日本経済

2020年5月17日

【三橋貴明】自民党の消滅(前編)

【近況】

KKベストセラーズから「自民党の消滅」
(kindle版)が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B088GLYGBD

何しろ取次や書店が閉鎖状態にあるため、
書籍版は6月26日予定と、
一か月以上も後ろにずれこんでしまいました。

本書はタイトルに「自民党」という政党名が
入っていますが、実のところ「国民国家」
「権利」「民主制」がテーマになっています。

三橋が、
「国民が主権を持つ民主制の国民国家」
としての日本国にこだわっているのは、
「そうではない国家」を
多く知っているためです。

非・国民国家の代表は、
現代で言えばもちろん中華人民共和国です。

あるいは、朝鮮民主主義人民共和国、
エリトリア、タジキスタンなどの
独裁国もそうですね。

歴史的に見る限り、曲がりなりにも
「国民全般が豊かになる」経済を
実現したのは、日米欧などの
「国民国家」に限られます。

梅棹忠夫の言う
「第二地域の帝国
 (中国、ロシア、インド、イスラム)」や、
スペインに征服された中南米、
西欧諸国と「奴隷交易」を
したアフリカ諸国など、多くの国々は、

「特定の誰かが所得を独占し、
 国民のほとんどが最低生存費水準
 (あるいはそれ以下)に据え置かれ、
 貧困に苦しむ」

スタイルで、歴史を積み重ねてきました。

欧米諸国の「植民地」に堕ちた、
帝国主義時代のアジア・
アフリカ諸国も同様です。

理由は簡単で、その国の政治制度が
「国民を豊かにする経済政策」を
許さないためです。

帝国主義時代の植民地の住民は
「主権」を持っていませんでした。

皇帝制の国々の人民も同様です。

あるいは、独立後の南米諸国では、
ビジネスと政治が結びつき、

「カネがある特定の誰かが政治を動かす」
時代が続きます。

結局のところ、
ポイントは「主権」が実質的に
大多数の国民に共有されているか、
否か、なのです。

「権力を独占する特定の誰かが、
 国民を豊かにする政策を推進する」

といった政治制度は、
物語の中にしか存在しません。

現実には、権力を独占した誰かは、
ひたすら「自己利益最大化」のための
政治を推進します。

と言いますか、
そもそも「自己利益最大化」のために、
権力の独占を図るわけです。

というわけで、
「国民が豊かになる経済」
すなわち経世済民は、
国民国家でしか成立し得ません
(国民国家ならば、経世済民が実現する、
 というわけでは必ずしもありませんが)。

そして、国民国家及び民主制を
維持するためには、ナショナリズム
(国民意識)が不可欠です。

我が国において、
要たるナショナリズムを、
1980年の大平内閣以降、
自民党政権が破壊していった。

要するに、グローバリズム路線ですが、
グローバリズムにより日本国民の
ナショナリズムが破壊されると、
民主制が不可能になります。

となると、民主制日本の政党である
自民党も消滅する。

別に、自民党が消滅しようが
存続しようがどうでもいいのですが、

「国民国家 日本」は
守らなければなりません。

だからこそ、三橋は
「過去の言論活動の集大成」
ともいえる大作「自民党の消滅」を
書いたのでございます。

◆過去十年以上に渡る三橋の
 言論活動の「集大成」とでもいうべき、

 「自民党の消滅(ベストセラーズ)」
(kindle版)が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B088GLYGBD

◆時局2020年6月号に、
 連載「三橋貴明の経世論 
 第39回 第二次世界恐慌」
 が掲載されました。
http://www.jikyokusya.com/

◆リベラルタイム 2020年06月号に、
 「中国依存脱却で日本経済は復活する!」
 を寄稿しました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B084Z5FWL4

◆週刊実話 連載
 「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
  第369回 国民の敵と化した安倍内閣(後編)

なお、週刊実話の連載は、
以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol573 ドル建て国債の真相
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

MMTや銀行の貨幣発行
(Money creation)について知ると、

「なぜ外貨建て国債を
 発行する国があるんだろう?」
と疑問を覚えません?

◆メディア出演

三橋TV第234回
【財政破綻論者の断末魔 
 三つのパターンを完全撃破!】
https://youtu.be/DdqKjNat7Yg

三橋TV第235回
【土居丈朗先生 
 貴方はとてつもなくおぞましい人物です】
https://youtu.be/Xmc4TS-IfmM

三橋TV第236回
【国債発行は政府貨幣発行 
 財務省が死んでも認めたくない真実】
https://youtu.be/cmAQKwVJqL0

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続々と配信されていっています。

「9月入学推進派の3つの大罪」
コロナを利用したメディアの悪徳商法
https://youtu.be/MuncY4NnwyM

◆三橋経済塾

5月16日(土) 
三橋経済塾第九期第五回講義が開催されました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75

ゲスト講師は中野剛志先生でした。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】自民党の消滅(前編)への1件のコメント

  1. 大和魂 より

    先ず、三橋先生が自民党の議員に、ならなかったことは、不幸中の幸いだったと 思います。それは佐藤健志先生も指摘されている、対米従属は爽快な末路の本質だからです。そもそも米国の政治思想は左翼主義と認識するべきなのです。ならば、これだけでも十分に、自民党の存在意義は、野党のリベラルと大して変わらない訳です。この基本も、ほとんどの国民は認識できないで選挙など、おこがましい限りですよ!ましてや選挙の資格すら値しない事です。それから自民党の、日本の尊厳と国益をなんちゃって会は、その名称自体が矛盾しており、当然その結果など出せる訳などあり得ないですよ。トホホ。それに左翼を非難する安倍政権をヨイショする連中こそ日本を貶める国賊に十分に値します。

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