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日本経済

2021年6月30日

【藤井聡】「政府補償」と「自粛の適正化」のダブルで国民を救済せよ!

From 藤井聡@京都大学大学院教授

緊急事態宣言が解除され、五輪開催に向けて、世間の空気は先月から随分と変わってきました。

コロナについての「緊急事態」という言葉は、文字通り緊急事態なので、どんなコロナ対策であろうと、それに疑義を挟む事が不謹慎だ、という議論が空気を支配することになります。その結果、その緊急事態宣言下ではコロナ対策がどれだけ不条理であろうが無駄であろうが許容される事になります。

ところが、「緊急事態」の宣言が解除されると、そのコロナ対策が不条理なのか無駄なのかという事について吟味することが、許容される「空気」が流れ始めます。緊急事態宣言が解除されたまさに今、そういう「空気」が流れ始めているようです。

ついてはそんな状況を踏まえつつ、当方がこれまで論じてきたコロナ対策の基本的な考え方を本日は改めて解説したいと思います。

まず、当方が一番申し上げたいのは、この現実社会における実際の問題を解消しようとすれば、その場その場の状況を踏まえながら「様々な対策を組み合わせていく」という態度が必要不可欠となる、という一点です。

例えば、当方は「交通渋滞の緩和・解消」の研究を、もう30年以上続けていますが、その実践における常識は、

「ソフトからハードに居たる迄のあらゆる対策のベストミックスを目指そう」

という一点。

渋滞対策は大きくわけて二つ。道路を作るハード対策と、自動車需要を抑えるソフト対策です。

言うまでも無く、ハード対策が完璧であれば、ソフト対策は不要。めっちゃ道路がたくさんあれば、自動車需要を減らす必要なんて何も無いからです。

一方でソフト対策が完璧であれば、ハード対策は不要。つまり、どれだけ道路がちっちゃくても、自動車需要が滅茶苦茶少なければ渋滞なんて起こらないからです。

でも、実際にはハード対策を完璧にすることも、ソフト対策も完璧にすることも絶対無理

だから通常は、「可能な限りハード対策」を行うと同時に「可能な限りソフト対策」を行って、できるだけ渋滞をなくそうとするのです。

もちろん、ハード対策が十分進めばソフトなんてやらなくていい……となるので、「ソフト対策をやりたい!」と思っている人にしてみれば「ハードなんて進まない方が良いよ!」なんていうことを思ってしまったりします。でもソフト対策が完璧ではあり得ないのなら、そんな願望は、不道徳な「人非人」な願望ですよね。

同様に、ソフト対策が進めばハードなんてやらなくていい……となるので、ハードをやりたい人は、ソフトなんてやらんといて、と思ったりしますが、それも、不道徳な「人非人」な発想だということになります。

だから、本当に渋滞解消を目指している人は、ハード屋さんもソフト屋さんも、自らの限界を知りながら、お互いが敵対する側面があると認識しながらも、それを乗り越えて、

「ハードとソフト、手をあわせて、渋滞を解消しようじゃないか」

と認識し、助け合って、渋滞解消、という一つの目的を達成しようとするのです。

・・・こういうことは、防災のハード対策(堤防整備など)とソフト対策(避難対策等)との間にも起こることですし、経済対策の政府対策と民間対策との間にも起こるものです。

つまり、どんな対策も「完璧」であることなど絶対に無理なので、互いが互いを排除し合う側面は有りながらも、双方協力しながら、一つの問題を解消しましょう、と考えるのが、一般的な実務なのです。

当方はそういう認識で、コロナ不況問題も解消しようと考えてきました。

つまり、コロナ自粛によって困窮する国民を救うために、

「政府補償」という「公助」=官主導の救済

という対策と

「自粛の適正化」という「共助」=民主導の救済

という対策の二つを適切に組み合わせるべきだと考えているのです。

この両者はもちろん、上記の例の様に、互いに相反するものです。「政府補償」という「公助」が拡大すれば、「自粛の適正化」という「共助」の必要性は低減しますし、逆もまた然りです。

ですが、「政府補償」という「公助」が完璧となることは原理的に考えられず(例えば、片山さつきという自民党議員は、日本はロックダウンじゃ無いから補償なんてできないよといけしゃぁしゃぁと述べています)、したがって、ある程度の「自粛の適正化」という「共助」も必要とされることになります。

一方で、「自粛の適正化」という「共助」が仮に完璧にできたとしても、それでも「自粛」している以上は、経済被害は免れ得ず、したがって「政府補償」という「公助」が不要となることなど絶対にあり得ません(ましてやそれが「完璧」にできる事等もあり得ず、したがって、政府補償の必要性はますます高いものになります)。

つまり、コロナ不況で苦しむ国民を救うには、政府と民間が協力し、双方の取り組みを組み合わせることが必要なのです。

ましてや、今の中央政府が「緊縮脳」の政治家達・官僚達に支配されている状況下においては、「政府補償」という「公助」がほぼ絶望的に期待できないわけですから、誠に不幸にも、
「自粛の適正化」という「共助」に頼る傾向を強化さざるを得なくなるわけです。

・・・

こういう発想は極めて当たり前の話であって、渋滞対策も、防災対策、経済対策も皆同じ話だと考えられる……というよりも行政政策がこういう「ポリシーミックスで対応する」という構造を有しているのは常識だと言えるでしょう。

にもかかわらず、コロナだけは、「自粛の適正化なぞは全く考えず、徹底的に自粛して、経済被害が生じた部分は兎に角補償すればよいのだ!」と考える人がいたとすれば、当方はそういう見解には全く同意ができません

なぜなら第一に、エッセンシャルワーカーすら働かなければ社会も経済は動かず、人は全員早晩死ぬことになるのだから、徹底的な自粛なんて不可能だからです。だから、どこかで徹底自粛といいながら必ず「適正な自粛」を探らなければならなくなるからです。

第二に、どれだけ上手に政治活動を展開しようとも、現時点の菅内閣が、無尽蔵に政府補償をするという状況が生まれる見込みは限りなくゼロだからです。

そして第三に、仮に菅内閣が無尽蔵の政府補償をするとしても、カネだけで自粛の社会的被害を埋め合わせることなど不可能だからです。

・・・以上が、当方のコロナ対策についての基本的な見解なのですが、皆様は、以上の当方の見解についてどう思われるでしょうか?

もちろん、どういう見解を持たれる事も自由です。しかし以上の議論を無視し、適正な自粛を探る努力を全て害悪だと決めつける議論は、僕は思考停止に基づく完全なる暴論であると考えます。

とはいえ繰り返しますがもちろん、ご判断は全て読者に委ねたいと思います。

・・・では、また来週。

追伸:
なお、現在の菅内閣は、国民に対して徹底補償しようという意図は一切持ち合わせていない様です。誠に残念ながらそれこそが実態……是非、下記ご一読下さい。
『朝まで生テレビ』で露呈した政府与党の腐敗
https://foomii.com/00178/2021062712181281797

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【藤井聡】「政府補償」と「自粛の適正化」のダブルで国民を救済せよ!への5件のコメント

  1. この世は既にあの世 より

    藤井先生は正しいと思います。藤井先生、三橋さんと室伏さんは政治家になるべきですね。勉強議員は他から出馬したらどうか?と思う次第。

    私は思うのですが、コロナ禍は日本人の臆病さ、生命第一主義、高齢者民主主義が邪魔してる気がして仕方ありません。特に団塊の世代の老人達は正直糞だと思います。

    未だに毎日「藤井は俺の命を奪おうとする」と言ってます。データや現実など一切その老人には通用しません。終いには私まで「あれは自民党工作員だ」ですから、糞老人には死あるのみかな?と強く思う次第です。

    いわゆる団塊の世代のネトウヨは水島を見れば分かります。昨夜の討論を見てやっぱりな、と。

    彼らは先ず第一に自分が正しい、自分が可愛いというのがあって、そこから理屈を肉付けして行くんです。

    笑ってしまったのが、「宮内庁は反日勢力だ」です。水島君マジですか?また始まりましたね君の自己保身の解釈が。じゃあ陛下の心中はどうやって察するのですか?決め付けによるガン無視ですか?笑うねぇ「俺は保守だ右翼だ愛国者だ、俺が俺が、前へ前へ、ニッコリ笑って尖閣へ行く俺がヒーローだ」←豚顔でよく言うで。

    共同体だの文化だの領土だの仏教だの一銭にならんことばかり言って水島はどうする?

    団塊の世代の特徴でもあるのですが、水島のあれは現役世代の邪魔をする、後世の人生の邪魔をする、後世が小さな希望の芽を見つければ踏み潰す、摘み取る、そして「俺こそ愛国者!」ですから呆れます。

    飯盛衆は単なるネトウヨ。何でもかんでも中国に結びつけ馬鹿丸出し。中国中国、それと自分が前へ出ることばかり言って後世の経済なんかどうでもいいわけです。

    話は元に戻りますが1年前からコロナ脳の老人に「おい、役所、スーパー、生産者、物流、治安、消防」色々と自粛出来ないだろう?と問うても「藤井が藤井が、俺の命が」ですから、全く話になりません。

    老人に限らず中年も、半導体業界は装置業界なんか特にそうですが、海外との人の往来は不可欠なのに、「ゼロコロナ!なんだ!藤井はコロナについては黙れ!」「BIはMMTじゃないから反対だ!だからコロナ禍の給付金も馬鹿げている!そんなのは必要ない!徹底自粛だ!」ですから、鎖国なんか出来ないんだからコイツはアホちゃうか?と思います。

    てか、そんな糞老人の寿命なんか知らんわい!です。水島を含め老人には虫唾が走って走って仕方ありませんね。

    そんな連中はどうでもいいと思いません?

    何か自分が偉いとでも勘違いしとるんですよ、人にいうことをきかせるには、金を払うこと以外には事実上無いんです。

    そこですよね。

    富裕な時代を過ごしたアホな老人は「自粛だ、俺の命だ!」そればりですから嫌になります。

    誰も老人に死ねとは言ってないですよね?

    「勝手に自粛しなさいよ、恐いんでしょ?長生きしたいんでしょ?誰も反対なんかしてませんよ?」と言っても納得せず、

    結局コイツら、「俺は酒は飲みたい、外出したい、人生を安心安全に謳歌したい、例え子供や女性、現役世代の誰を犠牲にしても」と思っとるんですが、それとっくにバレてますんで通用しません、言うてもガン無視するんですよねぇ。

    子供や女性の自殺者増えてますよ?と言ってもガン無視で「藤井が藤井が」ですから病気ですよね?

    個人的にはそういう糞老人を中心とした糞野郎の命なんか踏み潰してやろうか?とマジ思いますね。

    なので意地でも、自分たった1人でも糞を無視して自由に行動するしかありません。付き合いきれません。

    どいつもこいつも「あれ払え、これ払え、あれをするな、これをするな、迷惑だ」えーい、やかましい!

    不細工と高齢者に目立ちます。水島なんかスマホショップ店員にクレーム付けるクレーマーそのものです。店員皆は思ってますよ「高齢者は使い方が解らないなら買うな!」と。

    店の裏にサンドバッグありますけどね。高齢者の皆さんから解ってます?

    高い高いとお前ら高齢者が使わないクセに言うから菅が携帯料金値下げ、とか言い出すわけで、何でお前ら高齢者中心に世の中回していかなアカンのか?

    日本を叩き壊しただけの高齢者は納得いくように教えてくれる?

    何年も前から高齢者民主主義には頭に来てるんで私は馬鹿高齢者なんか無視して自由にやりますんでね。

    しかし高齢者なんか無視すればいいのに。何でいつまでも政治家、財界、メディアの高齢者連中に従ってるんだろうか?高齢者なんかと喧嘩しても当然負けないですよね?今の高齢者なんて大抵はアホなんだから従う必要なんか一切無いんです。

    結果見たらいわずもがな。

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  2. 自分で自分を裏切るな より

    新型コロナ感染症対策に交通渋滞の緩和と適正の常識なるものを引き合いに出して論じる非常識に、テイノーだから気がつかないのか確証バイアスにかかって見て見ぬふりなのか、例によって私怨を公憤にすり替えるクソみたいなクズが藤井を称賛。

    襲撃迫る東南海地震に対し莫大な国費を費やしてでも万全の備えをとレジリエンスを主張し建言した同一人物が、いままさに襲撃中の新型コロナ感染症には交通渋滞対策レベルのベストミックスが常識だとか、藤井のレジリエンスに一度でも共感したことのある人ならあれっ?と思うのが普通の感覚だろうが。

    津波の浸水地域に住むなと言われて内陸の高台へ移住を強いられる。離れた漁港までわざわざ通わねばならない。時間と経費が余計にかかるが、その分まるまる国が面倒みてくれる訳ではない。個人の持ち出しである。

    ベストミックスと言うのであれば、地震発生確率が高まるまでは沿岸で暮らしてよく、確率が高まったら高台へ移住するのが漁民の自由と生活を思いやり、かつ理性的で合理的ということになる。が、そんなことが防災対策で実際に可能なのか。

    テイノーでもクズでもないまっとうな支持者を自認する人たちほど、支持する相手が少なくとも昨年以降いままで何を言って、何を書いてきたのかを容易に思い出し、深く沈思しているのではないか。これに対し、もろ手を挙げて喝采を送っているのは、孤独を埋め合わせて貰えて喜んでいるその場限りの能なしだけ。その能なしが藤井の首根をもっとも圧迫している。

    コロナ禍以前の藤井の言説に示唆を受け学び共感することが多かったが故に、以後の言説の多くを自己矛盾で非科学的とみて私は賛成しない。藤井は自分で自分を裏切らないでほしい。

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  3. 大和魂 より

    藤井先生も何やかんやで前川喜平や宮台真司なんかと同じく、奥歯に物が詰まってらっしゃるわけです。

    つまりは玉木雄一郎や他の財務省関係者と同じ行動力しかないわけで、私の地元のヘタレ老害に該当する野田毅と同等に、お見受けしている観点から少しは亡くなられた師匠や森田実さんを見習っていただければと思いますね。

    まあビジネス憂国お仲間右派に参集する連中とは一線を画す姿勢には賛同を致しますが、なにせ日本の裏の顔に当たる闇の特別会計【永田町のタブー】の議論の余地も財務省関係者は一ミクロンも承認しない訳だからPB黒字化を法律に盛り込もうとしているわけで、結局は経産省主導の国策云々も単なる空言にしか過ぎない訳です。

    しかし情弱で低次元の日本の尊厳と国益を護る会関係者や安倍、菅シンパで活動している奴等よりは幾分かマシで、安藤議員の政界引退も核心部分はここだと解釈しているところで、劣化した誇りや絆は是非すらにも値しない蛮行ですよ。

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  4. F-NAK より

    リスク管理は、一点集中ではなく、考えられるリスクをすべてリストアップし、大局的に戦略を考えなければいけませんね。基本です。

    今回のコロナ禍では、政府はおろか、優秀だと思われていた言論人でさえ、それが出来ない人がゴロゴロ出てきました。

    リスク管理のプロセス自体は難しいものではないですが、人間は自分に影響のあるリスクを過大評価し、自分に影響のないリスクを無視してしまいます。

    先生方には、ご自身にも影響のある感染症のリスクを冷静に評価し、ご自身たちには縁遠い経済苦や自殺、若者の教育機会の損失のリスクも冷静に判断し、活動を続けてほしいと思います。

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