日本経済

2023年3月5日

【三橋貴明】憲法というユートピアニズム

【近況】

ご存じの通り、
三橋は憲法改正論者
(というよりも、憲法九条二項破棄論者)ですが、
現時点での憲法(九条)改正には反対です。

何しろ、国民が真っ二つに割れる。
防衛安全保障が脅かされている現在、
もはや憲法論議をしている余裕はありません。
国民の分断もダメです。

つまりは、手遅れです。
手遅れである以上、
「解釈」で何とかするしかない。

ところで、なぜ国民の多く(※推測ですが)は
憲法九条の改正(=九条二項の破棄)に
反対するのでしょうか?

それは、憲法の条文が
我々国民の思考に影響を与えているためです。
憲法とは、ユートピアニズムなのです。

「日本国憲法 第九条 日本国民は、
正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動 たる戦争と、
武力による威嚇 又は武力の行使は、
国際紛争 を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、
これを保持しない。
国の交戦権 は、これを認めない。」
そもそも、正義と秩序を基調とする国際平和など、
存在しない。

とはいえ、国際平和を誠実に希求する「べき」だ。
よって、国権の発動としての戦争等は放棄する。
見事なまでの、ユートピアニズムですが、
そもそも憲法とは「その国は、かくあるべき」
という話であり、
端からユートピアニズムなのです。
問題は、「かくあるべき」という
ユートピアニズムを妄信し、
現実の問題が解決不能になることです。

まさに、現在の日本がそうなのですが、
だからと言って
「憲法を改正すれば、全てうまくいく」
というのもまた、ユートピアニズムなのです。
憲法は守られるべき。憲法は改正されるべき。
どっちでも良いです。
この種の「べき論」には
付き合っていられません。

問題は、憲法を守ることでも、
改正することでもなく、
国民や国家を守ることです。
そのためには、どうしたらいいのか。

この種のリアリズムに
基づく議論が広まらない限り、
我が国の凋落は止まらないと思のです。

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メッキが剥がれた新しい資本主義(経営科学出版)」
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◆「マンガ
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◆週刊実話
 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
 第505回 デスゲーム

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol722
 週刊三橋貴明 Vol722 労働力の購買力化
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
働くとは、どういう意味なのか。
自らの労働力、あるいは労働時間を、
購買力(貨幣)と交換することなのです。

◆メディア出演

これでも原発再稼働に反対するのか?
犂と馬を使って農業しようよ
[三橋TV第670回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/EUbiNKRnZ6A

創価学会発「MMTを知ってほしい会」
公明党を変えるのが「鍵」なのか?
[三橋TV第671回]松田智臣・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/7rbtW26YRUM

インボイス制度導入はデスゲーム
ディーラーは財務省 ふざけんな!
[三橋TV第672回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/yhRJI0DzDrE

特別コンテンツ配信。

【危険】太陽光発電の危険性…
土砂崩れを引き起こす!
日本に合わない発電方法の実態とは?
【大石久和のプロジェクトJ】
https://youtu.be/0ZYBEvnvuKM

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
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真の異次元の少子化対策を教えてあげますよ」
(前半)三橋貴明 AJER2023.2.28
https://youtu.be/w-R_qEoq0sI

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【三橋貴明】憲法というユートピアニズムへの3件のコメント

  1. 財務省陰謀論なるデタラメと矛盾を信奉し続ける人たちも より

    ウ・トポスを追う人たちなんだろうね。

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  2. 利根川 より

    ニコロ・マキアヴェッリ「人間いかに生きるべきかということのために、現に人の生きている実態を見落としてしまうようなものは、自分を保持するどころか、あっというまに破滅を思い知らされるのが落ちである」

     さて、自民党に限らず多くの日本人が

    「勉強して努力して、そしてスキルアップしていけば生産性は高まるし給料だって増えるんだよ!お前の収入が低いのはお前が努力しなかった結果」

    というユートピアニズムに浸っていたわけですが2023年 3月2日の小池昭議員による質疑でこれが否定されてしまったという(苦笑い

    労働政策研究・研修機構の樋口実美雄理事長
    「アメリカやユーロでは生産性向上が賃金の上昇に結び付いているが、日本では生産性は向上しているのに実質賃金だけ横ばい」

    小池昭議員「これね、労働生産性が上がっても実質賃金上がってないわけですから、働く人の努力が足りないわけでもスキルが足りないわけでもないわけですよね」

    ということで、現実見たらいいなじゃないですか?
     
    小池昭議員ありがとうございました。

     まあ、日本はこの30年間ずっと需要が不足している状況が続いてきました。今をもってしてもデフレギャップが存在しているのが日本です。

    「日本はいまインフレじゃないか!」

    TVですら散々解説していますのでわざわざ私がやるまでもないと思いますが、現在のインフレは主に輸入品の価格が上がっていることによる物価の高騰であって、景気が良い事でインフレになっているわけではないわけです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     2023年1月の物価上昇率が発表になりました。
     CPI(総合消費者物価指数)が、対前年比4.3%、コアコアCPI(食料・エネルギーを除く総合)が、対前年比1.9%。CPIとコアコアCPIの乖離は2.4%。

     コアコア乖離は2.4%。高止まりが続いています。
     要するに、現在の日本の物価上昇は「食料」「エネルギー」価格の上昇により起きている。そして、食料とエネルギーは輸入物価上昇の影響を大きく受ける。

    新世紀のビッグブラザーより抜粋
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     実質賃金が上がらなかったり雇用が不安定化すると人々は節約をします。それによって世の中は需要不足になってデフレギャップが生じます。消費者に節約されると企業は売り上げが上がりにくくなるのでコストカット(派遣に切り替えたり、より安く請け負ってくれる外注に頼ったり)します。その状況下で労働者が努力をして新しいスキルを身に着けて新規参入とかやると、供給能力が強化されます。人々が節約をして需要が少ないのに供給能力が増えるので、より安く商品やサービスを提供しないと自分の商品を買ってもらえなくなります。収入(実質賃金)が減ります。振出しに戻る
     要するに、需要が少ない状況下(デフレギャップが存在する状況下)で、国民が頑張ってしまったから

    生産性が上がってるのに実質賃金があがらない

    ということになってしまっているわけだ。
     体にどこも異常がない元気な時はしっかりトレーニングしたらいい。風邪ひいたり栄養失調になったら飯食って寝てればいい。状況によって何が良い事なのかは変わってくるわけですが、日本は元気だろうと栄養失調でフラフラだろうとひたすらにトレーニングを推奨するという(苦笑い

     バカは風邪をひかないのではなく風邪を知らないのだ

    <今年度の「国民負担率」47.5% 所得の半分近くを占める 財務省>

    わざわざこんな数字をだされるまでもなく国民は生活が苦しいと感じていると思いますよ。

    <2019年 国民生活基礎調査 「生活が苦しいと感じている世帯の割合」>

    出典:厚生労働省 令和元年国民生活基礎調査

    全世帯:54.4%

    母子世帯:86.7%

    言わずと知れた重税国家、それが日本なわけですが、この状況下で更に消費税15%~20%を目指しているそうで、本当に頭がおかしい。増税されれば実質の収入は減るので更に需要は減ることになりますね。陰謀論とかそういったことではなく、日本を不景気に陥れているのは確実に緊縮増税を旨とする財務省なんですよ。

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  3. 利根川 より

    E・Hカー「戦争の多くが戦争当事国にとっては自国の生存を維持するための防衛的あるいは予防的な自衛戦争であって、帝国主義的な野心に基ずくものではない」

     ウクライナ戦争が始まってから1年を経過してしまいました。1年前には

    公明党・山口代表「物価高騰対策で消費税減税をやれという輩もいるが、今から消費税減税を準備したって実際に実施されるのは来年になってしまう。それでは意味がない」

    などと言っていましたが、あの時点で消費税減税ないし廃止をやっておくべきだったと思います。どうしてこう上の方の連中は危機感がないのか…
     公明党については松田智臣議員が「MMTを知ってほしい会」をやってくださっているそうなので、ぜひ多くの人に知ってもらいたいところですね。政治家としてしっかり活動している松田議員に言っても仕方がない事かとは思いますが

    自民も立憲も公明も、どうして上の方の人ほど無茶な増税推しをするんですかね?

     さて、話は変わってウクライナ戦争の話。
     以前、藤井教授からもお話があったように、ロシアがウクライナに侵攻したのは経緯的にはNATOが約束を破って延々と東に勢力を拡大し続けてきたことが原因の一つであると。
     今回の戦争、一部の専門家は「相当前から準備がされていた」と話しています。ロシアとウクライナは戦争が始まる直前まで

    兄弟国

    ということで、上のほうの入れ替わりはともかく民間はかなり仲良くやっていたように遠い日本からは見えました(水面下がどうなっていたかはともかく
     これ、NATOおよびアメリカとロシアの関係で戦争になっているわけですよね。ということは、ウクライナがどちらに付こうといずれあの地は戦場になっていたということに…これが運命というやつなのか。
     さて、他人の心配をしている場合じゃなくて、日本もこのままだとヤバそうな気配。
     日本は北はロシア、西には中国があるわけですが、ロシアとの北方四島の交渉では

    ロシア「日本だけであれば返してあげられるけど、日本に島を返してしまうと米軍がそこに基地を作るからダメなんだよね」

    日本「いやいや、基地なんて作らせませんから返して」

    ロシア「あのね、日本の領土のどこに基地を置くかは日米合同委員会で決められてるけど、合同とはいうものの、実際はアメリカが決めているって我々は知っているんだよ」

    ということで、ロシアが気にしているのは日本ではなくアメリカ。
     中国にしても、米国側の台湾をめぐる政策に対して

    中国「武力行使も辞さない」

    と言っているし、”漢民族の偉大なる復興”と習近平氏は言っているわけで、まあ、やるといったらやるのでしょうね。米国が台湾を支援する限りは…
     これね、ウクライナ同様、日本もこのままだと”米中の都合で”戦場にされかねない気がしているのですよ。こんなことを言うと

    「そこは外交でなんとか戦争を避けるように働きかけるべき」

    という意見がでてくるわけですが、日本一国で世界のGDPの17%を占めていたような時代ならともかく、今の日本にそんな外交力があるのかどうか…というか、なにか外交カードもってるんですかね?軍事もダメ、経済もダメ、発信力もダメ(インボイス制度でアニメーターの4人に1人が廃業)
     中国もロシアも気にしているのはアメリカであって日本ではないという感じを受けるわけですが、気にもされていない日本が外交力とか言って周りでギャーギャー騒いでも何が変わるものではないという気しかしない。
     さて、万が一おっぱじまっちまった時のことも考えておかないといけないわけですが

    TVコメンテーター「ミサイルが飛んで来たらどうしたらいいですか?」

    自衛官「地下鉄やシェルターに避難してください」

    コメンテーター「地下鉄がない所もありますし、シェルターなんて日本は配備率0%なんですが…」

    自衛官「じゃあ、伏せればいいんじゃない?」

    これですからね。ウクライナと違って何も用意がない(苦笑い
     10年前がターニングポイントであったか…

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