日本経済

2022年6月20日

【三橋貴明】大転換

【今週のNewsピックアップ】
22年10月の小麦価格改定と電力難民
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12748158090.html

電力改革の失敗と、始まった原発再稼働
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12748353295.html

日本は経済全体ではデフレ
(総需要不足)の状況が続いています。

とはいえ、
輸入物価上昇により
コストプッシュ型インフレは
始まっているわけです。

同時に、より「本質的な問題」が
露呈しつつあります。

すなわち、輸入されている原料、
資源、鉱物性燃料、食料などが「激減」し、
価格高騰以前に「モノが無い」
産業分野が生じつつあるのです。

正直、ビックリするほど、
一気に情勢が転換しました。

三橋も結局は「グローバル脳」で、
一次産品は生産されるか、
もしくは輸入されるというのを前提に
思考していたわけですが、間違いでした。

念のため、
日本は輸入依存度(財の輸入÷名目GDP)は、
世界で三番目の「低さ」です。

日本より輸入依存度が低い国は、
アメリカとブラジルのみになります。

とはいえ、問題は輸入の中身です。

【2021年 日本の財別輸入シェア】

http://mtdata.jp/20220617-1.jpg

図の通り、日本の財別輸入シェアを見ると、
食料、鉱物性燃料、その他工業用燃料という
一次産品が過半数を占めます。

一次産品とは、要するに「自然」から
得ることができる財ですね。

結局のところ、
人間の「経済」とは、自然の恵みを受け、
そこに段階的に様々な付加価値を加え、
最終製品として販売し、
所得を稼いでいるのです。

ちなみに、
この構造は製造業に限りません。
サービス業も同じです。

自然が与えてくれる財なしでは、
その後の供給能力がいかに強大であっても、
最終製品は生産できない。
これは真実というよりは、
単なる事実なのです。

例えば、現時点で以下の一次産品の
輸入が激減し、価格が高騰しています。

◆ 肥料の原料(カリウムなど)
◆ 建設資材の原料
◆ 木材
◆ 小麦
◆ ソバの実
◆ LNG

鉱物資源を見ると、
ロシアはパラジウムの輸出で世界一位、
プラチナ二位、アルミニウム二位、
マグネシウム二位、ニッケル三位、
鉄鉱石五位、クロム鉱八位、
ニッケル三位、アンチモン二位、
工業用ダイヤモンド一位、パナジウム二位。

この種の鉱物資源も、
今後は日本に入らなくなる可能性があります。

全農は肥料について、
すでに90%の値上げを実施しました。

ある肥料メーカーに聞いたところ、
来年度以降の価格は見通せない。
理由は、そもそも肥料が生産できるか
分からないためとのことです。
洒落になりませんわ。

また、建設現場では
建設資材や木材の供給が途絶し、
建設工事が滞る現場が出ている有様です。

自然が与えてくれる「モノ」を
支配する者が、最も強い。

これまでのデフレ日本においては、
「最終的に(消費者に)売る者が強い」
構造が続いていたのですが、
大転換が始まりました。

そして、この転換は、
少なくとも数十年は終わらないでしょう。

 

◆「財政破綻論の嘘 
99%の日本人を貧乏にした
国家的詐欺のカラクリ(経営科学出版)」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38zase_blog

 

◆「歴史教科書が教えてくれない日本建国の謎
闇に葬られた日本人のルーツを解き明かす!
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38NIKE1_980_BLOG

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
第470 日本国民の敵

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol685
インフレギャップの到来
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
日本は需要不足(デフレギャップ)が
存在する状況で、
輸入物価上昇によりモノ不足
(インフレギャップ)が
到来することになりました。
詳しくは、メルマガで。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

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[三橋TV第559回]三橋貴明・高家望愛
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6月17日公開!
[三橋TV第560回]三橋貴明・高家望愛
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[三橋TV第561回]三橋貴明・高家望愛
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【第40回 人材投資】
https://youtu.be/vYj44SlyGPI

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(三橋貴明)
https://youtu.be/lRMWTcVrCzQ

【6月19日(日)まで】
堤未果の初監修本!
暴走するマネー資本主義が完成
https://youtu.be/HfQHN-5qVpA

◆三橋経済塾

三橋経済塾第十一期
第六回対面講義を開催しました。
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は施光恒先生でした。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ちくださいませ。

◆チャンネルAJER 
「財務省が掲載している決定的な証拠」
(前半)三橋貴明 AJER2022.6.14
https://youtu.be/IS9FKLTSNUE

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【三橋貴明】大転換への3件のコメント

  1. 三橋氏もショックのポールシフト より

    何とこれは衝撃的告白で強気の三橋氏からかつて聞いた事のない経済予測ですね、つまり分母たる名目GDPが下がれば輸入依存率も上がり名目GDPは円安では当然下がり完成品の付加価値も目減りしますよね、分子たる一次財の品不足で輸入価格上昇は為替差で更に決定的追い打ちをかけ完成品の付加価値どころか完成品の大減少もっと悪ければ消滅をもたらしますよね。これは戦後の工業製品輸出国の成り立ちの根幹に関わるビジネスモデルの破綻ではないですか?
    特にデフレを30年間放置したバカ自民党、デフレ時代に規制緩和グローバル化をやった小泉安倍竹中の行為は重大どころか万●に値する国家百年の計をぶち壊した国家犯罪でしょう
    だから竹中らと組んで税金の着服横領に精を出すのですね。
    たひね、コクゾク!

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  2. 利根川 より

     昨日、NHKの番組「日曜討論」に高市早苗議員が出演しておりました。番組内で

    「社会保障のためにも消費税は必要」

    であることを繰り返し強調しておられましたが、youtubeの新経世済民新聞 三橋貴明公式チャンネルの時の高市議員とは別人のようで驚きました。
     麻生議員も下野時代と現在とでは言っていることが180度違っていたりしますが、自民党の議員と言うのはそういうものなのでしょうか。
     自民党内で積極財政への転換のために力を尽くしてくれている西田昌司議員には申し訳ないのですが、自民党の上の方の方々は「選挙の時だけ適当なこと言って合わせておけばいい」という態度が透けて見えるので、西田議員の名前を書くことはあっても自民党・公明党の名前を書くことはないと思います。
     同番組では日本維新の会の音喜多議員が

    音喜多議員「日本はデフレギャップが少なくとも20兆円はあると言われています。20兆円分『需要』が足りないんだから消費税減税などで政府が需要を喚起する必要がある」

    と発言しておられました。大変真っ当なご意見だと思うわけですが、その後、

    音喜多議員「規制緩和で経済成長すべき」

    などと発言していてずっこけてしまいました。音喜多議員が自ら言っているように日本は「需要」が足りないわけですよね。「規制緩和」で「新規参入を促す」っていうのは「供給」を増やす政策なんですよ。「需要」が足りないんだから「供給」ではなく「需要」を増やさないとダメじゃないですか。
     主流派経済学は「セーの法則」を前提とした「一般均衡理論」をベースにしているそうで、「セーの法則」というのは

    セーの法則「生産物は常に他の生産物と交換できる(供給は常に需要を生み出す)」

    というものなわけですが、現場の人なら分かるかと思いますが、現実には

    「作ったものが必ず売れる(生産物は常に他の生産物と交換できる)」

    なんてことはないわけですよね。主流派経済学がいかに机上の空論なのかがよくわかります。
     で、この一般均衡理論に基ずいて政策を練ると「供給を増やす(規制緩和する)」と「需要が増える」ということになるので音喜多議員のような意見になるのだと思いますが、日本に暮らす中高年の方々なら分かる通り、

    30年以上、構造改革(規制緩和)を続けてきた結果が今(デフレギャップ20兆円)

    なんですよ。これ以上、同じこと(規制緩和)を続けてどうする。
     
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <日本の規制緩和とその結果>

    人材派遣の自由化(規制緩和)→結果:雇用の不安定化と低賃金化、それによる婚姻率低下

    大店法廃止(規制緩和)→結果:シャッター商店街、続く大型店舗の撤退、そして買い物難民

    商法改正(規制緩和)→結果:株主資本主義の台頭による実体経済の低成長

    郵政民営化(規制緩和)→結果:認知症老人を対象としたかんぽ生命不正販売蔓延
     
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これ以外にも、バス事業の規制緩和でバス事業に詳しくない経営者が新規参入、その結果スキーバス事故が相次いだりした例もありましたね。
     規制って意味もなく設けられているわけではないんですよ。モノと状況を良く考えてやらないと命にかかわってくるんです。日本はこの30年間「とにかく規制緩和」ってやってきたわけですが、正直ウンザリだよ。(電気ガス水道といったインフラを民営化するのなんてもってのほかですよ)
     経済についてパーフェクトな回答をしていたのは令和新撰組だけでしたね。

    「パーフェクト、パーフェクトだウォルター!」

     国防に関しては令和新撰組とは意見が合いませんでしたが、全ての意見が自分と一致する政党など世の中にないわけで、令和新撰組にはかなり好感が持てました。
     国防については、しっかり日本も国防費を上げていく必要があると思っています。
     残念なことに、日本は2010年にはGDPで中国に抜かされ、国防費でも今や中国の1/3、その間、保守政党である自民党が国防費を増やしてこなかったおかげで、日本だけでは国防が難しい事態となっております。なので、他国との連携(外交)というのも必要だと思いますが、その場合でも

    日本「俺は国防頑張らないけど、君たちの国防力(抑止力)をあてにさせてもらいますん」

    などと言ったらトランプさんじゃなくても「ふざけるな」って話になるでしょうしね。何をするにしても国防の強化は重要でしょう。(食料自給率もふくめてね。鶏のヒナはほぼ100%海外からの輸入だそうですが、そんな状況では空自ご自慢の空自唐揚げは戦時下になったら食えないでしょう、苦笑い)
     ウクライナ戦争を見ていれば分かるかと思いますが、どうして戦争が起きてしまうのかというと

    「勝てそうだったから」

    なんですよ。
     プーチン大統領は

    プーチン大統領「NATO側とは、これ以上東側にNATO勢力を拡張しないという取り決めを交わしていたにもかかわらず、その約束をNATO側が破ったのでロシアの安全のために軍事行動に出ざるを得なかった」

    と言っていますが、NATO勢力が拡大しているのなど今に始まった話じゃないわけです。では、なぜ今なのかというと

    「アフガニスタンからアメリカが撤退した」

    「クリミア半島を奪ってみたけど西側メディアは大した反応も見せなかった」

    「これ、今なら勝てるんじゃね?」

    といった具合。絶対勝てない作戦を実行するのなど日本くらいのものなので、どこの国も少なくとも「戦力的に勝てる」と思わない限り戦争などおっぱじめたりしないんですよね。
     正直、2010年のころならいざ知らず、今はもう「これ、イケるんじゃね?」と思われてしまっている感じがしないでもないわけですが、強化しないよりはしたほうがマシにはなるわけでして…
     

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  3. 利根川 より

     今、日本が何に困っているのかというと多くの人が

    「ガソリン価格があがって困る」

    「ガソリン価格高騰、それによる輸送費増、さらに、それによる商品の値段の高騰」

    これだと思います。
     で、そんな中、円安対策をしない日銀に批判が集まっているわけですが、じゃあ、日銀が円安対策に金利アップをするとどうなるかというと

    「住宅ローンや設備投資でローンを組んでいる人達がローンを払えなくなって詰む」

    といった具合に景気がより悪化するわけです。
     じゃあ、このまま金利を上げなかったらどうなのかというと

    「円安の影響で輸入価格が高騰し、モノの値段が上がって国民生活を直撃」

    といった具合ですね。つまり、日銀にできることなど現時点ではないわけです。
     では、ここで最初に戻りましょう。ガソリン価格があがって困っているのですよね?ガソリン価格を直接下げる事ができるのは誰でしょうか。そうですね、政治(日本政府)ですよね。
     私のような門前の小僧がわざわざ言うまでもなく国会では

    玉木議員「ガソリン価格がまったく下がっていません、トリガー条項の発動(ガソリン税減税)をお願いします」

    大門美紀氏議員「コストプッシュ型インフレを是正するためにも消費減税を」

    とやっているわけですよ。
     まあ、考えてみてください。消費税10%が無くなれば、当然、モノの値段は下がりますし、ガソリン税が下がればガソリン価格も下がるわけですよ。でも、現政権はこれをかたくなに拒んでいるわけです。
     不思議なことに、日銀を攻撃している人達の中で消費減税、ガソリン税減税をしない現政権を批判している人って見ないんですよね…
     もし、本当に現状(ガソリン価格高騰やコストプッシュインフレ)をどうにかしたいと思っているのであれば、その怒りは減税をしない現政権にこそ向けていただきたいですね
     

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