日本経済

2022年2月27日

【三橋貴明】グローバリズムの「裏切り国」

【近況】
2022年2月24日、
ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始。

1991年末にソ連が崩壊して以降の、
アメリカを覇権国とする
第二次グローバリズムは、完全に終わりました。

グローバリズムとは、
「緊縮財政」「規制緩和」「自由貿易」の
政策パッケージです。

ここで言う自由貿易とは、財のみならず、
サービス、資本、ヒトの移動の
国境を越えた自由も含みます。

当たり前ですが、各国が争い、
戦争が絶えない世界では、
グローバリズムは成立しません。

国家間の争いは、
必然的に国境の壁を引き上げます。

というわけで、
グローバリズムの成立には
「覇権国」が必須なのです。

特に、海軍力が圧倒的な
覇権国が必要です。

イギリスが覇権国だった
第一次グローバリズムは、
第一次世界大戦という「戦争」により
終わりました。

グローバリズムの覇権国は
「自由貿易」を各国に強要しますが、
その際に必ず「裏切り国」が現れます。

裏切り国は保護主義を採り、
国内のインフラ整備や産業政策、
企業育成により生産性を高めていきます。

結果的に、
裏切り国は「覇権への挑戦国」へと成長し、
覇権国と衝突することになります。

第一次グローバリズムの「裏切り国」は、
ドイツとアメリカです。

両国ともに「保護主義」を採用し、
国内の産業を強化していきました。

最終的には、第一次世界大戦で
イギリスとドイツが激突することになり、
両者共倒れの後、アメリカが
次なる覇権国として成長していきました。

さて、今回の第二次グローバリズムで
「裏切り国」から「覇権への挑戦国」に
成長してしまった(させてしまった)
国がどこか、お分かりですね。

中国の経済発展と軍事力の拡大は、
アメリカのパワーを相対的に弱め、
ついにはパックス・アメリカーナが
成立しない状況をもたらしたのです。

今後の世界は、否応なしに
覇権国なき弱肉強食の時代に突入します。

それにもかかわらず、
「プライマリーバランス黒字化目標を堅持する」
などとやっていた日には、
日本の亡国は確定します。

◆「竹中平蔵教授の「反日」経済学
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38hezo_980_af

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
第454 不確実性を乗り越える国家

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol668 安全保障とビジネス
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
平時には「デフレギャップ」。
ところが、非常事態が発生すると
急激に「インフレギャップ」と化す
安全保障の分野は、
ビジネスと極めて相性が悪いのです。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

13年3月以降の凄まじき
「国債の貨幣化」の実態を知ろう
[三橋TV第511回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/KvMdbsB8SfA

ムーディーズのシニアバイスプレジデントで
「これ」だよ・・・
[三橋TV第512回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/9pr39E0i4yE

国民分断策に乗らず、
みんなが結婚できる社会を目指そうよ
[三橋TV第513回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/jLKFKyWKr9Q

特別コンテンツ配信中。

シンガーsayaの3分間エコノミクス
【第24回 緊縮財政】
https://youtu.be/LjYrd3rVcJs

【2/28(月)までの限定公開】
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岸田内閣が日本を滅ぼす3つの理由
(三橋貴明)
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(三橋貴明)
https://youtu.be/xneYeuBdgKQ

2月28日 チャンネル桜
「Front Japan 桜」に出演します。
11時からLive配信です。
https://youtu.be/ezQQb_fBhSM

◆三橋経済塾

2月19日に開催された
第二回講義を配信しました。
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1751
ゲスト講師は、自民党財政政策検討本部 
西田昌司本部長でした。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER 
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【三橋貴明】グローバリズムの「裏切り国」への4件のコメント

  1. パックス ジャパーナ より

    人類の 安寧 平和

    全てのことは 日本に
    任せろ

    と いう 気概

    欠片も ない か、、

    ではでは お後が よろしいようで。。

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  2. 日本の憲法改悪に利用する売国奴は集団安保を言い出す口実にするだろう より

    個人的にはウクライナは今日の状況を予見できたし油断してた。
    ウクライナは世界有数の穀倉地帯だし、ソ連時代の戦略核兵器を保持してたし黒海に面する南進政策極寒のロシアからすれば絶対手放したくなかったと思うし
    ましてやNATOが来るなど許せないと考えるのは当然だ。
    現代のピョートル大帝 プーチンは元々大ロシア主義の政敵を殺しまくるスターリンの様な人物、新自由主義を憎悪してたし
    西欧のエネルギーを思いのままにできるようになってからは一種万能感を持ってた筈だ。
    かまってちゃん北鮮もミサイル打ってきたしアベを中心とする憲法改悪派に利用されない事を祈るばかりだ。

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  3. 大和魂 より

    私のウクライナ騒動の解釈は、ウクライナ側は国際社会の人々を貶めるグローバリストの強盗なんですね、何故ならイラクの大量破壊兵器問題は無視するし、アフガンは投げ出したし、シリアのイスラム国はねじり潰されましたし、トルコのクルド人は放置したまんまですから、コレだけでもユダヤ系は何をか言わんやですよね。

    そこに強盗一味のメディア関係者たちが、こぞってウクライナ人の人権だけを一方的に擁護する報道の態度には心底、卑劣極まりなくゲンナリしますよね。

    かたやロシア側はナショナリストの盗賊と言った感覚で、プーチン大統領はロシアの国民国家存亡の為に先々を見越しているからヘタレ日本とは大違いで、ある意味で国家の指導者としての憧れを、腐敗してる近現代史からナポレオンやナチスの実態を想像すれば、お解り頂けるはずです。

    ですからウクライナ騒動の顛末はこの先も二転三転しながら有耶無耶にされる公算は、かなり高いと考えているところです。

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  4. この世は既にあの世 より

    ベーシックインカム導入が必要ですね。金が無いと買えないので。老人のベーシックインカム反対論者からは年金というベーシックインカムを取り上げてしまいましょう。

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