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2014年4月8日

【藤井聡】「詭弁」の超分析

FROM 藤井聡@京都大学大学院教授
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喉のポリープ手術で10日弱、ゆっくり病院で過ごしたこともあり、普段なかなか出来ないことがいくつかできました。

その内の、最もジャンク(w)なものが、漫画を読むこと。我が家の中2病の中2の息子が(ただし、昨日から中3になりました!)、今はまっている漫画が「ノラガミ」という漫画で、お見舞いにこの漫画を10冊もってきました。

http://noragami-anime.net/「なんだかなぁ」と思いながら、眠る前にさくっと斜め読みしたところ、(まいどのコトで恐縮ですがw)これが凄まじく面白い。ついつい、一日、夜更かししてしまいました。これは、野良犬、野良猫の様な、野良にいる神様(だから、ノラガミ)のお話。その基本的な設定は、この人間界には、普通の人間には見えない「妖し」(あやかし)がウジャウジャといて、コイツが人に取り憑くと、「魔が差す」状況になり、いろんな悪さをしたり、自殺したりしてしまう….というもの。

で、この「妖し」(あやかし)、最初は、「取り憑かれる」のですが、そんな状態が続くと、その内、その人間そのものがアヤカシになっちゃうのです。そして、「妖し」(あやかし)になると、人間社会の中で人から(というか、親から)与えられた「名前」が消えて、正真正銘の「ヒトデナシ」(人で無し)になってしまいます。

いやぁ…….この設定、ホントに良く練られたモンだなぁ、と感心します。

よく周りを見回してみてください。アヤカシに取り憑かれた奴や、「こいつ、モロ、アヤカシじゃん!」、な輩、多くないですか(笑)?ちなみに、そんなアヤカシに長らく取り憑かれると、自分でカラダをコントロールする機会がなくなっていって、結局、心がカラッポになっていきます。で、そうやって心がカラッポになれば、立派なアヤカシなる。

で、そうなると心が無くなるので、良心も恥も何も無いですから、いくらでもウソをつくし、口から出る言葉のほとんど全てが詭弁ばっかになって、詐欺まがいなコトばかりやり始めます。

ただ、面倒な事にこのアヤカシさんたち、洋風の「悪魔」みたいに、「この世全体を敵に回してやるぜぇ、へへへへ」な根性はぜんっぜんなく、兎に角、この世間の流れに取り入ろうとします(なんつっても「取り憑く」のが、アヤカシさんの専売特許ですからw)。だから、なかなかぱっと見ではバレない。

特に、上司だとか社会システムだとか人気者だとか権力者だとか総理だとかに媚びに媚びまくり、自身がアヤカシであるコトがバレナイために全力を投入します。

だから、一般に身なりもよく、髪型もきちんとしてて、きちんとしたスーツをきて、きちんとしたメガネなんかをかけてたりして、話し方も「きびきび」としてたり、ぱっと見「さわやか」だったりします。

つまり、詭弁ばっか吐いてるし、詐欺まがいのコトばっかやるんですが、警察のやっかいになるようなことは絶対にやらない。っていうか、上司や権力者から目をつけられる様なことをしないどころか、逆にちょっと気に入れれる様なコトにもなって、社会の中で一定の信頼を獲得しちゃって、それなりの地位や収入を得ちゃう、という構造があるんですねぇ。。。。

いやぁ。。。。子供の頃から「悪魔」についてはよく感じたり考えたりしてきましたが、このアヤカシさんの生態については、ほとんど理解してなかったなぁ。。。とつくづく感じます。「嫌いな奴」は山ほど居ましたが(笑)、その背後にアヤカシが暗躍してたなんて、露知らず…..でありました(苦笑)。

…………..

ちなみにこのマンガ、実存主義や大衆社会論、アレントの全体主義論や「悪の凡庸さ論」なんかを、凄まじく分かりやすく、それこそ中2病のガキ共にもストレートに伝える構成になってる.…..何ていう風にも言えるのですが、実は、そんな西洋の超弩級の哲人達を「超えた」ものでもあります(!)

なんといっても、このノラガミは、そんなアヤカシを「やっつける」、っていう、極めて実践的な問題まで、取り扱っているからです!

こりゃもう、筆者が「大衆社会の処方箋」でやろうとした仕事と同じじゃん!!なんて一人で勝手に悦に入っていたのですが(お恥ずかしい w)、そのアヤカシ撃退法には、二種類あります。

第一は、禊ぎ。これは、取り憑いたアヤカシを打ち払うアプローチ。ただ、これは、命がけで、ミソグ方もミソガレル方も、命を落としかねません。何と言っても、「禊ぎは身削ぎ」だからです。でも、これが有効なのは、もちろん、取り憑かれた方が名を無くして、アヤカシさんになる「前」だけ。だから、普通はせいぜい、二十歳そこそこくらいまでしか、本格的な「禊ぎ」アプローチは有効ではありません。それを越えると、おおよそ、立派な名無しのアヤカシさんになっちゃってるからです。じゃぁ、そんなアヤカシさん達にはどうしたら良いかというと..…そりゃもう、「たたっ斬る」(!)しかないんですね。 もちろん、「おぞましい暴力」でなくて、清められた精神の発露としての「武」の力で、ですが。・・・・

でもこれって、このヘイワケンポウな世の中、なかなか絶望的な結論じゃないでしょうか(苦笑 なんつったって、我が国は巨大なブキコな訳ですから。。。http://www.geocities.jp/kyoketu/61052.html )

ちなみに、このノラガミの第一のアプローチである「禊ぎ」についての哲学をどうにかまとめたい。。。。ってことで出したのが近著、「大衆社会の処方箋」でありますが、この「武」のアプローチについては、今、まさにその考えを深めたい。。。と丁度思っていた所でした。ですから、このマンガ、かなりツボにはまった次第ですw

アヤカシさんって、要は、一見立派そうに見えるけど、詭弁ばっか吐く詐欺師ヤロー、っていうコトで、ハッキシ言って、今のビジネス界や政界や官界、あろう事か、アヤカシから逃れるための世界であったはずの言論界や学会、はてはドマイナー世界であるネット界のど真ん中にまでしゃしゃり出てきているのが実情です。

でも、こうしたアヤカシのヤローの皆様ガタには、「言論」で闘ってもなんら意味がありません。

なんつったって、心が無い詐欺師な訳ですから、言葉での論戦や討論が意味を持つはずなど、微塵もないのです。まっっこと、厄介な話です(そういえば、お気づきの方もおられたかもしれませんが、過日、その実例を実演差し上げた積もりでありましたが。。。。。。お分かりにならなければ、もちろんそれで結構ですw)。

で、まだお若い方々なら「禊ぎ」アプローチも可能ですが、それが出来るのは、大学とか研究室とか、そういう若い人を対象とした教育機関や家庭だけ。一般社会では、ましてや、30や40を超えて立派なアヤカシさんになられた方々には「無理」ですし「無効」です。
だから、この世の中、もうちょっと清めたい…..と願うのなら、「武」の力をナントカ拡大していく他に方法はないんですね(ちなみに、ノラガミは、そんな庶民の願いを、5円のお賽銭で引き受けてくれる、という、とても有り難いお話でしたw)。ちなみに、日本刀に象徴される「武」の力ですが、それはあくまでも「概念」であって、その具体の形は、「人事的」「社会的」「政治的」な力の行使(追放や制裁、等)を含むモノですが…..そのあたりはまた、じっくり考えて、何かの形で発信して参りたいと思います。そうそう、このノラガミではメインテーマとはなっていませんが、このアヤカシを打ち払う方法が、もう一つあります。それが、「笑い」です。

何と言っても、「笑う門には福来たる」(笑)。

これもまた、思想哲学的にはややこしいテーマですが、ラッシャーのマイクアピールやら、中邑のコシクネダンス「ヤォッ!」やら、最近恒例になってしまった水曜の朝の北じゃなくて西じゃなくて南じゃなくて。。。あのほれ。。。。等々を拝見しながら(&アヤカシに取り憑かれないように、日々、気をつけつつw)、またぼちぼち考えて参りたいと思います。

では!

<藤井聡からのお知らせ>
今日の話、理屈はどぉなってんの?って方は、下記をどうぞ。
http://amzn.to/1i93IiW

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【藤井聡】「詭弁」の超分析への12件のコメント

  1. メイ より

     入院中はゆっくりした時間がとれたのですね。本当に、良かったです。 お見舞いの漫画、可愛らしいですね。「漫画なんて」と仰らず、いつも、ちゃんと読んで下さって、面白さを解ってもらえて、お子さんも嬉しかったのではないでしょうか。微笑ましいですね。 また、作品に対する先生の分析や考察がとても面白いです。 「ノラガミ」は読んだ事は無いのですが、5円で妖しを引き受けてくれるなんて、良いなあ(笑)。 妖しのせいなのか、人を騙すのが平気で、罪悪感もあまり感じないような人間の実体を見抜くのは、相当難しいですよね。考えられるのは、詐欺師とか、工作員とか、悪気は無くて心を病んでしまっている、等でしょうか。 それにしても、こんなにも、魔的なものと戦う事をテーマにした漫画・アニメが多いのは、なぜなのでしょうね。 もしかすると、神道的な「穢れを払う力」のイメージが、どこかにあったりするのでしょうか。 

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  2. きらきら より

    藤井先生のお子様が凄すぎます。隠れてあらゆる哲学書も読み込んでいるのでは、とも思えます。また、ここに記載されるコメントで、鋭い指摘は、お子様のものかもしれません(笑)

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  3. プー太郎 より

    ブキコのくだりを読んでいて、藤井先生も大好きな進撃の巨人を連想してしまいました。(ネタバレもありますので、まだ読んでいなくて知りたくない方は読まないでください!)進撃の巨人の世界で壁の中の人は、壁が絶対安全だという保証は一つとしてないのに、それまでずっと安全だったのだし、壁の中にさえいれば、毎日寝て食べて生きていける、という意見が主流のようです。それに対して主人公は「それじゃ家畜と同じ」と切り捨てています。そして近頃、その家畜同然の壁内人類は、実は「猿」が壁内に飼っているような存在であり、「命令を聞く巨人」をつくるための原材料であったことが見えてきました。(まだ完全に謎が解明されていませんが、情況証拠的に。。。命令を聞く巨人はおそらく兵器的なものだと考えられます。)私にはこれが日本に見えてしまいます。。。ヘイワケンポウなる何の根拠もない壁を宗教の如く信じ、自分たちが肥えるために、本当に危機に立ち向かおうとする人たちを嘲笑い、足を引っ張る。でも、肥えた豚どもは実は、自分たちを壁の中に閉じ込めている存在 (進撃の巨人でいう巨人を操る猿) のための「命令を聞く兵器」であり、壁の中は正にブキコでしかない。そして、腐った精神を直す前に、経済発展で肥えることばかり考える始末。テーマ曲の歌詞どおり、家畜の安寧、虚偽の反映。(連想される例は他にもいろいろ有りますが、省略します。)この見方は自虐的すぎると言われるかもしれませんが、私はこの屈辱的な現状をちゃんと認識しないことには、「日本を取り戻す」道を見誤る気がします。進撃の巨人との連想は、作品における細かい人間関係や勢力の設定を無視し、あくまで個人的な主観による巨視的な考察ですので、あしからず。

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  4. poti より

    怪物と戦う者は、みずからも怪物とならぬように心せよ。汝が久しく深淵を見入るとき、深淵もまた汝を見入るのである──フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

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  6. s より

    >>先生、大丈夫ですか? 出家なされたほうがよいのでは? でも、現世で戦う先生もかっこいい^^>「いいにおい。。いいにおい。。。」「いいにおい。。いいにおい。。。」

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  7. はいらんだー より

    これまでさんざん詭弁を弄してきたあの人この人が、いま泥沼に嵌って抜け出せずにいるようですが、かような破目に陥ることはカナダ出身の日系米国人言語学者S・I・Hayakawaが『思考と行動における言語』ですでに言及しています。彼らは詭弁を指摘する人たちに対し、きまって「定義definitions」を要求するそうですが、この定義そのものがそもそも「迷信的superstitious」な代物であると、Hayakawaは60年以上も前に注意を促しているのです。「人は語を定義づければある種の理解が成立したように思い込みがちであるけれど、それは次のことを無視している。すなわち、定義づけに用いた語の方が、定義づけされた語そのものよりかえって重大な混乱やアイマイさを含んでいることもある、ということを」「定義づけに用いた語をさらに定義づけるということで救われるかと思ってやってみると、いっそう混乱して、さらに最初の定義づけに用いた語の定義づけに用いた語の定義づけ、さらにその定義づけをくりかえし、やがてどうにも逃れ出ようのない泥沼に入り込んでしまう」彼らは定義を聞き返すことによって、自らの詭弁を詭弁ではないと説明する言論人としての義務から逃れ、面倒な相手を泥沼に追いやることに成功できたつもりでいるようですが、Hayakawaは、定義を重んじる方が泥沼に陥ることになると書いているわけです。

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  8. s より

    >先生、大丈夫ですか? 出家なされたほうがよいのでは? でも、現世で戦う先生もかっこいい^^「いいにおい。。いいにおい。。。」

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  9. 匿各希望 より

    先生、大丈夫ですか? 出家なされたほうがよいのでは? でも、現世で戦う先生もかっこいい^^

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  10. すました顔して致命傷 より

    ここ最近の先生方が放つ「軽い」ジャブが、詭弁を弄する人達にクリーンヒットしていますね。いちいち反応して意味不明な詭弁を重ね、更に墓穴を掘る非常にわかり易い人も見受けられます。彼等のボコボコにされながらも効いてないふりには、嫌悪感を通り越して哀れみさえ覚えます。先生の火曜日のメルマガ、そして水曜日の昭和ヒットパレードが毎週の楽しみですが、もう乾いた笑いしか出てきません。

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  11. 長崎クリスチャン より

    上念司。お前いい加減にしろよ。善意の国民に嘘を撒き散らしやがって。俺の友達にもお前の嘘に騙されたと憤慨してる奴がいるんだよ。この野郎。本当にむかつく奴だな。言っておくが神様は見てるよ。俺はお前を殴りたいが殴ることはないだろう。聖書の一説にこういう言葉がある。「復讐するは我にあり。我これを報いん」。お前の悪行を神は報いるだろう。現世で逃げ切ったとしても死後に報いがあるだろう。お前は逃げられない。覚悟しろ。もちろん改心して再出発する道もある。お前が決めろ。

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  12. 山賊一号 より

    先週の正義のミカタで手探り感満載で見ているこちらが「大丈夫かいな?」とドキドキながら拝見してました。組長(藤原義明氏クリソツ)の喉が回復しているようで安心しました。今日のメールの素敵ですねw  ,r—+++-.、 /;:;:;:;ソリヽヾ;:;:;:;:ゞ/:;:;:;:;:;i       |{;:;:;:;:;ノ  ~=、 ,=~.|r^Y  -=・  -=・<ゝu!ヽ       )   ・・・・・・・  ! ヽ ,,,,゜゜,,,、ノ  {     3  j.  ヽ_   _ノ      ̄ ̄著作権フリーです

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