど、壊れるのは一瞬。再び熟練労働者を育成しようと思うと、やっぱり何世代もかかる」
中野さん「だから、製造業が復活できずに、歴代の大統領は、政権の途中で金融の方に走って、金融バブルを引き起こして失敗してきた。金融業重視への転換が、レーガン政権ではブラックマンデーに、クリントン政権ではITバブルに、ジョージ・W・ブッシュ政権ではリーマンショックにつながったわけです。
なぜ金融でごまかすかというと、短い期間で簡単に成果が出るというのが理由の一つです。そして、先ほども触れたように、そもそもウォール街の金融層が政治を支配しているからというのが、理由の二つ目。
金融化によって国が弱るというのは、まさに第一次グローバル化の時代のイギリスで起きたことです。イギリス経済は、もとより金融街の「シティ」が支配するような構造にあり、金融支配だった。したがって金本位制の方がいい、自由貿易がいいという方向で進んだ結果、国内の製造業が弱ってしまって、覇権国だった大英帝国が凋落することになった。
1980年代以降のアメリカも、イギリスと同じ轍を踏んだわけです。どの国だって金融化を進めれば自滅する。その泥沼から、いまだに抜け切れていない」
柴山さん「しかも厄介なことに、金融化の方は、いったん始めると、後戻りがなかなかできない。その理由は、おそらくこういうことなんです。アメリカは1980年代から格差が急激に拡大していますよね。中下位層の実質所得は、もう何十年も増えていない。でも、金融化が進むと、所得の伸びが頭打ちになっているという現実が覆い隠されるのです。
歴史から見てみましょう。ケインズ主義の合意があった1960年代までは、冷戦下という事情もあって国民が貧困化して共産主義に走ってしまわないよう、失業救済が国家の第一目標だった。さらに労働組合も強かったので、賃金も上昇していた。
ところが1970年代以降になると、労働者の保護よりもインフレ退治のほうが大事になってしまった。失業者は別にいても構わないというふうに、話が変わってきてしまった。労働者の権利は削減されて、労働分配率は低下して賃金は上がらない。
そうなれば、本当は労働者は不満を持つはずですよね。しかし現実にはそうならなかった。その不満を解消するために、資産価格を吊り上げるという方向に政治が進んだからです。これは80年代、グリーンスパンが連邦準備制度理事会(FRB)議長だった時代に始まった」
中野さん「そうですね」
柴山さん「資産価格が値上がりすると、労働者は預金の一部を株に回すので、株が上がる。年金の原資が増える。持っている家の価値が上がる。それによって、労働者は資産が増えたと感じるわけです。
それがレーガン政権以降30年間、実質賃金は上がっていないし格差も拡大したにもかかわらず、人々がそのことに鈍感であった最大の理由ですね。
資産価格の値上がりが一遍はじまってしまうと、もう元には戻せない。今のアメリカは、何がどうあっても株価を下げるわけにはいかないという状態になっている。株が下がった瞬間に、あらゆることがおかしくなる。
だんだん日本もそうなりつつあります。円安で儲けた企業、たとえばトヨタですら、利益を株主に還元して株価を吊り上げているでしょう」
中野さん「企業は、株主に配当したり自社で株を買ったりするお金があるならば、本来は賃上げなどに回すべきなのに、それをしなくなったわけですね。だから労働者の賃金は上がらない。
かつ、そもそもグローバル化自体が、賃金のデフレ圧力になります。金融化もグローバル化も含め、結果的にあらゆる方法で実質賃金を下げる方向の改革をやっているわけです。
だから、実質賃金が上がらないのは当然です。そういう改革をやっておきながら、政府が経団連に出かけて行って賃金を上げてくださいと言ったって、頼まれた方だって困ると思いますよ」
柴山さん「賃金を上げたら、企業は利益が圧迫されるわけですよね。(価格)競争力がなくなって潰れる可能性もあるから、自分の会社だけ上げるわけにはいかない。
しかも株主資本主義が一遍始まっちゃうと止まらないのは日本だけが株主に対する配当をやめると、株価が下がって海外のライバル企業に買収される危険が出てくるからなのです。ここまでくるとチキンゲームですよね。中国企業に買収されるのが嫌なら、自社株買いでも何でもして、株価を吊り上げ続けるしかない。
賃金を上げてやりたいと思っている良心的な経営者も少なくないと思う。現に、日本の経営者の大半はそう考えていると思うのだけれど、世界経済が今のような状態である限り、それは不可能なんです。(価格)競争力を失うから」
中野さん「だから、アメリカにおける製造業の復活は、一筋縄ではいかない。
つまるところ、結局、アメリカが1980年代以降やってきた歴史の繰り返し、悪循環でしかない。政権の前半では製造業復活をうたい、それに失敗して金融業重視にシフトして、見せかけの経済指標向上に走ってバブルを起こし、政権の後半にバブルが破裂して危機に陥るというわけです」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1997年以降、延々と低下を続ける実質賃金。昨今のコストプッシュインフレや裏金問題で信頼を失っている政治家たち。見せかけの経済指標に走ってドツボにはまる愚は犯さないと信じたいところですが、株高に手をたたいて喜んでいるマスメディアや自称有識者達を見ていると溜息しか出てこない…
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